
「まあ、大きくなったわね〜。」「すっかり、おねーちゃんね。」
出会う人に口々に言われ、最近気を良くしている、3歳の次女L。
確かに、多少身長も、伸びてはいるが、体質的なものか、
3歳児としては、チビのヤセである。
しかし、このところ「チビだね〜。」なんて、うっかり言ってしまうと、大変な事になる。
先日までは、「わたし、チビだから出来ないよー。」と、
本人もチビを売り物にしていたのだが、、、。
どうやら、彼女もプライドを持ち始めたようだ。6歳の長女Eとの、絶えること無いケンカの中でも、
「チビー」の、一言が原因となることが、多い。「Lは、チビだから出来ないよー。」と、 Eが言えば、
「チビじゃないよー、おねーちゃんなんだからー。」と、かかっていく。
そして、「ほらー、こんな上まで、さわれるんだよー。」と、手をいっぱい伸ばし、高い所にさわって言うL。
「そーんなの、簡単。私なんか、
こーんな上まで、さわれるよ。」
と、ますます高く伸びて、さわるE。
それを見て「ネーネ、すごいねー。
テレビの上まで、届く?」と、ケンカも、
忘れて感心するL。
「うーん、ほら、届いたよー。」と、
Eも得意になって、背伸びをする。すると、感動し拍手まで、送ってしまうL。
大きいことは、彼女のあこがれらしい。
食事の時間も、「私、大きくなりたいのよねー。」と、良く食べるようになった。
主人が帰ると、目の前に立って、背筋を伸ばすL。
何だ?、、、と、訳が分からず、固まっている主人。
 2人の見つめ合いは、続く。
「なに?」と、主人。「ほらー。」と、
L。
???、、の主人の耳元で、姉のEが、
「大きくなったな〜って、言ってあげて。」と、
ささやく。
「あー、L、大きくなったなあ〜。」と、
ようやく言ってもらえて、満足げに遊び出すL。
しかし、さすが3歳児。他人には、冷たい。
最近ダイエットを始めた主人を、「ふとすけ」と、呼んでからかう。
「誰も遊んでくれない、、。」と、台所の私に言いにくる Lに、「パパと遊んで、もらえば?」と言うと、
「ふとすけー、遊んでくれー。」と、大声で叫ぶ。
小さいLに言われ、怒る気もしないらしく、思い切り遊んでいる甘い主人。
さんざん、遊んでもらってトコトコと、台所に戻って来たL。
「ママー、ふとすけが遊んでくれた。」と、すっかりいい気になっている。
大きくなったら、何に なりたいか、、、姉妹で話し合っていた時の事。
「Lは、パパみたいに大きくなりたいんでしょう?」
とEが聞けば、
「うーんとね、一番なりたいのは、パパぐらい大き
いピンクのおリボン付けた、ミニーちゃん、なの。」
と、かなり、欲張りな L。
「いっぱい食べて、早くミニーちゃんになろう、、。」
と、張り切っている。
来年、幼稚園児になれることを、楽しみにしている彼女。
「年少さんと、ミニーちゃん、どっちに先になれるの?」
「1人でお洋服着られたから、明日ミニーちゃんになれるかなー?」と相変わらず、、。
しかし、朝起きたら、大きなミニーちゃんになっていたら、、、と、変な想像をしては、
怖がっている、私も相変わらず、、、のようだ。
♪文とイラスト yun ♪
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