インターネット個別病気相談室
97年7月の質問と回答集

(平成9年8月18日版)


膨大な質疑応答データをホームページ上で見やすくしたいのですが
限りある私の時間は少しでもお答えに当てるようにし
目次を付けるなどの編集作業はホームページ上では行っておりません

もっと読みやすく編集したものをご希望の方は

プロによる編集済みの電子出版物 をご利用下さい。
居ながらにしてとても簡単に入手できます。

また、電話代、接続料などが気になる方のために
インターネット画面のままの フロッピーディスク版もあります。

インターネットへの接続無しに今ご覧になっているような 感じでじっくり読む事が出来ます。

詳しくは こちらをご覧下さい。

亀頭(きとう)にできもの出て心配だし困っています。

前略 1954年生まれ。男性。 性器の鬼頭?(先っぽの部分)に1年ほど前から 湿疹のようなものができ直っては出できての繰り返し で困っています。 性器に斑点状のボツボツが出始め そのうち赤みを帯びてきます。 徐々に広がり、痛みや痒みはあまり感じません。 ただ皮膚が赤ただれてしまい若干の違和感は あります。 ほっておくと、表皮がゴミのように ボロボロと剥けて直ったようになります。 そしてまた最初から始まります。 小さな斑点状のものが出てくるのです。 仕事上、東南アジアへ行く機会が多く 独身ということもあり 女性との接触がありました。 もちろんコンドームは着用しますが。しかし 3年ほど前に、クラミジアに感染してしまいました。そのときに 診察を受けた00病院・泌尿器科で診察をしてもらいました。 血液検査等の結果、昔のクラミジアはもう心配はないし 特に性病の問題はないでしょう。多分 石鹸の使いすぎでしょうと言われました。 そのままにしておいても直りません。また半年後 00立00病院の泌尿器科で診察を 受けましたが、血液検査から性病等によるものではないと 診察されました。その際、<吉草酸ベタメタゾン1.2mg・硫酸ゲンタマイシン1mg > の塗り薬をもらいました。 それを塗ると症状は出にくいし 発症した場合も早く直ります。 しかし結局また同じ症状がでてきてしまいます。 もうこんな繰り返しが1年以上も続いて憂鬱です。 皮膚科に行った方がいいのだろうかと思っていますが 足がなかなか向かっていきません。 またインターネット上でヘルペス2型について の文章を読むと、どうも私の症状に よくにているようでこわくなっています。 性器の表面上だけの症状で あとは特に影響はないのですが なんとか病院へいかなくても 直る方法はないでしょうか。 つけ加えますが、私の性器は 仮性包茎気味です。関係あるでしょうか。 是非とも早めにお答えくださいませ。

( 97/ 7/20 22:48 都道府県名不明 Kさん)

(97/07/20)

自己診断されておられるように2型ヘルペスによる「陰部疱疹(いんぶほうしん)」に大変 症状が似ています。

正確な診断には病医院を受診してもらう必要がありますが 以下「陰部疱疹」について解説しますのでご参考になさって下さい。

「陰部疱疹」は男性では包皮(ほうひ)、亀頭(きとう)、冠状溝(かじょうこう)などに 小さな水ぶくれができる病気です。ヘルペスウイルスの2型(まれに1型)が原因です。

なお ヘルペスウイルスの詳しいことを知りたい方は医学生向きのページに 私がまとめたものがありますのでそちらをご覧ください。

このウイルスは一度この病気にかかると 背骨の一番下の方の仙骨神経節(せんこつしんけいせつ)の細胞の中のDNAに組み込まれてしまうことが 多くご質問者のように何度もかかることがあります。体の調子や性交などの刺激がきっかけになります。 仮性包茎とは関係ありません。

熱心な皮膚科医、泌尿器科医あるいはその他の科のドクターであっても 設備さえ整っておれば「ツアンクテスト」、「蛍光抗体法」などまでして 診断をしっかりつけて対処法などをちゃんと説明して下さるのですが 現状では設備、多忙のためでしょうか専門医でもなかなかそこまでやって下さる医師は稀なようです。 「ツアンクテスト」や「蛍光抗体法」は病気のところを少し擦り取るだけでできます。

このウイルスは一旦仙骨神経節に住み着いてしまうと抗ウイルス剤を使って排除するのは困難です。 しかし体の調子を整えることにより 殆ど陰部の症状が出て来なくなることも多いですので不摂生を避けて規則正しい生活をされるよう お勧めします。

もしも症状が出てきた場合にはアラセナA軟膏、ゾビラックス軟膏などの抗ウイルス剤の軟膏もありますが 通常はご質問者が病院で貰われたステロイド軟膏や抗生物質の軟膏で2次感染を防いでおくだけで 治まることがほとんどです。

陰部ということで受診をためらわれておられるようですが症状がはっきりと出ているときに一度 評判の良い皮膚科で診察を受けられるようお勧めします。

( 97/ 7/21 13:48 )

 昨日の質問に早速、ご回答くださいまして  ありがとうございました。

 000でも00立000病院でも  ちゃんとした診察を  してもらえませんでした。  勿論、病院の事情は承知しております。

 私にも医者の親類・縁者が  何人かおりますが  病気の性格上、なかなか相談も  出来ず困っていました。  但し、経験上やはり  親類を通しての大学病院での  治療は、全くフリーの場合よりも  適切な医者の丁寧な診察を  受けられることを  了解しています。

