インターネット病気個別相談室
平成8年12月の質問と回答集

(平成9年1月7日作成、1月14日増補改訂版)


病気についてお困りの一般の方からの
あらゆる種類の「病気の相談」、 「病院選びの相談」に

足立医師がお答えしています。

写真家の福永保昭氏撮影
「日経ウエルネス」(95年6月号p80-81「今月の代表質問」)インタビュー時の掲載写真

回答医師の経歴,最近の著書,新聞,雑誌,報道、依頼原稿執筆内容などは ここをクリックして「自己紹介のページ」をご覧下さい。


当ページへの「リンク」,「写真を含めてのダウンロード」はご自由になさって結構です。
事後の御連絡を頂けますと幸いに存じます。

(このページを始めたのは1996年6月末からですが,この数字は1997年1月7日午後8時からのカウントです。)


「ホームページ」「自己紹介のページ」 それから

「96年11月の質問回答集」

「96年10月の質問回答集」

「6月下旬から10月中旬までのすべての質問回答集」などを 参照された上で、個人的に相談したい方はどうぞご遠慮なく

「インターネット病気個人相談のページ」からご質問をお送り下さい。

プライバシーは守り名前などは伏せますが、メールのやりとりはのちに私の著作として使わせて頂きます。 著作権はお譲り下さることをご了承の上メールをお送り下さい。
ご質問数が多い場合にはお返事が遅くなったり、抽選で選ばせてもらうこともあり得ます。
急な病気の場合は先ずお近くの病医院を受診下さい。

「足立医師の診察時間」につきましては「西武庫病院(06-431-0015)」 にお問い合わせください。

「慢性アレルギー性膀胱炎」といわれましたが

雑誌「からくちNET,Vol.7」で知りました。 75才の母の病(悩み)です。是非ともご回答下さるようお願い申しあげます。

約1年半前に「慢性アレルギー性膀胱炎」と診断され,病院で処方された薬を服用してい ますが、一進一退で治癒いたしません。

尿検査では赤血球,白血球が検出されているようです(一時,検出されなかったときがあ るようですが,最近はまた検出されています)。 また、最初の頃は,「尿が汚れている」と言われましたが,最近は「きれいになった」と いわれています。 「菌は出ていますか?」と尋ねたところ、「培養しないと分からない。」と言われました 。
検査の結果「癌の疑いはない。」と言われました。

大きく気になる症状は次の通りです。

(1)頻尿(昼は1−2時間に一回,夜は1時間に一回)
(2)膀胱近辺の重苦しい刺激感

特に(1)は睡眠不足や,遠出が出来ない等の日常生活への支障が起こっています。

現在服用している薬は下記の4種です。

(1)ロキソニン(抗炎症剤)
(2)クラビット(抗生物質)
(3)アプレース(消化性潰瘍薬)
(4)ワイパックス(精神安定剤)

いつまで経っても改善しないため、母は医者により詳しく話を聞こうとするのですが,十 分な説明が受けられず,またそのような雰囲気ではなく,この点でも悩んでおります。

本ホームページの最近の回答例の「慢性膀胱炎」のご回答を読み,水分を多く取るように 心がけております。

一度直接足立先生のご診察を頂いた方が良いとご判断された場合は,ご連絡下さい。 「神経的なものではないか」と言われたこともあったようですが,神経ではなく,確 実に上記のような症状があるようです。ご指導のほど,よろしくお願い申しあげます。

(96/12/25 13:37 神奈川県 Hさん)

(97/1/3)

随分と長い間症状が続き、ご心配、お困りのことと思います。 1年半も症状が続きご本人はもちろんご家族の方々まで これだけ悩んでおられるわりには「医者により詳しく話を聞こうとするのですが,十 分な説明が受けられず,またそのような雰囲気ではなく」というのはとても困ったことだと メールを拝見してまず感じました。

