書名 | 著者名 | 出版者 | コメント |
『ほんとうの空色』 | バラージュベーラ | 岩波少年文庫 |
久しぶりに古典を読んだという気がする。
今の小学生には受けないだろうけれど、
正当な日本語をある程度の量は読んで欲しいと思う。
最後は成長を予感させて終わるという
正当な児童文学お決まりで、素直に良かったなぁと思える。
どうしても大人目線ということだろう。
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『桐島、部活やめるってよ』 | 朝井リョウ | 集英社 |
スクールカーストについてはピンとこない。運動部についても入りこめないままだった。ブラスバンド部のことは懐かしかった。 2回目に読んでわかったこともある。「いけてる」子達でも実は「オタク」っ子にあこがれを持っていたんだということなんか。女子にさんざんなことを言われているシーンについてはすっかり忘れていた。忘れたかったのか、自分は女子高だったので女子が男子をこきおろす図というのが現実的でなかったのか。 |
『狛犬の佐助』 | 伊藤遊 | ポプラ社 |
おもしろかった。7歳になると狛犬のことをスッパリ忘れるというのは悲しいけれど。 続きが読みたいがなかなか出ないものだ。 挿絵は人物が漫画チックで好みではないものの、動物はうまい!「尻尾を振る」ってこの狛犬のしっぽをか〜。そして最後の挿絵、Vサインができない狛犬の手。かわい〜。 死んだときじゃなく、若い頃の魂が入ったのはどうしてかな?と不思議に思う。 |
『よかたい先生』 | 三枝三七子 | 学研 |
水俣病だけではなく他の公害病にも関わったお医者さんだとは知らなかった。 小学生の課題図書だということだが、難しいのでは?文字が小さくとっつきにくい感じがした。思ったほど時間はかからなかったけれど、課題でなければ読まなかったと思う。 原田先生のことよりも、作者が『水俣の木』をつくるまでのエピソードの方が心に残った。震災があって初めて、水俣の話が自分のこととして書けるようになったと。 |
『青空のむこう』 | アレックス・シアラー | 求龍堂 |
再読です。今回、ジュニア版を初めて読みましたが、字が大きいし行間もゆったりで読みやすかった。 でも、同じ出版社から出版されてるのにジュニア版にだけある誤字はどうして? 挿絵に好き嫌いはあるだろうけれど、場面の理解の助けになった。特にアーサーの服装を創造したり、花かごに乗ってるってどんな?というところなんか。さすがに原始人の絵が無いのは、諸説あるからでしょうか。 10代の男の子のセリフなど、やはり訳はうまいと思う。アーサーは死んだ当時の言葉じゃなく、現代の言葉を使っていた。死者も成長しているという感じがする。もちろんハリーも。 死を扱っている話しなのに全く震災や自分の親の死と結びつかなかったのは、あまりにも読みやすく書かれていたからだろうか。 |
『からすのおかしやさん』 | かこさとし | 偕成社 |
もう大人になってから読んだので、いまいちおもしろさがわからなかった。 「やまがたのおじさん」って、なんて具体的。一気に本の中が身近になった感じ。 全文ひらがなだし、絵も昔風だし全体的に古いんだけれど、今の子どもも好きなんだよねぇ。繰り返し出てくる言葉は意味がわからなくても耳に心地よさそうだ。「正統な絵本を読んだ」と思った。 |
『ルリユールおじさん』 | いせ ひでこ | 講談社 |
再読です。というか今まではしっかり読む気になれなかった本です。 冒頭部分は人物探しにもなります。「職人」!子どもにとって魅力的な人々です。 子供と親じゃなく、近所のおじいさんというところがいいです。カリスマティックアダルトと言うのでしたか? 子どものマイペースぶりがいかにもありそうで、情景が目に浮かびます。おじい さんのゆったりさ加減も |
わたしの心のなか | シャロン・M. ドレイパー | 鈴木出版 |
告白すれば私も一時期脳性まひ=知的障害と思っていた。脳のなかでも思考する 部分と運動に関係する部分は違うのに。 外国人研究者の下についた時のことを思い出す。話したいけれど話せないという 悪夢を1週間続けて見たものだった。 主人公の場合、それが何年も続いたわけだし特に頭のいい子だったし。メモを取 れないから記憶するしかないという事情も記憶力の良さに関係している かもし れない。 言葉をカバーする手段を手に入れた時の感動は、どれほどだろう。 最後のシーン、皆にこびないでトロフィーを拒否するところは「やってくれた よ」という胸のすく感じもするけれど、なんだか辛さのほうが勝ってし まっ た。「くやしい〜」で終わってしまった。 |
秘密の花園 | フランシス・ホジソンバーネット | 岩波他 |
とにかくいろいろな出版社から完訳が出ているので、3社ほど読んでみた。 福音館の本が一番ぴったりきたかな。さすが猪熊さん訳である。岩波少年文庫 (古い版)がその次で最も受け入れがたかったのは偕成社版。 ストーリーとして、読んでいて落ち着く本だった。「わくわく」の対象が今の時 代とは違ってトゲトゲしさ(刺激?)が少ない気がする。「癒し」の本 なんだ と思う。不思議な力を魔法というのはどんなものか。ディコンのお母さんが言う ように「呼び方はなんでもいい」のだ。悪いことでも良いことで も、口に出し て言ってるとその通りになるということとか。万国共通?というか、これも不思 議の一つ。 |
アギーの祈り | 濱野 京子 | 偕成社 |
記録を見たらこの作家の作品は意外と読んでいました。ということは、好きな 分野の作家だけれど、忘れてしまうような内容だったということでしょうか。 この作品はミステリーでも戦争物なのでなかなか入り込めませんで した。日本史でも戦国時代は苦手です。何語でもないカタカナ地名となったらな おのこと。 女性が主人公の作品が多い作家です。 |