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フォントネー修道院 付属教会堂
Church in Fontenay Abbey

 俗世を離れた修道院という印象を最も強く受けるのがここ付属教会堂です。町の教会には人々を集めるだけの暖かさがある。人々を敬服させ、信仰の教えを与えるだけの「装置」・・彫刻、絵画でキリストの物語を伝える仕掛けが要るけれど、ここにはそれらのものは一切必要ない。信仰を自ら求めて来た人だけがここにいるのだから、今さらそんな装置は必要ない。神と向かい合うだけの精神だけがあれば、後は何も要らない。この不要なものをすべて取り去った空間の鋭さ、凄さ、力強さ、それは想像以上のものでした。

教会堂正面。本当に何の飾りもありません。通常西正面にはナルテクスという玄関広間があるのですが、簡単なポーチがあるだけで、ここにはありません。また、上部の小窓が内部空間にとってとても大切な役割を果たします。
中に入り、西正面を振り返っています。外部正面から見ると、結構横広であまり上昇感がなかったのに、内部に入ってみればネイブ(身廊)とアイル(側廊)とにしっかりと分けられ、空間の高まりを感じることが出来ます。小窓の細さが上昇感を一層高めてくれます。しかし柱頭外にちょっと装飾がある以外、本当何もありません。ちょっと間違えると廃墟とさえ思えてしまいます。
内陣。ちょっと尖塔アーチになっている所がゴシックへの移行の近さを感じさせます。この光の取り入れ方の巧みさ。人々は毎日ここで何を祈っていたのでしょうか。しかし小窓の開け方の見事さには本当敬服させられます。この光があるから、装飾が無くとも神聖な空間になるのです。

フォントネー2