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XX JUDGEMENT 〔審判〕 ◆星辰のエウロペア ■作成者名 EotRS(統治局駆除系)さん ■作成者サイト 砂の上の家 ■作者コメント カードの意味から彼女がぴったりなのではないかと思い、 描かせて頂きました。戦場で傷つき、疲れ果て、道を見失い彷徨う 私たちに差し伸べられる力強い救済の手。 長く不当な苦しみを味わい、閉ざされた心にも届く”希望の光”のような イメージを感じていただければよいのですが。 |
■ 正位置と逆位置 〔ウェイト版より The Rider Waite Talot Deck〕 |
このアルカナのテーマは、最終的で決定的な審判です。 このアルカナは、正位置の方が良い意味を表します。 正位置は、長くかかったことに最終的な勝利が輝くことを意味し、逆位置は、状況や関係の復活の望みが断たれることを意味します。 ●正位置のキーワード 目覚め、覚醒、再生、甦ること、変革の時、復活、仲直り、復縁、霊的な開眼、信念の勝利、 不滅の精神力の勝利、信仰の勝利 ●逆位置のキーワード 悪い知らせ、やり直しが出来ない状態、過去が忘れられない、離婚、別居、挫折、不採用、未発表、 再起不能、いつまでもくすぶる |
■ タロットの解説 〔ウェイト版より The Rider Waite Tarot Deck〕 |
![]() 最後の審判の日が来たことを知らせているのです。 地上では死者が復活し、救済の到来を喜んでいます。 天使ガブリエルのラッパは、闇が始めた戦いに対し、遂に光が最終的勝利を得たことを告げています。 ラッパにつけられている旗の十字架が、救済の到来を告げていることを意味しています。 この最後の審判の光景と最終戦争ハルマゲドンの光景を天使達に見せられて、初めて人類に伝えたのが「魔術師」に描かれているザラシュストラなのです。 審判の構図は「恋人たち」の構図に似ています。 上半分と下半分が雲によって分けられ、上半分には大きく天使が描かれています。この構図は、重要な選択の時には、霊的な力が働きかけてくることを表すために用いられるものです。 ですから、審判も重要な選択の時を表しているのです。 ここでは、最終的な審判がまだ解放されていない光のかけら達に下されます。 正義のアルカナと似ていますが、審判が表すのは最終的判決です。 コスモクラトールは、最後まで残っていた光にこう問いかけます。 「なぜ、お前達は最後まで闇の中に残っていたのか? それはお前達が闇の子であるからか、闇の毒に酔って光が濁ったためか、それとも何か特別な事情があったのか?」 最後の審判では、嘘は通用しません。 全てが、正義の天使の報告で明らかにされるからです。 長く不当な苦しみを味わった魂は、何も語らなくとも、すぐ解放されます。 こういう魂にとって、最後の審判は、正に救世主(メシア)の到来に思えるのです。 こういう時になっても、まだ口先だけで言い逃れをしようとする魂もいます。 「天の使いや預言者達が、この日が来ることを説いていましたが、私はただの脅しだと思っていました。でも、ああミトラ様、私達が間違っていました。今、私は目が覚めました。」こう言って嘘の涙を流すのです。 しかし、嘘が何になりましょう。 嘘をついた魂の前で光の国への門が固く閉ざされます。 もはや二度と開かれることはありません。 武装した天使達が現れ、この愚かな魂を地獄へ投げ落とします。 最後の嘘が地獄行きの決定打となったのです。 |
■ 光と闇の神話 〔古代ペルシア神話より〕 |
帰還した若者の魂に女教皇ソフィアが語りかけた。 「私がこれから、あなたに見せる光景をよく覚えておきなさい。」 「どのようにして光が勝利するのかを理解するのです。そして、あなたは再び地上に戻り、この事実を闇の中で苦しむ人達に伝えるのです。」 ソフィアは、二つの柱の間に蜃気楼を作り出した。 そこに映っているのは、最終戦争ハルマゲドンの光景であった。 蜃気楼の中を天使達が慌ただしく飛び回っていた。 帰還してくる最後の光たちを迎え入れたらすぐに、光の国への通路を全て閉じようとしているのだった。 法王がコスモスの中にいて、最後の光の脱出を見守っていた。 場面が変わった。霊界では悪魔の長サタンと、その闇の軍団が赤い鎧に身を固め、マントをひるがえすコスモクラトール=ミトラとその率いる天軍と激しい戦闘を繰り広げているのが映し出された。 両軍は最後の決戦をしているのだった。 若者は始元の戦いを思い出していた。 始元の戦いとハルマゲドンは何か似ているところがあった。違うのは、光の軍団の指揮者が不敗の神ミトラであることと、両軍の下に業火が燃え盛っていることだった。 始元の戦いの時と、光の軍団の動きがまるで違っていた。素早く、活力にあふれ、意志的で、計画的で、鋭かった。 黄金の鎧を着て、ダイヤモンドを散りばめた盾を持ったサタンが、別動部隊を率いて、天軍の不意をついてきた。 サタンの猛攻を食い止めるために、副将ガブリエルが立ち向かって行くのが見えた。しかし激しい戦いの末、ガブリエルは傷つき、天使達に守られ退いて行った。 天使達は動揺し、天軍は陣形が崩れ始めた。 若者は思わず叫んだ。 サタンは無敵であり、もはや誰もその進撃を止めることは出来ないように思われたからだった。 サタンは、勝利はもう目の前だと確信して喜んでいた。 その時、コスモクラトール=ミトラが剣を振るい、ただの一撃で無数のサタンの部下を打ち倒しながら、こちらに向かって進撃しているのが映った。 剣の鋭い切っ先が閃いたかと思うと、そこに無数の悪魔の死骸が転がっていた。 自分の部下が次々と殺されて行くのを見て、サタンが顔色を変えるのが見えた。 この必殺の攻撃によって、闇は明らかに傷ついていた。 蜃気楼の中に映っている闇は、光の鋭い攻撃で、真ん中から千切れかけていた。 サタンがその場をベリアルに任せて、ドラゴンにまたがり、まっしぐらにそちらに駆けつけて行くのが見えた。 ミトラはサタンが近付いてくるのを見るやいなや、「よし、これで、この最後の戦いの決着をつけられる」と思い、喜び勇んだ。 そして、闘志満々、その眉に顔にも烈々たる怒りをみなぎらせながら、最後の決戦を挑むべく、真っ向からサタンに斬りつけていった。 再び、場面が変わった。今度はコスモスが映し出された。 すでに全ての光のかけら達は、コスモスから脱出したようだった。 コスモスは抜け殻のようになっていて、もはや眩しい光芒を放ってはいなかった。 コスモスは、くすんだ灰の塊のように見えた。 どうやらコスモスは回転を止めつつあるようだった。 そして回転の衰えは、その最後が近付いていることを予感させた。 回転が止まると、コスモスは支える力を失ったかのように、燃え盛る業火の中へ、ゆっくりと沈んでいった。 |