Gallery(2007)

初冬 2007年12月15日(土曜日)  もう師走も半ば。あっという間の一年だったとしみじみ思う。明日辺りからいよいよ本格的な寒波が来るらしい。そこで熊本の街の冬を迎える表情?を探してみた。
 江津湖岸にみっしりと生えていた蘆の草叢は素枯れて白茶に変わり、雲の切れ間から射す陽の光に照らされても温かさを感じさせてはくれない。つい今月初め頃まで金色の煌めきを見せてくれていた県庁前庭の銀杏並木は、今はすっかり葉が落ちてしまった。
ハウステンボスのライトアップ 2007年12月04日(火曜日)  もう師走。一年の経つのが矢鱈と早い感じがする。夏の余りの暑さに閉口していたのがついこの間のようだったのに。

 ハウステンボスは四季それぞれに草花や樹木の世話が行き届いて、何時訪れても緑が精一杯その時々の美しさを見せてくれるのだが、流石に師走に入れば若干の紅葉をのぞけば裸の枝の間から見える冬空が寒々しい。
 だが、陽が落ちると人工の灯りに照らされて、季節を離れた煌めきの中でハウステンボスは鮮やかに甦る。  その美しさに誘われて、今日は夕方からここを訪れた。北欧の雰囲気を湛える建造物群にあたる光が、新たな角度でそれらの美しさを見せてくれていたが、私は人影が絶えた広い庭園を囲む並木の造る光と陰にも惹かれた。
秋深まるV 2007年11月20日(火曜日)  佐賀県神埼町の北端、仁比山神社参道の左手に旧伊丹家の別邸がある。通称「九年庵」。平成7年に国の名勝に指定されており、秋の紅葉の時期に9日間だけ一般公開される。今年は11月15日〜23日まで。
 以前からここの有名な紅葉を見たいと思い、日帰り観光バスを予約しておいたのだが、その数日前に思いがけずギックリ腰に。必死に安静加療に努め、ようやく腰椎ベルトの助けを借りて当日のバスに乗り込むことが出来た。
 前日までは快晴だったのに、運悪くも当日のみ曇り時々雨の空模様になったが、現地に着いた頃雨が止み薄日が射した。青空のもとで眺めるという贅沢は残念ながら許されなかったが、紅の紅葉が勝る邸内の楓の林を多くの観光客に混じって眺めることが出来た。紅葉だけではなく、庭一面に敷き詰められたようにびっしりと生えている苔がまた見事であった。
 観光バスは、九年庵から更に背振山脈を越えた北麓にある前原市の雷山千如寺へ廻った。ここの本尊は重文に指定されている木造11面千手千眼観音像で、本堂の前の樹齢約400年といわれる楓の大木は、その紅葉の見事さで有名である。陽が山の端に沈まんとする頃お寺に到着したために、紅葉の輝きは残念ながら見られなかったものの、室町時代作庭の心字池を囲む庭園の眺めはなかなか見事であった。
街の秋 2007年11月24日(土曜日)  市街地の木々もすっかり秋の粧い。熊本県庁前庭の銀杏並木は昨年に較べると梢をサッパリと切り払われてしまったので天井が明るくなってしまったが、葉はすっかり色付き、その下をそぞろ歩く老婆の歩みも心なしか逝く秋の気配を滲ませて淋しげに見える。
 小春日和の温かさに、熊本城二の丸広場では幼児を遊ばせる親子連れの姿が多く見かけられたが、ここに多い桜樹の葉も銀杏の黄葉に混じって朱く染まり、秋の景色だ。
秋深まるU 2007年11月13日(火曜日)  9日、九重町の大吊橋を見に行くときに通りすがりに眺めた紅葉が素晴らしかったから、孫たちが帰京して暇が出来た今日、再度、阿蘇から久住への入口に当たる瀬の本高原へと車を走らせた。今日も快晴、微風、気温は高い。
 あの日から僅か4日しか経っていないのに、高原の紅葉は随分様相を変えていた。黄葉が更に進んで褐色が濃くなっている。朱い部分は素枯れて艶が無くなり、かさついた感じと言えば分かっていただけようか。
 それでも燦々たる陽光を浴びて、高原はゆったりと秋の風情を感じさせてくれる。
震動の滝と九重夢大吊橋 2007年11月09日(金曜日)  たまたま通う小学校の創立記念日で3連休になったからと、東京から孫たちが来てくれた。幸い好天だし、空港からそのまま久住山の北麓に位置する九重町へ九重夢大吊橋を見に行った。久住山塊はちょうど紅葉酣で、吊り橋から見下ろす鳴子川渓谷や震動の滝も、赤や黄色の正に「錦繍」に彩られて見事であった。
