ICE路線図(ドイツ)
高速鉄道
本ページでは、具体的な予約操作方法は解説しておりません。すみませんが他の、詳しいサイトさんを参照ください。
在来線を含むドイツの鉄道については、こちらに記載しています。
ドイツの高速鉄道線
ドイツ鉄道(DB)のインターネット上の情報は充実しています。DBさんのサイトのここから路線図へのリンクを開くことができます。
リンクを開いたページは図1のように、上半分にICE等の高速鉄道や都市間鉄道の路線図、下半分が地域路線図になっていると思います。
ドイツの高速鉄道はここで紹介しているように在来線を走行できるため、複雑に運行されている一方、運行本数がほとんどない路線もあります。後述するように、デルタ線が多いため、列車の編成の向きが決まらず、日本のように1号車がどちら側ということは直前まで明確にできない仕組みです。
都市間列車は、列車ごとに料金が決まりますし、日本と違い、特急券という概念がありません。そのため、乗りたい時間に運行され、リーズナブルな料金のIC(都市間特急)やIEC(高速鉄道)を選んで乗車する必要があります。
きっぷの買い方
2024年9月時点での情報です。概要のみ記載しておりますので、具体的に知りたい方は旅行サイトさんを参照下さい。
なお、日本航空のドイツ鉄道(DB)Rail & Flyサービス - JAL国際線 という、特定の空港に到着後にドイツ鉄道に24時間以内に乗り継ぐ方に関するサービスについては、本ページで紹介している方法は適用できません。
きっぷの形式
ICEのきっぷはドイツ鉄道(DB)サイトにおいてオンラインで購入できます。
しかしながらキャンセルの条件等は英語等でよく読む必要がありますので、何か不安を感じる場合には、旅行会社さん等のきっぷ手配をご利用下さい。
- (1)出発駅、到着駅、出発日及び時間帯、往復か片道か、人数、適用できる割引(小児等)、オプション(途中下車の有無等)を入力
- (2)列車を選択。料金は列車によって全然違います。
- (3)追加オプション(座席指定等)を必要な場合選択
- (3-1)座席指定する場合、空席にある号車・席から選択。
- (4)きっぷのタイプを選ぶ(1st class/2nd class等の等級や、払い戻しの可否等の条件の違い)
- (5)ユーザー登録してログインするか、今回のみか、を選択し、電子メールアドレス、名前等を登録。どちらも、メールアドレスを登録した時点で間違いがないかの確認のメールが届きますので、受信&確認手続きをした上で次に進んでください(確認しないと、(7)のきっぷの送信が保留されてしまうため、ひと手間増えます)。
- (6)クレジットカードにより購入
- (7)(5)で登録した電子メールに、PDFファイルできっぷが届きます(図2参照)。
※次項「運転方向」で述べるように、アプリなら予定進行方向も一応わかります。
以上により「Deutsche Bahn booking confirmation(order:xxxxxx)(ドイツ鉄道の予約確認書(注文番号:xxxxxxxx))」という購入確認メールが届きます。
なお、ユーザー登録はしても、しなくても同じですが、急に日程変更する場合や、何度もきっぷを予約する必要があるならばユーザー登録してログインしたほうが楽ではあります。
なお、ウムラウトが入る駅名や都市名を入力する場合は、ドイツ語の規則どおりeをつけるとウムラウトの代替になり、候補駅が表示されるので便利です。例えば「München Hbf」(ミュンヘン中央駅)なら「muenchen」のように入力します。
きっぷについては、図2に予約番号にあたるのが右上の「Auftragsnummer」のところの番号です(※図2では塗りつぶしております。)。
列車が指定されたきっぷでは、一般的に日本のように特急券と乗車券という概念ではないため、基本的に別の列車には乗れません。飛行機と近い感じです。
ICEの運転方向
上述の予約時の(3-1)の手順において、どちらが「前」か気になると思います。椅子も固定式ですからなおさら気になるはずです。
結論的にはドイツ鉄道のスマホアプリ DB Navigatorでみると下の図3のように、進行方向が表示されます。後述するように急に変更になる可能性はありますが、参考になると思います。
source : Deutsche bahn [DB navigator]
「DB Navigator」では、日時、駅間を指定すると以下のような画面が表示され、Journey Information→Coach sequenceと選んでいける場合には、計画上の進行方向が分かります。Coarh sequenceというメニューが表示されない場合は、その列車については運転方向が公開されていません。
