『天国と地獄Ⅱ』 霊との対話

アラン・カルデック(著) 浅岡 夢二(訳)
2006年 8月27日 初版第1刷
2009年12月 7日   第8刷

訳者まえがき
ここに再び、スピリチュアリズムの巨人アラン・カルデックの偉大な仕事(本邦初訳)をお届けいたします。本書には、前作に収録しきれなかった霊人たちのメッセージをすべて収めてあります。
これで、前作と併せて、アラン・カルデックの原著"Le Ciel et l'Enfer"(「天国と地獄」)に収録された貴重な「死後人生のケーススタディー」を、すべてお読みいただけることになりました。

前作をお読みくださった方から、「地上での生活がこれほどまでに厳しく評価されることを知って、ちょっと怖くなった」という趣旨のお便りをだいぶ頂きました、それは確かにまともな反応だと思いました。訳者自身の翻訳作業を進めながら多くの個所でそう感じたものです。
しかし、それは、《原因と結果の法則》(縁起の理法)が、当然のこととして適用された結果にすぎません。つまり、地上における悪しき行為が適正に評価されただけなのです(悪因悪果)。
ただ、逆に言えば、地上におけるよき行為もまた同じく適正に評価されるということになります(善因善果)
そして、それこそが、実は《原因と結果の法則》を前提とした〈究極の幸福論〉でもあるのです。つまり、悪しき行為も、よき行為も、絶対に見逃されることがないからこそ、私たちは、この地上、そして霊界で、確実に幸福になる方法を手にすることができるのです。
すなわち、私たちは、悪を避け、積極的に善を行うことによって、間違いなく幸福な未来を創造することができるわけです。

前作に比べ、本書『アラン・カルデックの「霊との対話」』--天国と地獄Ⅱには、特に、「地上での苦難を見事に乗り越えて、死後、光に満ちた世界に還ることになった人々」のケースが数多く収録されています。
それらを参考になさって、読者のみなさまには、ぜひとも、今後の人生に修正をかけ、力強く生きていっていただきたいと思います。

また、本書には、読者のみなさまへのプレゼントとして、第2部に、アラン・カルデック著『遺稿集』の第4章「自伝的ノート」を抄訳・収録してあります。
これは、まことに貴重な、また実に興味深い文献です。「自伝」を「霊との対話」によって書くという、まさしくアラン・カルデックの真骨頂を発揮した文章だと言えるでしょう。
この自伝を読むと、〈真理〉に目覚めた人間がたった一人で立ち上がり、〈真理〉を世の中広めることが、いかほどの信念と勇気を必要とするか、ということが本当によく分かります。
この自伝が、遠大な計画を胸に秘める勇者たちの心の指南役になることを確信しています。
二〇〇六年七月 浅岡夢二