釜石

 裕里が「釜石に行きたい」と言う。…彼女を引きつけるものは何なんだろう?興味本位で行ってみることにする。

 釜石が近くなった時「何で釜石に行ってみたいのか」と、問うたところ「大きな港だから、魚介類が美味しいと思って。ただそれだけ」という答えが返ってきて愕然としてしまった。
 釜石といえば、言わずと知れた『製鉄』で栄えた町である。…漁港じゃあるまいし、美味しい魚介類なんて揚がるはずもない。…しかし、もう釜石市内に入ってしまった。

 釜石には、世界に3つ(イタリアのフィレンツェ・イギリスのバース、そして釜石)しかないと言われている『橋上市場』のうちの1つが現存する(写真)。…それを、自分の目で見てみたかったので、釜石に行く意義がなくなったというわけでもないから、まぁいいか。

 …ま、それは明日の朝に行くとして、まずは目の前にあることを片づけなきゃならない。
 釜石に入ったのは18:00過ぎ。観光案内所は当然もう店じまい。…さぁ、今日はどこに泊まろうか??
「野宿でいいよ。」…裕里は楽しそうに言う。けどね、(一応)女の子なんだし「はい、そうですか」って野宿させるわけにもいかないでしょ…。あわてふためく私。

 …しかしどうしてだろう。何故かもう車の中で寝ることは決まってしまったようだ。
 そうとなれば、と、腹をくくってご飯を食べに町へ出かけた。

 『中村』という大変美味しいごはん屋さんがある(そうとうお高いらしい)そうだが、あえて冒険して違う寿司屋へ入ったら、イマイチでがっかりして帰路に就く。

 釜石駅前に車を止め、そこで野宿決定。
 顔を洗おうと思って、クレンジングオイルをたっぷり顔に塗ってから駅のトイレへ向かう。…が!なんと駅のトイレは夜間立入禁止で、水も出ないときたもんだ!…ヤバイ。すっぴんで顔面オイルまみれの私と裕里。

 …行きましたよ。責任取って、コンビニに水を買いに。ミネラルウォーターで歯と顔を洗うという超リッチなことをしたのでした。はぁ、やれやれ。オヤスミナサイ。

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