秋深まるT 2007年11月07日(水曜日)  久しぶりに雨が降って、木々が洗われ、空気も澄んで色彩が鮮やかに見える。熊本城や江津湖畔の桜の木と南京ハゼの葉が紅葉を始めた。
 まだ緑が多い茂みの中で、走りの紅葉が半逆光に輝く。気温は未だに若干高めのようではあるが、明日は早くも立冬である。
2007佐賀インターナショナル・バルーン・フェスタ 2007年11月02日(水曜日)  私は今年、11月1日午後からの競技を見に出かけたのだが、強風により中止となり、翌日は早朝の競技は実施されたものの、10時以降、再び風が強まり、以降は中止と、折角の遠出だったが期待に反する結果となった。
ハゼ紅葉 2007年10月31日(水曜日)  江津湖畔に一群だけ高く聳え?ているハゼの葉が紅葉を始めた。葉陰には黒いハゼの実がびっしり稔っている。
 幕藩時代には、殖産奨励の一環としてハゼの栽培が盛んで、戦後も暫くは、収穫が終わった農村を彩る秋の景物としてハゼ並木の紅葉が愛でられていたが、いつの間にか各地で姿が消え、現在では努めて探さなければ見られないほど少なくなってしまった。
 私が幼少の頃過ごした田舎には楓類が少なく、紅葉といえばハゼであり、また秋は黄葉が多かった。だから、他に先んじて真紅に変じるハゼの紅葉は私にとって秋の到来の証である。
 気温は未だに若干高めのようではあるが、これでどうやら秋が定まったようだ。
ひまわり畑 2007年10月24日(水曜日) 突如、強烈なオレンジ色と緑色の集団が目に飛び込んできた。広い畑で、10月半ばというこの時期に、向日葵が真っ盛りなのだ。雲一つ無い快晴の下、これが空の青によく映える。
 畑の入口では、一人の男性が黙々と作業中。失礼を顧みず質問を放つ。  「10月半ばという季節外れの時期に向日葵が真っ盛りとは、異常気象のせいか?」  「否。向日葵の栽培は、自分が一人でボランティアで14年間続けてきている。昨年までは、11月に入って開花させてきた。しかし今年は、異常に暖かかったために一月ほど早い開花となってしまった。」  なるほど、花の開花時期は、かなり恣意的にコントロール出来るみたいだ。
 しばらくすると立て看板が出来上がり、入口に立てられた。「ひまわり畑コンサート」とある。聞けば熊本県内の音楽愛好グループの皆さんが集まって、コンサートを畑の中で開いてくれるのだそうだ。聞くのも見るのも勿論無料とのことであった。
水あかり 2007年10月13日(土曜日)  毎年恒例の「城下町大にぎわい市」がこの週末13・14日の両日、熊本城下で始まった。いろんな催しの中でも私が一番好きなのが、熊本城を囲む坪井川とその周辺で行われる「水あかり」だ。暗闇の中、竹筒や紙を貼った灯籠など手作りの器に蝋燭の炎が揺れて夢幻的な情景が醸し出され、格別の趣がある。
   幸い強い風もなく、沢山の人出の中で今年も「水灯り」に火が点された。坪井川の川面にも灯りが映って、今年も美しい夜景が楽しめた。
ダリアさまざま 2007年10月11日(木曜日)  11日に訪れたフラワーヒル菊池高原には、下(「秋 来たる」)に示しているようにススキが秋風に白い穂先を揺らし、南面の緩やかな斜面には数万株のコスモスが彩豊かに花を咲かせている一方、入園口のすぐ左手では、さまざまな種類のダリアが、その濃艶な花片を厚く重ねて絢爛と咲き誇っていた。花の蜜を求めて蝶が駐まる。
秋 来たる 2007年10月11日(木曜日)  やっと本格的な秋が訪れたようだ。最高気温も30℃を下回るようになった。随分とゆっくりな到来である。だが北の方では早くも初冠雪の知らせもあり、これは平年ベースよりも早いらしい。これから冬にかけての季節の歩みが気になる所だ。
 菊池高原にコスモスを見に行った。南面の緩やかな斜面に数万株のコスモスが彩豊かに花を咲かせていた。その東側、既に終わってしまった石楠花の畠は今は養生の最中だったが、その端の崖っぷちでは、杉林を背景にススキがセイタカアワダチソウと一緒に風に揺れていた。秋酣を感じた一瞬。
