ＶＯＬ．３　　　　　　

◆サンタのスプーン◆                      　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　人物紹介 　　　E  ５歳 クールな幼稚園児 　　 　　　Ｌ　２さい 　　　ワンパク・・ 　　恐がりな女の子  ある日、夕食の支度をしていると,Lちゃんが、  　 「ママ、それ随分大きいスプーンだね。 サンタさんのスプーン？」と聞く。 はて、、？　サンタ、、？  スプーン、、？  手にしていた、おたまをみて納得。これかー。 でも、サンタさんてこの人の 中ではすごく大きいわけね。 のりやすい私。                            　　　 「じゃあ、これは？」と、さえ箸を見せると 「あーサンタさんの、おはしだー。」と予想通り。こうなると、もう止まらない。 料理そっちのけで、サンタさんグッズ探しの始まり、はじまり。 「まだまだ、あるよ ほら、サンタさんのハブラシ」と、ヘアーブラシを出すと、 「チューブは？」ときた。そーきたか、、。 「うーん、チューブ チューブと、あったー。はい、おまたせー。」 「それ、マヨネーズだよ」とおおうけのLちゃん。 ５歳のEちゃんの、少々さめた視線を背中に感じつつも、 「大きいことは、いいことだー♪」と古い歌なんて口ずさみながら、 探す、探すあげくのはては、戸棚の奥から花瓶を引っ張り出して、 「これ、サンタさんのカップこれでコーヒー飲むんだよねー」なんて、、、。 あー楽しい。これだもの、 子育てはやめられない、、とノリノリの私。 　 でも、そんなうかれ気分も、長くは続かず、ふと見るとLちゃん、なにやらベソかき顔 「どーしたの？」と聞くと 「サンタさん、 お家来るの？いつ来るの　きのう？　あした？」と涙をためて聞く。どうやら、来るとなるとコワイらしい。     「サンタさんは、クリスマスイブに来るんだよ。」とEちゃん、とどめを刺したものだから 「サンタさん 来るのヤダー。」と、泣き出した。 それから、おたまやらを、いっぱい抱え込んで、なだめる私の姿・・・・   そしてもちろん、その日夕食は大変シンプルなものになったのでした。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イラスト＆文　ＹＵＮ

◇ママ◇ 　　　　　　　　　　　Ｅ　　５歳

　　　　　　
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