運転方向が公開されない場合があるのは、欧州の路線には「デルタ線」が多いため(行き止まり構造の駅の周りに多い)、運行計画上どちら向きになるかは事前に内部的に決めてはあるものの、事故等でのう回や運転整理を行った結果、運行計画とは進行方向が変わることが時々起こるためです。わざわざ元に戻すのは大変なので、お客さんがホーム上を歩き、列車に合わせることになります。
上述のようにアプリでは進行方向が表示される場合があるのですが、どちらが「前」になるかは鉄道運行事業者も「保証できない」と説明しています。当日、駅での表示をみてようやく確定するような感じです。日本の高速鉄道線では、向きが変わることはありませんので違和感が多いですが、線路の構造上仕方ないと割り切るしかないかと思います。
そもそも欧州では列車遅延は多く、運転整理によって直前に進行方向が変わってしまいやすい環境です。発着ホームが変わったり、別の編成が代走することもあるため、あくまで参考情報です。
運転方向やホームが変わるケースは、発車時刻の直前に変更がアナウンスされるので、この場合には結構あわただしく移動するはめになります。日本ではめったに起きないですから、利用者の立場ではこれは参ります。
車種の判別
予約する際、車種についてもある程度判別可能です。しかし予約する際に画面表示される編成はデフォルメされているため、車種の判別には少しコツがあります。
下の図4は、ドイツ鉄道(DB)さんの座席予約の際の表示の例ですが、この列車の場合には、
(1)2列車併結タイプなのに、27号車と31号車の間がつながって表示される(実際は車内で移動できない)
(2)座席のない25号車、35号車(いわゆる食堂車)が表示されていないので車両総数がわからない
(3)前後に動力車が付いているように見える。
・・・といったデフォルメがあるため、車種が調べにくくなっています。
Source: Deutsche Bahn internet site (https://int.bahn.de/en)
編成中の一部車両番号が抜けているのは、その番号の車両が果たすべき機能を持った車両がないためです。上の図では25号車がないのは、野球で例えるなら、三塁手(5番)を欠番にして守備をしている感じです。
十の位にも日本にはない特徴があります。20番台の車両は、20番台の車両で1編成を構成します。30番台の車両も同じです。そのため、27号車の次に31号車で、28〜30が欠番であったり、30番台の列車が「逆向き」の場合には21号車のとなりが37号車だったり、31号車だったり、という編成となります。これに対して、日本の場合には特別な増備の場合以外には連番になっており、運転方向も固定されています。
ICEの車両番号は、車側のディジタル表示です。
日本の新幹線では、車両番号は某大手メーカーのシールで車体に貼っていますしプラットホームにも何号車乗り場か書いてある場合が多く、固定的で、欠番や、21号車の隣が38号車、というわかりにくいことは起きない運用になっています(在来線で増備車が「増4」などとなることはありますが、指定席ではないですから困らないかと)。
話をICEの車種の推定方法に移ります。
ただ、以下は情報が古くなっている可能性があることはお許しください。ドイツ鉄道のシステム更新頻度が高く、特に後述するように、ICE 1のような大規模リニューアルも進んでおり、頻繁に激変しますので。以下は2024年時点の情報です。
ご注意:2024年時点のICEの種類判別をするのですが、近隣国から乗り入れてくる車両は私が詳しくないため除外しています。また、判別方法が正しくても、互換性のある編成同士で急に運用が変更になる場合もあるため、違ってしまう可能性はしばしばあります。ICE 4、ICE Tの予定でも、現在引退が進んでいるICE 1が急遽代打で登場する場合があります(これは、今となっては大変貴重です)。
判別手順
・最小の車両番号を調べる。
・最大の車両番号を調べる。最小の車両番号が1の時は単純に最大の車両番号ですが、最小21の場合は29以下のうちの最大を、最小31の場合は39以下の最大を得る。
・最小−最大の間の食堂(bistro)つき車両(レストランマーク)が何号車か調べる。表示されていない場合もあります。
背景が灰色は1Class(1等車)、白色は2 Classの座席があることを表しています。
・さらに、もし興味があればですがICE 3についてより詳細な型式を調べるため、最大値の車両番号が29又は39の時は、最大値の車両番号の車両(1st class)の座席の数を数えてください。。ただし、個室コンパートメント(図6)を除いた座席数です。
・これらの値を、図5に当てはめて下さい。
なお、「ラウンジ」とは、いわゆる展望席で、1等車(1 class)側のほうが座席が少なくなっていますから、6席のはずです(図7)。
最小値 | 最大値 |
|
最大値の車両の座席数 | 車種 | |||||||||