秋 桜 2007年10月06日(土曜日)  10月に入って朝夕は流石に涼しくなったが、日中の気温はまだ30度を超える日が少なくない。市内の植物園ではこの3連休に合わせて「コスモス祭り」が始まったが、この暑さで秋桜はまだ3分咲きなのだそうだ。市内はそうだが、流石に阿蘇のお山では30度を下回るようになって、秋桜も8分ほどは咲いていた。
 実は今日、秋のバラを愛でんものと阿蘇の内牧近郊の薔薇園まで出かけたのだが、例年なら今頃の筈なのが、気温が高かったためまだ秋のバラ・シーズンは到来していなかった。がっかりして戻ろうとした時に、薔薇園の近くでこの秋桜が咲いているのを見つけたわけである。
 今年9月の当地の平均気温は例年よりも3℃近く高くなったそうだが、こういう自然の変化がその他のあらゆるものにも目に見える形で確かに影響していることを実感した一日だった。
パンパスグラス 2007年10月01日(月曜日)  昨日の9月30日の熊本市の最高気温は27.1℃、これで8月4日以来続いた真夏日が途切れた。連続57日で観測史上第5位なんだそうな。とはいいながら今日はまた30℃まで上がったらしいし、暫くは晴れの日には30度を超える日があるらしいとの予報である。
   でも、朝夕はすっかり凌ぎやすくなったことだし、秋らしい風景を・・・と少しうろついてみた。山手に入ってパンパスグラスの群落?に出会う。この草は最近割に見かけることが多くなったが、ここの風景は何となく異国風。
 日本的なものは極力画面に入らないようにして写してみた。パンパスグラスはその名前が示すとおり南米大陸の草原(パンパス)が原産であるが、些かでも雰囲気がでていたら良いのだが・・・。
中秋の名月 2007年09月25日(火曜日)  去年は確か10月の初めだったと思うが、今年の中秋の名月は今日、即ち9月25日である。朝は晴れていたのに、しばらくすると雲がもくもくと湧き出て、昼前には空一面、白雲に覆われてしまった。今年はお月見は駄目なのだろうか?と一時は諦めかけたが、夕方6時近く、雲たちはいつの間にか薄れて僅か残るのみとなった。
 俄然元気が出て、カメラと三脚を担ぎ熊本城へ向かう。辺りが夕闇に包まれ始めるにつれ、ライトアップされた城の櫓群が白く夜空に浮かび上がってくる。丁度良さそうな位置に月が昇る頃、そこいらだけ薄雲が漂って消えない。かなり待ってみたが変化無し。草臥れて適当な所で妥協してしまった。
番所の彼岸花(曼珠沙華) 2007年09月22日(土曜日)  お彼岸に入った。それでも連日真夏日の暑さが続いているが、そろそろ番所では棚田の周りの彼岸花が満開に近いという情報が入った。
 三連休の初日の今日、番所を目指した。混まないうちにと思い、朝食も摂らずに出かけたのだが、現地には既に数台の車と、三脚にカメラを付けカメラバッグを持った十数人のグループが棚田の間の道に散って撮影に余念がなかった。
 谷の周りの斜面には、先日にくらべると随分多くの朱の彼岸花が咲いているが、棚田の畦道に咲く花はまだ疎ら。しかも個々の花は殆どが盛りが過ぎている。どうやら今年の花は、これで精一杯のようだ。
 という訳で、彼岸花(曼珠沙華)中心の撮影になってしまった。
クレオメ 2007年09月15日(土曜日)   ヒゴタイを撮りに阿蘇は産山村の「ヒゴタイ公園」へ出かけた。丁度、台風11号が沖縄を通過して東シナ海を北上中。その影響で阿蘇の山頂付近は雨雲の動きが速く、時折、低く下りて来て驟雨をもたらす。
 肝心のヒゴタイは、残念ながらやや盛りが過ぎた所で、花が毛羽立ってしまっていたが、傍で栽培されていたクレオメが満開で、淡い色合いながら辺りを明るくしてくれていた。という訳で、無駄足にはならなかったということにしよう。
夕虹 2007年09月11日(火曜日)  今朝はこの秋初めて気温が19.2度と20度を下回った。平年よりも低かったようだ。窓を開け放して寝ていた私は、だから明け方には大騒ぎをさせられ、しかもやや風邪気味というおまけまで付いた。
 快晴の空はお昼頃から白雲が急速に広がり、雨も降り出した。夕刻にはその雨も上がって雲が切れてきた。
