平成5年(行ウ)第5号 退去強制命令等取消請求事件

 原告 準 備 書 面 (2)

第1 答弁書 「第3被告らの主張」に対する認否

[第3の第1項について]

1 同項1ないし3は認める。
2 同4は争う。
3 同5の居住地の点は答弁書提出段階の事実としては認めるが、現在は入国管理局の
許可を得て豊中市本町Aに原告ら2名が居住している。
4 同6のうち、原告ダイちゃんが出生後Aと居所を共にすることがなかったとの点は否
認し、その余は認める。
5 同7ないし10は認める。
6 同11の内、各誓約書をそれぞれ書いたことは認めるが、仮放免を得るために入管
の要求により仕方なく作成したものである。その余は認める。
7 同12は、認める。

第2 原告らの反論
1
(1)1991年9月21日における口頭による胎児認知届
 [1]原告F(以下「F」とする)と訴外A(以下「A」とする)は
、Fが妊娠したことを知ったときからその子の出産や以後の自分達の生活状況
について真剣に協議を重ね、日本人として養育させることを決意した。これを受けて
、Aは、知人である訴外崎坂治の助言を得るなどして、Fが妊娠している胎児
については、出生までにこれを認知すれば、その子に日本国籍を取得させることが出
来ると聞き知り、そのような手続きを取ろうと考えた。
 なお、右当時、Fは、外国人登録をしていなかったし、また、Aに対して、
自己のパスポートは現在所持していないと告げていたため、Aにおいては、この点も
踏まえて前記崎坂に相談していたところ、前記崎坂は、いわゆる身分証明書類として
はFの本国での出生証明書を手配することが出来るのではないかと助言してく
れたので、Aは、Fを介して、フィリピンのFの親族に右出生証明書の
作成・送付を依頼し、その取寄を手配した(この文書を以下「F出生証明書」
とする)。また、前記崎坂は、Fにおいて自己の妊娠している子をAが認知す
ることを同意する文書もあった方がよいと助言し、自らひな型を作成してAに送付し
ていた(この文書を以下「胎児認知同意書」とする)。
 [2]Aは、1991年8月22日、広島市中区役所市民課に対し、「外国人の女性が妊娠
しているが、その子を自分の子として、認知したい、そのための手続きはどうすれば
よいか」という問い合わせた。
 応対した男子職員は、パスポートなどが必要である旨の説明をした。そこで、Aは
、同年8月28日、中区役所に赴いた。このときに、Aが持参した書類は、母子手帳と
前記胎児認知同意書のひな型であり、これらを示しながら、同区役所市民課において
、胎児認知届手続きについて照会し、さらに揃えるベき書類があるかどうかを問い合
わせた。中区役所の担当者は、胎児認知届をするためには、Aが持参した書類の外に
認知届出のための書類があることを教示し、胎児の母親についてのパスポートあるい
はそれに代わる書類が必要であると説明し、それらが揃った段階で認知届出用紙ヘの
記入をしてもらうことになると述ベ、胎児認知届用紙の交付すらしなかった。
 [3]Aは、同年9月5日に再度中区役所を訪問した。Aは、同区役所市民課担当者
に対して、胎児の出産予定日が9月15日であり、時間的に切迫していること、胎児の
母親のパスポートのは所在については判明していないので、それに代わるF出
生証明書を取寄手配中であるが、フィリピンにおいて火山の噴火などがあり、まだ到
着していないこと、現時点では母子手帳と胎児認知同意書しかないが、出産予定日が
間近に迫っていることから、胎児認知届出を早急に行いたいと告げた。
 そうしたところ、前記担当者は、Aの居住地及び本籍地を尋ね、Aが、広島市西区
に居住し、福岡に本籍をおいている旨答えると、「籍を入れるのであれば、居住地で
ある西区でやった方が時間的に早く処理できる」と述べ、西区役所に行くことを指示
した。
 [4]中区役所担当者の右指示に従い、Aは、9月7日、広島市西区役所市民課に赴
いた。Aが、同課担当者に対して、フィリピン人女性が妊娠している自分の子どもを
認知したいという訪問の趣旨と中区役所での指示内容を述べ、あわせて母子手帳と胎
児認知同意書を提示した.担当者は、胎児の母親のパスポートあるいはそれに代わる
書類の有無を尋ねた。そこで、Aは、パスポートは所在不明であること、F出
生証明書は取り寄せ手配中であるが、火山噴火というフィリピンの事情もあって到着
が遅れていることを再度説明し、さらに、出産予定日までに時間的余裕がないので、
本日、胎児認知届出を受け付けて欲しい旨を述べた。しかし、担当者は、「私には判
断がつかないし、上司も不在である。本日は12時を回っているので、改めて週始めに
でも時間に余裕を以て来訪して欲しい」と無責任に答えるのみで、ついに受付をしな
かった。
 [5]そこで、Aは、9月12日、再度西区役所市民課に赴く。Aは、市民課担当者に
対して、自己の氏名、住所および本籍を述ベ、9月7日にも来訪したが、時間切れにな
ってしまったので、本日改めて訪問したこと、胎児認知届を受け付けてくれるように
告げ、母子手帳及び胎児認知同意書を提出した。応対した担当者は、Aの述ベたとこ
ろを聞き取ると、Aの持参した右書類を受領し、コピーを取った上でこれらの原本と
ともに認知届用紙を交付した。交付を受けたAはそれに記入を開始したところ、それ
を見た担当者は、「まだ生まれていないのに氏名を記載するのはおかしい」などと述
ベ、記入を中止させた。
 以上のとおり、9月21日、Aは、9月7日の訪問を踏まえ、自己の住所氏名等を述ベ
、胎児とその母親を特定した上で、右胎児を自己の子として認知する旨の意思を市民
課担当職員に対して陳述したのであるから、同日、同人は口頭での胎児認知届をした
、と言うべきである。