1 | 12 | 7又は非表示 | 37席 | 11列×3 + 2列×2 (個室の18席除く) |
ICE
1(401型,801〜804型) 2023年改造車 |
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1 | 14 | 8又は非表示 | 38席 | 12列×3 + 2列×1 (個室の18席除く) |
ICE 1
(401型,801〜804型) 2008年改造車 |
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1 | 14 | 10(1 class) | 50席 | 15列×3 + 2列×2 + 1席 | ICE 4 (412型) 8号車がある場合は13両タイプ 8号車がない場合は12両タイプ |
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31以上の場合は、10引いて、以下の表を参照願います。 | |||||||||||||
21 | 27 | 26(1 class ) | 50席 | 15列×3 + 2列×2 | ICE 4 (412型 7両タイプ) | ||||||||
21 | 27 | 25又は非表示 | 53席 | 17列×3 + 2席 | ICE 2 (402型) | ||||||||
21 | 28 | 27(2 class) | 41席 (43席) |
11列×3 + 2席 +ラウンジ6席(又は8席) |
ICE T
(411型 5両タイプ) ラウンジは通常6席 |
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21 | 28 | 26又は非表示 | 43席 (45席) |
11列×3 + 2列×2 +ラウンジ6席(又は8席) |
ICE T
(411型 7両タイプ) 7号車が1./2.と表示される。 ラウンジは通常6席 |
||||||||
21 | 29 | 26又は非表示 | 51席 (53席) |
9列×3 + 2列×2 + ラウンジ6席(又は8席) |
ICE 3 (403型) ドイツ国内向けタイプ ラウンジは通常6席 |
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21 | 29 | 26(1 class) | 45席 (47席) |
13列×3 +ラウンジ6席(又は8席) |
ICE 3 (406型) ベルギー、オランダ方面向け ラウンジは通常6席 |
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21 | 29 | 26(1 class) | 42席 | 14列×3 | ICE 3
(407型ヴェラロ) フランス、オーストリア方面など |
||||||||
21 | 29 | 26(2 class) | 45席 | 15列×3 | ICE 3neo(408型) |
上の図6は、一番古い編成となったICE 1です。ICE 1は混雑区間に投入されることが多いため、座席増が望まれ、経年劣化もしていたため、シートピッチの短縮による座席数増と、図6にあるようなコンパートメントの設置等の大規模な改造を行っています。上述の改造後の車両の出典はこちら(DB)です。
手荷物置き場
各車両には、手荷物置き場(棚)があり、座席予約システムでも表示されています。この近くが割合早くから埋まる傾向がみられます。
一方、日本の高速鉄道でも荷物置き場が増えてきていますが(予約が必要なので注意)、それでも足元に荷物置いて窮屈にしている人が多い状況です。日本は欧州に比べて旅客数が比較にならないほど多いため、なかなか荷物置き場を設けられないという事情があります。
在来線走行
ICE等に乗ったのに200km/hくらいまでしか出ていない場合や、在来線の駅が見える等のときは、250km/h以上で走行する「高速鉄道新線」(NBS (Neubaustrecke):日本の新幹線のような専用線)ではなく、在来線を高速鉄道改良したABS (Ausbaustrecke)や、在来線の線路を160km/h程度で走行している状態と思われます。在来線と高速鉄道の軌間は1435mmで同じ点を生かし、信号や車両の改良で在来線が走れる点を使った便利な運行形態ではありますが、この利点が、在来線列車の遅延のために高速鉄道も遅れ、全国にも波及する原因にもなっています。
現在特急タイプの列車(IC)として運行されている区間を、ICE Tに置き換えられていく計画がありますので、こうした路線が増えていくものと思います。
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