第2部 アラン・カルデック自伝
──孤独と休みなき戦いの日々(『遺稿集』第四章「自伝的ノート」から抄訳)
第22章 「真実を明らかにせよ!」
一八六六年四月二十七日、パリ、レマリ氏宅にて、霊媒はL氏。
「親愛なる同志よ、真実は明らかにされなければなりません。何者も、真理の輝きに対抗することは出来ないのです。真理にヴェールを被せ、真理を歪曲し、真理を損なおうとしても無駄です。というのも、真理は一カ所に固定されたものではなく、空間を移動するものであり、我々の周りの空中、至る所に存在するものであるからです。
たとえ、ある世代を盲目にすることが出来たとしても、すぐに新たな世代が生まれてきます。新たな世代は豊かな萌芽をもたらし、それまで無視されてきた偉大な事柄を、全て自らに引き寄せるでしょう。
友よ、急ぎ過ぎてはなりません。自然の法則を忘れると、時代を追い越してしまうからです。
神は全てを叡智に基づいて運用されます。あなた方の地球を構成している要素は、長い時間をかけて周到に生み出されました。あなた方が生まれる前に、体の各器官は周到に準備されたのです。様々な物質、ミネラル、ガス等が組み合わされ、徐々に化合し、濃縮され、そしてついに、あなた方の誕生となったのです。無機物質にも、有機物質にも、等しく自然の法則は適用されます。
霊実在主義もまた、自然の法則から逃れるわけにはいきません。
不毛の土地に植えられれば、周りには、雑草も、悪しき木も茂るでしょう。その場合には、雑草を引き抜き、悪しき木の枝を払わなければなりません。やがて、霊実在主義の木が大きく育てば、人生という旅に疲れた旅人がやってきて、その陰で憩うことでしょう。ゆっくりと、賢明に育てられた木の陰で、汗を拭いて、ほっと一休みすることが可能となるのです。
木が育つまでは苦しみが伴いますが、その功徳にはとても大きなものがあります。その過程には、辛さが伴いますが、それはどうしても必要なのです。そのようにして、地上という学校で鍛えられた霊は、より強くなり、より大きな事業を行うことが可能となるでしょう。
挫けそうになった者に、神は『勇気を出しなさい! 』と言います。そして、最も恩知らずな人間に対しても、到達点を、救済の地を、すなわち、転生輪廻という道標の立った道を、かいま見せてくださるのです。
虚しい大言壮語は笑い飛ばしなさい。分離派は放っておきなさい。トップに立てない為に騒ぐ者達には言いたいことを言わせなさい。彼らがいくら騒いだところで、霊実在主義の歩みを止めることは決して出来ないのです。霊実在主義は永遠の真理の大河です。どんな人間であれ、この大河の流れを止めることは決して出来ません」