競馬最強の法則 競馬で立派に妻子を養う男 木下健の方法 |
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回収率1800%の「複コロ」に 木下の真髄を見た!
「競馬で妻子を養う男」 木下健の全方法、 小倉で丸裸!
いきなりアクシデント「お金がたらん!」
馬券術としては、本誌史上もっとも長い「競馬で妻子を養う男」 |
舞台は8月10、11日の小倉競馬場。10日の土曜日に木下の仲間たちによる飲み会(オフ会)があるので、この日この場所になった。飲み会といっても、普段は中々会えない全国に散らばる馬券ネットワークの方々との情報交換を交えた軽いもの。こちらとしては、彼をさらに知るためには、このような会も好都合というものだ。 ちなみに担当Oによると、木下は普段競馬場には行かず、もっぱらグリーンチャンネルとPATが主体だという。「レースを徹底的に見る」木下らしいものだ。なので今回は、木下にはイレギュラーなケース。取材する側としては、いつもの力が発揮できるか少々心配だ。 |
![]() 最初の1Rで、レースを見ながら「オリジナル出馬表」に数字を書き込む木下。
これはどうやら、その日の馬場を判断したり、馬の位置取りをチェックするものらしい。
「新馬戦裏血統馬券術」を試みてる最中。
これが愛機「TARGET」(データベースソフト)。今やパソコン競馬の定番、必需品。 |
まず取材エリアを設けそこに陣取ると、早速木下はパソコンを取り出し、いろいろチェックし始める。すぐ側には、彼の作成したオリジナル指数入りの出走表(単行本に詳細)が置かれ、一般客がなんだろうと覗き込む。 各レースの馬をもう一度洗い直し、さらに各競馬場の情報、オッズなどチェックは続く。どうやら1Rは勝負しないようだ。 1Rのファンファーレがなり、木下もモニターへ。競馬場なので生で見るかとも思ったが、普段は自宅で勝負しているだけに、やはりモニターのほうが慣れているのだろう。 さてスタートすると、木下は凄い速さでノートに何かをチェックしている。邪魔とわかりながら覗かしてもらうと、馬番がバーッと書いてある。レースが終わって聞いてみると、 「コーナーごとの馬の通過順を書いたんですわ。ゴールインした結果と見比べて、このレースの脚質の有利不利や、この日の馬場を読む目安にしてます。それにしてもこのレースは、1200やのに馬番のチェックしやすかったですわ。そんだけ先行争いが緩かったんとちゃいますかね〜」 まだ馬券も当たっていないのに、驚愕する私。その私の驚きをよそに、 「3着のカシノビューティはよかったですねぇ。スタート後もたついたけど、ニの脚が早かった」と、しっかり馬をチェックするのも忘れなかった。
本人も「レベルの高いレース」は
席に戻ると、相変わらずパソコンに向き合う木下。どうやら各競馬場の新馬戦のチェック(●別コラム参照)をしているようだ。調べている要素がたくさんありすぎて、こちらには理解しきれなくなってきた。必死に着いていく私は、もうレースが頭に入っていない。 |
不慣れなマークカードに書き込む。この日まで木下は「馬連」「マルチ」のマークカードを知らなかった。
レースを見ている木下。眼光鋭い。なんてことはなくて、フツーの人と同じ。
仲間としばし談笑。「生活するための馬券」なんて悲壮感は微塵もなく、むしろ楽しんでいる感じ。
払い戻し。やはり気分はいいみたい。
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なぜか勝負は「新馬戦」大丈夫か木下?