「『神経的なものではないか』と言われたこともあった」とのことですが神経的なものと決めつけてしまう のも好ましいことではありませんし、しかももし神経的なものの可能性があればよけいに 一つ一つの検査内容や結果について丁寧な分かりやすく説明が必要でしょう。それにこれだけの症状が 続きたくさんの薬剤を投与されておりながら培養もされていないということはご専門の先生なら 考えにくいので実際はどうなのかなと考えております。

まず現在おかかりの先生に通院の度にご遠慮なさらず詳しくお尋ねになってみてはいかがでしょうか。 最近では殆どの病医院で丁寧に分かりやすくご説明して下さるはずです。 尋ねてみていやな顔をされたり面倒くさがられ、ましてや怒り出されるような先生であれば お母様の主治医として 向いていませんのでこれ以上続けてその先生に掛かられるより医者を変えられることをお勧めします。

尿の検査では遠心分離機にかけた沈査の中に白血球があれば普通細菌の感染があることをあらわします。 白血球だけでなく赤血球がたくさん出ておれば膀胱や腎臓の炎症からの出血や、 場合によっては腫瘍の可能性も考えなくてはいけません。 "膀胱炎」の場合には細菌の培養はかなり大切な検査です。 長期に使用する抗生物質を選ぶ時にも重要です。 それから培養された細菌の種類から単なる普通の膀胱炎かそれとも 何か腫瘍や奇形など手術が必要な困った病気が合併していないかなどの判断に役立つこともあります。 普通の単純な膀胱炎では大腸菌、 クレプシエラ、プロテウス、腸球菌、ブドウ球菌などが見付かることが多いのですがこれ以外の珍しい 菌が出るような場合には注意します。

尿の細胞診という検査では膀胱、腎臓などの癌から落ちこぼれてくるガン細胞がないかどうかなどを含めて 病気の原因となる細胞が出てきていないかなどの検査をします。とても簡単に検査できるので 良いのですがこの検査だけで癌が無いとは言いきれないということは知っておいて下さい。 どうしても膀胱癌が無いことを確認するのには膀胱鏡という検査を泌尿器科でやってもらう必要が 出てきます。

文面を拝見していますと今お母様にまず必要なのは医者からの十分な説明のような気が致します。 頻尿や、膀胱の不快感を取るのに有効な薬がいくつかありますので検査結果や症状に合わせて 工夫して選び試して貰われてはいかがでしょうか。

私の診察につきましては以前(平成8年12月はじめ頃)に「足立医師に直接診察を受けたいが」で書きましたので その回答をご参照下さい。お母様の場合には慢性の病気ですし何回かの通院またはしばらくご入院頂いて経過を追う 必要となるのではないかと思われます。まずは今掛かっておられる先生に説明を 求められ、だめなら身近で良い先生を探されてはいかがでしょうか。

「膀胱炎」の一般的な注意事項は以前にお答えしたことがありますのでそちらのページを参考にして下さい。

(97/ 1/14 19:13)

母の膀胱炎に関するアドバイスのお礼

前略
先日は「母の膀胱炎」に関してご丁寧なアドバイスを頂き,母共々感謝をしております。 特に母は見ず知らずの先生から,インターネットを通じてこのようなご連絡を頂いたこと に痛く感 激しておりました。先生のアドバイスを頂き,心なしか母の母の表情が明るくなったよう に見受け られます。

私たちは関東に住んでおりますが,兵庫県の出身で,小生の妹(母の娘)はOOOに,弟( 母の次男 )はOOOに住んでおります。母は年に何回か関西に行き来しております。 このようなことから、是非とも先生をお尋ねし、ご診察をお願いできればと強く希望して おります 。

現在母は流感に罹っていることもあり、すぐにお尋ねするわけには参りませんが,多少 暖かくな れば,是非ともお尋ねしたいと思います。その節はよろしくお願い申しあげます。 近日中にOOOをOOOOませていただきます。

小生は年明け早々,連日深夜帰宅の状態で,お礼の返事が大変遅くなってしまった無礼を お許し下 さい。

「尿酸値」が低いのですが心配いらないでしょうか?

