霞ヶ浦一周中世城館めぐり

 仕事の関係上月曜日しか休みがないのであまり遠出はできません。遠出はできませんが近場でも探せば結構楽しめる話題はあるものです。数年前に仕事の都合で美浦村へ越して来て、木原城という中世戦国時代の城跡を身近に見る機会がありました。土塁や堀跡を歩くうちに興味が湧いてきて村内の他の城跡、隣接町村の城館跡を散策するのが楽しくなりました。暇に任せて作りはじめたお城のデータベースには、県内だけでも200を超える城跡が記録されるまでになっています。時間に余裕があれば、高速に乗って県西、県央、県北へも行くのですが、手近かなところで、日帰り霞ヶ浦一周中世城跡めぐりなどはいかがでしょうか。
 東国中世の城館跡には石垣や天守閣のような豪華絢爛たる遺構はほとんどありません。がしかし、現在は薮に被われたり畑地と化した郭跡や堀跡や土塁跡を探し当てる度に、一所懸命の努力によって領地を守ろうとした東国武士たちの等身大の生きた証を身近に感じられるような気がします。
 土浦から出発しましょう。まずは亀城公園となっている(1)土浦城。常磐線線路の東側、土浦電車区の所に(2)木田余城。国道345で手野の町、法光院裏に(3)手野城。霞ヶ浦町へ入って(4)戸崎城。霞ヶ浦町役場は(5)大和田城の跡。そこから北へ向かって(6)宍倉城。田伏の丘の上の農村公園は(7)堀之内館。霞ヶ浦大橋を渡って玉造町には(8)玉造城、(9)鳥名木舘、(10)手賀城。国道355で南下して麻生町へ入ると(11)小高城、(12)鳥並城、(13)小屋下城、(14)二本木城。羽黒山公園はもと(15)麻生城。牛堀町へ入って牛堀中学校は(16)牛堀城跡。御札神社は(17)島崎城。国道51から国道125で東町へ入ると、遠く南北朝時代へ遡る(18)阿波崎城。桜川村には(19)神宮寺城。江戸崎町には(20)江戸崎城。美浦村に入って美浦トレセン近くには(21)信太城。やはり南北朝時代に出てくる(22)木原館。そして戦国時代の巨城(23)木原城。国道125バイパスで阿見町へ入ると、(24)島津城、(25)塙城、(26)上条城、(27)岩田館。そして、再び土浦へ戻ります。
 途中端折った城館跡もかなりありますが、日帰り旅行ではこれでも多すぎるくらいでしょう。もっとも、回っているうちに時間がなくなれば今日はここまでと、気軽にショートカットして後は家路を急げば良いのです。城館跡の詳しい所在地は各市町村出版の市町村史誌をお調べいただくか、ひづめ@美浦村お散歩団までお問い合わせ下さい。

 追記 これは私がケンナン通信舎のThe Kennan通信32号(2000年6月号)へ書かせてもらった日帰り旅行記を少し手直したものです。


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