フェリー

フェリー

　宮島口駅に着く。
　電車の駅の目の前に、フェリーの駅(乗り場)がある。…駅って言いたくなるって！
　駅員さんみたいな制服の人が改札に立っているし、電車の駅で見かける券売機で、電車の切符みたいな切符買って…。まぁ、ＪＲが運営してるから、当然と言えば当然なんだけど。

　｢乗るなら、早く！｣…駅員さんが叫んでる。あ、本当だ。出発のベルが鳴り響いている。お客さんの姿はもう見えない。がらんとしたターミナルを、必死の形相で走る３人。…誰にも見せたくない姿である。

　乗り口といっても、特別な乗船口がある訳ではなく、車の乗り入れ口(10台も積めないなぁ…)から車とともに乗り込む(左写真)。

　毎度、駅(電車)で切符を購入して、そのままＪＲのフェリーに乗ってしまう。しかし、50ｍと離れていない隣のターミナルから就航している私営のフェリーにも乗ってみたいものだ。

　さておき。
　はぁ～はぁ言いながら何とか、セーフ。
　乗り込んだ瞬間に、乗り口がごごごーっと閉まって(閉まりきる前にもう陸を離れてしまう)、さぁ、宮島へ！

　あいにくの雨で(相当の土砂降りだった)、海上から見る宮島はヴェールを被っており、絵はがきのような景色を臨むことは出来なかった。
　山の上から下へ、ミルク色の霧がわさわさと蠢いているのが見えた。まるで、生きているかのように…。