6.衛兵

 衛兵に会いに、バッキンガム宮殿に行った。
 ほら、イメージの中のロンドンの、おもちゃの兵隊のような赤い制服・黒くてでっかい帽子をかぶってる、あれ。

 …そしたら、時間外で、見られませんでした。
 あの兵隊の行進、毎週金曜日の11:30〜しかやってないらしい。その行進の時間になると、どこからともなく観光客が湧いてきて、広場は埋め尽くされる。
 どうも辛抱が足りないので、人混みはパス。


 まぁ、そこまでイメージ通りの格好ではないにせよ、町中の至る所に衛兵やら警官やらが立っている。

 写真見てもらっても分かるとおり、衛兵や警官は大きい。玲の身長は158cm位なのだけど、隣の衛兵君の肩にも及ばない。
 今でこそ、そんなに厳しくはなくなったそうだが、昔は背が高い人(最低でも180cm以上)じゃないと衛兵や警官になれなかったそうだ。
 …と、いうのも、こういう人たちは職業上人を威嚇することが多いので、見下ろすように話すことの出来る、背の高い人でないと務まらなかったらしい。

 彼らは、ぴくりとも動かないで立っている。
 私たちの他に、観光客で辺りはごった返していたのだけど、誰が話しかけてもニコリともしない。
 私がこの写真を撮った後、彼の写ったデジカメの画面を見せたら、デジカメが珍しいらしくちらっと画面に目を走らせた。その瞬間、周りを取り巻いていた観光客から「Ohh!」という、どよめきが…。
 …と、いうくらい衛兵が動くのは珍しいことなのさっ。


 …ちなみに、玲が持っているのは日本では悪名高き「キックボード」。

 私と京子とLeeは歩くのが(自分で言うのも何だが)結構速い。玲はそれに付いて来れなかったので、京子のキックボード「Spulouse moose」号を借りて、ロンドン中を走り回っていた。
 ちゃんと、シールで名前というか、車で言うならナンバーみたいなものが貼ってあるんだよ。

 まだ、イギリスでは乗ってる人はあまりいなくて、玲がそれで走り回っているとあちこちで声をかけられてた。
 「かっこいいな。それ、どこで売ってるの?」とか「オレ、昨日それのエンジン付きのヤツ見たぜ!」とか、とにかくうるさいくらい声をかけてくる。

 京子によると、イギリスでは最近、東洋人の女の子は人気があるんだそうで「ヤツらは、とにかくきっかけを見つけて話しかけたいのよ。ほっとけほっとけ」…なんだって。
 彼氏のいないコはチャンスだね(ニヤリ)。

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