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XV THE DEVIL 〔悪魔〕 ◆暗黒騎士ランスロット ■作成者名 耀さん ■作成者サイト Like? ■作者コメント 改めて見ると DEVILという雰囲気からは少々ちがうですね。 ははは… まだまだです。 タルタロスというのが地獄の場所の名称らしいという事と 自分なりの(国なりの)法を布こうとしている事、 描かれている悪魔が元は天使だったという事…などの所から 黒団長を選ばせて貰いました。 いちおう意味付けされているアイテムもいくつか入れたのですが これは果たして気付いて頂けますのでしょうか〜 |
■ 正位置と逆位置 〔ウェイト版より The Rider Waite Talot Deck〕 |
このアルカナのテーマは邪な欲望です。 このアルカナは、欲望によって理性が曇らされている状態を象徴しています。 正位置、逆位置ともほとんど意味が変わらず、どちらも良くない意味を表します。 ただし逆位置は逆境の終わりの暗示を含みます。 ●正位置のキーワード 暴力、誘惑、破壊、拘束、追従、堕落、没落、悪い動機、邪な心、依頼心、悪魔の誘惑 ●逆位置のキーワード 重労働、オカルト、心霊学、迷信、腐れ縁を断ち切る、こだわりを捨てる、悪意、恨み、臆病、 盲目的で愚かな行為、依頼心 |
■ タロットの解説 〔ウェイト版より The Rider Waite Tarot Deck〕 |
![]() 悪魔にはコウモリの翼と角が生えています。 悪魔の額にはペンタグラムが逆さに描いてあり、手にはトーチを逆さに持っています。 鎖に繋がれている人間は男女とも頭に角が生えており、尻尾があります。足はひづめになりかかってますが、二人とも悪魔を恐がっているようには見えません。 悪魔とはサタンのことです。古代ペルシアではアーリマン(Ahriman)、ユダヤ教やキリスト教ではサタン(Satan)と呼ばれます。ルシファー(Lucifer)はサタンの別名です。 ユダヤ教の天使の名には、みな最後に「エル」がつきます。 ミカエル、ガブリエル等がその例です。 ユダヤの伝承によると、サタンは昔「サタナエル」と呼ばれていたのですが、彼が悪魔達の長になったので、天使の印である「エル」を名前から外されたと伝えています。 サタンは、光に対抗する闇の力や、善に対抗する悪の原理の化身です。 サタンは昔、最高の位に位置する熾天使でした。弟のキリスト(アフラ=マズダー)よりも偉大な光の天使だったのです。 しかし、彼は自分の能力におぼれ、天使達に、主ではなく自分を讃え、自分の命令に従うよう要求したのです。 善の天使達はサタンの傲慢さに同意しませんでしたが、約三分の一の天使が彼に従いました。 この時、逆に闇の生き物達の三分の一が光の側につきました。 主はサタンの傲慢さを許さず、サタンを光の国から追放したのです。 この時から、光と闇の対立が生まれました。 ウェイト版にあるように、悪魔が角とひづめのある半人半獣のパフォメット像として描かれるようになったのは、中世以降のことです。 パフォメットの背景は黒く塗りつぶされています。これは闇を象徴しています。 角は翼と同じく、心霊的な力の象徴です。 翼が上昇する力を象徴するのに対し、角は下降する力を象徴します。 一般に、半人半獣の生き物は、人間的な精神と獣的な無意識の力が混じり合っている状態を象徴します。 半身が動物の場合には、あまり良い意味にはなりません。 人間的な能力が、野獣的欲望に支配されている状態を表すからです。 パフォメット像はその典型です。 額に描かれているペンタグラムが逆さなのは「法王」の説く正しい教えに対抗する闇の教えを象徴します。同様に逆さに持ったトーチは、光の神ミトラへの対抗を意味しています。 サタンは人間を鎖で繋ぎ止めています。この鎖は闇の力の象徴です。 サタンは人間の弱みや欲望につけこんで、様々な取引を申し出ます。 サタンの部下の悪魔達は、麻薬のように人間の知性を麻痺させ、真実に気付かせないようにします。 そして、真実の人生を生きようとする勇気を萎えさせ、自分を偽り、他人を騙すことを教えます。 アルカナに描かれている男女は、サタンの罠に落ちたのです。 その証拠に角と尻尾が生えているではありませんか。 彼らは、サタンから角と尻尾をもらった代わりに、自分達をサタンの台座に鎖で繋ぎ止めてしまったのです。 |
■ 光と闇の神話 〔古代ペルシア神話より〕 |
闘いの合間、サタンは闇の世界の奥にある宮殿でくつろいでいた。 彼はパフォメットの姿ではなく、十二枚の翼を持つ、光輝く熾天使の姿に戻っていた。 彼の周りには、ベルゼブブやベリアルをはじめとする悪魔の軍団の将軍達や、無数の闇の天使達が悪魔達と共に集まっていた。 彼らは、コスモスの中に闇の軍団を侵入させる作戦を話し合っていた。 悪魔の長サタンは、天使が若者に生命の水を飲ませているのを、この宮殿の広間から魔法の鏡を使って観察していた。 サタンはこのまま放っておくと、若者の魂が光の国へ昇って行ってしまうことに気がついた。 サタンは「あの魂を我が物としたい」と言った。 サタンには光のかけらを、一かけらでも手放す気はなかった。 全てを闇の物質の中に閉じ込めておくつもりであった。 光のかけらを取り戻すために、主が遣わした天軍とその指揮者コスモクラトールのことが、サタンの脳裏をよぎった。すると激しい怒りが込み上げてきた。 「コスモクラトールだと。英知、栄光、力、名の全てにおいて主よりも偉大な、このわしの恐ろしさを思い知らせてやる。」 サタンの心は、この瞬間、輝かしい栄光の日々を回想していた。 輝く光の雲の上の宮殿の中で、サタンは全ての天使達の指導者として、光輝いていた。サタンの十二枚の翼は、宝石のようにまばゆい光芒を放ち、その姿は完全さを誇っていた。この時、サタンは得意の絶頂にあった。 「宇宙の全ての喜びは私の中に記されている。栄光の歓喜の中にある私の華麗なきらめきは、なんと素晴らしいのだろう。」 「さあ、全ての天使達よ、私の方を向け。私はお前達にあらためて命じる。お前達の真の主君に向かって膝をつけ。」 善の天使達は拒んだが、一部の天使達はサタンの足元にひれ伏した。 ベルゼブブ、ベリアル、アスタロト、ベリトらは、サタンを指導者として歓迎して言った。「あなたは私達の隊長になるだろう」と。 サタンが答えて言った、「あの方が来ようと、私はここを去らず、あの方の目の前で、この玉座に座っていよう。」 天使達の表情が凍りつき、静寂がおとずれた。 その瞬間、稲妻がサタンを打ちすえた……。 ここで、サタンは回想から引き戻された。魔法の鏡を見ていたベルゼブブとベリアルがサタンに呼びかけたからであった。 「私達が悪魔の一隊を率いて、あの魂を奪ってまいりましょう。」 サタンは大いに喜んで言った。 「よろしい。捕まえてきて、あの魂を闇の牢獄の中に繋いでしまえ。」 |