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XVIII THE MOON 〔月〕 ◆カチュア ■作成者名 aRkさん ■作成者サイト Paradise_Lost ■作者コメント 月に想いをはせるのは叶わぬ想いなのでしょうか? 月のイメージは絶えず女性を主題として扱っていますが、 彼女が抱える心の内は、物語でも語られているように 月のイメージにぴったり当てはまるのではないでしょうか? その黒い衣の内に秘めた様々な、そして儚げな想いを、 月に晒しているようにご覧頂ければと思います。 |
■ 正位置と逆位置 〔ウェイト版より The Rider Waite Talot Deck〕 |
このアルカナのテーマは、不安です。 このアルカナは逆位置の方が良い意味になります。 正位置では、内面から湧き上がる様々な予感と現実が区別出来なくなる状態を表し、逆位置は、そのような妄想が次第に消えて行き、真実が顕わになっていく過程を表しています。 ●正位置のキーワード 胸騒ぎ、不安、虫の知らせ、予感、恐怖、懸念、嘘、誤謬、移ろいやすさ、幻滅、秘密の行動、 秘密、スキャンダル、危険、状況の変化 ●逆位置のキーワード 真実を見つける、嘘がばれる、偽りの恋心に気付く、直感的に閃く、ちょっとしたスリルを味わう、 インスピレーションが冴える |
■ タロットの解説 〔ウェイト版より The Rider Waite Tarot Deck〕 |
![]() 池のほとりには犬と狼がいて、月に向かって吠えています。 池からは道が伸びています。 道の両脇には塔が立っており、まるで門のように見えます。 アルカナの光の強さだけに注目すると、光は星、月、太陽と順に強くなって行きます。 星は希望を意味しました。 月はその希望が本当に叶うのではないかという大きな予感がある一方、その予感は幻滅に終わるのではないかという恐れが入り混じっている状態を意味しています。 水の中から這い上がろうとしているカニは、起きつつある事件を象徴します。 この正体はまだつかめません。それで犬と狼は吠えているのです。 カニで象徴されるものが何か分からないため、予感と不安が入り混じります。 この時の精神状態は大変不安定で移ろいやすく、夢見るような気分になったり、分けの分からない不安と恐怖に変わったりします。 中央に見える道は、事件が辿る経過を象徴します。 門を超えることが出来れば、道は順調で平坦です。 「女教皇」、「法王」、「正義」と「月」の構図を比べて見て下さい。 これらは、前景と背景とが二つの柱(塔)に挟まれた門によって区切られています。これは、前景での出来事の背後には、隠された真相があることを意味する構図なのです。ですから月の場合には、表面的な出来事の背後で何か別の秘密の動きがあることを意味しています。 月には、横顔が描かれています。横顔はその人の内面や私生活を象徴します。 ですから、このアルカナでは、内面や人に見せない私生活をテーマとしていると言えます。 月の下に描かれている光は、鬼火です。鬼火は本当の光ではありません。 鬼火は根拠がない不安、疑念、恐怖などの妄想を表します。 |
■ 光と闇の神話 〔古代ペルシア神話より〕 |
魂達は月めがけて昇って行った。 それは、さながら光の柱が天に向かって伸びていくようであった。 前方に、二つの塔に囲まれた出口が見えた。出口の向こうには、副将ガブリエルが光の船、つまり月に乗って待ちうけているのが見えた。 これを見て、アスタロトがサタンに言った。アスタロトは、サタンの軍団の中で随一の幻術の使い手だった。 「私が魂達を幻術にかけ、闇の牢獄に引き戻してまいりましょう。」 サタンがこれを許すやいなや、アスタロトは上昇して行った。 アスタロトはミトラ達の行く手に黒い雲を撒き散らし、出口がどこか分からないようにした。 次に無数の幻を作りだし、天使達を混乱させた。 最後に、海面に月の姿を映し出し、そこに魂達をおびき寄せようとした。 海中には、アスタロトの手下の悪魔達が隠れていて、水面に近付いた魂をつかみ取ろうと身構えていた。 魂達のいくつかは、海面に映った月に幻惑されて、光の糸から手を放し、隊列を離れて落下していった。天使達はそれを引き戻そうとした。すると、アスタロトは雲の中に隠れていた悪魔達に命令して、天使達を攻撃して、釘付けにした。 天使達は幻と本物の区別がつかず、形勢は不利だった。 ミトラは、カウテスとカウトパテスに指示を与え、黒雲の中に突入させ、アスタロトの居場所を探させた。双子の少年神達は、精霊や鳥達を使って懸命に探した。 遂に二人は、アスタロトの隠れ場所を見つけ、そこをトーチで照らし出した。 アスタロトめがめて、ミトラが鋭い矢を放った。アスタロトは深手を負って、闇の中へ転落して行った。 アスタロトが敗れると、幻は消え、黒雲が晴れ始めた。 「出口が見えた!」とカウテスが叫んだ。 副将ガブリエルが天使の一隊を引き連れて、こちらに向かって来るのが見えた。 ガブリエルがミトラに呼びかけた。 「私達がこの場を引き受けます。早く、魂達を光の船に乗せて下さい。」 ガブリエル達が、出口のところで悪魔を追い払っている間に、魂達は次々と光の船に乗り込んで行った。 ミトラの強い手が若者の魂の手をしっかりと捉えた。 「ようこそ、光の船へ。もう大丈夫だ。」ミトラが言った。 |