妻(42歳)が健康診断を受けた結果所見として,『尿酸低値』と言われま した。 尿酸(UA)値としては、2.9であり、基準範囲である1.6〜6.9の 範囲内ですが、『尿酸低値』というのを聞いたことが無く、何に気をつければ良いのか判 りません。 尿酸が高いと通風などになるとは 聞いておりますが、では低いとどうなるのか判りません。 妻はいたって健康であり、この為に病院へ行くのも考え物と思っております。 是非とも『尿酸低値』について教えて下されば幸いと思います。 宜しくお願い致します。

(96/12/21 22:00 東京都 Nさん)

(96/12/24)

「尿酸」の値は高くなると「痛風」という足の親指の付け根が腫れてひどく痛くなる病気の原因となることが 知られています。しかし逆に尿酸の値が低い場合にはどのようなことが考えられるかということは 実はあまり分かっていません。ですから殆どの病院ではきっと医師からは 「尿酸は高いときには痛風や動脈硬化などの病気の原因になるが、低いときには心配はありません」 と言われるでしょう。

診察や詳しい検査でも全く異常が無く、尿酸の値だけが低い、しかも正常範囲内に入っていて低めというので あればまず心配はありません。

尿酸の値が低くなる原因として

  1. 尿酸の原料となるプリン体の摂取不足、
  2. 全身の消耗性疾患のため尿酸の 産生が低下したとき、
  3. 大変珍しい代謝疾患で尿酸の産生が低下しているとき
  4. 尿酸を低くする薬を飲んでいるとき、
  5. 腎臓から尿中にたくさん尿酸が出過ぎるとき などの場合があります。

1.の「プリン体」は焼き肉のモツ、イクラ・ウニなどの海産物の卵、ビールなどにたくさん入っています。 しかし「尿酸が低いから」といってわざわざたくさん摂らなくてもよろしい。

2.は食事もできないほど消耗する病気で癌や結核の末期、この欄にも良くご質問がある「摂食障害」 などの病気の結果の場合で奥さんはまず考えられないのではないでしょうか。

3.には「キサンチンオキシダーゼ欠損症」、「プリンヌクレオシドホスホリラーゼ欠損症」、 「PRPP合成酵素欠損症」などがあります。

「キサンチンオキシダーゼ欠損症」の場合、殆ど無症状のタイプがありますが普通は尿酸値は1mg/dl以下に 下がります。普通の人より尿酸結石が尿路(腎臓、尿管、膀胱など)に出来やすいと言われて います。これ以外は幼少時から痙攣発作があったり、風邪を引きやすかったりだれが見ても かなりはっきりとした症状がある病気ですので健康に生活されておられる方が 罹られている可能性は極めて低いです。

4.の「尿酸の値を下げる薬」は「高尿酸血症」や「痛風」の患者さん以外には投与されませんので 間違って投与されているなどかなり特殊な場合以外考えられません。

5.については世界で100例以上報告されていますがなぜか日本人に多いので注目されています。 詳しくは分かっていませんので断定的なことは言えませんが「研究は進めるべきではあるが ご本人は気にすることはない」というのが私の意見です。他の病気を合併 されておれば別ですがそうでなければご心配はいりません。健康に生活され天寿を全うされます。

尿酸は悪いことばかりをしているのでなくて体の中で役立っているのではという意見があるので紹介しておきます。 癌や成人病などいろいろな病気の原因として最近注目をされているものに 「活性酸素」というものがありますが、 尿酸はビタミンCやビタミンEと同じくこの「活性酸素」の働きから体を守っているとの説があるのです。 だからといってプリン体のたくさん入って食べ物は摂りすぎないで下さい。

