競馬最強の法則

競馬で立派に妻子を養う男 木下健の方法

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新ファクター

 「手前ミソの法則」に

   ゼニの匂いがしてきました・・・(^ ^;

 

 これまでのあらすじ

 

 木下がレースリプレイを見る際、不利やロス

など“馬単位”でチェックしておいてそれを馬券に

生かす「UT馬」というファクターがある。

 この「UT馬」の結果検証している時、なかでも

「1コーナーで不利、ロスなどがあった馬」が、

一定のパターンでなぜか大穴をあけることを発見。

その理由を追求してみると「馬の歩法」にいきつき

 ついには「手前」を観察するに至ったが・・・。

    「手前交換」を復習しましょう・・・・・(-☆)キラリ

 朝晩めっきり寒くなってまいりまして、今年も秋のG1シーズンを迎えました。先日行われたスプリンターズSでは、デュランダルが強い勝ち方をしましたね(^^)。でも、前日からずっと差し馬場傾向が強かったですから、「トラックバイアス」的(*単行本に詳細)にいうと、一番強い競馬をしたのは、終始前で競馬をして最後まで粘り通したビリーヴって事になってきますが真相はいかに・・・(-☆)キラリ。
 まぁそれはおいといて前回の続きの「手前変換」のは話をしていきましょう。8月号で紹介したカフェジュピターの凡走(表@戦績)は、実は「手前変換」というファクターで説明がつくと前月号でチラッと書きました。今回はそのあたりを詳しく説明していきたいと思います。まず8月号で取り上げた内容は次のようなものでした。
 

  「単行本のCASE1【1コーナー進入のロス】の事例とまったく同じことは頻繁に起こっておりまして、私の記憶に新しいモノでは、3月29日中京8R・1700ダート出走のカフェジュピター(にこちゃん指数73)ですわ。〈以下、指73と表記〉
 中舘騎手を鞍上に配した同馬は、16頭立ての12番枠から強引に先手を奪いに行きました。内枠の方にも先行馬が揃ってたことから、1コーナーへ進入するころには完全なオーバースピードとなり、スピードロスと距離ロスから余分な体力を消費する展開上の不利が発生。3番人気に推された同馬は、勝馬からは1.9秒も離された14着と惨敗 で、苦汁を舐める結果となりました。(指60)
 それから3週後の4月19日、カフェジュピターは福島のダート1700に4番人気で出走。ここでは最内の2番枠から楽々と先手を奪い3着入線(指71)。そのまた3週間後の5月10日には新潟のダート1800に出走し、500万クラスを勝ち上がることに成功しました(指73)。
 3月29日のレースでは間違いな「オーバーペースから生まれる1コーナー進入時のロス」があったわけですが、もっと詳しくレースを観察してみると、あれほどまでに惨敗した原因はどうやら「手前変換」の方にあるんではないかと感じました。その前にまず、「手前」について説明します。「右手前」「左手前」「手前を替えずに走っている」などという言葉をよく耳にしますが、意味がわからん人も多いんやないでしょか。かくいう私もこの原稿を書くまで「右手前」「左手前」って、どっちがどっちか判ってませんでしたもん(^^;。それで調べてみたところ、JRAのホームページにけっこう判りやすい説明があったんで紹介します。
 『4肢が右後肢→左後肢→右前肢→左前肢(1)もしくは左後肢→右後肢→左前肢→右前肢(2)の順に地面に着くため、非対称性の歩法となります。その結果、最後に着く肢をもって(1)の場合「左手前」と呼び、(2)の場合「右手前」と呼びます。競走馬は競馬でスタートしてからゴールに入るまで直線・コーナーと手前を変えながら(手前変換:右手前から左手前にもしくは左手前から右手前に変える)走りますが、通常、コーナーでは遠心力に対抗して走り易いように、廻りに応じた手前で走り、コーナーを出ると反対の手前に変換します。また、コーナーに入る時、廻りとは逆の手前であれば、手前を変換するものです。このように手前を変えるのは、同じ手前でずっと走っていると疲れてしまうのも理由の一つです。』


