競馬最強の法則

競馬で立派に妻子を養う男 木下健の方法

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'99 1月号 '00 1月号 '01 1月号 '02 1月号 '03 1月号 '04 1月号 '06 1月号 07 1月号

 

馬券生活者が教える
“絶対不敗”の万馬券術

常勝馬券師なら例外なく押さえている
驚異の“共通法則”の封印を
 
ついに解いた!!

木下のひと言に不意を突かれた

 「そろそろ、指数の話が入ってきてもエエんちゃうんかなって
思うんですけど……」
 いつもように木下と打ち合わせをしていた電話で、編集担当は、
このひと言にまさに不意をつかれた形だった。
 ・・・といっても何のことかわからない読者の方に説明すると、
木下が本誌に登場して早7年。その間「レベルの高いレース」
を中心にした彼のページは、読者の多大な支持もあって、
本誌連載では最長記録を更新中。そのなかで、木下の口から度々
「指数」という言葉が出てきていたのだが、本誌では詳しく触れることを
避けてきたし、木下にも“あまり深くは触れないでくれ”といい続けてきた。

 なぜなら小誌は、「読んですぐに馬券に役立つ」ことをメインテーマとしているからだ。木下の「レベルの高いレース」なら、雑誌を読んですぐに使える。新聞の馬柱で「レベルの高いレース」を探し出して、その出身馬を買えばいい。だが「指数」は、たとえよく当たるにしても、説明が難しい上、何よりも同じように実践するには手間がかかりすぎる。「読者にとって費用対効果が薄い」として、誌面で触れることは極力避けてきた。
 だが今日のあらゆる競馬の予想を見渡してみると、その実態は「指数全盛時代」ともいえる有様。著名な馬券師はのみならず、普通のファンにも潜在的な使用者はかなりの数だし、何よりも専門紙、スポーツ紙の予想家が、密かに指数にに類するものを使っているのはもはや公然の秘密となっている。 その動かぬ証拠が、昨今のオッズだ。日本の指数予想は、程度の差こそあれそのほとんどが「西田式スピード指数」が出発点。もとをたどればアメリカのアンドリューベイヤーのタイム理論だが、これを日本の競馬に合わせて消化した「西田式」を
1992年の秋に本誌で紹介して以来、指数予想はこれをベースにして発展してきた。手間はかかるが、当時はとにかく当たるし高配当が獲れるから、ものすごい勢いで普及する。普及すると、みんなこれで買うから、高指数馬に人気が偏る。 指数をやっていないファンでも、「(密かに)指数をもとに印を打っている」新聞を利用して馬券を買うから、この傾向にますます拍車。今では誰も驚かないが、例えばダートの条件戦などで力の抜けた馬が2頭馬連オッズが2〜3倍になるなんてことは、指数普及以前はあり得なかった。「指数は芝よりダートの方が精度が高い=勝負しやすい=大金投入」のは、指数使用者には常識なのである。
 「指数全盛」の傾向は、本誌に登場した馬券師をみても一目瞭然。ここ
1年だけでも、「高額払い戻し窓口の常連」ヒデキ(7月号)、風を利用した指数で馬券生活する風・小林、レギュラー馬券師で「実走着順」のいK・ヤマモトなど、程度と形の差はあるが、それぞれ指数が予想の大きなファクターになっている。