 6時半過ぎ、明日の晴天を予告するかのように空が朱に染まった。ふと東を見ると、空には見事な虹が大きく架かっていた。
白露の日に 2007年09月08日(土曜日)  南阿蘇への西の入口に当たる俵山の扇坂展望所の萩が咲いた。ここは以前はいろんな季節の野草が豊かに花開いていた場所なのだが、近頃では萱にススキと萩程度で、他の草花はすっかり影を潜めてしまった。「山野草ブーム」に釣られた根こそぎの乱獲が原因じゃなかろうかと思う。残念なことだ。
 そして俵山の西の斜面ではコスモスがもう咲いた。この夏は猛暑が続いたが、さすがに「白露」の節気には、朝夕の涼気が戻って秋の気配が感じられるようになってきたせいだろう、土曜日とあって、コスモス見物の家族連れで駐車場は朝早くから満車に近い混みようだった。
夏の終わり 2007年09月03日(月曜日)  9月に入り、さしもの猛暑もぼつぼつ季節を気にし始めてくれたようだ。冷たい秋の気団と暑い夏の気団が九州のすぐ北辺りでぶっつかっていると見えて、昨日は一日中風が舞い、雲の動きが速く、天候は猫の目のように目まぐるしく変わり、2時間ほどのサイクリングの途中で二度も俄雨に降られ、その合間には強い風と日射しですぐからだが乾くという珍しい経験をした。
 露草がまだ残る道端の雑草の中に、早くも「猫じゃらし」が顔を出していた。強風ですっかり薙ぎ倒されてしまっていたが、穂先の間から覗く空には秋らしい雲が浮かんでいる。サイクリング途中の家の垣根には青い朝顔が残る一方、庭先では渋柿の実が陽に輝いていた。
皆既月食 2007年08月28日(火曜日)  TVでは6年ぶりとか報道されていたようだが、当地では3年ぶりだそうだ(地元紙)。
 夕方月が昇る頃から東の空に白雲が現れ始めて心配したが、月が地球の陰にほぼ隠れて「赤い月」になった頃、雲が薄れて月食を見ることが出来た。その後は、月食が完了するまでは殆ど雲間に隠れてしまって、約1時間ほどベランダで頑張ったが撮影には成功しなかった。
 次回、当地で皆既月食が観測できるのは3年後の2010年12月31日だそうである。(この写真の熊本城の夜景は合成である)
雲にだけは秋の兆しが・・・ 2007年08月28日(火曜日)  夏休みが終わる頃になっても、今夏の灼熱の陽射しはちっとも弱まらない。厳しい残暑はいつまで続くのだろうかと、やや弱音を吐きたくなる。
 しかし、空の雲には秋の兆しが見え始めたようだ。入道雲が一部には残っていてもその高さは低くなり、代わって名前は判然としないが、秋に見るような雲に近いのが広がりだした。
 この写真は、県北部菊池市の山峡にある龍門ダム湖の上に広がる空である。周りを山に囲まれたダムの堰堤上は未だに鍋底の蒸し暑さであるが、空を仰げばご覧の通り。
醉芙蓉 2007年08月22日(水曜日)    今、我が家の近くでは木槿や芙蓉が清楚な花を咲かせてくれているが、中でも「醉芙蓉」は、朝の間は涼しげな白色で、日盛りになるに連れ次第にピンク色が濃くなり、日暮れには凋んでしまう面白い花である。
 甲子園の全国高校野球選手権大会決勝戦の合間を縫って見に出かけた醉芙蓉は、未だに続く猛暑日のせいなのか、まだ2時台だというのにもう萎れかけていた。
八月の南阿蘇 2007年08月09日(日曜日)  暦の上では立秋。だが、これからが夏本番だ。このところ連日36度を超す猛暑が続く。
 少しでもと涼しさを求めて南阿蘇山麓へ車を走らせた。灼熱の陽射しの下、青々とした緑に覆われた山稜がしっかりと踏ん張っていた。
ひごたい 2007年07月28日(土曜日)  大陸性植物で、朝鮮半島中部以南に分布し、かっては九州山地では普通に咲いていたようだが,現在は野生種は少なくなり、本家阿蘇にも稀にしか無い絶滅危惧IB類(環境省レッドデータブック)である。阿蘇の産山村では「ヒゴタイ公園」を設けるなど、この花を村の花として保護に力を入れているが、ヒゴタイの阿蘇での開花は8月に入ってから。
 そこで県北の道の駅「鹿北」の裏山で栽培しているヒゴタイが見頃というニュースを聞き、出かけた。福岡県との県境に近い、山峡をうねって通る国道3号線沿線に道の駅はあったが、駐車場も溢れんばかりの混雑に驚く。裏手にかなり大きいプールが作られていて、海から遠いこの辺りの子供には、連日の猛暑に何よりの場所となっていた訳だ。
