光原社

 当初の目的を見失ってはいけません。
 ここに来た目的は「南部鉄瓶を買うこと」。

 その上で、裕里が行きたがっていた『光原社』へ行く。
 ここは、市内の南東のはずれにあり、宮沢賢治の『注文の多い料理店』の出版元としても有名なところだ。

 …とはいえ、今は出版社というよりは観光名所。民芸品店・喫茶店・伝統工芸品店が軒を連ねている。
 中でも伝統工芸の方は結構有名らしく、ガイドブックには必ずといってもいいほど載っているらしい。
 裕里も何かで見かけたらしく、ここで南部鉄瓶を買うんだ、と息巻いている。

 早速店を覗いてみたけど、南部鉄器はあまりない。しかも、けっこうイイお値段。
 しかし、ここでやっていることはすごく意義が高いと思う。伝統芸能と現代的なデザインをうまく融合させた作品(品物)が多い。しかも、理にかなっていて、実生活で使い勝手がよいように考えられている。

 裕里はここで鉄器の鍋敷きを買っていた。かわいい。
 これは安かった。800円也。雪の結晶の模様。他でも鍋敷きを見たけど、ここほどかわいいデザインのものはついぞ見つけられなかった。鍋も同じ。
 しかし、鉄瓶は他とあまりデザインも値段も変わらなかった。ザンネン。

 裕里も、ここで鉄瓶を買うのは諦めたみたいだ。

←back  next→ 

1.南部鉄瓶   2.食道園   3.白龍   4.盛岡城
5.光原社   6.てづくり村   7.急須   8.南部せんべい汁
9.小岩井農場   10.釜石   11.橋上市場   12.ごはん♪
13.ガゼ   14.気仙沼   15.お夜食♪    EXIT!