News >「仕事日記」2006年1月


1月6日(金) 塩田セッション 御茶ノ水ナル
塩田(B)
太田剣(As)
横山和明(Dr)

若者とのセッションは、知ってはいたが手がけたことのない曲が演奏できて新鮮なのと、思いも寄らぬ未知の名曲に出会えるのがよい。フージョンを通り越してジャズ回帰の頃から始まっているので、僕の年代(マイルス黄金期からフージョン)以前のモダンジャスの宝庫をじっくり勉強してきたからだろう。

ケニー・カークランドのワルツが秀逸で、スリートニックシステムなどもスムースに使われており、遺言を読んでいるような気分になった。覚えようと思った。
1月10日(火) デュークエイセスリハーサル 大久保アールズコート(労音会館)
今年初めて会う和田誠さんはヨーロッパ旅行から昨日お戻りになったばかり。年末の岩城さんのお話など楽しく伺う。(岩城さんが)肺がんの手術をなさったので無事を訪ねると、切除したのだからもう癌患者ではないのだ、失礼なことを言うな、と怒るそうである。さすがに手術歴50回以上を誇る病気のデパート80歳(位のハズ)であることよ。
1月11日(水) 伝兵衛商会 名古屋・ランプ
浜中祐司(Gi)
石井康司(B)
国場幸孝(Dr)

ユッキーを迎えての伝兵衛商会、大盛り上がり。僕自身いわゆる“バンドもの”は久しぶりなので燃えた。M’sはジャズトリオであって、僕にとってのバンドものというのはジョニーとかマリと組んでたような状態をいうのであった。説明はちと難しい。

川柳:ツアー初日 伝兵衛号はギュウ詰めで 今年も斯くやと 笑い初めたり

   沖縄の 若さ迎えて 平塚の 商会再起 胸の高鳴る

俳句:はだか木の 夕日に照りて あかあかと。
1月12日(木) 伝兵衛商会 岡山・Mo-Gra
ピアノ調律抜群!調律師を代えたかとは聞き漏らしたが、今日に合わせてコンディションを作ってくれるスタッフの熱意と誠意が嬉。

土井啓輔さんの弟君が来てくれ、そのお連れはさる公務期間の職場仲間。そのうちの一人は奇しくもマサちゃんで、彼らがバンドを作ろうとしているというので伝兵衛クン大サービスで歌ううち、あなた方にオリジナル曲はあるのですかと問うに、おもむろにバッグから新作の歌詞を取り出した。しばし考慮の後伝兵衛がサビ始まりからAメロの始まり部分までその場作曲。楽しい飲み会とはなった。
1月13日(金) 伝兵衛商会 和歌山・ラバーソウル
昼食のうどんライスが失敗。移動中ずっと腹具合がおかしい。下るのではなく張っている。温かい場所でコーヒーを飲んでタバコを吸う、というこのことが出来ない。やっと辿り着いた和歌山の駅前ミスタードーナツでやっと寛ぐ。石井をホームレス者に見立てて伝兵衛や浜中が“寒くて大変でしょう”などとインタビューするのに“だからここに来たんじゃ”などとやっていると隣のアベックがそ〜っと遠回り気味に去っていく。

昔話を聞いた。

伝兵衛商会華やかなりし頃のフェリー移動の際の席取り術。皆が車を置いたり荷物を運ぶ間、種子田のみ広間席に先行し、空間の一点を撫でるようにしながら“大きくなったねぇ。いい子だねぇ”などと架空のコドモをあやしていると、どんなに込んでいる時でもその周りはがらりと遠巻きにされて空いている。ところへ悠々とメンバーが座り込むという次第。別の時には仰向けになって“もぅヤダ!もぅもぅヤダヤダ!”と駄々をこねる。これでも座席空間は確保されていたそうだ。
1月14日(土) 瀬木デュオ 福山・キャッスルホテル
七時頃には本番が終わってしまうと聞いたので、ご招待のディナーを申し訳なくもご辞退申し上げてダルマードへ。昨夜遅くに届いた本田さんの訃報が胸にわだかまりながらも、伝兵衛商会の楽しさ忘れられず駆けつけると一部の最後に間に合った。二部をたっぷりやった後、瀧本の持参した本田さんのアルバムを聞きながら個人的お通夜。