 プールの背後の山の斜面をしばらく登った所に目指すヒゴタイの花壇があった。ここまで上ってくる人は誰もなく、蝶が数羽、密を吸いながら花と戯れていた。
梅雨明けの久住山麓 2007年07月24日(火曜日)    7月に入ってからの連日の豪雨で土砂災害が発生、これに追い打ちをかけた近年稀な大形台風4号の襲来。そして辛くもこれらの災厄を免れた地域には北陸沖地震が追いかけた。そして23日、漸く梅雨が明けたかと思うと、連日34度を超す猛暑。余りの気温の乱高下に音を上げ、晴天下の阿蘇・久住の涼を楽しまんと久しぶりに車を走らせた。
 この度の豪雨と強風は阿蘇の山々にも大きな爪痕を残し、人手を加えて慈しんで来られた花園でさえも、山野草などは泥流に根こそぎ流失、或いは強風に薙ぎ倒されて、期待していたこの時期の花々は少なかった。
 山地は流石に涼しく夏の到来も遅いようで、久住山麓の花園では紫陽花の鮮やかな藍色が印象に残った。
古代ハスと睡蓮 2007年07月17日(火曜日)  熊本県立装飾古墳館に隣接する山鹿市の「古代の森交流施設」通称「里やま」。ここの「ハス公園」の「大賀ハス」が開花したというので出かけた。
大賀ハスは、言うまでもなく約2000年前の種から発芽させた大賀一郎博士の名をとって、名付けられたもので、「古代ハス」とも呼ばれる。
昔を想いつつ眺めるからか、薄紅の花片にもそこはかとないロマンを感じる。その傍らには睡蓮も咲いており、臙脂よりも淡いブルーの睡蓮の花が印象に残った。
濃霧の漕艇訓練 2007年07月08日(日曜日)   我が家の近くの江津湖は私が良く散歩に訪れる所であるが、また高校大学のボート部の練習場所でもある。このところ梅雨末期の豪雨が続き、江津湖も水が溢れ近づけない日が続いた。
 昨日午後からようやく小降りになったから、水も幾らか引き岸辺を巡る道も顔を出したろうと、今朝起きると直ぐ散歩に出かけた。雨雲はまだ厚く低く垂れ込め、早暁の湖面には白い霧が漂っている。遊歩道には水が運んできた泥土が広がり、スニーカーが直ぐに泥だらけになった。流石に散歩に来ている人は少ない。
 江津湖で一番湖面が広い下江津湖まで来ると、この早い時間なのに、8人漕ぎから1人漕ぎまで、おそらく艇庫にあったボートの全てが湖面に浮かび、眺めているうちに若人たちが一斉に漕艇訓練を始めた。そういえば海の日(7/16)には、ここで「火の国レガッタ」が開かれる予定。夏がもうそこまで来ていることを実感した。
豪雨の後・・・浮島神社 2007年07月05日(木曜日)  昨日の昼前、梅雨前線が再び活発化して、熊本市内でも大雨警報が出され、窓の外が白い幕が掛かったように白くなるほどの豪雨がほぼ一時間降り注ぎ、阿蘇方面へのJR豊肥線が一時運行が中止されたほどだった。
 県内有数の湧き水の池に浮かぶ浮島神社周辺はどうなっているのだろうかと、昨日の豪雨が嘘のように上がった今日、出かけたのだが、池も神社もシンとして鎮まりかえり、先日との違いは釣り船が二艘池に浮かんでいたことだけだった。
細川流盆石 2007年06月29日(金曜日)   日本3名城の一つに数えられる熊本城は、1,601年から7年をかけて加藤清正によって築城された。そして明治10年の西南の役に際し、薩軍総攻撃直前(2日前)の明治10(1877)年2月19日、熊本城内で原因不明の出火が起こり、天守閣などの建物が焼失する緊急事態が起こった。
 現在の天守閣は昭和35年に熊本市によって復元・再建されたものであるが、2,007年が築城400年に当たることから、これを目処に復元工事が進められており、併せて2007年年間を通じ四季それぞれに趣向を凝らした催しが築城400年祭記念事業としてとして熊本城の各所で開催されている。
 細川流盆石展は南大手門で6月3日から30日まで開かれた。私は寡聞にして細川流盆石なるもののあることを知らず、今回の催しはTVで放映されて初めて知り、終了間際に駆けつけて拝見させてもらった次第であるが、床飾りとしてなかなかに床しい趣のあるものであることに目を開かれる思いがした。