 (2)被告は、1991年9月21日にAが広島市西区役所市民課に赴いて胎児認知届をし
ていないことの理由として、胎児認知届の届書が提出された場合や胎児認知届が口頭
でなされた場合の手続処理としての戸籍受付帳や戸籍発収簿ヘの記載がないことを挙
げている。
 しかし、このことは西区役所戸籍担当官の怠慢を示すものであっても、Aが西区役
所に赴いて胎児認知届をしたことを否定することにはならない。
 たしかに、被告主張のような戸籍受付けの手続が予定されているものとしても、現
実に、当該の担当官がその手続を履践したという保証はどこにもない。特に、渉外戸
籍に関する手続およびその手続に必要とされる書類は複雑である。1991年12月に広島
市西区役所市民課で外国人女性と日本人男性との間に生れた婚外子の胎児認知届が受
理される過程でも、当事者の知人が西区役所に赴いて父を代理して、母の認知同意書
と母の戸籍謄本を持参して胎児認知届をしたいと口頭で届出をした事例で、書類の不
備を理由に口頭での胎児認知届の申出を受付けてもらえず、再度書類を整えて提出し
直すように指示されている事実がある。このことからみて、当時の西区役所市民課で
は、本件と同様の事例において、市民課が要求する書類をすベて整えて持参しないと
、胎児認知届けを受付けないという対応していたことが窺える。 (3)また、被告は、1991年9月12日にAが広島市西区役所市民課に赴いて胎児認知
届をしていないことの理由として、届出を受付けた職員が存在しないという。しかし
、これは事実に反するものである。
 すなわち、ひろしま婚外子差別とたたかう会(以下、「婚差会」という)のメンバ
ーが1993年4月28日に西区市民課の職員との間で話合いをもった際に、予定されてい
た議題が終了した後、婚差会のメンバーが、本件の事実関係を確認しようとした。そ
うすると、事情を詳しく聞こうとした流れの中で、「父親は生れる前に来たのか」と
確認したところ、この質問に対して、市民課の職員がこれを肯定している。すなわち
、婚差会とのやり取りの中で市民課職員は、Aがダイちゃんの出生前に西区役所に来て
いたことを明確に認めているのである。

