第2部 アラン・カルデック自伝
──孤独と休みなき戦いの日々(『遺稿集』第四章「自伝的ノート」から抄訳)

第2章 私の守護霊について
一八五五年十二月十一日、ボダン家にて、霊媒はボダン嬢。

――(Z霊に対して)霊界には、私を守護する霊はいるのですか?
「はい、います」

――それは、先祖の霊ですか、それとも友人の霊ですか?
「いずれでもありません」

――その霊は、地上にいた時はどのような人だったのでしょうか?
「正しく、叡智に溢れた人間でした」

――その霊に守護してもらうには、どのようにすればいいのでしょうか?
「可能な限り善を行うことです」

――守護霊がかかわってきていることは、どのようにすれば知ることが出来ますか?
「あなたが心から満足している時は、守護霊がかかわってきているのです」

――守護霊を呼び出すことは出来ますか? また、その為には、どのようにすればいいのですか?
「守護霊を信じ切って、熱心に願うことです」

――私が死んだ場合、霊界で守護霊に会うことは出来るのですか?

「勿論です。もし、あなたが地上での使命をしっかり果たしたのなら、守護霊が迎えに来て祝福してくれます」

こうした質問を見れば、この頃には、まだ霊界に関して私が全くの素人だったことが分かるだろう。

――私の母の霊も、時には私のところに来ているのですか?
「その通りです。可能な限り守ろうとしてくれていますよ」

――よく母の夢を見るのですが、これは記憶から来るのでしょうか? 或は、私の想像力がつくり出している映像なのでしょうか?

「そのいずれでもありません。それはお母さんがあなたのところに実際に来ているのですよ。その時の感動から、それが事実であることは分かるはずです」

これは完全に正しい。母が夢に現れる時、私は筆舌に尽くし難い感動に見舞われる。そして、そのことを霊媒が知っているはずはないのである。

――しばらく前のことですが、S霊を呼び降ろした時に、S霊が私の指導霊になることは有り得るのか、と尋ねたのですが、その時、彼は、「あなたがそれに相応しくなれば、私はあなたを指導しましょう。そのことについては、Z霊に聞いてください」と言っていました。私は、それに値する人間でしょうか?

「もしそう望むのなら可能でしょう」
「自分が為すべきだと思う善を全て行い、勇気を持って苦悩に耐えることです」

――私の知性は、死後の世界の真実について深く知る為に、充分な力を持っていると言えるでしょうか?

「言えます。あなたはその為に必要な能力を備えています。しかし、結果は、あなたがどれほど忍耐強く仕事をするかにかかっています」

――私はそうした真実を広めることになるのでしょうか?
「勿論です」

――どのようにして?
「いずれ分かるでしょう。それまでは、とにかくしっかりと努力することです」