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race【人種】Segh
クリンゴンの人種を、地球の人種に当てはめるのも変なことであるが、一応今のところ、白人系と黒人系の二種類が認められる。白人系と言っても肌の色は地球のそれよりも濃い。白人系は南の種族で、黒人系は北の種族ということなので、クロノス星の大陸は南半球に寄っているものと思われる。

また、ここで一つ議論せねばならない大問題がある。それは、ヴィジャー事件以後見られるようになった額に凹凸のあるクリンゴン人と、それ以前の地球人によく似たクリンゴン人の存在である。

 
これには様々な仮設・俗説が飛び交っているので、以下にいくつか紹介する。

  1. 融合人種(Fusion race)説

    概要:
    クリンゴンは各占領地域で現地の種族とより円滑な交渉(命令や搾取)を実現させるために、自らを生化学的手術(今で言う遺伝子技術)によって原住種族と同様の姿に変えてしまう。本来の姿の者を帝国人種(Imperial race)、改造された者を融合人種(Fusion race)と呼ぶ。つまりは融合人種は植民地への派遣部隊ということになる。惑星連邦の領域への領土拡張を企てていた当時のクリンゴンは、地球人が連邦内で支配的地位にいることに注目して、地球人への融合を試みたというわけである。この説によれば、ロミュラン融合人種も存在するそうである。また、クリンゴン人は生きた知的生命体による人体実験に対して何の嫌悪感も抱かないので、この分野の技術が連邦よりもはるかに進んでいるということである。

    考察:
    [TOS: The Trouble with Tribbles]では外科的手術で地球人に変装したスパイのアーン・ダービンが登場している。融合人種といえども、意図的にクリンゴン的要素を残してあるのでスパイとして潜り込むには更なる改造が必要となるのであろうか。

    また、[TOS]で人類型の容貌で登場したコル、カン、コロースの三名は[DS9]では帝国人種として再登場している。融合人種から帝国人種への蘇環は簡単に行なえるのであろうか。

    この様な行為は、現在のクリンゴンの印象からはとても考えられないものである。

    quv Hutlh HoHbogh tlhIngan 'ach qabDaj 'angbe'bogh.
    <顔を見せずに殺すクリンゴンに名誉はない。[TKW]>

    'ang'eghQo' quv Hutlhbogh jagh neH ghobtaHvIS ghaH.
    <戦いで自分の姿を隠すのは、卑怯な敵だけである。[TKW]>

    非常に古くからの伝統を伝え続けている様に見えるクリンゴンも、実は一時期伝統や倫理の放棄があったものと推測される。自らの文化に誇りを持ち、正々堂々と戦うことを尊ぶ彼らも、かつての急速な領土拡張期には手段を選ばずどんなことでもしていた様である。そういう意味で名誉を著しく尊重する現在の風潮は、クリンゴン帝国が大国としての地位を確立し、落ち着きを得た結果であるとも考えられる。過去の不名誉や卑怯な行為を恥じるあまり、必要以上に名誉を尊重する様になったのである。

  2. 種族混合説

    概要:
    惑星連邦は地球人だけではなく、様々な種族から構成されている。これと同じ様にクリンゴン帝国も複数の種族から構成されている。帝国領内には、数多くの占領地、属領、植民地を抱えているはずである。資源の乏しい惑星では、兵力や労働力として原住民自身が搾取の対象となる。また、中には降伏する前に同盟を結び軍事協力をすることで国家を存続させている弱小勢力もあるかも知れない。つまり、人類型はそのような被支配民族や同盟勢力の出身で、23世紀には主に惑星連邦宙域に駆り出されていたのである。

    考察:
    無理なく納得出来る説ではあるが、一つ問題がある。この説では[TOS]で人類型の容貌で登場したコル、カン、コロースの三名が[DS9]では帝国人種として再登場していることを説明出来ない。

    考えてみるに、惑星連邦以外の勢力は単一民族国家ばかりである。但し、ボーグはその民族的単一性にもかかわらず様々な種族が取り込まれているので、人種的には豊かである[ST:FIRST CONTACT]。