 (4)さらに、被告は、1991年9月12日にAが広島市西区役所市民課に赴いて胎児認
知届をしていないことの理由として、Aが9月30日に認知届を提出していることを挙
げている。
 しかし、Aが9月30日に西区役所市民課に胎児認知届を提出したのは、9月12日に口
頭でした胎児認知届の追完としてのものである。そして、Aが9月30日に提出した認
知届は即日受理扱いがなされている。しかし、当時ダイちゃんの母親は、日本で外国人
登録をしていなかったため、本件胎児認知届は戸籍法61条によらず同法25条の通則に
従って父親の住所地での届出であるという異例の場合であること、父親であるAは自
己の戸籍謄本を西区役所市民課に持参していないことなどの事情があり、窓口での実
務の通例に照らせば、はじめて来訪して届出を行い、即日受理となるようなケースで
はなかったのである。このことも、Aが、9月30日に初めて西区役所市民課を訪れた
ものではないことを裏付けている。

2 生後認知による日本国籍取得の可否について
 また仮に、Aの認知が生後認知であったとしても、原告ダイちゃんの日本国籍取得は
認められるべきである。
 国籍法2条1号の 「父又は母」の解釈について、法律上の父又は母に限定して解釈
すべきではない。もし右のように解釈するならば、日本国民を父とし外国人を母とす
る非嫡出子が日本国籍を取得することができるのは、胎児認知があった場合に限られ
ることになる。しかし、このような結果は、現行の国籍法の基礎とする血統主義の趣
旨からすれば問題があるし、また(1)日本国民を母とする非嫡出子の場合、(1)準
正の場合に比較して不合理な差別をするものである。とりわけ後者については憲法14
条に違反するだけでなく、嫡出子と非嫡出子の差別を禁じた子どもの権利条約第2条
にも違反するものであり、嫡出子と非嫡出子の平等化への世界的傾向にも反するもの
である.

3 特段事情の存在による日本国籍取得について
 さらに、仮にAの認知が生後認知であったとしても、本件の場合胎児認知できなか
った点につきやむを得ない事情があった場合であって、次のような国籍法の解釈によ
って原告ダイちゃんに日本国籍を認めることもできる。
 (1)すなわち、原則的に国籍法2条1号の「父」は、法律上の父と解すベきだとし
ても、同法の基本原理である血統主義の原則から、また、同法3条1項の「父母の婚姻
及その認知により」という記載における「父母」は当然文脈上「生理上の父母」を指
すものと考えられ、必ずしも国籍法上、「父母」との語が「法律上の父母」を指すも
のではないことからして、事実上の父子関係があることが客観的に明らかであって、
かつ、出生時に法律上の父子関係が成立していなかったことについてやむを得ない事
情がある場合には、同法2条1号の「父」を事実上の父と解して差し支えないというべ
きなのである。
 この点につき、大阪高等裁判所昭和62年2月6日決定は、旧国籍法(明治32年3月15
日法律第66号)に関する事件であるが、右と同様の立場から、「『事実上の父』は、
同国籍法第1条の『父』にあたらない」として、就籍許可の申立てを却下した原審に
対し、「特段の事情が存する場合には、非摘出子について、旧民法(昭和17年法律7
号による改正前)827条、829条ないし現行民法779条、781条の認知の届出のみによる
ことなく、裁判所の手続により父子関係を認定し、それにより日本国籍の確認…を認
めることを否定するものとは解し得ない。
 すなわち、本件の場合抗告人に関し右の届出や認知の訴に基づく届出手続をとらな
かった点につきまことにやむをえなかった事情が存しており、このような特段の事情
が存する場合には、父であることが確実で母の分娩にも匹敵する父母の同居、父の子
に対する言動などにより事実上自己の子であることを認知する事実関係があり、かつ
自然的父子の血縁が認定される場合には認知の届出をまたずして、これを旧国籍法1
条の「父」と解して差し支えない。」と判事して原審を取消し、就籍を許可している
(家裁月報39巻9号4O頁以下)。
 旧国籍法第1条は「子ハ、出生ノ時、ソノ父ガ日本人ナルトキハコレヲ日本人トス
」とする規定であり、現行国籍法第2条1号の「父」の解釈につき、旧国籍法第1条の
「父」と異なる解釈をとるベき理由はない。
 (2)しかるに本件の場合、原告ダイちゃんが、Aの子であると認めるベき事実関係
にあることは間違いなく、また、Aは、胎児認知届をなすベく様々な準備をし、広島
市西区役所に赴いたのであるが、ピナツボ火山の噴火という天災により原告F
の出生証明書が届かない等の事情がより胎児認知届が受理されなかったのであるから
、やむをえない事情があった場合に当たるというベきであり原告ダイちゃんには日本国
籍が認められるのである。