     指数とは「能力重視の馬券術」の別名である

・・・長くなったが、本題はここから。今紹介した本誌の馬券師たちは、日頃からウン十万、ウン百万の馬券を買い、ウン十万、ウン百万の払い戻しを日常とする、いわば大物たち。その大物たちが、形の差こそあれ、何らかの指数を使っている。木下にしても同様。ならばこの事実は、何を意味しているのか? 答えはこうだ。
 ●予想においては、『馬の能力評価』がもっとも有効で安定したファクターである
 競馬の予想には、それこそ無限のファクターがある。血統、騎手、調教師、コース、さまざまなデータ、果ては出目、サイン(暗号)・・・・・・
etc。そんな中「指数」とは、実は「走破タイムをもとにして、馬の能力を評価する」という、単なるひとつの方法に過ぎない。しかも算出に手間ががかかる面倒な方法だ。だが、大きく勝負して大きく儲ける馬券師ほど、指数を使っているケースに出くわす。だから前述の通り、「予想においては、『馬の能力評価』がもっとも有効で安定したファクター」といえる。少なくとも、今現在は。
 もはやここまできたら、本誌でも「指数」は避けて通れない。冒頭の木下の言葉は、暗にこの状況を示唆していたのだ。いわれてみれば確かに、今はそういう時代かもしれない。
 とはいえ、だからといって、単に指数のロジックや出し方を紹介するだけなら、そのテの本や雑誌は山ほどある。 それに今回の巻頭特集では「3億円馬券師」が登場していて、もはや”大きく儲けてナンボ”という話でもない。なのでここでは、さらに一歩踏み込んで、テーマをこのように設定してみた。
 ●指数そのものを紹介するのではなく、指数という「馬の能力評価」という馬券ファクターの、可能性と限界を検証する。難しくいえば「指数馬券術のメタ研究」
 いややっぱり難しいな、こういい替えてみよう。要するに、
 ●馬券を当てる、儲ける上で、「馬の能力を重視するというやり方」どれくらい有効なのか? 逆にどんな弱点があるのか?
 優れた馬券術を紹介することを旨としてき本誌としては、ある意味タブーに触れる、これまでの封印を解くような試みである。そういうわけで、この検証の素材となるのはもちろん、木下の通称「にこちゃん指数」(木下式能力指数)。話のキッカケになったのもあるし、何しろほぼ
9年近くに渡って家族4人を養ってきたほどの「馬の能力評価法」である。実験台になって恐縮だが、そこは長年来のお付き合い。「木下さんがいい出しっぺでしょ」ということで、渋々承知してもらった(感謝)。さらにあつかましいが、こうも依頼しておいた。
 「にこちゃん指数で万馬券にも、挑戦してみて下さい」
 木下といえば、“チリも積もれば山”の「複勝コロガシ」。穴馬券は、いわば対極に位置するスタイルである。そんな無理にも、木下の「にこちゃん指数」は耐えられるのか? これで指数の耐久性もわかるというもの。だが、こちらから馬券の費用は出せないし、本誌は誰にも出したことはない・・・・・・。「果たしてちゃんと挑戦してくれるのか・・・・・・?」不安に思いながら打ち合わせの電話を置いたのは、
9月の下旬だった・・・・・・。


         「補正」をすることで穴馬が見えてくる!


 さて、まずは「指数」の基礎知識をつめこんでおこう。前述の通り大元は、アメリカはアンドリュー・ベイヤーのタイム理論、その日本ヴァージョンが「西田式スピード指数」。今ある指数は、多かれ少なかれ、西田式の影響を受けている。その基本概念を簡単にいうと、「コース、距離、日時、天候など、それぞれ“異なった条件下”で発揮された馬のパフォーマンス(能力)を、“同一条件下”で比較するための方法」
 これによってたとえば、新聞だけでは困難な、それぞれ走った日にちが違うダート
1200の勝ち馬と、芝2400の勝ち馬の能力を、一律に比較できるようになる。実作業としては、まあ細かい部分はともかく、「走破タイムと馬場差を、一定の計算式に基いて処理し、数値化する」というもの。パソコンでなく手作業で計算するのは膨大な時間と体力を消費するが、指数が出た当初は、これが恐ろしく当たったという。なにしろ、
 「指数ならトップの数字なのに、人気がないんですわ。まだ今みたいに普及する前やから、新聞とかもそれまでの“格”とか“仕上がり”で印打ってて、指数的”能力評価”の視点はなかった。となると、指数トップが単勝ウン千円とかついて、当時はバブルでお金もあったから、簡単にウン
10万とか突っ込んで、それがまた当たる当たる(笑)」
 というのは木下に限らず、指数黎明期から使っていた者なら例外なく同じ体験をしている。だがこんな美味しい馬券は、数年たったらなくなっていった。やはり述べた通り指数が普及して、「新聞の印に指数が影響」し始めたからだ。全員が同じ方法で予想したら、そこにオッズが偏るのは自明の理。指数上位馬のオッズが下がる。もちろん木下もこの壁にぶつかった。と同時に「指数の限界」も見えたという。「簡単にいえば指数は、走破タイムに基いた、馬の能力評価法。だから、タイムが早い馬の指数が上で、それより遅いタイムが馬の指数が上になることはありえない」
 当然である。だが実際の競馬には、「負けたけど、勝ち馬より強い内容のレースをした馬」が山ほどいて、そういう馬こそ、次に狙い目となる。他の指数馬券師たちも当然この壁にぶつかって、それぞれ独自の方法で対応しているが、では木下自身は、この「指数の壁」をどのようにクリアしたのか?
 「『補正』ですわ。簡単にいえば、目分量というか“カン”で、数字を足したり引いたりしてるんですわ。先行馬は内を回るのが当然やし、差し馬ならほぼ外を回らされる。内が有利な日なら、外をまわった差し馬に数字を多めに『補正』し、逆に外有利な馬場なら、内を先行した馬に多めの『補正』する、みたいな。他にもまあレースにおけるいろんな意味での有利、不利などを目でみてカンで測って、それを数値に入れているわけです」
 知らない読者は、「なんと無謀な」と思われるかもしれない。だが木下の「レースを見る眼」=「走馬眼」は、本誌登場した当時、もっとも反響が大きかった部分で、そのレースを見る職人的な技術の中から、「レベルの高いレース」や「UT馬」、毎年恒例の「ゼニになる3歳馬」などの人気企画が生まれた事実がある。「補正」とそれを裏付ける「走馬眼」の凄まじさは、著作「競馬で妻子を養う男の馬券術」に詳しいからそちらを参考にしていただくとして、とにかくこうやって木下は「指数の壁」をクリアした。では、こうした「補正」を施した「にこちゃん指数」という木下独自の「馬の能力評価法」が、実際にどのように馬券で威力を発揮するのかを見ていこう。