 今回、親類を頼るわけにも  いかず、大病院もあてにならず  是非、貴医院での  治療を希望します。  東京在住・勤務ですが  時間さえ都合がつけば  関西へ赴くことは  それほど大儀なことでは  ありません。  メイルでお聞きする事では  ないのかもしれませんが  電話等での一般の問い合わせ  では若干不安でしたので  これを送らせていただきます。  土曜日曜にも診療は可能なのでしょうか?  大変恐縮ですが、  ご返答いただけたら幸いです。  都合を付け次第  治療を受けたいと存じます。

ご丁寧なお礼のメールをありがとうございました。

私の直接の診察につきましては 「96年11月の質問回答集」の一番上の「足立先生に直接診察を受けたいのですが」 をご覧ください。

「アトピー」について教えてください。

私は1歳からアトピーで悩んでいます。恐い物質と聞きながらずっとステロ イド軟膏を使っています。

今は「0.05% 外用合成副腎皮質ホルモン剤 キンダベート 剤」というのを時々使用しています。 幼い頃はひじ、ひざの裏に湿疹ができましたが、 今は右中指の付け根の手の甲側と左の頬に少しできます。 手の方はしつこく、また寝ている間にかきこわし、 回復と悪化の繰り返しです。 次第に顔以外はかなりの乾燥肌になり、手のために角化症治療剤 ケラチナミンをもらいました。 最近は飲み薬が多いらしく薦められましたが、何の薬だかわからないので断りました。 先生方は何も説明してくれません。ハウスダストと花粉のアレルギーの為、 海外に行った時1粒にterfenadine 120mg含むSeldaneというのを購入しました。 これはアトピーにも効くのでしょうか。また、恐い薬なのでしょうか。

最近手の患部の色が白くなり皮膚が薄い気がします。どうしたら良いのでしょう。 ザーネというのは薬局で簡単に安く買えるのでしょうか。 また、患部の上に塗っても大丈夫でしょうか。

持病の貧血や、食べ物の消化が遅いことや、体温調節があまりできないこととアトピーの 関連性はありますか。また、5ミリ位のこりこりはどうでしょうか。吹き出物やおできの 後にでき、押すと固く、痛いです。 ヘルペスができるようになり、リンバ腺は幼い頃から頻繁に腫れます。これらも関係あるのでしょうか。

最後にアトピー性皮膚炎や、アレルギー体質は治るのでしょうか。 お忙しいところすみませんが、回答をお願いします。

( 97/ 7/18 03:23 埼玉県 Oさん)

(97/07/18)

アトピー性皮膚炎については 「アトピー性皮膚炎を治すためのページ」 で詳しく書きましたし、 今ご覧になっておられるこの「インターネット病気個別相談のページ」でも何回かご質問にお答えしてきましたので ご参考になさって下さい。

今回は個々のご質問についてお答えしておきます。

「キンダベート」はたくさん出ているステロイドホルモンの塗り薬の中でも最も濃度の薄い部類の 薬で、こういう薬を出して下さる先生は比較的注意深く患者さんのことを考えて下さる先生ともいえます。

手の甲にアトピーが出る人の中には耳にピアスを入れている方がいらっしゃいますのでもしも ピアスを付けておられたら止めて下さい。

terfenadineという薬は「トリルダン」という名前で日本では抗アレルギー剤として使われています。 一般的にそれほど良く効くわけではありませんが中にはある程度改善をされる方もいらっしゃいます。 この薬には心臓の不整脈などの副作用が知られており、特にある種の抗生物質と一緒に飲むと 危険な不整脈を起こしやすくなるとされておりますので 医師、薬剤師の指示なしに服用しないようにして下さい。

アトピーの皮膚は赤みがかった色のことが多いですが白っぽくなってきたのは炎症が 落ち着いてきたことも考えられます。

塗り薬の「ザーネ軟膏」はビタミンAが入ったとても安全で良い軟膏ですので私も良く使います。 病院以外の一般の薬局では「チョコラザーネ」として売っており比較的簡単に入手できます。

貧血や、食べ物の消化が遅いこと、体温調節があまりできないこととアトピーとは直接には あまり関係はありません。

アトピー性皮膚炎の患者さんはどうしても患部に細菌感染を起こしやすくそのために それに反応してリンパ節が腫れることはしばしばあります。入浴などで局所を清潔にすることが 重要になってきます。また、「カポジー水痘症」という直径3mmくらいの真ん丸い イボイボがたくさんできる特殊なヘルペスウイルス感染症を起こすこともあります。

アトピー性皮膚炎や、アレルギー体質は肺炎や虫垂炎などのように医者任せにしていて短期の間に 簡単に治ってしまう病気とはちがいます。正しい情報を得て生活療法を辛抱強く行う必要があります。

インターネットなどもうまく活用して下さい。

これ以前のご質問と回答は

「97年6月の質問回答集」

「97年5月の質問回答集」

「97年4月の質問回答集」

「97年3月の質問回答集」

「97年2月の質問回答集」

「97年1月の質問回答集」

「96年12月の質問回答集」

「96年11月の質問回答集」

「96年10月の質問回答集」

「6月下旬から10月中旬までのすべての質問回答集」を ご覧下さい。

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