11 エピローグ
僕は今でも海では泳がないし、海岸沿いの宿には泊まらない。しかし相変わらず離島の旅を続けている。
父はあの1件以来、自分の奇跡の生還を、楽しそうにみんなに自慢している。しかし、どうしても、僕が父親を置いて逃げたあたりが話のピークになるので、僕は「親を捨てた男」という不名誉なレッテルを貼られてしまう。無事だったんだからそれもいいか、と観念して、僕は頭をかいて笑っている。
1 プロローグ
2 奥尻との出会い 3 奥尻に行く
4 地震だ! 5 父がいない 6 父の生還
7 広がる被害 8 夜が明けた 9 奥尻港へ
10 上陸 11 エピローグ 12 教訓 EXIT!