      12月5日阪神12R ゴールデンブーツT

          12番人気の馬が指数トップになる!

 解説に入る前に、表@「にこちゃん出馬表」(簡易版)の表記を簡単に説明しておくと、A、B、C→斤量で補正した今回のレースの指数の
1、2、3位 、X、Y、Z→2、3前走の指数1、2、3位
 例えば「AX」なら「今回の指数も2、3走前の指数も第
1位」ということで、狙う価値は高いということ。ただしこれはあくまで「能力」の評価のみ。競馬には馬場や展開など紛れの要素は限りなくあるから、そう簡単ではない。 このレースのポイントは、12番人気で勝ったGブライアンズレター。単勝4640円を叩き出し、3連単216370円の立役者となったっているが、@の出馬表ではなんと「A」評価。前走エリザベス女王杯は、GTといえど16着惨敗の馬が、なぜこのように高評価できるのか?

筆者など指数上位と聞いても、「前走16着」というだけで尻込みしそうだが、「スティルインラブやヤマニンアラバスタと同じくらいのパフォーマンスを発揮していた」と考えれば、買えなくもない。
 もどってAを見ると、補正後の数字は「どうしても走破タイム順になってしまう指数の壁」に、見事答える形になっている。さすがに
1着アドマイヤの「93」を逆転する馬はいないが、2着以下は、着順と指数が逆転するもの もある。そもそも16着Qブライアンズレターの数値も、12着Bグローリアスデイズと同じで、14着、15着の馬を逆転している。
 この「補正」が次走ゴールデンブーツTの「A」評価につながったというわけだ。ちなみに、「理由はわからんけど、私の指数は、なぜか芝
2000はAとBで決まることが多いんですわ〜」としばしば発言している木下である。2着は出馬表でB評価のフィレンツェだから、もちろん獲ったのだろう。「万馬券当ててくれ」とも頼んであるし。
 「いや、このブライアンズレター買ってないんです・・・・・・(汗)。というのもこの日の阪神芝は、先行馬が断然有利で、差し馬のブライアンズレターには不利でな上に、鞍上のホワイトもこの日は差し戦法ばかり。そしたら、このレースに限って先行しよったんですわ!(涙) これが読めてたら簡単に買えたんやけど・・・・ブツブツ(涙)。フィレンツェや、安定した指数を持つブラッドバローズ(3着)は軸にできる馬やから、なおさらもったいないですわ〜」