結論をまとめておきます。

  1. 診察・検査の結果、他に異常がなければ尿酸が低いといって心配することはない
  2. 癌、成人病、腎臓の病気に気をつけること。人間ドックは毎年受けるようにしましょう。
  3. 水分をたくさん摂取するようにしましょう。万が一尿路結石が起こりやすい体質であっても予防できるからです。 たくさん水分を摂ることは中年の女性に多い「膀胱炎」「腎盂炎」の予防にも役立ちます。
  4. 動脈硬化に気をつけましょう。このためには日頃からかかりつけ医に 血圧を測って貰い、血中コレステロールの値など のチェックをしてもらっておきましょう。
Nさんは「この為に病院へ行くのも考え物」と書かれています。確かに 唯「心配ない」と言われて帰されたのでは何のために時間とお金をかけて病院へ行ったのか分かりませんね。

しかし、上記の点もふまえて健康に注意して下さる 「かかりつけ医」や、尿酸について 詳しく解説して下さる専門医なら受診される価値があると私は考えますが皆さんはいかがでしょうか。

尿酸についてのお近くの専門医をお探しの場合は 全国の専門医が「痛風友の会(03-3593-0714)」でも登録されていますのでお尋ねになってみて下さい。 私の名前を出して頂いても結構です。

『尿酸低値』に関して、ご質問させていただいたOOです。 早々のご回答ありがとうございました。 妻と一緒に読ませていただき、ちょっと一安心しております。 今後とも、何かとご相談することがあるかと思いますので、 宜しくお願い致します。

食道の検査で「Glycogenic acanthosis」と言われましたが何のことですか?

12月8日に食道関連の病院のことについて相談した者です。早速ご回答を頂き ましてありがとうございました。

前回のご相談の時には、本人(62歳の母)の検査の結果がでていない状況でしたが、このた び検査の結果の通知がありまして、癌ではなく「Glycogenic acanthosis」と説明を受け ました。これがどのようなものなのか、このまま放置しておいてもよいのか、またこれが 癌になることはないのかをお教え頂ければ幸いです。 何卒よろしくお願い申し上げます。

その都度のご丁寧なご回答に本当に頭のさがる思いです。

(96/12/20 00:33 三重県 Tさん)

(96/12/21)

「Glycogenic acanthosis」は良性のもので癌にはなりません。

胃や十二指腸の内視鏡検査(いわゆる「胃カメラ」)を行うとき、 同時に食道の検査を行うことが多いのですが、 そのときに食道の粘膜に白っぽい板の様なものを見ることがしょっちゅうあります。

これは「ロイコプラキー」と呼んだり 「glycogenic acanthosis」や「aglycogenic acanthosis」という言い方をしたりします。
「ロイコプラキー」は「白い板」という意味。 「glycogenic acanthosis」というのは「ルゴールで色が変わる」、 「aglycogenic acanthosis」は「ルゴールで色が変わらない」という意味です。いずれも良性の もので殆ど病的な意味はありません。ではなぜこのような難しい言い方をするのでしょうか。

内視鏡検査のとき、特に食道の病気の専門医は食道の壁に「ルゴール」(風邪のときに 喉に塗って貰う薬です。 ヨードが入っていますので小学生の理科の実験で「でんぷん」の有無を見分けるのにも使えます。) をかけて詳しく調べます。 病気のないところは暗褐色に変わり、病気のあるところは変化せず はっきりと浮かび上がって分かりやすいからです。ルゴールをかけて検査をしていると 同じ「ロイコプラキー」でも 色の変わるのと変わらないのとがあることがわかってきました。それ以後、 前者を「glycogenic acanthosis」、 後者を「aglycogenic acanthosis」と呼ばれるようになりました。 こうして区別して書き残しておくと今後何かあったときに役に立つ可能性もあるのではと思います。

いずれも良性の疾患でまず心配はいりません。大きいものでは稀に癌組織が紛れ込んでいる こともありますが専門の先生に診て頂いておられるようですのでそういう点も折り込み済みで 大丈夫でしょう。放置しておいて差し支えありません。

これとは別に年に1回の上部消化管検査は必ず受けるようにしましょう。これは40歳以上の 日本人全員に言えることです。

「異型狭心症」でしょうか?

