永遠の大道
冒頭の解説から、
私がここに紹介せんとするのは、フレデリック・マイヤースと名乗る霊魂からの通信で、霊媒のジェラルディン・カミンズ嬢がこれを自動書記で受け取り、去る1933年を以って一冊の書物として出版したものである。
その主要題目は、宇宙人生観をはじめ、死後の世界の組織、人体の構成、又幽明交通に関する理論等で、大体我々心霊学徒が何よりも関心を有する重要項目を網羅している。
それ等の全部が必ずしも私の研究、又私の意見と符合するともいい兼ねるが、しかし殆ど他のいかなる類書に比しても私との悲鳴点が最も多い。実際私は最近数年来本書程の会心の作物に接したことがないのである。私が多大の興味を以って本書の紹介に当たる所以である。...


イエスの少年時代・イエスの成年時代・イエスの弟子達
近藤千雄(絶好の訳者)

ジェラルディン・カミンズといえば日本ではマイヤースの通信『永遠の大道と『個人的存在の彼方』で知られている。

この二編がスピリチュアリズム思想に飛躍的な発展をもたらした重大な霊界通信であることに異議を唱える者はいないが、カミンズの評価が日本ではとかくこの二編のみで行われることに私はひそかに不満を覚えていた。
と言うのは、カミンズの自動書記通信にはその二編のほかにキリスト教の根幹にかかわる重大な通信が幾編か存在するからである。...