数ある百貨店のなかで紳士衣料が最も充実している百貨店といえばどこか、という素朴な質問をファッションに通じる人に浴びせると恐らく筆頭に挙がりそうなのがこの伊勢丹新宿店 です。
偉容を誇る伊勢丹新宿店（本館）業界において「紳士衣料における伊勢丹」の地位は高いようで、伊勢丹のバイヤーを経て他へ転じて活躍されている方も少なくありません。服飾評論家として活躍された故・林勝太郎氏も伊勢丹のファッションプロデューサーだったこともあ るそうです。
このように、かなり以前から「伊勢丹の凄さ」を噂には聞いていて、そういう予備知識を持って伊勢丹に行ったにも関わらず、改めてその充実ぶりに感心してしまいました。紳士ものに特化した別館メンズ館がなんといっても凄い。「百貨店の紳士ものってこんなもの」という我々が持つ一定の固定観念をあっさり壊してくれ るかのようです。そのへんの中途半端なセレクトショップなんてあっさり凌駕していますね。地階の靴売場から上の階に上がっていくごとに感動がありますね。
ページ作者も伊勢丹に何度か足を運んだことがあるのですが、購買欲を抑えるのにいつも苦労します。一度はつい耐えきれず、40万円を超えるアクアスキュータム製のカシミアのオーバーコート を買ってしまったこともあります。地階の靴売場のエドワードグリーンをはじめとした名靴なんて見るだけで我慢するのが苦しくなってきます。靴の修理コーナーも丁寧な対応で他店で買ったエドワードグリーンのシューツリーまで手配してくれる丁寧さ。ですからここに足を運ぶのは散財する危険性と背中合わせなのです。そういうわけで私はなるべくセールのときしか足を運ばないように自衛しているんですけどね。伊勢丹の凄さはセール時の値引きの割り切りの良さにもあります。関西の百貨店ではいくらセールとは言ってもイイ物はあまり値引きしないものなんですけど伊勢丹では「え！いいの」と思えるほど驚くようなインポートものの名品があっさりと値引きされていたりします。セールで思わぬ掘り出しものを見つけることも少なくありません。ページ作者もセール時にネクタイをこれまでいくつも買っていますがどれもすごいいいものばかりです。
紳士の殿堂・伊勢丹新宿店のメンズ館一般の１月、７月のセールもスゴイのですがそれ以上にねらい目なのが季節の切れ目に定期的に開催される「伊勢丹スーパーメンズバーゲン」。これはスゴイです。本館のほうで開かれるのですが、名ブランドの逸品が驚くような価格で提供されています。ページ作者もかねがね噂だけ聞いていたのですが、2004年の秋にうまい具合に訪問する機会を得ました。
いや〜行ってみて確信しました。これはスゴイです。普段なら手が出ない品物がなんとか手の届くお値段で提供されているんですね。どうやらこのセールは知る人ぞ知るイベントのようで朝早くから東京のオシャレな紳士が大挙して押しかけていました。あえてこのセールの難点を指摘するとすれば、普段なら味わえるゆったりした買い物気分がとうてい味わえないというところでしょうか。狭いスペースに所狭しと人が行き来するなかで採寸したり品さだめしなくてはならないですから。（まぁ、これはどこのセールでも同じでしょうけど。）さて、この伊勢丹、以前から紳士もの衣料が充実していたのですが、2003年９月にメンズ館がリニューアルされ、ますます魅力がアップしているようです。ページ作者はまだ改装後、一回だけグルッとまわっただけなので断言はできませんが木目調のフロアデザインがさらに落ち着いた雰囲気でまさに「紳士もの衣料の殿堂」といった趣が漂っております。東京にお越しになる際はぜひ一度立ち寄ってほしい百貨店です。こういう百貨店が大阪にも出来て欲しい。つくづくそう思います。 （2004.11.06執筆）
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