北海道へっぽこ道中記・3日目
さて、3日目、最終日です。 どうゆうわけだか、早くにお目覚めした私は時間をもてあましていたのですが、のりぞうさんをたたき起こすのもためらわれ(それくらい早い時間だった)仕方なく、ひとり早朝のお散歩としゃれこみました。 何を隠そう、一人でぽてぽて歩くの大好きです(暗!)。ほっといたら、一日中、ぽてぽてしてます。ちなみに都会でもこれをやるので、一緒に歩いてくれる物好きはあまり居ません。茶店にもよらず、一日中、あっちにひっかかりこっちにひっかかり、ぽてぽてぽてぽて……。ぽてぽて仲間募集中……(泣) ちょっと脱線してしまいましたが、まあ、そんなわけで、ホテルのまわり(即、山!)とか2時間くらいうろうろしましたかね。ホテルが何軒かかたまって建っている、昆布温泉の中心あたりまでさまよい出たら、「羊蹄山の水」とかいう看板がでてまして、ミニ噴水みたいに湧き水が吹き出すような形で水場が作ってありました。ペツトボトル〜〜〜〜と叫んだけれど、近くに自販機等は見当たらず、自分だけ飲んで帰った。すまんな、のりぞう!(ほほほほほ) 羊蹄山の水は、ニセコ近辺のコンビニで売ってるんですけど、やっぱり生の方がいいのかなあ。飲んでも違いは分からなかったです。 トンボの強烈な記憶も生々しいレイトンニセコを後にして、最終日の見学地へと赴くわけですが、手荷物を整理していてふと違和感……。 なにかが足らない……気がする。 でもなんだかわからない。なんだろうなんだろう、と悩み続けていたところ、はた、と思い出しました。もんのすごい恥ずかしいものをホテルに置いてきてしまっていたのです!! 何を置いてきたかって? 教えなーい……。 なんにしろ、慌てて携帯でホテルに電話して、宅急便してもらうことにしました。うううっ、このあたりから、例によって例のごとく、私の罰当たりな旅のしめくくりが爆発の兆しを見せ初めて来ました。いや、昨夜のトンボのあたりから怪しかったのようううう。 ときに、この日は、3日中で一番ハードな一日でした。 とにかく、歩かせる歩かされる! 前日前々日ののらくらはこの日のための布石かってくらい歩かされたです。 まず、一番目の歩けはここ、神仙沼。 ガイドのお姉さんは、30分くらいですよ、と不動産屋時間で言ってくれましたが、往復したら3キロ強あるんですよっ。 のりぞうさん、入口近辺で退出。これが、だらだらとした坂だったんで、気づかずに上ってしまったため、ダメージ1000ptでしたね。貧乏性の私は、どうせこの分も金払ってんだから、見るものは見ないと気がすまんっ、てことでのりぞうさんを駐車場に留守番させて特攻してきました。そりゃもう、悪徳不動産屋もまっ青なタイムで行って帰ってきましたとも。 このあたりには、キツネや鹿も水を飲みに来るとかで、雰囲気的には尾瀬沼みたいな感じでしょうか。湿地帯ですよね。 沼の大きさはカッパ池(ローカルなネタ……)程度かな、っていうくらいのもので、ぜえぜえ息をついていた馬鹿者には、それこそ違いが分からなかったです。道すがら、花も咲いてたんですけど、なんて名前なのやら……。でもね、ああいう山の中に、ぽっかり沼があるっていうのは、山に迷い込んで偶然見つけたんだったりしたら、そりゃもう、神々しく見えただろうなあ、とは思います。山の麓からはこんなところがあるなんて予想できないもの。ほんとに、動物だけが知ってる、って場所だったんだと思います。 ところで、これ、ユウレイタケと言うそうです。動物の死骸に生えるんだそうで、冬虫夏草の仲間ですよね。色合い的には、ほんと、幽霊色……いや、見たことないけど。教えてくれたおじさんは、「ネズミの死骸にでも生えてるんだよ」とのこと。けっこう。珍しいらしいです。見られてよかったよかった。 これね、行きにはみつけられなかったんですよ。ていうか、だかだか走っていたので、足元にはまったく気づいていませんでした。唯一、気をつけたのは、バスの中でガイドさんが言っていたカラマツ・トドマツくらいのもので、それさえもよく分からなかったし。 これは、帰り道に、なにやら小母ちゃんらがわらわらと群がっていたのに混ざりこんだ結果、ゲットしたものです。多分、公園管理人ではなかろうか、という作業服のおじさんが、偶然通りかかって、そこの小母ちゃん軍団に教えてくれたのだとかで、まるでリレーのように、入れかわり立ち代わり、誰かが立ち止まってました。 続いて、一気に積丹半島まで移動。 そこでお昼なんですが、積丹まで来てカツカレーを食う女がここに……。