TGV路線図(フランス)

高速鉄道

本ページでは、具体的な予約操作方法は解説しておりません。すみませんが他の詳しいサイトさんを参照ください。

在来線を含むフランスの鉄道については、こちらに記載しています。

パリを通り抜ける運行・路線図について

フランス国鉄・SNCFさんの公式路線図はこの後ご紹介しますが、公式版では、TGV等の高速鉄道がパリを通り抜ける運行をしている点が分かりにくい気がしますので、自作のもの(2023年4月)を掲出します

しかしながら、下図の正確さには保証がありません。そのため、ダイヤ検索等や鉄道事業者さんの公式の地図を参照いただくことにより、図に間違いや誤解を生じる点があっても問題が生じないような使い方をお願い申し上げます。高速鉄道列車の様々な停車パターンは図1aには表現できておりません

さらに列車は、高速鉄道専用線から在来線に出入りもできます。そのため、ダイヤ検索等で、利用したい区間・時間帯に、列車があるかどうかを必ず確認願います。日本とは運行環境が全く違いますので本当に検索願います。

 


SNCFさんのTGVは、首都・パリ市内の駅を起点として地方都市へと時に列車を分離しながら運行されているのですが、パリを通り抜けて運行されるものも多数あります。
 例えば西部のナントから中南部のリヨンまでや、南東部のマルセイユから北東部のリールを通ってブリュッセルまで行くような、パリをかすめる運行です。例えるなら、新潟からきた上越新幹線が、大宮駅に停車後、在来線を通って新横浜駅あたりから新大阪駅に抜けていく感じです。

 

【図1a】[INFORMAL]フランスTGV路線図(2023年4月時点)

Attention:There is no guarantee of accuracy including any implied guarantees. Please refer to the official recent map of the railway operator.

 

下の図1bでは、上の図では同じ方向に行く列車は1本に束ねていたところを、細かく作図したものです。TGVなどのフランスから発着する高速鉄道について、主な停車駅も記入しています。クリックで拡大します。

「〇」は停車駅、「△」「▲」は停車する列車もあるが通過する列車もある駅です。が、この運転パターンは鉄道事業者さんが臨機応変に変えていますので、この図は鵜呑みにしないでください。例えば最終便だけ停車する駅、という場合もありますから、必ずダイヤ検索で、正しいのか、乗りたい時間に列車があるのかどうかをご確認願います

なお図中ではパリ市内の駅に向かう列車は細線で、その他の列車は太線で表しています。太線の列車はパリの近くで左右に曲がります。

【図1b】[INFORMAL]フランス高速鉄道TGV(詳細図)(2023年6月時点)

Attention:There is no guarantee of accuracy, including any implied guarantees. Please refer to the official recent map of the railway operator.

【詳細図の凡例】

・停車する駅がある程度分かるようにしています。時間変化が激しく、また、表しきれない複雑な運行パターンもあるため、繰り返しますが、ダイヤ検索で列車があるかどうか、お確かめください※。

・また、「○」(丸印)で示す駅はほとんどの列車が停車する駅ですが、「△」(三角)の駅は停車しない列車もある駅です。

太線で示す路線はパリ発着ではない列車運行を表しており、行先をカタカナで記載しています。

※TGVの運行は、鉄道業界ではイメージで語られることが多くて運行形態が知られておらず、誤解されていますので(関連情報はこちらにも)作ってみたものです。

運行の特徴

欧州のほとんどの国と同じく、線路を保有する会社と、列車を運行する会社が異なる「オープンアクセス」のため、列車を運転する会社(運行会社)は複数あってインフラ会社に線路・施設使用料を支払いつつ、相互に旅客獲得競争をしています。

フランスの場合、オープンアクセス会社はほとんどなく、イタリア国鉄系のトレニタリアが2021年に参入した程度で、現状ある会社はフランス国鉄SNCFも出資する合弁会社です。フランスではどちらかというと鉄道のライバルは航空機と高速バスのため、ブランド戦略や値引きなどの鉄道利用者を増やす活動が目立ちます。

日本からフランスで鉄道利用する目線でみると、以下のような特徴があります。

  • 1.TGVのさまざまなブランド(TGV Ouigo、TGV inOui)
  • 2.停車駅が少ない。運転方向転換が多い
  • 3.国際運行(TGV Lyria、Thalys、EUROSTAR、DB、Trenitalia)
  • 4.地域運行会社(TER)の特急列車
  • 5.列車同士の運賃差

1.のブランドは、ダイヤ検索やきっぷ予約で表示される、TGV「Ouigo」(テージェーヴェー ウイゴ)、TGV[inOui](イヌイ)はTGV列車を専用塗色化してバー(車内売店)の改造や一等車の廃止等の改造して独自色を出したものです。サービス品質を表す目印、つまり、ネーミングや見た目で違いを演出している点でブランドと言えます。時間帯にもよりますが、TGV Ouigoさんは、どちらかと言えば格安さを売りにしています。

2.の停車駅については、路線図をみる上での注意点でもありますが、途中駅にはあまり停車しない運行になっています。その理由はいろいろありますが、大都市が少ないこと、線路容量(運転できる本数)が少ないため遠方にいく列車には遠方に行くお客さんを乗せて効率化したいこと、駅が在来線の駅を共用(又は高速鉄道専用駅がそもそも無い)するため駅に停車するためには時間がかかってしまう、等が挙げられます。


 パリからフランス南部のマルセイユに行く列車を例とすると、パリの次の駅は地中海近くのアヴィニョン(Avignon TGV)駅であり、2時間45分間停車駅がありません。日本でいうと、仙台や新大阪に当たる途中の主要駅すら通過している感じです。そのため、目的地に直行する列車と、途中駅数駅に止まる列車の運行時間が全然違う場合があります。

