6歳の長女Eの、最近の趣味は、読書。
暇を見つけては、黙々と本を読んでいる。
先日、「ママー、バクって本当は、夢食べないらしいよ、ほら、、、」と、持ってきたのは、動物図鑑。
「えー、そうなの?」と、読んでみると確かに、「本当に、夢を食べるのでは無く、食物はおもに、、」とある。
少し前まで、動物園に行ってバクが夢を食べるところを見ると、張り切っていたEだったが・・。
空想の世界から、少しづつ現実を知って行く彼女を見守る、私の気持ちは複雑だ。
一見、クールな幼稚園児なのだが、
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「00ちゃんのお母さんは、魔女なんだよ。」
とか、とんでもない事を、信じ切っていたりする
E。メリーポピンズに出会っても、
驚かないのではと、感じるふしもある。
しかし、こんな彼女の世界も少しずつ、
ほんとうの事に塗り替えられつつあるようだ。
夏は、虫が多い季節。
虫を怖がっていたEも、最近では名前を知りた
がったり、観察するようになった。
急いで、図鑑を買ってきた私だが、彼女に現実を知らしめる材料となってしまったようだ。
くもが、他の虫を食べている事、死んだ虫は、他の小さな虫たちの食糧になる事、等々・・・
この現実は、彼女にとっておおきな驚きだったよう。
そんな事を知ったある日、家の前の植木に、バッタの赤ちゃんがいっぱい産まれていた。
ほんの5ミリほどの、この小さな命を、Eは愛おしそうに、見守っていた。
暫くして、そのうちの1匹がピョンとジャンプした。
「どこ、行くのだろう?」と、追いかけていくと、もう一度ジャンプ。丁度、そこに小さなクモの巣が、、、。
哀れなちびバッタは、ピッタリくもの巣に、張り付いてしまった。すると、どこからともなく、
小さいクモが現れて、バッタに糸をかけ始めた。
暑さも忘れて見ていると、糸でがんじがらめにされたバッタを、くもが食べ始めた。
「もう、助けられない?」と、E 。
「クモも、生きるために必死なんだよ、人間も虫も、ごはん食べないと、死んでしまうのよ。」
そう答えることしか、出来なかった私。
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次の日、出がけに玄関先でしゃがみ込んでい
るEに、「どうしたの?」と、聞くと、
「昨日のくもの巣、壊れちゃってる。」とE。
その日以来、”命”というものについて、
考えはじめたE。
夜、ふとんに入ってシクシク泣き出したEに、
「どうしたの?」と、聞くと、
「みんな、死んじゃうの? バッタみたいに、、
。おばあちゃんとか、ばーばちゃんとか、ヒロちゃんとか、、おじいちゃんとか、、、死んだらイヤなのー、、。」
と、泣き出した。
その後、「死んだら、みんなどうなっちゃうの? どこにも、いなくなっちゃうの?お空の上へ、行くとか言うけ
ど、どこへ行くの?」と、質問もかなり哲学的になってきた。
しかし、6歳になったばかりの彼女に、どう説明して良いものかと、思い悩む私。
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下手に大人の考えを伝えると、
余計混乱することもあるもの。
図書館で”葉っぱのフレディー”と ”てんごく”
という本を借りてきた。
ちょっと早いかなとは、思ったものの、
意外にも彼女は何回も読み返していた。
「人間もフレディーも、同じなんだって、、。」と
何となく、分かったような、、、
彼女なりに結論が出たのか、その後、あまりその話は口にしなくなった。
「私、虫じゃなくて良かった。 人間で良かった。 虫だったら、動物や人間に捕まったらどうしよう、、って、
いつも不安でいないと、いけないでしょう。 それに、あまいおかしとか、アイスとか食べられないしね。
パパとママとも、ずーっと一緒に暮らせないものね。」と、ある日言い出したE。
これが、6歳児Eの、結論?なのかもしれない。
♪文とイラスト yun ♪
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