   「説明のためにAを見て下さい。これはブライアンズレターの前走エリザベス女王杯の補正前と補正後の数値ですが、補正前が指数73だったのが、補正で+11上乗せして、84にしてます。
 なんで
84になったか説明しますと、このレースでは1着馬アドマイヤグルーヴの指数を補正の基準にしたんですわ。私は大体OPクラスの基準を90くらいに見ていて、牝馬限定のGTなら9394くらいが目安ですが、レースを見て総合的に判断したら、アドマイヤグルーヴもこれベルくらいは十分にあるかなあということで「93」に。補正前の数値自体、単にタイムを簡単に処理しただけの大雑把なもんすし(笑)、これくら上乗せしても問題ないかなと。それでこの勝ち馬から順に見ていって、通ったコースなどいろいろ考慮していくと、ブライアンズレターは16着でも補正が必要と判断し た結果、84になったということ。ブライアンズレター自身が見所があったというより、レースの内容、レベル自体に大きな補正の必要があったということですわ。こうやって全馬補正していったら、このエリザベス女王杯でブライアンズレターは、9着Nスティルインラブ(補正後指数86)、11着Gヤマニンアラバスタ(同85)、12着Bグローリアスデイズと同じくらいの価値はがあったということですわ」 
   いくら「能力評価」が優れていても、やはり競馬はナマモノということか。ちなみに「先行有利」とか「ホワイトは差しばっかり」なんてことは一切わからないというか気にしない木下の指数の会員さんの多数は、この「AB評価」だけで馬券を買って、ずいぶんいい思いをしたそうである。
 参考までに、このゴールデンブーツTの補正前、補正後指数を表Bに。やはり
1着馬と4着馬の指数が同じ「82」。こうして後のレースにつながっていくようだ。
 
     11月20日東京11R 東京スポーツ杯2歳S

          指数上位3頭で、あっさりと3万馬券
 これは、指数評価「AX→C→B」の上位3頭だけで、3連単7790円を的中したレースだ(C出馬表)。藤沢和厩舎の超良血馬エアサバスが1本被りの1番人気なのに指数「61」と極端に低く、逆に上位3頭の指数が高かったのはなぜ?
 答えは1、
3着のスムースバリトン、ニシノドコマデモの前走である「いちょうS」組の評価だ。
 「いちょうSのようにスローペースになるとタイムが遅くなり、それに伴って補正前の指数も自然と低くなります。その指数を能力と思ってしまうと、大きな過ちになるのは当たり前で、しっかりレースを見て補正をしないと本当の能力が見えてきません。こういうときは上がりタイムと、通ったコースを考慮して補正をしています」
 
   ということでこの「いちょうS」上位組には、表Dの通り概ね1214のプラス補正。また3着だったキングストレイルが、指数「76」で1、2着馬を逆転しているのも見逃せない。
 東スポ杯では、この補正が大きな力になった。新馬勝ち直後のエアサバスや2番人気メガトンカフェは、木下の指数では、屁のツッパリにもならない有様。2着のペールギュントにしても、前走・デイリー杯は重賞だし、その時木下は「UT馬」(見所があった、不利があったとして、木下が馬(Uma)単位(Tani)でチェックしている馬)としてここから流して、惜しくも100万馬券を逃した馬である(前号の連載参照)。普通に考えても、新馬勝ちしたばかりの馬に目が薄いのは明白だろう 。
 
 
 ともあれ、AX−C−Bと指数上位で決まって、3連単3万馬券はおいしすぎるご馳走である。で木下は? 「さすがにこれは獲りましたは(笑)。100ですけど・・・・・・」
 ホッと胸をなでおろす筆者(万馬券証明書F)。ちなみに、いちょうSで高指数を得たキングストレイルも、次走京王杯2歳Sで2着に入線している。やはり参考までに、表E東スポ杯の指数 も。補正後のトップは、3着ニシノドコマデモだ。 
        20万馬券、100万馬券も獲れた!

 「補正」の考え方は、これでだいたいつかんでいただけただろう。木下曰く、「補正はあくまでケースバイケース。全馬補正することもあれば、不利があった1頭だけとか、あるいはまったくしないレースも」ということなので、この2例がすべてではないが、一応は「木下式の能力評価の方法」のイメージはつかめた。次はその「有効性」だが、では木下さん、万馬券の方は、いかがでしょうか?
 「い、いや・・・・・・正直、あまり挑戦してませんねんデヘデヘ(苦笑)。まず本業の複コロが忙しいですし、時間ができて買ってみたいなと思ったレースも、あまり点数が増えるとお金がかかるので、100300倍に絞って買ったり、逆にふと思い立って300倍以上を狙ったりとしたんで、けっこう取り逃がしてますねん・・・・・・(苦笑)」
 ということで期間中にものにした万馬券は、
6本(淋)。スペースもないから、あえて掲載するまでもないか・・・・・・。まあ本誌がお金をだしているわけではないし、出せるははずもないから無理強いもできない のだが・・・。いずれにしても、頼んだこちらにも無理があったようである・・・・・・。
 だがこれでひとつ判明したのは、少なくとも木下の「馬の能力評価」の精度は高くて、それは複コロといえど「馬券で生活維持できる」ほどのものであるということ。逆に「馬の能力評価で万馬券をモノにするには、やはりそれなりの使い方が必要」というのもわかった。
 「確かにそうですね・・・・・・。私は万馬券ほとんど獲りませんけど、私の指数使ってる会員さんの中には、上手く使って獲っている人けっこういてるんですわ・・・・・・」
 ふむふむ、ならば! ということで数人紹介してもらったが、すべてを載せるスペースはないので、ひとりだけを。この方、仮にAさんとしようか、Aさんは、木下が泪を呑んだデイリー杯の
100万馬券を獲った御仁である。実はそのデイリー杯の1016日の夕方、常々「誰かおもしろそうな人がいたら教えて下さいね」といっていた本誌担当に、木下から連絡があったのだ。担当は「その人、馬券ありますか? あるならコピーをお願いしてください!」と即答したが、Aさんと木下と連絡が獲れたのは、すでに換金した後.。タッチの差だったのだが・・・・・・。
 