合歓の花 2007年06月27日(水曜日)  小町伝説は全国各地にあるようだが、ここ熊本も植木町に小野小町が産湯を使ったと伝えられる湧水池があり公園化されている。その「小野泉水公園」にある合歓の木が今年も花を付けた。
 「・・・・お化粧刷毛の紅の花 夏の宵風 ゆうらり 揺れて・・・・」 と、ある詩にあるとおりのやさしい風情である。
モザイク壁画「蝶」 2007年06月26日(火曜日)  海老原喜之助(1904-1970)は1923年渡仏、パリで藤田嗣治に師事し、エコール・ド・パリの新人作家として期待されるも、経済恐慌のあおりで1933年帰国し、独立美術協会に所属。戦後の15年を熊本で過ごし多くの人材を育てた。
 1959年の第5回日本国際美術展で油彩画「蝶」(130.3×97.0p)が最優秀賞を受賞。これを原画に彼自らが指揮して1960年に制作されたのが、このモザイク壁画「蝶」である。
 当初、熊本市新市街の旧熊本東宝会館外壁に設置されたが、その建替に伴い、熊本学園大学60周年記念会館外壁に2007.3移設された。たて1,360×よこ1,010p。
チロリアンランプ 2007年06月17日(日曜日)  和名を「浮き釣り木(ボク)」といい、6月から相当長期間花を咲かせる。暖かい熊本では、年末になっても赤い花を付けているものを良く見かける。
 梅雨の晴れ間、郊外へサイクリングに出て家に戻る途中の住宅地で、白い塀に絡ませた蔦に赤い色が混じっているのが目に入り、近寄ったらこの花だった。どんよりしたお天気の下で、この花の周りが明るくなったように感じた。
梅雨入り・・・熊本城 2007年06月16日(土曜日)  平年より随分遅く、この13日に熊本を含む北部九州は梅雨入りし、連日降雨があったが、今日になって一息ついた感じである。雨に降り込められて動けなかった分を取り戻そうと熊本城へ出かけた。
 城内の楠木立は葉の緑がこの上なく元気よく茂って蒸せるようだ。肥後六花園の肥後花菖蒲はそろそろお終いに近く、来月の展示に備えてか、竹之丸広場には沢山の肥後朝顔の苗の鉢が解説文の掲示とともに並べられていた。
はなしのぶ 2007年06月09日(土曜日)  ハナシノブは日本では阿蘇にのみ自生する花であるが、生育環境の変化等から自生地はごくわずかとなっており、また交雑により純粋なハナシノブも減少したため、大変希少な植物となっており、H7.2.8政令第18号によって特定国内希少野生動植物種6種の一つ、絶滅危惧TA類(ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種)に指定された。
 その花は薄青色で径はせいぜい20−25ミリ、茎丈も1メートルもないほど。目立たずとても控え目に咲いていて、「楚々」という言葉がぴったりだと思う。
 ハナシノブは梅雨に咲く花と言われる。南阿蘇の高森町にある野草園では今ちょうど開いた花が見られ、今月末の日曜日(24日)には恒例の「はなしのぶコンサート」が計画されている。
紫陽花 2007年06月01-3日(金-日曜日)  朔日、玉名の高瀬裏川の花菖蒲が咲き始めたと報じられた。それじゃ紫陽花もそろそろかなと、江津湖まで自転車を走らせた。今年もいつもの場所に群れて花開いていた。まだ淡いブルーのものが大部分で、ピンクが少々。ガクアジサイはまだこれからという感じだった。中にピンクと淡いブルーが一輪の花の中で色が別れて付いているのがあった。花によって、或いは時期により色が変化するのは知っていたが、このような花はおそらく始めてみると思う。
 3日になると、街のあちらこちらで紫陽花が咲き揃った。民家の軒先のものは、流石に手入れがよいからだろう、ガクアジサイも花形が整っているし色も美しい。住宅地内の小公園の花もご近所の丹誠が良く分かる良い形であり色だ。
雨のあと・・・浮島神社 2007年05月26日(土曜日)  昨日一日、ほぼ一月ぶりにタップリ雨が降った。熊本市内でも36ミリの降雨で、田植えシーズンを迎え、代かきなどの作業に追われる農家には恵みの雨となった。