4 裁量権の逸脱・濫用について
 被告は、マクリーン事件を持ち出し、それとの対比において、本件における法務大
臣の在特許可をめぐる裁量判断に対する司法審査の及ぶ範囲は極めて狭いものであり
、法務大臣の裁量権の行使が裁量権の範囲を越え、又はその濫用があったものとして
違法となるのは「法務大臣がその付与された権限の趣旨を没却してそれを行使したも
のと認められるような特別の事情があることを要するものと解するのが相当である.
」と主張する。
 しかしそもそも、不法入国者といえども、我国在留中に我国の社会及それを構成す
る人々と、様々な形で交わり、それに基づいて様々な社会的、人的及法的な関係を緊
密に形成しているのである。しかるに、退去強制処分がなされるとこれらの関係は法
的にも事実上も一気に崩されてしまうのであって、それゆえ数ある行政処分のなかで
も退去強制処分は最も侵害性の強い処分と言いうるのである。
 したがって、被告が主張するように法務大臣の裁量の範囲を極めて広範なものと解
せば、極めて強度の侵害行政にたいして司法判断が全く及ばないということになりか
ねず、このようなことは、「法の支配」という観点からは断じて許されないものとい
わざるをえないのであり、右被告の主張は失当である。

5 フィリピンに送還された場合に原告らの蒙る不利益等について
 (1)被告らは、原告らがフィリピンに送還されても何等不都合がないかの主張を
する。
 しかし、原告らは、いったん送還されてしまえば、再び我が国に入国できるとの法
制度上の保障はフィリピンにも我が国にもない。また、原告らが日本に来るにしろ、
Aがフィリピンに行くにしろ、経済的・時間的な負担を考えるとたびたび行き会うこ
とは不可能となる。原告ダイちゃんの健全な成長のために必要不可欠な親との面接交渉
権が阻害されることになるのは必至であり、親子の繋がりを否定することになるので
ある。
 (2)また、フィリピンには原告Fの父親の他に4人の兄弟が在住しているが
、これらのうち、職業に就くことができているのは25歳の弟1人だけであり(乙第64
号証)、経済的には大変厳しい状況にある。原告Fもフィリピンで職業に就く
ことは著しく困難であることが予想され、また、右のような経済状態では親族の援助
も全く期待できないのである。
 母子の生計を立てることが困難となり、原告ダイちゃんに対する十分な養育を施し得
ない状態に陥る危険は、被告らが主張するのと全く逆に、むしろ送還された場合の方
がより大きいのである。
 (3)さらに、一般的にフィリピン国内にはいわゆる「ジャパゆき」に対する根強
い偏見があり、日本から送還された女性が日本人の容貌をした子どもを連れていて、
とくにその子どもの父親が不在ということになると、子どもは差別や揶揄の対象にな
ると言われており、原告らも送還された後にそのような偏見の対象になることは容易
に想像できるものである。
 日本人男性とフィリピン女性との間に生まれたいわゆる「ジャピーノ」と言われる
子どもたちがフィリピン国内で悲惨な生活を送っていることは最近マスコミで盛んに
報道され、国際的にも大きな非難を浴びているところである。父親が子どもを日本で
育て、親としての責任を果たしたいと切望している本件のような場合ですら、母子ら
に対し退去強制を行なうとすれば、国家自身がジャピーノを作り出し無責任な一部日
本人男性を助長する結果となるのである。