This Is Honda でワインを使った思い出をテーマにしたカクテル。復帰直後のCDで(これが実にいい出来)焼酎を使った偲ぶカクテル。ここまで本田さんの好きだったもので。“ふるさと”を聞きながら生きる勇気の出るカクテル。あとはマイヤーズにさせてもらって次々とアルバムを聞き進める。
生で昔聞いたHere’s That Rainy Day のアレンジはこのLPだったか、など次々に思い出がよみがえる。Blues At The FunkとT,T,C&Tをユッキー・石井に手伝ってもらって弾く。そしてソロでグッドバイ。これは板橋さんの曲でちと縁起が悪いかなとも思ったが追悼にこれほどふさわしい曲もなく、しんみりと弾いた。
そうこうするうちに馬場孝喜君来訪。僕が来るのを聞きつけて急遽車を飛ばして来てくれた三木君のお誘いに、なんと馬場君は心斎橋でレコーディングだったというからご縁があるのだろう。レイニィデイをデュオ。ムーンリバーをソロで弾いてくれた。あとでわかったことだが彼なりに本田さんを追悼してくれていたのだそうだ。謝。
1月15日(日) Four Hands Groove 宮本公民館
いままでとちとスタイルを変えて、小島良喜をリズムセクションとして扱う場面を増やしたら、全体の音数も減り、すっきりくっきりしたデュオになったと思う。それにしてもコジは素晴らしい。また進化している。Four Hands Grooveも進化中の感あり。

お客様になじみのないプログラムが少々心配だったが、ご年配の方々もすっかりリズムに乗って聞いてくれていたようだし、一曲目から反応が来たのでやりやすかった。満員立ち見ありというのも気分が良い。

アンコールで本田さんのT,T,C&T。小島のサウンドにのってテーマを弾いていたら目頭に来た。
1月17日(火) 伝兵衛打ち合わせ
伝兵衛NHKホールコンサートに向けての第一回会議。制作主任をしてくれることになった柳川さんの本職は舞台監督〜演出家。チックをてがけたこともあり、キース・ジャレットの来日公演はここのところずっと関わっていると聞いて嬉しくなってしまう。

渋谷の小料理屋で飲み話すうちに団塊の世代であることもわかり“カクリトイウナノキミン”(隔離という名の棄民)などという字数の多い言葉も頻繁に飛び出して大受け(僕に)。作業を進める中での飲み会がこれからも楽しみではあるが、コンサートの成功に向けては前途多難である。
1月19日(木) 伝兵衛レコーディング 銀座・オンキョーハウス
松田昌レコーディングに続いて岡まさゆきのエンジニアリングはとても素晴らしい。ピアノのコンディションも良かった。丁度イイ年数が経っているのだろう。この1〜2年が使い時。さすがに9曲を一気録りは最後の方で高音部のピッチに不安がよぎるが、伝兵衛君、いい曲順ですすめてくれてノープロブレム・マーモンタイ。
1月20日(金) 南佳孝 目黒・ブルースアレイジャパン
バカボン鈴木(B)
小森???(Dr)

Desert Storm
Travering Man
遥かなディスタンス
スコッチ&レイン
夜間飛行
これで準備OK
君の笑顔
チークダンス
Estate
My Funny Valentine
The Gift
Nature Boy
Star Dust
Corcovado
Someone To Watch Over Me
Midnight Love Call
コンポジション#1
昼下がりのテーブル
プロムナイト
スタンダードナンバー
Paradiso
Video City
月夜の晩には
スローなブギにしてくれ
Don’t Let Me Down
What’s Goin’ On