  3. ドキュメンタリー説 概要:
    かなり割り切った説で、全てはテレビや映画の話なのだと認めてしまうのである。但し、我々ファンにとって、一連の物語は紛れもなく一つの歴史であり未来の現実であると思いたいものである。そこで解決策として、テレビや映画はスタートレック史のドラマ化であると考えるのである。ここでは、作品を全くの作り事と開き直るのではなく、スタートレック銀河の史実をドラマ化したものだとみなすのである。そうすれば、旧シリーズでは、予算と技術の制約を受け人類型のメーキャップで済まさざるを得なかったという現実の理由がまかり通るのである。

    考察:
    なるほど理にかなった説で、文句のつけ様もない。しかしまあ、そこまで厳密に考えなくても、あるがままのスタートレックを素直にそのまま楽しめば良いのではないでしょうか?

24世紀にあっては帝国人種があまりにも一般化したため、この時代の人はかつての人類型クリンゴンを見てもわからない様である。この容姿の違いについて宇宙艦隊のウォーフが同僚に語ったところでは、『長い話で、部外者には話せない』そうである[DS9: Trials And Tribble-action]。[なんという開き直り!!! 仮設1故か?]
Regulan blood wine【レギュラス血酒】reghuluS 'Iw HIq
アルコール飲料。
Rite of Ascension【昇段式・念耐式・飛しょうの儀式】nentay
一種の社会的通過儀式。精神的に新しい段階に達したことを記念して、ペイン・スティックの苦痛に耐えることで、これを証明する儀式。ペイン・スティックを持ち二列に並んだ大人たちの間を、彼らの攻めに耐えながら通り抜ける。以下は儀式を始める前に唱えられる言葉である。
DaHjaj SuvwI' SoH.
'Iw bIQtIqDaq bIlengjaj.
tIqlIj Da'angnIS.
jagh lucharghlu'ta'bogh HuH ghopDu'lIj lungaSjaj.

:今日、汝は戦士なり。
 血の川を巡らんことを。
 汝の魂を我らに見せよ。
 汝の両手に、征服された敵の怒りのあらんことを。

儀式中は上述の文の主語を一人称にして、本人が唱える。
DaHjaj SuvwI''e' jIH.
tIqwIj Sa'angnIS.
'Iw bIQtIqDaq jIjaH.

:今日、我は正に戦士なり。
 我が魂を見せねばらぬ。
 我は血の川へ行く。

以降、10周年毎にこの儀式が繰り返される。

ウォーフは15才の時に昇段式を経験する。6才の時にキトマーの虐殺に遭い、それ以降は地球人に育てられ、クリンゴン文化から隔離されていたはずであるが、これも里親のロージェンコ夫妻の配慮であろうか。25才の10周年には、エンタープライズ号の乗組員たちのはからいによって、ホロデッキで無事昇段式を済ます。


Romulan ale【ロミュラン・エール】romuluS HIq
ロミュラン星帝国産のアルコール飲料。透き通った水色をしている。地球人には非常に強い酒である。帝国内でも人気のある飲み物となっている。
rokeg blood pie【ロケーグの血のパイ】ro'qegh'Iwchab
料理名。
rop'ngor【ロプンゴル】
俗に「クリンゴンはしか」とも言われる病気。クリンゴン人は普通、子供の内にこの病気を済ますが、成人後に罹ると症状が重くなる。[クリンゴン語で ropは「病気」、 ngorは「だます」の意。「仮病」の意か? 例によってスタッフの勝手な造語。]
Rura Penthe【ルラ・ペンテ】rura' pente'
雪と氷に覆われ、ダイリシウム鉱山を持つ惑星。クリンゴンの強制収容所が置かれており、「異星人の墓場」とあだ名される。極寒の世界で生き延びることは出来ず、収容所からの脱走・追放は死を意味する。従って、収容所には柵はなく、転送光線を遮るエネルギー・フィールドで覆われているのみである。囚人には異星人だけでなくクリンゴン人の姿も見受けられる。

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更新情報

1996.10.6現在のレイアウトに変更。
1997.2.9race【人種】Seghの項を完成させる。

東京都板橋区 コウブチ・シンイチロウ