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IV THE EMPEROR 〔皇帝〕 ◆勇者サイノス ■作成者名 羽崎雅さん ■作成者サイト anais ■作者コメント エンペラーということで、正義にも悪にもとれる感じにしました。 俺についてこい、みたいな(笑) 巻きついた鎖を砕いたのは、自由の女神のように拘束を解いた 象徴を表す為です。 やっぱり男オピは描いてて楽しいですね! |
■ 正位置と逆位置 〔ウェイト版より The Rider Waite Talot Deck〕 |
このアルカナのテーマは、計画性や建設的ヴィジョンです。 正位置では、その充満がもたらすプラスの意味を表し、逆位置はそれが過剰、不足、濫用された場合にもたらされるマイナスの意味を表します。 ●正位置のキーワード 実行力、力、指導力、決断力、権威、父、妻子ある男性、支配力、目的達成力、リーダーシップ ●逆位置のキーワード 未熟、無力、頼りにならない人物、指導力の欠如、過信、過労、ワンマン、独裁的、無理な計画、 人に頼る態度、融通や機転のきかない態度 |
■ タロットの解説 〔ウェイト版より The Rider Waite Tarot Deck〕 |
![]() 背景の岩山と燃えるようなオレンジ色の空が印象的です。 魔術師は、光の神ミトラと契約することで力を授かり、それを自由自在に操ります。 皇帝はそのミトラを象徴します。ミトラは主からサタンを討つことと、光のかけら達を解放することという二つの使命を授かっています。 その使命を果たすために、彼はたくさんの天使達の長として、天軍を指揮しているのです。このためミトラは「コスモクラトール(Kosmokrator)」、つまり天軍の指揮者と呼ばれます。 光の神ミトラは、全身からまばゆい光を放っています。 ミトラの放つこの光のことを、ロゴス(Logos)の光と呼びます。 ロゴスとはギリシア語で「言葉」や「論理」を意味します。 このロゴスは、コスモス創造のもう一方の原理です。 これを東洋では「理」と呼びます。燃えるようなオレンジ色の空は、ロゴスの火を象徴しています。 ミトラ(皇帝)は、女帝と共同で、コスモスを創造します。 ミトラが表すロゴス、つまり創造の光が、女帝で表される光と闇の混合物に照射されることによって、混合物はロゴスの中に記されている設計図通りの姿になるのです。 彼が手にする王杖は、彼の指導力や決断力を示します。 彼が着ているガウンは、世間的な権威と物質的世界に対する彼の理想、理性、精神の優位を象徴しています。 ガウンの下には鎧を着込んでいます。これは彼が思索の人ではなく、行動の人であることを示しています。 王座の羊の頭の飾りは、彼が「良き羊飼い」つまり良き指導者であることを示しています。 皇帝の背後に見える岩山は、いかなる逆境にも挑戦してゆく勇気と、峻厳さを表しています。 彼の判断は計画や設計図に基づいており、素早く、明快です。 ロゴスの光が目指すものは、シャンデリアのような荘厳で幾何学的な光の構造物なのです。 彼が象徴するのは数字の4です。4は図形的には正方形あるいは十字で表され、力と不動を意味します。 皇帝が指導者であることは、椅子の手持たせのところに羊の頭が刻まれていることに象徴されています。 |
■ 光と闇の神話 〔古代ペルシア神話より〕 |
若者の前に閃光が閃いた。 光がまばゆいほどに強くなった時、光芒に包まれて若く美しい神が現れた。 その顔は太陽のように力強く輝き、全身から若く圧倒的に強力なエネルギーを放射していた。その目からは強い光線が放射されていた。 「あなたがコスモクラトール=ミトラなのか?」と若者が心の中でつぶやくと、彼の心に直接、そうだという返事が返ってきた。 その返事はテレパシーだったのだろうが、強力な光の波のように押し寄せて来て、彼を圧倒した。 「よく見ていなさい」とミトラが言った。 若者が見ていると、コスモスが回転を始めた。 回転するうちに、次第に霞があちらこちらと凝集し始め、無数の銀河が生まれ始めた。銀河の中には無数の恒星が生まれ、恒星の周りには惑星が生まれた。 若者が、「あなたは何をしているのですか」と尋ねると、コスモクラトール=ミトラは、「私は主の命を受けて、女帝が作ったコスモスに働きかけ、回転の力を利用して、光を闇の物質から分離しているのだ。」と答えた。 コスモクラトール=ミトラは部下の天使達に素早く、てきぱきと指示を与えていた。 彼の頭の中には、正確な設計図があるようだった。 無数の天使達が、整然と働いていた。ある者達は回転を安定させ、また別の天使の一群は銀河を生み出そうとしていた。 回転によってコスモスの中に時間が生まれ、それは徐々に力を増して流れ出した。 時間流は、遥か未来の終末の時に向かってまっしぐらに流れていった。 「よし、時間流が安定し始めた。もはや誰もこれを逆転させることも、止めることも出来はしない。」 こう言って、コスモクラトール=ミトラは、まばゆい光を放ち始めたコスモスを満足そうにながめていた。 |