当分勝負レースはなさそうだと思い始めた途端、そのときは来た。
[複コロ1回目] 札幌4R新馬戦 |
続く「見送り」の連打もはやガマンくらべか
この過ちを繰り返してはいけないと、取材に慎重になる私。しかし、彼の顔には、ショックのかけらも見られない。こんなことは日常茶メシといった感じで、相変わらずのヒョウヒョウぶりだ。午後になって小倉6R、木下が動いた。ここでもターゲットは新馬戦。狙うは8番のケイアイクライメンであ。 |
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<複コロ2回目> |
しかし、ここから木下の動きが止まった。といっても相変わらずパソコンやモニター、そして自分のつくった「オリジナル指数入り出馬表」(単行本に詳細)とのにらめっこは続いている。これという馬が挙がるが、勝負に出るには何か足りないようだ。「派手な結果が欲しい」と思いつつも、まだ時間はあるし、ここでペースを崩されたら・・」と考えていた担当Oが、迷った末「マイペースで、いつもの通りやってください」と伝える。やはりいつもと違う環境、何より本誌の取材という状況が、微かにプレッシャーとなっているようだ。以下、木下が熟慮の末見送ったレース。 ・札幌8Rハコダテサンサンは「オッズ不足」で2着。 ・札幌10Rレディーシップは「1番人気が気に入らず」3着。 ・小倉10Rデュランダルは「ゲン悪い」で2着。 ・小倉12Rウインスヴェルトも「オッズ不足」で2着。 この日は結局、最後まで勝負を手控えた。とりあえず最初の3000円は1万5840円に。回収率だけをみたら、一応500%。勝負中何度も「雑誌的にはここでイッタ方ほうがエエんでしょうか?」とこちらを気にかけてくれた気持ちはありがたかったが、木下はこれまずっと「素」のままでやってきた。だから私も、「素」のままの木下をレポートするのみ。まあ明日になれば何かしらあるだろうおもいつつ、この日の飲み会に場所を移した。
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<複コロ3回目> |
これで昨日から3連勝。にわかに手応えを感じる本誌スタッフ軍団。しかし、いいことばかりは続かない。新潟2Rに木下が自信を持つ馬(ミヨノグリフィン)が出走していたのだが、小倉競馬場では、新潟の馬券は特別と最終レースしか発売していない。
終わってみれば2着に入っており、またひとつ当たりを捨てる形になってしまった。さらにこの直後、小倉の2Rの未勝利戦では9番人気のセイカアブが2着に入り、3番人気馬との組み合わせで馬連8500円。このセイカアブは前走「レベルの高いレース」に認定された7月20日の未勝利戦で5着に入っていた馬。すでにこの時の2、3着馬は勝」ち上がり、6着馬も続くレースで2着と好走。さすがは木下認定の「レベルの高いレースである。終わってから気付いて悔やむスタッフの面々。それに比べ相変わらず冷静な木下氏。しかーし、チャンスはまだあった。続く小倉3Rに、同じ「レベルの高いレース」に出走し4着だったチェリーフブキがいる。なにせ先ほどのセイカアブを含め2、3、5、6着馬が直後連対しているのだ。ならば4着馬のチェリーフブキもきっと連対してくれるだろうと単純に我々は考えた。だが木下は食指を動かさない。結果は4着。もちろん私はワイドを買ってました。木下が買わなかった以上、なにかひっかかるものがあったのだろう。 こうしているうちにも、木下の「予想」→「勝負の見極め」→「見送り」は続く。 ・札幌3Rエクセレンススパレスは「タイムオーバーで買えず」1着。 ・札幌4Rハコダテノユメは「オッズ不足で見送り」2着。 そうこうしてるうちに、すでに4時間近くが経過。そして小倉の9R、ついに動く。 「9番のヒーリングガールに行ってみよかと思います。指数(単行本に詳細)的には7番のスターアラインに足りですけど、なんやこの馬、今回はヤバイそうな気がしますし・・。ここ(小倉)芝1700は、1コーナーまでの距離が短くて、このメンバーやと、先行争い激化しそう。それに馬場も差し馬向きになってきてますんで、ヒーリングガールやったら、中団よりちょっと後方に付けて、外をまわって差して来るんちゃいますかね」 そしてレース。ヒーリングガール和田はほぼ木下の予想通り乗っているように見えるが、内にいた角田の馬が邪魔で動きにくい形になり、3〜4コーナーでもイマイチ伸びてるように思えない。嫌な予感がする。横で木下も声援を飛ばす。すると外から1完歩ずつ差を詰めてきて、あっという間に2着争いにまで飛び込んでいた。ほっと胸を撫で下ろすスタッフ陣。それにしても木下の勝負強さ、ハンパじゃない。 |
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<複コロ4回目> |
実践最後の最後・・・結果やいかに
今回の実戦取材もいよいよ大詰めな雰囲気になってきた。ここで、「できればわかりやすい、派手な結果が欲しい」担当Oが、
「木下さん、そろそろ、なんかこれっていういのがあれば、ちょっとガツン!といってもらえれば・・」 といった直後に、「あ、でもやっぱり、いつもと違うことは・・」いうことが矛盾している。当の木下からも、「できれば期待に応えたい」のと「でも自分らしくないことは・・」と気持ちでゆれ動いているのがヒシヒシと感じれれる。そしてその重圧の中、予想は続く。以下、熟慮の末やはり見送ったレース。
