ケルラ准将やモルツは飾りを付けていた。非戦闘員の中にはゴルコン宰相やカマラグ大使の様に髪を結っている者もいる。また、クルーグ船長は頭の後ろを結って、小さなちょんまげをつくっていた様である。ヴィクシスやヴァルクリスの様に髪を完全にまとめるのは珍しい。トルグの様に生え際が後退した者やチャン将軍の様に禿げた者もいる。
名誉は同時に社会への体面でもあり、クリンゴン戦士は常に名誉ある行動を求められ、それに応え続けなければならない。名誉に反する行為は、当人のみならず、一族全員の「恥じ」であるとされる。もしその様なことになれば、naDHa'ghachを受け、一族七代に渡って名誉を剥奪され、様々な権利を失う。
しかし、組織が大きくなると建て前だけではやっていけないのが常であり、クリンゴン帝国もご多分にもれず、帝国の存続のために名誉を犠牲にすることもあるのである。キトマーの虐殺が実は自らも死亡したクリンゴン人ジャロッドの手引きによるものであったことが判明し、本来ならばその跡を継いだ息子デュラスに責任が追及されるはずであった。しかし、デュラス一族は帝国内でも有力な家系で、これを敵にまわせば内戦になり帝国存亡の危機に陥ると判断した時の総裁クムペックは、同じくキトマーで死亡し遺族もいないと思われていたモーグを裏切り者に仕立て上げて、事を穏便に済まそうとする。