競馬最強の法則 競馬で立派に妻子を養う男 木下健の方法 |
|
'99 1月号 2月号 3月号 4月号 5月号 6月号 7月号 8月号 9月号 10月号 11月号 12月号
'00 1月号 '01 1月号 '02 1月号 '03 1月号 '04 1月号 '05 1月号 '06 1月号 07 1月号 |
1999・1月号 第1回 「またガセか?」 そう言った表情がまったく自然で、一点の曇りもない。馬券生活者であることを本誌で紹介してもいいかという問いにも、 これはホンモノだ。特投班は色めき立った。 |
![]() |
菊花賞当日の木下をドキュメント
「今日は、負けるわけにはいきませんね」
前日の土曜日、25万円儲けたという木下は、自信もあるようだった。特に雑誌の取材だからと気負う風もなく、ひょうひょうとしている。これは期待できるのではないか、と筆者は思った。
「頭は1番で回そうやけど、内枠引いて鉄板でもないし、相手がマギレそうですから」
そう言われた筆者は、そうかなあと半信半疑で馬逮1−2(馬連1番人気)を自分のモパイルPATで買った。ところが、なるほど、終わってみると1番は逃げ切ったが、2番は馬群に沈み(8着)、8番人気馬が2着に突っ込んで、馬達は2910円の中穴。
「あ−、これは痛いわ」
頭を抱える木下。オースミリンドは、直線よく伸びてキッチリ3着確保。結果、複勝は120円とあまりつかなかったが、出ばなをくじかれたショックは大きいようだ。
「3Rは仕方がないとして、4Rは狙いすぎました。軸にしたセイカニケは、走るときにしっぼがピンと立っている馬で、こういう馬は追っかけるといつか穴出すんです。それで前走、万馬券(11番人気2着で1万5870円)獲らしてもらっとったから、欲かいてもうた」
危ない。どうも、カが入っているようだ。 |
![]() |
ヤバい!
「今の福島の馬場は非常に特殊で、差しが決まりやすくて、先行した馬が出したタイムのほうが価値があるんですわ。恐らく、今日も差し馬がよく来るでしょうけど、前走差しで好走して人気になってる馬は危ない。むしろ、前走先行してバテた馬が差しに回ったときが怖い」
なるほど、うなずける。しかし、馬券はきわどいところで外れてしまう。木下のマル秘能力表(次号公開)を見せてもらうが、やはり、ちょっと狙い過ぎではないかと思える。我々がいると、いつもと勝手が違うようだ。
「まあ、こんなもんですわ」
力なく笑う木下。これはヤバい。 |
![]() |
続く京都の清水Sで、狙ったホーセンホーライが度重なる不利を受けて4着。投資額2万円のうち1万3000円持っていた馬連3−8(5.4倍)が1着4着になってしまうに至っては、恐らく筆者でも平静を保つのは難しい状態となる。
「来る可能性は高いけど、この馬連を入れると回収率が大幅に下がるんですわ」
結果はご存知の通り。セイウンスカイ=エモシオン(38.5倍)の組合せは5000円持っており、これが来たら大逆転で今日の収支はプラスだったが、無情にも1着3着。しかも、唯一切った組合せで決まる。
「馬券生活者っていったって、こんなに負ける日もあるのか」
筆者は思った。非情ではあるが、そのままこの感想を述べると、木下は言った。
「ええ、今日はええとこ見せられませんでしたけど(苦笑)、たまにこういう日もあります。1、2ケ月に1回ぐらいですか。前半で負けが込んで、アツくなって耽り返そう思て張り込んで、失敗するパターンですわ。いやあ、参りました」
やはり取材ということで、鮮やかな馬券を出そうとスタンドプレーに走ったか。これにより、日頃のスタンスから少し逸脱してしまったらしい。加えて前日勝っていたので、普段より多めに馬券を購入したという気のゆるみもあったようだ。
|
![]() 「できればぜひ一緒に写真を」との特捜班のあつかましい 申し出にも、全然構わないんですけど今日はお客さんが 来るから実家に預けちゃって…」と。 |
2年半で2000万
「1年目は、かなり強引な買い方してました。ウインズに行って、1日50万とか60万円勝負しとった。これ、勝つときはでかいんやけど、負けるときもでかいんですわ。最近は、そこまで無謀な勝負はせえへん。PATに当選したのもあるけど、1日10万ぐらいが普通です。1日のノルマを5〜7万のプラスに決めたから、そんだけ勝ったらやめてまうしね。今日(8日)は、熱くなって負けてもうたけど」
なるはど。確実にプラスを叩き出す。それが、彼の馬券生活者としてのパターンになってきでいるようだ。参考までに、今年上半期の彼の馬券収支を記しておこう。
筆者などは、これだけ勝っているというだけで単純にすごいと思ってしまうが、競馬を仕事としでいる木下には、これでは不満なのであろう。まあ、妻子を養う一人の男の仕事として考えれば、当然のことではある。 |
![]() ![]() |
次号、ついにその全貌が
|
特捜班「失礼とは思いますがこんな生活不安じゃないですか?」 夫人「よく聞かれますけど、こういう人やし、競馬のほかに何するわけでもないんで。ともかく一生懸命やってると思いますし」 特捜班「……」
|