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【RAMS】15-RAMSとIRISクイズ

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RAMSクイズ

RAMSとIRIS編

お詫び。第3〜第7問は、上部メニューの「IRIS」タブからの出題です。

第1問

RAMSライフサイクルの各段階は、その段階に予定されたすべての活動が終わらなければ、次の段階に進められない。  



答 ×

本来はVerifierが業務が正しく実施され、Validatorが実施された業務が正しいといえるかを検証した上で次の段階に進むが、業務の一部が終了していない場合でもValidatorが影響を分析した上で、次の段階に進む等、現状に則した業務形態は可能です。ただしそのような、一部を先送りする場合の手順や判断する者を計画しておくことが重要です。



第2問

同じ製品に対しても、さまざまな認証書が出されることがある。  



答 ○

一口に「認証」といっても、世の中の様々な規格や法令・ガイドラインに対する適合性を示す認証(○○認証、と呼び分ける)があります。ECマークも、認証の一種です。



第3問

適合性を第三者が保証する手続きが「認証」、その認証を行う機関の能力を審査することが「認定」である。  



答 ○

認定機関はISO/IEC17001に適合していることが望ましいのですが、認証制度は誰でも作ることが可能です(規制する法律や国際法はありません)。したがって、その認証機関を認定する機関(スキームオーナー)も独自に設立することが可能です。

しかし、一般的には中立性・公平性や、国際的な通用性が期待されることから、ISO/IEC17001に適合しているような認定機関が信用されることは間違いありません。



第4問

認証機関の認証書は、認証機関同士で相互承認される。  



答 ×

相互承認が行われる認証制度はごく少数で、以下のような場合に限られています。

@政府間で協定がある場合

A認証スキーム(=認証制度)で相互承認が認められている場合

B認定機関同士が協定を結んでおり協定に規定されている場合

C認証機関同士が協定を結んでその協定に規定されている場合

 ISO9001についてはBのケースです。相互承認をするためには、相互の能力確認(サーベイランス)が必要とされることが多い。



第5問

EN 50128に基づく認証は、IRIS認証によって出される場合もある。  



答 ○

 IRIS(ISO TS 22163を要求事項とする認証)では、ソフトウェア製造サイトに対して認証する場合に、EN50128が記載されている。



第6問

IRIS認証を行う認証機関を認定しているのは、フランスの著名認定機関Cofracである。



答 × 

 IRISのスキームオーナーであるUNIFE(正確にはIRIS management board)が認証機関を認定している。なお、UNIFE自体はISO/IEC 17011に該当するような機関ではありませんが、相互承認スキームの「IQNet」には加入しています。



第7問

ISO 17065に基づく認証機関が発出したRAMS認証書が、RAMS認証書と認められず受け取られない場合がある。  



答 ○

認証機関にはブランドがあるため、認証書を提出しても認められない場合がある。特に、相手側からみて初めての認証機関であるなら、認められない可能性が高まる。仕様書等に具体的に認証機関名が指定されている場合もあり、そのような場合には当然指定された認証機関の認証書は通用しない。

例えるなら「鉄道総研」の技術評価を受けたならいいけど、○○社の技術評価ではダメ、というような運用であって、特に珍しいことではない。



第8問

RAMS系規格のライフサイクル各段階において行われる「Verification(検証)」や、要所の段階で行われる「Validation(妥当性確認)」ですが、ISO 9001:2015においてもverification及びvalidationは規定されている。



答 〇

ISO 9001:2015(JIS Q 9001)でも、製品に期待。

8.3.4 (Design and development controls)に、「verification activities are conducted to ensure that the design and development outputs meet the input requirements」、「validation activities are conducted to ensure that the resulting products and services meet the requirements for the specified application or intended use;」とあり、RAMS系規格のV&Vに関する規定と差がありますが、ISO 9001にもV&V活動は規定されています。

ISO 9001では、いつ、だれが行うか等の具体的な規定はありません。



「日本の企業が、欧州規格で作ってくれたら最強」という話はよく聞きます。関係者が合意しやすい欧州規格ベースで、かつ日本品質だから、との事。地球の裏側まで、日本製品の品質の良さは知れ渡っています。