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課題本 2014年度

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書名 著者名 出版者 コメント
『がんばれ!児童図書館員』 杉山 きく子 本作り空Sola

古めかしくて教育的な印象。紹介されている本がどれも古い(生き残っている?)からだろうか。私はここに出てくるような本を読んでこなかった。大学生になってから読んだので複雑な思いがある。その本に出会うのにちょうどよい年というのは確かにあると思うので。

理想なのだけれど、現状の中でどう実現していくかが悩ましい。図書館学というより、児童教育畑の人なのだろうか。質問の置き換え方は興味のあるところだ。
P18、日比谷図書館:外で本が読めたり、開放的だったなぁ。関東大震災の時の対応もあっぱれ。

『不思議な尻尾』 マーガレット・マーヒー 東京創元社

訳はピンとこなかったけれど、交互にあるネイギーのひとりごとが面白かった。我輩は猫であるにひっかけるとは、訳者はちょっと前の人なのだろうか。

マーヒーは作品が心に残るという印象があるのだが、作品名を見ても覚えがない。読んだのはずっと前のようだ。これは読み返さなくては。

「世界にみちあふれる不思議に気がついた」というあたりは唐突な気がする。遺作だから思うところがあったのだろうか?

『木かげの家の小人たち』 いぬいとみこ 福音館

たぶん初めて読んだのは大学生の頃だと思う。戦争が出てくる作品だと覚えていないのはどうしてか。コップにミルクを入れるというところだけが記憶にある。

続編も読んだが、「また続く」ような終わり方だったのに続きは出なかった。

『月にハミング』 マイケル・モーパーゴ 小学館

お父さん(ジム)の口調に馴染めなかった。べらんめぇ口調ではなく、普通の口調が良かったのに。田舎の島の男性という設定を考えてのことだろうか。

ルーシ−は学習障害があったのでは?人と違うからといってビリー兄のように「施設に押し込めるなんて・・・」という文(P156)に同感。

医師と校長の日誌は大人の目線でおもしろい。校長は東京都あたりの教育委員みたいだ。「この登場人物はここにつながるのか」という史実を下敷きにしたミステリーぶりも楽しめた。特に、お婆さんになった後の「その後」が興味深い。縁って不思議。

『つながる図書館』 猪谷千香 筑摩書房

図書館見学に行く先を探す過程で見つけた本。私の思う「いい図書館」ってこんなところ。そろそろ「公立図書館」を離れて「公共図書館」へ力を注ぐ時なのかも。

『ほんまにオレはアホやろか』 水木しげる 新潮社

1月開催のイベントを控えて、今の気分とは対極にある本だった。戦時中をこのマイペースで過ごしたのだとしたら、ほんまにアホではなく、エライ(すごい)ことなのでは。3人兄弟の真ん中は変り種ができる、というのは偏見だろうか?

今の気分は「孫は来て良し、帰って良し」

『星の王子さま』 サン・テグジュペリ 集英社 ほか

池澤夏樹訳の絵本を読んで初めて内容がわかった気がする。内藤 濯訳も再読したけれど、この年になっても文体が格調高すぎてついていけない。

『天空の城ラピュタ』の歌詞は「・・・輝くのはどこかに君を隠しているから」はこの本から来てるのかとか、TuperaTuperaさんの絵本のヘビのおなかの中もこれと似てるとか、影響を受けている作品はたくさんあるのだなと思った。

『アンジュール ある犬の物語』 ガブリエル・バンサン ブックローン出版

めずらしく後書きから読んでしまった。文章の無い本は苦手なので、後書きを読まなければ最初の1枚が、犬が投げ捨てられたシーンだとわからなかったかもしれない。それがわかって読んだせいか、助手席の女性の目が何の感情も無くて怖い。

絵だけの本が苦手なのは、想像が働かないからとか、何通りも想像できてしまって正解がわからないせいだろうか。この本はデッサンの線だけなのに、遠吠えしてるんだろうなとか、人影に寄って行ってるんだろうなとか想像できてしまう。