書名 | 著者名 | 出版者 | コメント |
穴 | ルイス・サッカー
幸田敦子訳 |
偕成社 | 自分の背ほどもある穴を掘らなければならないということ。
しかも、それが冤罪による不当な処分であること、キャンプの仲間とのトラブルなど
前半はとにかく「苦しい」感じでなかなか読み進まなかった。
後半、はりめぐらされていた伏線が解明されだすと、一気におもしろくなってくるのだけれど。 2度目に読んで初めて気がついた伏線もあるし、かくし絵を見ているようだ。未だに気付いていない伏線もあるかも。 |
空へつづく神話 | 富安陽子 | 偕成社 | 神話、民話のたぐいは好きなのだが、いまいち楽しめなかった。神様が軽い人物に描かれているのがなじめないのかもしれない。イラストまで出てしまっては・・・。もっと目に見えない、空気のような存在であってほしい。
図書館で調べるシーンは、図書館にかかわる者として注目したいところだ。 |
橋の下のこどもたち | ナタリー・サベッジ・カールソン | フェリシモ出版 | パリの橋の下が「日本では想像できないような、きれいでゆったりしたところ」とは、本当に想像できない。今の日本の状況からすれば、仕事がないわけではないのに自由にしているというのも想像できない。日本の住宅は賃料が高いから、ホームレスというほうがピンとくる。
クリスマスのようすやジプシーの暮らし、市場のようすは童心に返ってワクワクしながら読めた。 |
マイベストフレンド | ジャクリーン・ウイルソン著 小竹由美子訳 | 偕成社 | この舞台は現在のイギリスということなのだろうか。なんだかアメリカの話のように思えたが、それにしてはお母さんは古すぎるかもしれない。
いじめっことの対決は、結構ハラハラした。 |
あらしの夜に | 木村祐一 | 講談社 | 同時に「くさ」「にく」と言ったとき、雷でかきけされるという映像の方が迫力あるだろうなぁ。
読む前に評判を聞いてしまったせいか、期待したほどの迫力はなかった。互いの正体がわかる瞬間はどんなだろうと思っていたのに、2巻であっさり飛ばされているし。ストーリーとしては最終巻が感動だった。「どしゃぶりの日に」も終わり方がいい。 |
13歳の沈黙 | カニグズバーグ | 岩波書店 | 一気に読んでしまった。ブラウンウェルの「しゃべれない」状況というのにも興味あったし、コナーがどのようにブラウンウェルを助けるのかということもワクワクした。
あとがきに感心した。カニグズバーグが「子供たち」というとき、それは8歳から12歳までのこどもたちのこと。それが、13歳を対象としたところが今までが違うそうなのだ。 |
GO | 金城一紀 | 講談社 | とっかかりが難しかった。韓国ー民団、朝鮮ー総連の組み合わせやら。
日本の高校に進学する主人公を、手の平を返すようにイジメだすような主義には、
どうしてもなじめない。
自分のアイデンティティーを考え始めた中高生に読んで欲しい。 |
魔女の宅急便 | 角野栄子 | 福音館書店 | キキも16歳で悩みも大人っぽいものになった。ケケは小憎らしいけれど、 キキの本心を考えさせるのに必要な存在 |
アンモナイトの谷 | バーリー・ドハティー | 新潮社 | 回想部分(母親)と現在(息子)が、混じってしまい読みにくかった。集中できない。
最後に時代も本人達も出会った時は「おお。そうなるか」と思ったけれど。 自分で自分のルーツを探るというのは、精神的にも頭脳の方もすごい成長だ。 自分の存在についての葛藤場面は辛いなぁ。 |
誰が本を殺すのか | 佐野しんいち | 「1冊あたりの貸し出し数50冊を100回貸し出せば、それだけで五千部売れたのと同じ」というのは間違いだ。
マンガや雑誌ならありうるかもしれない。MARCの作り方など、就職時を思い出してなつかしかった。
p308前川、石井のカリスマにこだわりすぎ、貸しだし至上主義の悪影響が出た。
これからは、編集者が内容を吟味し質の高いものを作ることがインターネットに無い、本の価値となるだろう。 |