先日、佳孝さんていっぱい歌うよね、と小島良喜と話していたのがそのまま思い出されて可笑しかった。
1月21日(土) 伝兵衛歌入れ 平塚フリースタジオ
体調を心配したのだが、何よりも本人が気合充分で、歌い始めて1時間くらいから本調子。時にしつこいダメ出しにもにこやかに、そして真剣に取り組んだ。いいアルバムになった。少なくとも録音とジャケットは過去最高のはず。いや、サードピリオドは相当いいもんな。
1月22日(日) コンサート打ち合わせ
クロニクルコンサートを思い立ってしまい、三木俊雄に音楽監督を依頼。概ねの内容を詰める。自分は主役であって、周旋や編曲、セッションリードは他にコンマスがいる。こういうのは楽しい。
1月23日(月) 和田誠さんと打ち合わせ
伝兵衛CDの表1を依頼。同席の広瀬カメラマンと著書を交換、サインもお互いにしていた。写真とイラスト、それぞれの世界紀行もの。いいシーンだった。
1月24日(火) 先生 ヤマハ千葉店
先日三木俊雄に麻雀を教えたら、教え方があまりにヘタだというので、逆に教え方教室になった。なるほどこれはわかりやすいというので、今日の教室でやってみたら大好評だった。悔しいから麻雀がひと目でわかる説明書・A4一枚をいうのを作る。
1月26日(木) ??? サウンドシティ
ベースに加瀬がいたので森みきこちゃんの消息を聞くと、横浜ドルフィで一度ライブ行ったとのこと。僕も参加するといっておきながらなかなか果たせず気になっていたから、僕抜きでも活動している様子を聞くと多少ほっとする。
1月27日(金) M’s 佐賀武雄
Creopatra’s Dream〜Anthony’s Scream
Peri’s Scope
The Girl From Ipanema
Yesterdays
Falling In Love With Love
Ladies In Mercedez
My Favorite Things
Extended Play
Autumn Leaves
トルコマーチ>>>未定で申告しておいたら、お客様用のプログラム上ではお楽しみコーナーになっていて、仕方なくリクエストをとってみたら永松さんがモーツァルトの250回目の誕生日だと教えてくれて、マイナーブルースに仕立てて演奏したのだった。
Spain
The Song Is Ended

永松さんは20年以上三輪明宏さんの舞台を演出してきた人で、10年以上前に香坂さんという当時シャンソン歌手・その後タンゴ歌手として成功なさった人の仕事で一度だけご一緒。
ごく最近佐賀に居を移された由で、たまたま見かけたポスターで訪ねてくれたには感激。
1月28日(土) M’s ジャズ講座 大野城
creopatra‘s dream/anthony’s scream
ジャズとは、、、のお話 by佐山 
Yesterdays
スタンダードとは、、、のお話 by小井
My Favorite Things
ジャズにするには、、、のお話(リズム・メロディ・ハーモニー&音色)by佐山
スイングとは、、、のお話 by大坂
Swingin’ On A Star
Spain

それぞれの話にそれぞれのキャラが出てよかった。長喋りの後の演奏は集中にちと難があるが、我々ならではのいい出し物なのではないか。
1月29日(日) M’s 枚方
Creopatra’s Dream〜Anthony’s Scream
Peri’s Scope
The Girl From Ipanema
Yesterdays
Falling In Love With Love
Ladies In Mercedez
My Favorite Things
Extended Play
Autumn Leaves
On A Clear Day
Spain
The Song Is Ended

わずか数年前のことではあるが、M’sが本格的活動を始めた頃にいち早くホールコンサートをしてくれたのがこの枚方のスタッフ。今回は楠葉公民館で札止めの盛況とは嬉。

京都泊で亡国のイージスをパソコン鑑賞して大人しくやすみたかったが、やはり寂しくなって夜中に三木君と馬場君を呼び出してしまった。
1月30日(月) M’s ミューザ川崎 リハーサル
My Favorite ThingsとMy Funny Valentine。それぞれCDに入っている自分のソロをコピーして発展させて、クラッシックミュージシャンに弾いてもらう。すごく楽しい。クラッシックの人たちというのは凄いものだ。書けば弾いちゃうのだから。ピアニストの着実さ、テナーサックスの意外なジャズっぽさ、なにより石田氏のバイオリンの艶やかさがいい。本番が楽しみである。

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2006年