 今日は嘉島町の浮島神社を訪れた。熊本県内でも唯一、上水道を設けず生活用水を井戸水に頼るのが嘉島町である。町内の湧水源の中でも、約2万平方メートルを超す池を満たし、日量13万トンを数えるのがここ浮島だ。85年に県の熊本名水百選に選ばれた。
 昨日の雨で、池は満々と水を湛え、多くの釣り客が釣り糸を垂れていた。
麦 秋 2007年05月21日(月曜日)  日本の農業は嘗ては米と麦の二毛作だったが、今や米の作付けすらも減反の状態だから、米の収穫が終わった後の晩秋から春の時期は、耕地は黄色い菜種などが観光作物的に広い面積を占めて植えられていて、麦の畠を見るのは更に少ない。
 とは言うものの、一部では熱心に麦の栽培も続けられている。この所の夏を思わせるようなぎらつく太陽の光を浴びて、麦の穂はすっかり熟れ、収穫を待つばかりになった。今年の出来はなかなか良さそうだ。
五月のバラ 2007年05月19日(土曜日)  五月も半ばを過ぎ、各地の薔薇園ではお祭りが始まった。熊本県立農業公園、通称カントリーパークの薔薇園には約2,600株、阿蘇の「はな阿蘇美」には約5,000株の薔薇があって、いずれも色鮮やかな花片を華やかにひらいている。
 五月晴れの陽射と、やや強いが爽やかな風に吹かれつつ、多くの人々が花を愛でていた。
熊本・・・初夏? 2007年05月14日(月曜日)  立夏がすぎて、暦の上ではもう夏。熊本城内の緑は次第にその色を濃くしてきた。
 一方、湧き水が豊かな江津湖では、ボート遊びの舟もチラホラ。今日は気温が高くなったせいだろうが、小学生と思しき子供たちが腰まで浸かって小川で遊んでいた。「寒い?」と聞くと「さむーい!」と答えながらも水から出ようとはしない。夏はもうすぐそこだ。
久住山麓・・五月 2007年05月13日(日曜日)  久住山の南麓にある「くじゅう花公園」は、丹精された四季折々の花々と四囲の山稜の緑とが醸し出す彩りの豊かさで、何時訪れても失望させられる事の少ない、私の大好きなスポットの一つである。今この時期はポピーが満開。暖色の華やかな彩りが五月の風の中で見る者の心を明るく幸せな気分にさせる。
 そして、爽やかな皐月の陽光の下、阿蘇外輪と久住山系との結節点である瀬の本高原の薄緑が、目に痛いほど鮮やかだった。
茅萱 2007年05月12日(土曜日) 快晴、微風。白川河口にある熊本港まで自転車を走らせた。堤防脇の用水堀の岸辺に咲いていた茅萱の穂が半逆光に白く輝いていた。気温も湿度も久しぶりに適度で、五月の風の爽やかさを久しぶりに満喫した。
しゃくやく 2007年05月06日(日曜日)  ゴールデンウイークの後半は雨になってしまった。その合間を縫って、肥後芍薬が咲き始めたというので見に行った。場所は熊本県立鳥獣保護センター、通称「野鳥の森」。
   起伏の大きい丘陵地帯の一角は、野鳥のサンクチュアリと言うだけあって豊かな緑に覆われているが、この所の雨に濡れて新緑がいかにも鮮やか。木の葉の茂りが途切れた所に肥後芍薬の花壇はあった。漸くに開いた花が、本降りの雨に濡れそぼっていた。
新緑の菊池渓谷 2007年05月03日(木曜日) 快晴、微風。下界は八十八夜が過ぎて、新緑からそろそろ濃い緑に変わりつつあるところだが、ここ菊池渓谷は今、新緑の真っ只中。そして、様々な色合いの豊かな緑や翆が、両側の急峻な山腹を雪崩を打って渓谷を包み込むように迫っている。
里山の春 2007年04月26日(木曜日) 平野部の桜が既に散り葉桜に変わった今、里山では八重桜が終わりに近付き、山腹の木々が若緑の葉を茂らせ始めた。 集落の周りでは菜の花の黄色が輝き、これから咲く花々が色とりどりにその花びらを現しはじめている。
 「フラワーヒル菊池高原」は面目を一新、入口正面の丘陵には緋色の芝桜が広がり、南から東部へと緩やかに広がる丘陵には、チューリップなどと共に整然と畝を連ねてこれから開く様々な花が植えられて居る。
4月の彩り 2007年04月19日(木曜日) 天候の激変ここに極まれりという感じだ。昨日、阿蘇山には4月というのに28pの積雪があった。観測史上最高だそうだ。そして今日は気温20℃、快晴微風の長閑さ。桜の散った後の春の風情を楽しまんとハウステンボスを訪れた。チューリップから薔薇に移る端境期?ながら、端正な佇まいはそれなりの雰囲気で楽しませてくれた。
