紳士のお店★富山編

富山編

フォギー &　サニー（ FOGGY & SUNNY、セレクトショップ、富山市内）

　2002年９月、飛騨高山から富山に抜け和倉温泉を経由して帰阪するという旅程の途上で立ち寄ったのがこのお店。そもそもはメンズエクストラで紹介されていたのを覚えていていたことがきっかけです。店主さんは英国のコーディングスで働いた後、お店を立ち上げたという経歴の持ち主とのことでコーディングスをはじめとした英国からの輸入品のほか、イタリア輸入の名品が所狭しと並んでいます。
　日本では英国の紳士用品というとなかなか「本物」が手には入ってこない問題があります。英国の主要なブランドは軒並み、日本のアパレルや商社とライセンス契約を交わしているため、日本国内で流通する製品はどうしても国内の工場で作られたものに英国のブランドを付けるだけというケースが少なくないようです。そのため当時の私は「ライセンス品」というだけで軽視する傾向があって、フォギー & サニーさんのような英国輸入品の並んだお店は私にとっては夢のようなお店だったのです。

　私が行ったときはその久保田さんという店主さんはいらっしゃらなかったのですが村上さんというバイヤーの方がいらっしゃり丁寧に応対していただけました。ジョン・ロブの靴が充実していたのが記憶に残っています。とくにスェードのジョン・ロブは食指がちょっと動いちゃいました。ネクタイはちょうど入荷前ということで数が限られていたのですがそれでも逸品が並んでいて、当時分厚めのネクタイを所望していたことからマニファットーレ・クラヴァッテ（ Manifatture Cravatte ）の黄色と茶色地のジャガー織のものとイード＆レイヴェンスクロフト（ Ede and Ravenscroft ）の赤茶地のペイズリー柄を選びました。またスーツにもイイ物が多く行った時期は英国モノが少なかったため、結果的にサルトリアパルテノペア（ Sartoria Partenopea ）のブラックスーツを購入しました。私の体型はお腹が出ていて、スーツを調製する際にはその部分をどうしても限界まで修正していただくような過程が少なくなかったのですが、このお店のサルトリアパルテノペアにはまったく修正の必要がないモデルが出てきて驚きました。元来、ベルベストのスーツが好きで、クラシカルな中にちょっと色気の漂うそのデザインがお気に入りだったのですが常に修正が必要だったのでこのピッタリには驚きでした。
で、このスーツ、今もお気に入りの一着になっています。スーツの調整で印象的だったのは、ボタン穴の調製をハンドメイドでするかマシンメイドでするか聞かれたこと。当然ハンドメイドにしていただいたのですが、その処理に北関東のファクトリーまで発注されているとのことでした。お店自体はそんなに広くはないのですがピリッと個性の光る名店でした。中にいると心地のいいトータルの店主さんの趣味の良さが満喫できる、そんないい空間であったことは確かです。

　メンズエクストラ誌によると富山市にはフォギー＆サニーさんのほかにも、ナイトバードさんやTM & サンズさんといった紳士の名店があるようです。今回は旅程の都合で一店だけ訪問したのですが、また機会がありましたら他のお店にも行ってみたいと思っています。（2004.05.01執筆）

富山市越前町4-7　TEL.076-422-7259

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