   だがAさんは、普段から木下の指数で分厚い勝負をしている方らしいので、これをきっかけに、「デカイの獲ったら、連絡して下さい」と木下を通して頼んでおいた。そしてこれがAさんの最近のクリーンヒット、1023日福島11R「西郷特別」の20万馬券(証明書H)だ。 
G出馬表を見てもわかる通り、指数1位、2位、4位のA→B→Dで決まって20万9800円。勝った8番人気の@ブレイブスペシャルが指数1位になったのは、いうまでもなく「補正」の結果だ。
 指数だけなら、他にも獲れた万馬券は多数あるが、いちいち書いていたらキリがないので、ここでは去年の10月以降に3連単で10万配当を超えた指数上位例だけを簡単に表Iに載せておく。これらはあくまで3連単10万馬券以上のみで、3連複の万馬券まで含めたら、もはやここには載せきれない ほどだ。
 
     「能力重視」の馬券術の可能性と限界とは?

 ここまでの説明で、「指数の有効性」=「馬の能力評価」が馬券において以下に大きな威力を発揮するかが、おわかりいただけたのではないだろうか。木下の場合は「補正」だが、彼以外の“指数馬券師”たちもそれぞれ独自の工夫で馬の能力を評価して、大きな成果を上げている。古くから、「競馬は、まず“格”=能力」という格言があるが、これを現代風に体現しているのが、昨今の「指数」とはいえまいか。一方で指数の限界も見えた。
 それは、「指数は所詮は道具。生かすも殺すも、その人の使い方次第」
 これは、木下にただ「万馬券を獲ってくれ」と頼んで、やはり本人にはそれほど成果がなく、同じ指数を使っている本人以外の人間が有効活用している点ひとつをとっても明白だ。かくいう木下自身も、「指数はあくまで道具。私の場合は指数と同様、トラックバイアスやレースの流れ、また馬券を買う際の資金運用(複コロのこと)、購入決定する際のメンタル面も、勝ち続けるためには同じように重要なファクターです」との繰り返し述べている。
 「競馬で勝つとは、どういう意味か?」この問いへの答えは明らかで、「パンクせず、長い期間にわたってプラス収支を続けること=絶対不敗」
 本誌の巻頭特集に登場してきた、いわば本格派とも呼べる馬券師たちは、例外なくこれに該当する。そしてその方法の中心軸が、指数という「馬の能力評価」。この事実を見ても、
 「今のところ、競馬で勝つには、精度の高い馬の能力評価がもっと有効で安定している」
 もしこれが間違っていないなら、指数ということではなくて、ひとまずは「精度の高い馬の能力の評価方法」をもっていれば、勝ち組への最短距離ということになる。もしこの結論に同意するなら、自分独自の「能力評価の方法」を確立するか、もしくは手間も時間もかかるから、ここは素直に他人の評価を利用するか? 考えどころだが・・・・・・。 
 またこの結論は、次のように裏返すこともでる。
 「指数はみんなやっているから、『馬の能力評価』以外の、安定かつ有効なファクターをものにできれば、独り勝ちできるかも」
 今や、高指数馬のオッズは低い時代。だから指数以外の方法なら、自然と期待値は高くなる。指数を使わない馬券師の中には、意図せずして実際にこれを試みている者も少なくない。
 「勝ちたいから馬の能力を重視するか、それとも違う方法をとるか」この答えを持っているは、今これを呼んでいる貴方自身に他ならない。もし「馬の能力評価」以外のファクターで長期的な成果を上げられる方法を確立したら、その時は本誌編集部までご連絡を。皆様の、健闘を祈る!

 

          

 

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