第2部 アラン・カルデック自伝
──孤独と休みなき戦いの日々(『遺稿集』第四章「自伝的ノート」から抄訳)

第16章 霊実在主義の未来
一八六〇年四月十五日、マルセイユにて、霊媒はジョルジュ・グヌイヤ氏(この霊示はブリオン・ドルジュヴァル氏から送られた)。

「霊実在主義は、地上で果たすべき実に大きな役割を持っています。
まず、神の法にあまりにも反している法律体系を改革しなければなりません。
また、歴史の過ちを正す必要もあります。

さらに、司祭達の手によって、悪しき商売、悪しき取引と化したキリスト教を、元の姿に戻さなければなりません。真の宗教、自然な宗教、心を救う宗教、聖職者の豪華な衣装の縁飾りにも惹かれず、華美な祭壇にも目をくれず、ひたすら神を目指して突き進む、そうした宗教を打ち立てる必要があるのです。

神の使者を名乗りながら、右手に剣を持って慈悲を説く輩、野心や権力欲の為に、人類の最も大切な権利さえも踏みにじる輩、そうした輩を見て無神論や唯物主義に入った人々を、何としてでも救わねばなりません」