今回の実戦のまとめと単行本の宣伝
さて、今回の実戦取材、いかがだっただろう。最終的に「複コロ」は4回成功し、5万3120円に。回収率にすれば約1800%だ。これは人よっては、物足りなく感じるかもしれない。が、そういう方には、ぜひいいたい。「複コロで、毎週『確実』に、1800%とはいわないから、800%計上できるか?」これが1万円単位からできれば、その人は恐らく、木下と同じ馬券生活者になれるだろう。それくらい「複勝コロガシ」というのは難しいのだ。これまで同じような馬券師をくさるほど取材して来た私が、断言する。それに、何よりもいいたいのは、その予想の正確さ。それは今回の取材では、当たったレースは当然ながら、実はある意味、「見送り」の方に隠されているいるのではないだろうか。
最後に、思いっきり単行本の宣伝をしておく。担当Oの命令でもある。連載の「レベル高いレース」以外にも、今回の実戦ででてきた「オリジナル指数」「UT馬」やその達人的な「レースの見方」、果ては「馬場」「展開の読み方」「騎手」「予想方法」「儲ける買い方」・・・ああ面倒くさい、とにかく「木下の方法」のあらゆる部分を網羅する、分厚い本になるらしい。「新馬戦裏血統馬券術」なんてのは、数ある木下の「引き出し」のほんの一部分にすぎないのだ。私には、これだけでもスゴイのに。 |
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8月号掲載の「新馬戦裏血統馬券術」は マジでスゴかった! 実戦レポートの「新馬戦裏血統馬券術」は、本誌8月号で紹介しているが、その時の号を引用してみよう。 「とにかくね、新馬戦に出てきた馬の兄弟馬を一頭一頭探しますねん。兄弟ゆうても何頭もいてる馬もいれば、一頭もいてない馬もいてますからね。けど、兄弟がいてる馬だけでええですわ。兄弟のいてない馬のことなんか、この際無視します(^o^)。見つけ出したら兄弟たちの成績を見ます。ポイントは次の通り。 1 新馬1〜2戦目を好成績で走っているか。 2 通過順位は前で走っているか。 3 ダート成績(今回ダート戦の場合) 4 兄弟馬の距離適正 以上ですね。 ほんとに以上だ。いやそれにしても、これがおもしろいほど当たるのだ。担当Oも狂喜していた。今回の実戦でさらってみよう。まずは、木下の「複コロ」のスタートにもなった8月10日札幌4Rの新馬戦。一頭一頭ていねいにパソコンを使って兄・姉を調べていく。すると13番オースミハルカの兄、オースミエルストがデビュー戦の1000メートルで逃げ切り。これだけでOKだ。結果は実戦の通り。 同じ日の小倉6Rは8番ケイアイクライメン。兄のケイアイバリアがデビューから2、2、1着でいずれも先行策。とくに3戦目の初芝で勝利を挙げ、芝向きがわかる。もう1頭の兄ケイアイミリオンは芝を使ってくれないのでデビュー直後はダートばかりだが、初戦の新馬戦を逃げ圧勝と、性格が新馬向きと判断できる。他にも気になる馬がいるが、メイショウレグルスは上が完全にダート馬。ランドストロングは、兄ランドミラクルが新馬好走も脚質が新馬向きじゃない(後方から行っていた)。ミッドフィルダーは兄トウカイアロー、ブリリアントノバが新馬から好走も、今回の状況(芝1200メートル)とは全く違う舞台。以上の理由で消しとなった。 ケイアイクライメンは2着。消した中では、まだマシかなと思ったミッドフィルダーが3着(複勝1070円)。「距離延びておもしろい」と木下。木下は買わなかったが、こそこそパソコンを覗いていた担当Oも、ちゃっかり儲けた。狙ったのは小倉4Rのメイショウカゼッコ。結果は見事1着で、Oは単勝2640円、馬連4560円の穴馬券をゲット。馬券のコピーを参照。 明けて日曜日。「新馬戦は調教から」の私もついに木下理論にのることに。 札幌4R、ダート1000の新馬戦。本文中でも申し上げたが、私は「10年以上新馬戦を中心に馬券勝負してきた」男だ。それなりの自負もある。なのでここは、評判馬ワンダーボーイが相当な確率で勝つと、経験から断言できる。といっても単勝180円。馬連は相手がわからない。すると木下が、 「ここはハコダテノユメかな?」で試しに1点勝負し、見事的中。今回はホントいろいろお世話になりました、木下さん。 ところで、この馬券術には少し難点がある。本誌8月号でも書いてるが、パソコンを持っていて、なおかつしっかりしたデータべ―スソフト(「TARGET」など)を持っていないと、調べるのに手間がかかる(詳細は8月号を)。 何かいい方法がないかといろいろやったが、パソコンのない人は、過去の競馬四季報を揃えて調べるしかないか。 パソコンを持っているが、データベースの類がない人は、インターネットを使い「インターネット血統表」と入力。画面が出たら馬名を入れる欄に、新馬出走馬の名を入れる。すると血統表が出てきて、下を見ると兄弟の欄がある。これをクリックすると兄弟名が出てくるので、さらにこれをクリックすると成績が出てくる。しかしこれも、やはり手間。でも効果絶大なので、このまま指を加えているのわ悔しい。なので、もっといい方法があったら誰か教えてください。一番いいのは、「TARGET」導入か? |
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