フランスの高速鉄道専用線は「LGV線」と言うのですが、LGV線上に駅が少ない路線では顕著です。LGV線から在来線に出入りできる設備も設けられています。在来線に降りるだけならそう時間はロスしないのですが、古くからある地方主要都市の駅や駅周りの配線が、列車が通り抜けられない形状になっているため、運転方向を切り替えるためにプラス10分かかります(例えばマルセイユやリール(フランドル)、トゥール、メッスです。)。これは日本では新幹線ではない、非常に効率が悪い構造ですが、何とかするためには駅の地下に別のホールを建設する等の必要がありますので、旅客が日本よりずっと少ないヨーロッパでは首都でもない限りコスト面で厳しいです。

一般的に日本の新幹線より運行本数がずっと少ないため、乗りたい時間帯に乗りたい列車があるかどうかは事前に必ずお調べ下さい。駅に行ってから調べるのは本当に効率が悪いです。

3.の国際運行は、フランス国外へ運行される列車です。Lyria、ThalysはSNCFの子会社でもあります。会社が違うと運賃体系も違います。

4.の地域運行会社ですが、フランスの地域運行会社(TER)もブランド化を進めているほか、パリまで特急列車が乗り入れています。パリからノルマンディのLe Havre(ルアーブル)の場合、TGV Inouiもありますが、TERの特急列車のほうがTGVで行くよりも本数が多く便利です。もっとも、これはLGV線の整備が進んだ現在では、レアケースです。

5.についてはダイヤ検索をしてこの先数日分の一覧表を見てみるとわかります。一般的に、購入するタイミングが早いほど安く販売されますが、安いきっぷは取り消し・変更に強い制約条件があるため、焦らないように注意したいです。

きっぷの買い方

2023年1月時点での情報です。概要のみ記載します。詳しくは旅行情報を記載している旅行サイトさんを参照下さい。

きっぷの形式

SNCFのきっぷはオンラインで購入できます

PCやスマホでオンラインできっぷを購入すると、以下の(1)〜(3)のようにして、必ず名義人が持ち歩くことなど(※第三者への譲渡は禁止されています) 記載された購入確認メールが届きます。なお、ユーザー登録はしても、しなくても同じですが、急に日程変更する場合や、何度もきっぷを予約する必要があるならばユーザー登録しておくと操作が楽、という程度です。

TGVの中では一般的にWI-FIが使えるものの(※予約時に、その列車の設備や、座席指定ができるかどうかも分かります)、きっぷですから紙で持ちたい場合には下記(3)のように自分で印刷していきます。

予約番号にあたるのが右上の「booking」のところの記号です(※図2では塗りつぶしております。)。

現状高速鉄道はホーム入場時に検札がありますので、そこで、さっそくきっぷを提示することになります。

よいご旅行を。

【図2】オンライン購入のTGVのきっぷ(PDF形式の場合)

(1)【スマホアプリ】スマホアプリにログインし、アプリの画面で、予約済みのきっぷを表示すると現れる、QRコード又は予約番号を提示する。

(2)【PDFファイル】 上記(1)のPDFダウンロードボタンで、上の図2のようなきっぷをPDFファイル形式でダウンロードします(download ボタンがあります)。これをスマホの画面上で表示し、提示する。

(3)【紙に印刷】  上記(2)のPDFファイルを、事前にA4用紙に印刷し、紙媒体で提示する。


予約・購入方法

SNCFのきっぷはフランス国鉄SNCFのサイトでオンラインで予約・購入できますが詳しい方法は、他の旅行情報を扱っているサイトでご覧ください。

価格について

列車を指定して購入するタイプのきっぷは、発車時間帯によってきっぷの値段が異なります。時間帯によって半額以下だと思いますし早期に予約するほど一般に安く買えます。

上記のオンラインサイトでは、「この価格で買えるのはあと〇席」というように表示され、煽られますが、その後変更に制約があるきっぷは、差額の支払い等の後述するような制約もあるため焦らないことが大切かと思います。

変更・払い戻しについて

列車を指定するタイプのきっぷと、ローカル列車(=列車を指定しないタイプのきっぷ)では違いますし、安く購入できるきっぷでは条件が違います。

変更・払い戻し条件は、購入されたきっぷの中に書かれています。

上記図2のきっぷはほぼ定価で購入したものです。この場合(繰り返しますが、きっぷによって違います。)、出発前に限り変更・払い戻しができるものの、出発の6日前以降は変更手数料がかかることと、出発30分前からの変更に対する制約事項が書かれています。

変更できないきっぷ(列車)もあります。気になる方はSNCFさんのアフターセールス条件(英語)を事前によくご確認願います。

手荷物ラベル

荷物置き場に置く手荷物には、例えば図3のような持ち主を示すラベルを付けることが義務付けられています。

こうしたラベルはホーム入場時の改札場所等で配布していますので所有者名をペン等で記載するのですが、持ち主が分かればラベルの書式は何でもいいようです。

【図3】荷物のラベル(表、裏)

在来線走行

TGV等に乗ったのに、200km/hくらいまでしか出ていない、在来線の駅が見える等のときは、高速鉄道専用線(LGV)ではなく、高規格に改良した在来線を走行する区間です。建設コスト低減や、市街地から高速鉄道に乗れる便利さを狙ってこのような設計がされているのです。

高速鉄道線といわゆる在来線の線路幅が同じですので、TGVが運行されている路線の多くがこうした路線(又は駅)になっています。

【図4】LGV線(マーカー部のみ)