登山NO.0020 槍 ヶ 岳( 槍ヶ岳:3,180m ) 1990.7.31登山


 槍沢源頭付近から見た槍ヶ岳( 1990.7.31 )

【槍ヶ岳登山記録】

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再登山


NO.20 槍ヶ岳登山記録

前日の常念岳登山に続いて、 今日はいよいよ槍ヶ岳である。

朝食前に、大天荘の裏手を登り大天井岳頂上に登ってみた。
ご来光は雲海の中で分散し、ハッキリ昇る瞬間を見ることはできなかったものの、反対側の槍穂高連峰に朝日が当たり、 色が変化していく様は見事なものであった。

食事を済ませ、すっかり明るくなった中、槍ヶ岳に向かって出発する。
空は青く、また雲一つ見えず、大変気分がよい。
大天荘から斜面を下り、喜作新道と呼ばれる道と合流して、いよいよ表銀座縦走路に入ったが、 右側の斜面には黄色、白、ピンク他の高山植物が咲き乱れており (これがお花畑!!)、いよいよ気分は高揚して足取りも快調となってくる。
暫く進むと左手に、昨日登った常念岳がその見事なピラミッド状の姿を見せてくれており、今いる場所との距離を改めて認識させられ、 良くここまで歩いて来たものだと我ながら感心してしまう。

西岳小屋でポカリを購入して一息入れた後、登山道を大きく右に曲げ、 水俣乗越と呼ばれる所へ梯子を使って下りる。
道はこれから槍ヶ岳方向に向かって行くこととなる。

進むに連れ大きくなる槍ヶ岳の姿に心ときめかせ、少しでも槍の穂に雲がかかろうものなら、 私が登るまでは晴れていてくれと祈り、槍ヶ岳がよく見える場所に来れば、レンズ付きフィルムのパノラマ版を使って槍を中心に広がる裾 (北鎌尾根、 穂高への稜線) を何枚も撮影し、途中、長い鉄梯子を登る所で団体が順番待ちしているのにイライラし、 尾根に立って左下に広がる赤・青・黄と色とりどりのテントを見れば、いつかはテント山行をと誓い、何人もの登山者を早足に追い抜くなど、 まあ全くガキではあるまいかと自分であきれるくらいの心の弾みようであった。
途中、ヒュッテ大槍にて水を補給したが、出てきた小屋の主人が本で見たとおりの顔だったので (当たり前)、 前から知っていたような錯覚に陥ってしまい、思わず声を掛けそうになったのには苦笑させられた。

槍ヶ岳山荘前に荷物を置き、軽装でいよいよ槍ヶ岳山頂に登りにかかったが、 途中 鎖やボルトを掴みながら登るために、ちょっと高所恐怖症の人にはためらわれるところがあり、先を行く人たちに暫し足止めを食うことがあったが、 それでもまあ簡単に頂上に立つことができ、播隆上人の槍ヶ岳開山時の苦労を思うと申し訳ないような気になる。
頂上は遮るものがないため展望は抜群のはずであったが、残念ながら穂高連峰笠ヶ岳、そして鷲羽岳方面は既に霧が上がって来ており、 眺めることができない。

しかし、あれ程待望していた槍ヶ岳頂上ではあったが、何か今一つ物足りなさを感じてしまったのは何故であろうか。
人で混み合っていたからだろうか、軽装の人が簡単に登ってきているからだろうか、穂高他の展望を得られなかったからであろうか、 とにかく槍の頂上に登っているんだという感激も薄く、何か少し自分の期待していたものと違うような気がして、 しっくりしないまま槍ヶ岳山荘まで下りてしまったのだった。

本来の計画では、この日は槍ヶ岳山荘に宿泊しようと考えていたものの、まだ時刻は 12時前のため、 先の双六小屋まで進むことに計画変更し、山の反対側へと下る。
こちら側は霧が立ちこめており、少し下って後ろを振り返ったら、もう槍ヶ岳を見ることができなくなってしまい、 先ほどの中途半端な気持ちを引きずったままの、何か納得のいかない下山となった。

しかし、道の方は少し危険な箇所もあるものの、明瞭に踏まれており、また途中ほとんど人に会うこともなかったため、 静かな山旅を楽しむことができたのが嬉しい。

坊主頭のような樅沢岳に着く頃には若干疲れが出てきたが、眼下に双六小屋が見えたらまた元気が出てきて、 一気に坂を駆け下り双六小屋に向かう。
小屋にて水で冷やしたリンゴを買ったが、これは大変美味であった。

小屋は昨日の大天荘にも増した混みようであったが、2段ベッドの 2階の、それも端に場所を確保でき、 どうにかゆっくり休むことができたのだった。

以下、笠ヶ岳の項に続く。


槍 ヶ 岳 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1990.7.31 天候:快晴後曇り単独行前日泊
登山路:大天荘()−大天井岳−大天荘 −大天井ヒュッテ−西岳ヒュッテ−ヒュッテ大槍−槍岳山荘−槍ヶ岳−槍岳山荘−千丈乗越−硫黄乗越−樅沢岳−双六小屋(
交通往路常念岳の項参照
交通復路:さらに笠ヶ岳まで縦走。笠ヶ岳の項参照
その他:7月30日、大天荘泊。翌31日槍ヶ岳登山。31日は双六小屋泊。
その他の
槍ヶ岳登山
新穂高第3駐車場−白出沢出合−滝谷出合−槍平小屋−飛騨乗越−槍ヶ岳山荘−槍ヶ岳−槍ヶ岳山荘 ()、
槍ヶ岳山荘−大喰岳−中岳−南岳−槍平小屋−滝谷出合−白出沢出合−新穂高第3駐車場
   (2014.9.26 : 快晴後晴れ、 9.27 : 晴れ)
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