デボラ・カー
(1921-2007)

クオ・ヴァディス
(1951)
めぐり逢い
(1957)
サンダウナーズ
(1960)

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一口メモ


彼女が、50年代を代表する女優さんの一人であることに異論のある人は、ほとんどいないはずです。50年代以後の出演作のほとんどは、アメリカ映画であるとはいえ、彼女がイギリス出身であることは、周知のところでしょう。何しろ、イギリス映画の「黒水仙」(1947)に出演した後、ハリウッドにスカウトされた時には、英国映画史上最大の損失とまで言われたようです。同様にイギリス出身のスーパースターであるケーリー・グラントとは、「Dream Wife」(1953)、「めぐり逢い」(1957)、「芝生は緑」(1960)で三度カップルとして共演しますが、最後の「芝生は緑」では倦怠夫婦として登場するのが何とも共感を呼ぶのではないでしょうか。「あのスーパースターの二人でさえ!」というわけです。「結婚専科」(1965)では、何と!黒いネグリジェを着て誘惑するにも関わらず、あのフランク・シナトラに見向きもされなくなってしまいます。どうやら「旅路」(1956)あたりからオールドミスを演じることが多くなるのは、年齢的に致し方ないところかもしれません。40年代後半から、6回オスカーにノミネートされながらついに一度も受賞に至ることはありませんでした。個人的な感想を言わせてもらえば、個性よりも優雅さが勝っているために、オーディエンスのまぶたに強烈なイメージを焼き付けるパンチ力にやや不足していた感があります。また、声の質がどちらかといえばハイピッチなので、印象が軽くなり若干損をしていたのかもしれません。きっと、キャサリン・ヘップバーンのように、オーディエンスの記憶に強い印象を刻印するしゃべり方と振舞い方を会得していたならば、6回ともオスカーに輝き、ヘップバーンの記録を抜いていたかもしれません。ただ、それでは、もはやデボラ・カーであるとは言えないのも確かでしょう。いすれにしても、偉大な女優さんであったことに間違いはありません。

主な出演作品


1947
黒水仙
1958
旅路
1950
キング・ソロモン
1959
悲愁
1951
クオ・ヴァディス
1960
サンダウナーズ
1952
ゼンダ城の虜
1960
芝生は緑
1953
地上より永遠に
1961
回転
1956
王様と私
1963
ドーヴァーの青い花
1956
お茶と同情
1964
イグアナの夜
1957
白い砂
1965
結婚専科
1957
めぐり逢い
1969
さすらいの大空
1958
悲しみよこんにちは
1969
アレンジメント

関連レビュー


悲恋の王女エリザベス

ジュリアス・シーザー

Dream Wife

お茶と同情

めぐり逢い

悲しみよこんにちは

旅路

サンダウナーズ

芝生は緑

回転

ドーヴァーの青い花

イグアナの夜

結婚専科



1999/04/10 by 雷小僧
(2009/04/03 revised by Hiroshi Iruma)
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