その点ではクリンゴンが全員、名誉ある勇敢な戦士であるというわけではなく、あくまでもそれを理想として掲げているのである。ロミュラン星間帝国に国を売ったジャロッド、その罪を隠そうとしたデュラス等、卑怯なクリンゴンもいるのである。
話はそれるが、クリンゴン人が戦士であることを目指しているのと同じ様に、バルカン人も論理的であろうと目指しているのであって、決して感情がないわけではないのである。従って、臆病なクリンゴン人もいれば、感情的なバルカン人もいるのである。更には、腰の低いロミュラン人、礼儀正しいフェレンギ人、駆け引きの苦手なベタゾイド人、等もいるはずである。今までは無理であったが、ヒューの影響で今後は孤独を好むボーグも考えられる。但し機敏なパクレッド人は無理であろう。
この戦闘服は男女共用であるが、別に女性用の胸の開いた型もあり、俗にKlingon kleavage(cleavageは女性の胸の谷間のこと)と呼ばれている。デュラス姉妹はこれを着ており、袖が赤色のこともある。[TNG: The Emissary]でケーラーが着ていた戦闘服もデザインがちょっと違っており、これも女性用であろう。
また、この戦闘服とは別に黒い型もあり、これには胸当てが四角い型と、肩当てが張り出した型の二種類が認められ、更にチャン将軍の着ていた縫い目が斜めにはいった特殊な型もある。連邦との和平交渉の際、クロノス1号の乗員たちはこの型のものを着ていた。デザイン的には青い型よりも攻撃的な印象が薄れ、落ち着いていて、シックな感じがするので、もしかしたら非戦闘時に着用する制服で、クリンゴン・タキシードとでも言うべき礼服なのかも知れない。(因みに、モルスカ前哨塔の警備員もこれを着ていた。)
連邦と敵対関係にあった頃には、出会うクリンゴン人はみなこのメタリック・ブルーの戦闘服を着ていた。平時でも戦闘服を着ている様子は地球のコサックを彷彿とさせる。しかし、和平後には私服姿も見られる様になった。
その他、ヴァルクリスは銀色のドレスを着ていた。カマラグ大使は儀式ばった紐飾り付の白い衣装を着ており、これと同じ服を[TNG: The Sins of Father]で旧市街を歩いていた通行人も着ていた。ゴルコン宰相は独特の赤と黒のロングコートを身にまとっていた。[TNG: Heart of Glory]のクネーラ中将と[ST5: TFF]のクラーに人質救出の指令を出した司令官(クレル?)も違った制服を着ていた。
[因みにこの戦闘服のデザインにはやはり日本の鎧も参考にされているそうです。私は映画の3作目のクリンゴンは「サムライ+蒙古+ヘビメタ」であるとみています。また、このwarrobeという表現をどこで見たのかは覚えていませんが、単にwardrobe(衣装)の誤植だったのかも知れません。]
1996.10.26 | 現在のレイアウトに変更。 |
1997.2.9 | warrobe【戦闘服】の項で、Klingon kleavageの語源を追加。 |