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法律用語解説























  • 司法試験
    裁判官や検察官、弁護士になるための試験です。
    昨今の司法試験の様相は、大きく変わって来ました。
    平成16年度から開校された法科大学院の登場と平成18年度から開始された新司法試験の制度によるものです。
    旧司法試験の制度は、平成23年で廃止されました(平成23年は、口述試験のみ実施)。原則的に誰でも何回でも受けられた旧司法試験と違って、新司法試験を受験をするには、法科大学院の修了を要し(既習者は、2年間、未習者は、3年間)、受験可能回数も法科大学院修了後5年以内に3回と制限されています。(平成23年からは、予備試験制度も設置されて、合格した者は、新司法試験の受験資格が与えられる予定です・・法務省ホームページより)。

    新司法試験制度の1番の目的は、法曹に対する需要増加(根拠なく需要増加を予測したが、実際は、それほどでもなかった)に対応すべく、裁判官や検察官、弁護士という法曹に携わる者の人数を大幅に増やそうというものです(実際は、弁護士を大幅に増やした)。

    法科大学院での教育には、次のような特色があります(日弁連ホームページより)。
    1. 少人数による、双方向・多方向的な教育、
    2. 理論と実務との架橋を強く意識した実務家教員による教育、「従来の大学」のような研究者教員中心の構成から、実務家教員も加わった、より実務を意識した構成にしています(実務家の割合は2割程度以上と定められています)。
      実務家教員は、弁護士、裁判官、検察官のほかに、公認会計士、税理士、企業法務担当者等、法曹三者以外の人が担当する場合もあります。
    3. 厳格な成績評価と修了認定

    新司法試験合格者数旧試験合格者
    平成18年 1009549
    平成19年 1851248
    平成20年 2065144
    平成21年 204392
    平成22年 207459
    平成23年 20636
    平成24年 2102
    平成25年 2049

    司法試験の動向
    旧司法試験では、合格者は、年間約500人程度でした。政府の司法改革とされた新司法試験の結果として、上記の通りの合格者数となりました。合格というよりも、合格者を約2000名にするように合格ラインを引いているようです。
    しかし、新たな問題が指摘がされつつあります。
    司法試験に合格し、弁護士となっても就職できない(弁護士だけではない、若者共通の問題)、法曹志願者減少、それに伴う志願者の質の低下、新司法試験合格者の質の低下、法曹になるため莫大な金がかかる等が指摘されている。
    今後、検討もされる必要があるといえます。

  • 心裡留保
    心裡留保(しんりりゅうほ)とは、自分の本心を隠して、本心と違う意思表示をすることです。
    例えば、Aが高価なダイヤの指輪を本当は売る気もないのに、たった千円で売ると意思表示をしたりすることです。相手方が買うと言えば、その意思表示は、有効となり(民法93条)、売買契約は成立してしまいます。 Aは、自ら本心でないことをあえて意思表示したので、自分で責任をとらされることになります。ただし、意思表示の相手方が、表意者Aの本当の真意(売るつもりがないこと)を知っていたり、知る事が出来た場合には、売るという意思表示は、無効になります。表意者の真意について過失によってこれを知らなかった場合にも無効となり(同条ただし書)、売買契約は、成立しません。

    では、転得者の保護は、どうなるでしょうか? Aが真意では、家を売るするつもりもないのに自らの家をBに売り、Aからの譲渡が真意でないことを知りまたは知ることができたBが、さらにそれをCに売った場合、93条但書によってAB間の譲渡が無効とされてしまうとAの真意を何も知らなかった転得者Cは、不利益を被ることになります。しかし、94条の虚偽表示(通謀虚偽表示)とは異なり93条の心裡留保には第三者保護の規定がない点が問題となります。通説や判例では、この場合にも94条2項を類推適用し、Cは善意(Aが家を売る気がなかったことを知らない事)であれば保護されるとしています。

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