薫風に泳ぐ鯉群 2007年04月14日(土曜日) 杖立温泉の中心を流れる杖立川の上空に、今年も恒例の「鯉のぼりの乱舞」が今月一日から始まった。その数およそ3,500。昔からの山あいの湯治場の雰囲気も色濃く残すこの温泉。桜が散って薄緑の葉が次第にその色を濃くしている山肌を背景に、様々な鯉のぼりの色合いが映えていた。
楠若葉に映える古今伝授の間 2007年04月12日(木曜日) ここ数日、5月上旬を思わせる陽気が続く。満開の桜は葉桜に変わりつつあり、ツツジや藤の花便りも聞こえてきた。諸々の樹木の若葉が今、勢いを増して生え茂ってきている。久しぶりに水前寺成趣園を訪れた。古今伝授の間のある茶室を囲む楠若葉の明るい陽光に煌めく薄緑が美しかった。
桜花爛漫・・・市房ダム湖畔 2007年03月31日(土曜日) その数2万本とも3万本とも言われる球磨川の源流、水上村の市房ダム周辺を彩る桜樹を愛でるべく、早起きして向かった。丁度真っ盛り。このような時期に出会えた幸せを喜びつつ夕刻帰宅。その様子は何万言を費やしても私には表現不能。せめて掲載の写真でご想像あれ。
桜花爛漫 2007年03月30日(金曜日) ここ数日、5月上旬を思わせる陽気が続いて、23日に開花した熊本城の桜が一気に開花した。 今日は「花の金曜日」だから?なのか、明日からの週末は天気が崩れそうという予報が出ているからか、目ぼしい場所は朝からレジャーシートが敷き詰められ、陣取り部隊も頑張っている。 子供連れや趣味の同好会、或いは職場のグルーブなど、お昼時から賑やかにお花見が始まった。今夜の城内の賑わいは最高ではないだろうか。
桜咲き始む 2007年03月23日(金曜日) 今日は多分最高気温が20℃を超えたんじゃないかと思う。熊本城では、山桜が満開。また、この陽気に誘われて二の丸広場の染井吉野もポツリポツリと開き始めており、気の早い観桜客がその下で早くも弁当を広げてゴキゲンだった。なお、気象庁が本日午後2時に熊本での桜開花宣言を発表したと報じられた。
春の城 2007年03月12日(月曜日) 厳しい寒波が一日だけ緩んだこの日、空は麗らかに晴れて、場内には数本しかない山桜が、改装で真っ白に化粧直ししたお城の白壁と競うかのように花開いた。
春の庭先 2007年03月03日(土曜日) 本当に春の訪れが例年よりも随分早い。4月中旬を思わせる陽気の中、細川ガラシャ夫人の眠る泰勝寺がある旧制五高裏の立田山南面をカメラを肩に散策した。白木蓮と雪柳が満開、紫木蓮も蕾を開き始めていた。
彼岸桜 2007年02月28日(水曜日) 健軍小学校の彼岸桜がもう咲いた。中庭の彼岸桜は大きく広げた枝一杯に花を付け、運動場南縁の緋寒桜は既に盛りが過ぎていた。昨年より2週間ほども早い開花である。
早咲の花たち 2007年02月27日(火曜日) 春の訪れが例年よりも随分早い。白木蓮が早くもつぼみを膨らませ、木瓜も満開である。
梅 花 2007年02月15日(木曜日) 昨日は未明から「春の嵐」が吹き荒れたが、今日は長閑で暖かな春日和。最近はビルが乱立してしまってなかなか日照もままならないが、それでも頑張って咲いている民家の庭先の梅を撮影した。
梅花匂う 2007年02月07日(水曜日) 立春が来たら、それまでの厳寒も何処へやら、連日3月下旬から4月上旬の温かさ。縮こまっていた梅花が俄に開き、今日訪れた熊本城の梅園では紅梅はもう盛りが過ぎた感じだ。
江津湖・・・冬 2007年01月22日(月曜日) 風もない穏やかな日射しの下、江津湖はシンと静かであった。湖畔の蘆の群生はすっかり褪めてまさに冬枯れの白茶色である。
夜明けの太陽 2007年01月19日(金曜日) 朝7:30、太陽が昇り始めた。辺りが明るくなり始めたが、太陽はまだそれほど眩しくはない。
小春日和の江津湖 2007年01月11日(木曜日) 江津湖の渡り鳥たちの様子を見に行った。11℃と気温が少し上がった湖面では、鴨や鴎たちが賑やかに餌を漁っていた。