第2部 アラン・カルデック自伝
──孤独と休みなき戦いの日々(『遺稿集』第四章「自伝的ノート」から抄訳)
第13章 今世の仕事を終えるには、どのくらいの期間が必要か?
一八六〇年一月二十四日、フォルブ夫人宅にて、霊媒はフォルブ嬢。
私の仕事を完成させるには、まだあと十年はかかるだろうと考えていた。しかし、そのことは誰にも話していなかった。したがって、リモージュにいる知人から、私の仕事を終えるには、あと十年はかかる、という意味のことが書かれた霊界通信の記録を受け取った時には、本当に驚いた。
――([真実の霊]に対して)私がまだ行ったこともないリモージュで霊界通信が降ろされ、私が丁度その時考えていた仕事の期間に関して、ある霊が全く同じことを語りました。一体どうしてそのようなことが可能となったのでしょうか?
「私達は、あなたが為すべきことが何であるかをはっきり知っています。そして、その為に、どれ位時間が掛かるかも知っているのです。したがって、リモージュにおいてであろうと、他の地においてであろうと、霊人達が、それをメンバーに告げ、あなたの仕事がどれほどの期間を必要とし、どれほどの規模になるかを教えるのは当然のことなのです。
とはいえ、仕事の期間は絶対に十年だというわけではありません。あなたの意志とは無関係な、予期せぬ事態が起これば、それがあと数年長くなることも考えられます」
(以下の文章は一八六〇年の時点で書かれた)私は、中心となる理論書を既に四冊出版している。霊界からの情報によれば、私は一八六七年に、『霊実在主義による創世記』を出版することになっているらしい。そして、その理論を補う為の書物を書くには三、四年程かかると言われている。したがって、その書物が出版されるのは、早くても一八七〇年、つまり、これから十年後である。