だって、ナマモノ嫌いなんだもんっ。ウニ丼なんていう寒いもの、絶対食べられなーいっ、っていう、とってももったいないことを叫びながらカツカレー……いいじゃん。 そして、この食事をした場所はかの神威岬だったわけです。 ひーとりーひーとりーカムイーーーって、知らないよ、今の人は……。 カムイっていうのは、アイヌ語では「神」だし、日本語でも巧い具合に「神威」に当てはめられるくらいですから、なんだか神聖な感じがします。どういうわけだか、昔から好きな言葉だったりもするのですが、言葉に威力がある、って言うのは本当かもしれませんね。 ところで、ここ、女人禁制って看板に書いてあるんですよ……。なぜか、ってやっぱ神様のいるとこは女の人はねえ……って話をバスん中でしたらしんですが、寝てたんで知りません。バスは寝るもの、と強く心に決めているので、移動中の景色は、自慢じゃないですが、ほとんど記憶にありません。道すがら、奇岩奇観があったそうですが、猫岩しか覚えてないや。 ほんとの神威岬は、この終点にあるんだそうですが、遠いですねーーー……。行くはずないですねーーー。ちょっともったいなかったかな? また来れるかどうかわかんないのにねえ。 が! いいことはあるものでして、まじめに突端まで行かなかった人には、それなりに俗な楽しみがご用意されていました。
ベンチでとても女とは言えない格好で日干ししていた私を発見したわけではないでしょうが、バスのドライバーさんが「キツネいるよ」と教えてくれました。 教えてもらったところまで行ってみれば、確かに営業中のキツネがおりました。しかも、つがいで。うーん、キツネの世界も大変なのねえ……。 なんか、このあたりに出てくる営業キツネはけっこう舌が肥えているので、生半可なものには手はださないそうですが、この日、彼らは小父さんからチーズケーキをもらっていました。カラスとケンカしながらね。 この写真に、ここのキツネの営業魂が見えるような気がしませんか? さてさて、旅もここまで来るともうおしまいの雰囲気が濃くなってまいります。最後の仕上げは、運河の町小樽。 えー、小樽も実は二度目です。が、前回は吹雪の小樽だったため、全然、景色が違っていてびっくり。でもって、前は電車で来たんですよ。なもので、延々、駅から歩いたりなんかしたもので、方向感覚がまったくちがってしまってました。 名所といえば石原裕二郎記念館とかになるんですかね、やっぱり。あとは オルゴール堂に北一硝子。寿司屋横町なんてのもここだったっけ? 今回、まったく関係なかったけど。 ガラスはですね、大好きなんですよ。大好きなんだけど、高い! 高いったら高い! そりゃ、本物の宝石とかに比べりゃ、大した額じゃないですけどね、アクセサリーも食器もグラスも貧乏人の敵。でも、あの黄色いチューリップのグラスシリーズ……欲しい……。フルート型のシャンパングラスとか、ゴブレットとかの一式シリーズなんですけど、柄の部分とかの微妙な円みがなんとも言えませんっ。女の人のお尻とか腰の曲線にとってもよく似ていて、エレガントー、って感じかな?(注・変態さんではありません) ところで、私たち、この北一硝子ではなぜか単独行動でした。……だって、なんだか知らないけど、のりぞうさんが大爆発して、怒ってんだもん。疲れて居所が悪いんだろう、ということで離れてみました。熟年夫婦かっつうの。ちなみに発端は、私が道を間違えたことにあるらしいんだけどさ。で、そのあとぐずぐす言ったとかで。????言ってないっての。私は単に、「なんだ、ここにつながっていたのか!」て驚いただけなのに……しくしくしくしくしく。 でも、20分後には一緒に巨大シュークリームつついてました。 北一硝子店内の、天井までランプで埋め尽くした喫茶ルームで、顔の大きさ程もあるシュークリーム食べたんですけど、あれですね、昔の人はほんとにあんなランプで暮らしていられたんでしょうかね? 炎はきれいだけど、明るくはないですよね。ランプ10個より蛍光灯1本の方が絶対、明るいもの。 その明るさが果たしていいのかどうかはわかりませんけどね。 そんなこんなで、夏の北海道、おしまいです。今回は、トンボと忘れ物以外はいたって平穏にすみました。帰りの飛行機も、うまいこと台風避けてくれたし。(なんか、凄かったらしいですね、関東地方) 北海道観光って、どうしてもバス移動が多くていけないんですが、今度はピンポイント攻撃で来たいものですね。
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