6 原告らとAとの深い絆について
 (1)Aと原告Fは、たしかに婚姻届けを提出した夫婦ではない。しかし、
原告らとAは固い絆の関係にあり、Aはダイちゃんを手元において育てたいとの強固な
意思を持っている。このことは、Aが原告ダイちゃんの胎児認知を始め種々の手続に奔
走し、原告らが本件訴訟およびダイちゃんの国籍確認訴訟を提起を決意するに至ったこ
とだけからも明らかである。
 また、以下にのべる事情からも原告らとAが深い絆で結ばれていることがわかるの
である。
 Aは、広島に在住している頃は毎日原告らのもとを訪れ、経済的援助はもちろんの
こと、原告ダイちゃんの世話もよくした。Aは大阪に転勤してからも毎日電話をかけ、
週末には広島ヘ来て原告らと共に過ごすなど人一倍親子のつながりを大切にしてきた
。また、Aは親子の絆をより深めるために、原告らを大阪ヘ呼び寄せることとし、平
成5年7月、原告らは指定住居変更許可申請をし、許可を受けて大阪市ヘ転居した上、
さらに許可を受けて平成5年9月、Aの住居により近い豊中市に転居している。
 被告らは原告らとAとの関係を「単なる愛人関係」などと蔑んだ言い方をするが、
単なる愛人関係などという希薄な人間関係で以上のような行動はとれないはずである。
 (2)ところで、被告らが原告らとAとを単なる愛人関係にすぎないとする根拠と
して挙げている書証は、いずれも入管審査官または入国警備官の作成した調書である。
 これらの調書については、原告Fについては読み聞かせたことになっている
が、翻訳も全くなく、原告Fは十分内容を理解できないまま署名指印させられ
ている。また、Aについても閲覧させたことになっているが、Aとしても十分内容を
検討する間もなく、また、入管の機嫌を損ねると原告らがいつ収容されるかもわから
ないとの不安の中で署名押印させられているのである。これらの調書は全く信用でき
ないものである。
 (3)さらに、被告らは、Aに経済力が不足しているから扶養能力がない旨指摘し
ている。しかし、現実にAは、原告らの住居費を始め原告らの経済を一手に支えてい
るのであり、被告らの主張は事実に反している。また、そもそも経済力の乏しい父親
に子どもを扶養する能力がないとする被告らの考え方そのものが誤っている。一家の
経済を全面的に父親が担うのでなく、父母共に経済的に自立した上、子育てをして行
くのが望ましい家族の姿であり、原告Fもできれば経済的に自立してAの経済
的負担を少しでも軽くしたいと望んでいる。しかし、退去強制処分を受けている身分
では職に就くこともままならず、原告Fの経済的自立を妨げ、Aの経済的負担
を重くしているのは被告らの措置である。

7 非嫡出子差別について
 原告ダイちゃんは自らの意思や親の意思に反して、被告らの措置によって親から引き
離され、親から監護養育を受ける権利を侵害されようとしている。もし、Aと原告フ
ロリダとが戸籍上の夫婦であればこのような事態にはならなかったはずであり、原告
ダイちゃんは非嫡出子であったがためにこのような差別を受けているのである。父母が
婚姻関係にあるかどうかは子どもにとってはまったくの偶然によるものであって、こ
のような自己の意思や努力によってはいかんともし難い事由により子どもが不利益な
取り扱いを受けることがあってはならない。被告らの措置は、憲法14条、子どもの権
利条約第2条にも違反するものである。


|退令訴状|国籍訴状|退令答弁書|国籍答弁書|国籍原告準備書面1|国籍被告準備書面1|原告準備書面3|被告準備書面2|
|原告準備書面4|原告求釈明書|原告準備書面5|被告準備書面4|原告準備書面6|被告準備書面5|