   「手前交換」ヘタな馬は以外に多いでっせ (^^;アセアセ

 話を戻しまして、3月29日のレースでのカフェジュピターは、スタートから1コーナーまでずっと、左手前で走ってました。でも、ほかの多くの馬たちは右手前でハシって1コーナーに進入して行きました。 
 中京コース等の左回りコースでは、左手前でコーナーリングをしますんで、他の馬たちはカーブに差しかかる際に右手前→左手前に手前変換をしました。しかしカフェジュピターはスタートから2コーナーを抜けるまでずっと左手前で走ってました。コーナーをまわりきって向正面に入ると、多くの馬はもとの右手前に替えました。しかし同馬は一貫して左手前のままで走り、そのまま3コーナー進入していきました。他の馬たちは3コーナーでまた、自然と左手前に替えて直線に備えます。先ほどのJRAのホームページの説明にも、「同じ手前のままだと疲れてしまう」とあります。この時点でカフェジュピターは他馬と比べかなりの疲労が蓄積されていることが想像できます。
 4コーナーをまわって直線に向いたころ、同馬はようやく右手前に替えましたが、上位入線馬のほとんどはコーナーを周回したときの左手前のまま、手前を替えずにゴールまで走りきってしまいました。
 ここでちょっとお詫びというか訂正なんですけど、前月号で『左回りのコースでは、スタートからゴールまで一貫して「右後肢→左後肢→右前肢→左前肢」という運びで周回してくることになる訳ですが(そうではない馬もいる)』と書きましたが、これは明らかに間違いで、左回りも右回り同様、コーナーごとにきちんと手前変換をして走ってましたわ(^^;アセアセ。ただ、左回りの場合、東京や新潟コースのように直線が長い場合は、4コーナーを抜けてすぐ右手前に変換しますが、ゴールまでの距離が短い中京コース等の場合は4コーナーを抜けてからも、左手前のままゴールまで走りきってしまう馬も目立ちました。さらによくよく見てみると右回り左回りにかかわらず、直線とカーブで使う手前は基本的には逆になるということですね(^^;アセアセ。
 馬にも人間でいう「利き腕」のようなもんが存在してて、最後の直線ではその利き腕(脚)で走るのかと思ってましたけど、そうではないところをみると、同じ手前を使いつづけることの疲労度は人間が想像する以上に大きいということでしょうね。
 話を戻しますが、カフェジュピターはこのレースで大敗したあと、4月19日福島ダ1700mで3着と好走したんで、もしかしたら同馬は、単純に左回りが苦手なのかもしれんと思ったんですが、その後5月10日新潟ダ1800mで1着、6月15日東京ダ1600mで3着と、ともに左回りで好成績を残しています。さらに戦績を調べてみたところ、右回りで約45%の複勝率に対して、左回りはで約56%の複勝率と、右回りコースよりも好成績を残してましたんで苦手だったわけではないようです。左回りコースで好結果を残したときはどんな手前変換で走ってたのか興味が湧いたんで、ビデオで詳しく観察してみたところやはり思ったとおりで、スタートから右手前で1コーナーに進入し左手前に変換。そして2コーナー出口で右手前に変換。そしてまた3コーナーから左手前に変換し、直線からゴールまでは右手前、とスムーズに手前変換が行われていました。以上のことから、3月29日中京での大敗の理由は、手前変換がスムーズに行われなかったために、人間の想像を越るほどの疲労が蓄積されてしまったのではないかと推測しました。


       初公開!「手前ミソの法則」とは?


 今回、これらのことを調べるために色々観察してると、結局はスタートから1コーナー進入までの手前がどうなってるかってことが重要ちゃうんかなって思ったんですよね。もしかしたら、これはちょっと面白いことを発見したかもしれませんよ・・・(-☆)キラリ。
 右回りなら左手前で、左回りなら右手前でコーナーをまわらんとあかんのやから、スタートから1コーナーまでの手前はその逆が好ましいと、おのずと決まってきますよね。それがもし、スタートから2コーナーまで同じ手前で行ってしまうと、同じ軸足で走ることとなり、他馬よりも疲労を蓄積することになります。今回ビデオで観察していたところ、「同じ手前のまま向正面まで行ってしまう馬」を思った以上に発見しました。人気馬、不人気馬に限らず、それらの馬の多くは大敗していて、連がらみする馬はほとんどといませんでした。競馬では、調子がよくても力上位であっても、何が原因で大敗したのかわからない馬が山ほどいます。それらの馬はほとんどの場合、次走で確実に人気を落とします。
 ならば次のような仮説がなりたちます。 つまり、もしも手前がスムーズに行われなかったことが原因で大敗したのであれば、カフェジュピターの例に示されるように、大敗を気にすることなく狙っていけるんじゃないかと。とはいえ、手前変換がスムーズに行われなかった馬すべてが、次走で一変するわけではないんでご注意ください。
 余談ですが、6月15日の同馬と一緒のレースで勝ったシルクショットガンなどは、スタートから直線に向くまで同じ手前のまま走って完勝してしまいました。こういう馬は上のクラスでもすぐに通用してる感じがありますんで、同じような狙いがたつと感じました。そしてこのファクターは、手前変換にミソがあるということで『手前ミソの法則』と名づけてみました(ダサイ(~~;))
 最後に10月11〜19のレースで目に付いた『手前ミソ馬』を表Aにまとめてみました。まとめたといっても、これらはスタンド側からスタートする競走条件に出走していた馬の中から発見できたヤツだけで、向正面からスタートする分は見辛いので観察するのはヤメときました(^^;。
 それとまだまだ仮定段階なんで、この馬たちを狙っていこうってモンではなくて、この馬たちが次走以降どれだけ巻き返せるか、どんな成績を上げるか見てみたいと思っただけのことで、それをもとにひとまずこのファクターは来月号あたりで完結させたいと思います。仮定ばかりのここ何ヶ月でしたが、なにかが見えかけている気がするんで、来月もう一回だけお付き合いください(^^;アセアセ。

 最後に、菊花賞終了後(10.27時点)の追加原稿です。一応この号発売後の大レースについてのことですけど、例によってG1とか興味ないんで、あくまで外野のボヤキってことでお願いします。
 JCは何が出るのかすら知りませんのでパス。JCDは、ユートピアはエエんちゃいます?あと、ドンも。それ以外は手薄な印象なので外国馬や地方馬あたりでもどうにかなる?2歳戦線では、あくまで現時点ですけど、メテオバーストとネゴシエーターの名が浮かんできました。といっても先は長いので、あくまで今の時点で、ってことですけど・・・。あと、今年の菊花賞馬、砂でもよさそうやなと思うんですけど、まあ出てくることはないでしょうね・・・?

    表A4日間だけ「手前ミソ」をチェックしてみました

「手前ミソの法則」検証のために、実験的に10月11,12日、18,19日の4日間だけ「手前変換がスムーズでなかった馬」=「手前ミソ馬」をチェックしてみました。すると以外に多くて、中にはスティルインラブの名も!まだ実験段階なので使い方 云々はできませんが、皆さんも注意して観察してみては?