ある日、夕食の支度をしていると、何やら外から、聞き慣れない音が、、、。
「ブキャ ブキャ ブヒー ブブ、、。」
いきなり私の頭に浮かんだのは、ブタ。
いきり立った、ブタの泣き声、そっくり。
こんな住宅地にブタ?、、、とは、思ったものの、「ブタだー。」と、外へ走り出た私。
すると、お隣のおじさんが、プラスティックの板を、のこぎりで、切っている姿が、、、。
「ブタ、じゃなかった。」
と、トボトボ部屋へ、戻ってきた私を見て、家中大笑い。
私も、お腹がよじれるほど、笑った。
涙を流している私の姿に、2人の娘は大はしゃぎ。その日から、娘達の耳は、ダンボの耳になった。
次の日、キキィーイと、自転車のブレーキの音を聞いた3歳の次女L.。
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「ママ、今、サルがけんか、してたねー。」
トラックのホーンの音は、
「ゾウが鳴いてたー。ゾウさんだー。」と、なる。
たちまち、我が家はジャングルと化した。
耳を澄ましてみると、実に様々な音が、あふれていた。
音って、ものすごい想像力をかき立てる。
なぜ、今まで気づかなかったのか、、、。
この遊びに、一番夢中になったのは、私だった。
早速、音探しの散歩に出掛ける。
いつも行く公園や橋は素通りして、車の通りの激しい道や、
今まで、急いで通り過ぎていた場所へ、わざわざ向かう。
ジャリ置き場で、小石をトラックに積み込む音を聞いた、6歳になったEは、
「雷だー、Lの嫌いな、カミナリだよー。」と、大はしゃぎ。
一方、世の中で、一番コワイものが、カミナリと自負しているj次女、「石の音でしょうー。」と、否定しながらも、半ベソ。
音の聞こえ方も、2人の娘の性格の違いを、良く表している。
やんちゃで男っぽ次女Lが、動物関係なのに対して、おっとりしている長女Eは、少々メルヘンチックだ。
扇風機の音を聞いて、「雨が、降り出したよ、ママ。」と、E。
えんぴつとキャップをこすって、キュキュキュという音を出しては、「小鳥の、さえずり。」と、かわいらしい。
対抗するLの方は、パパのひげ剃りの音を聞いて、「ブーン ブーン、すごーくおおきなハエが来たー。」
パパのいびきは、
「カバだー、カバがあくびしたー。」と、笑える。
ある暑い日、クーラーの音が、小川のせせらぎに聞こえた私。「小川が、流れてるねー。」と言う私の声に、
折り紙をしていたEが、「ほら、風が吹いてきたよ。」
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と、折り紙をヒラヒラさせる。
なるほど、まるで風が、草をゆする音のよう、、、。
目をつぶると、森の中のような涼しげな気分になってきた
とたん、「ミーン ミーン、、、」と、セミになっているL。
やはり3歳児、あまり分かっていない、、
よけいに、暑くなってしまった。
暑さで寝苦しい夜など、目をつぶって耳を澄ましてみる。
扇風機の音が、遠くにある滝の音に感じてくる。
ここは、高原。
目覚まし時計のカチカチカチ、、は、草むらにいる虫たちのささやき声。
外を走る車の音は、木々の葉をゆする風の合唱。耳だけをとぎすまし、体 をリラックスさせ、心の旅を楽しむ。
ウトウトと、してくると、夢と現実がごちゃ混ぜになってきて、何とも良い感じ。そして、そのまま、夢の世界へ、、、。
しかし、、、2人の娘は、なかなか思うように、旅立たせてくれない。
ブーッ!!! Lの3歳児とは思えない、大きなおならに、耳を澄ましていた私は心底ビックリ、、。
「クマが、出たー。」と、バッチリ目が覚めて、心臓はドキドキ、、、。
汗びっしょりの、暑い我が家に、逆戻り、、、なんて事も、ありがちだが、、、。
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私の思わぬ勘違いから、始まったこのゲーム。
暑い夏も、
やり方次第で?少しは涼しく過ごせるのでは、
と期待している。
本日、めでたく6歳となったEへ、
Happy Birthday!
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