53歳女性身長153cm体重43kgです。2・3年前から時々胸が痛みます、 最近は就寝中に朝方に3分か4分ぐらい の間です、レントゲンでわ異常はありません、 先日狭心症の本を見ておりますと異型狭心症の症状に似ていましたので、お医者さんに 聞きました所狭心症と心筋梗塞の間とのお話でお薬を頂ました、その薬を飲みますと 頭痛がひどくて鎮痛剤を飲みましたが治りません、痛くても飲み続けたほうが良いのでし ょうか、 それから異型狭心症についてくわしく教えて頂たいのですが宜しくお願い致します す。

(96/12/16 14:47 兵庫県 Sさん)

(96/12/16)

「狭心症」の本をお読みになって勉強をしておられるので既にご承知かと思いますが少し解説をしておきます。

心臓は全身に血液を送るポンプですが筋肉で出来ています。普通の筋肉と同じように酸素や栄養分が 必要でちゃんと血管も分布しています。この心臓へ行っている血管を冠動脈(かんどうみゃく)と 呼んでいますがとても大切な血管です。何しろ1秒も休むことなく動き続けている心臓ですので 少しでもこの血管が「狭く」なり中を流れている血のめぐりが悪くなると大変なことになるわけです。

血のめぐりが少なくなりかけると「狭心痛(きょうしんつう)」と言って胸の痛みを感じて 警告を発することがあります。この状態が「狭心症」です。これで治まらず病気が進行してしまえば 血管が詰まりその先の 筋肉が死んでしまい(壊死(えし)と呼びます)全身に血液が回りにくくなったり場合によっては 壊死を起こしたところから心臓が破れてしまったり命も危ない状態になります。こういう状態を 「心筋梗塞(しんきんこうそく)」と呼びます。

「狭心症」の治療は胸の痛みを取るというよりも、原因をはっきりさせて「心筋梗塞」という命に かかわる病気を予防することが 最も大切なのはこれでわかりますね。

さて「狭心症」の原因は大きく分けて2つあります。一つは動脈硬化のために冠動脈が狭くなる 為に起こるもので運動をするときに狭心痛が出ることが多いです。もう一つは冠動脈がけいれんを起こして 狭くなるもので寝ているとき特に明け方などに起こることが多いのです。冠動脈がけいれんを起こして狭くなることを 冠動脈の「攣縮(れんしゅく)」と呼んでいます。この後の方のタイプを「異型狭心症」とも言います。

Sさんの場合は明け方に安静にしておられるときに起こっていますのでおっしゃるとおり「異型狭心症」 の症状に似ています。これを確かめるのには「ホルター心電計」と言って一日中心電図をとる小さな 器械を腰につけて調べる方法が役に立つことがあります。しかし後者のタイプでもよく調べてみると動脈硬化も相当合併していることが 多くあり症状だけで決めつけるわけにはいきません。

狭心症は症状の強さだけでその危険性を 判断するのも間違いのもとです。全く痛みがなくても冠動脈が狭くなっていることも多いのです。

私は「狭心症」の症状や疑いのある方には「心筋梗塞」に発展して命にかかわる可能性を勘案して 「冠動脈造影検査」というのを受けられるようお勧めしています。この検査によって 冠動脈の動脈硬化の状態がはっきりしますし「狭心症」の診断や原因にとても役立つとともに 場合によっては検査中に冠動脈を拡げることもできます。全く危険の無いという検査ではありませんが 「心筋梗塞」になって命にかかわる可能性を考えると比べものになりません。

Sさんももし「狭心症」という診断をされているのでしたら専門の病院で「冠動脈造影検査」を 含めて詳しい検査を受けられるようお勧めします。

神戸市内でしたら専門の病院、施設に事欠くことは 無いでしょう。私の両親も神戸に住んでいますが 心臓血管系の病気は「六甲アイランド病院」の循環器科や、 私の自宅近くの「西宮渡辺病院(0798-74-2630)」の井上先生、 高田先生に診察や検査をお願いしています。 みなさん優秀な先生方で献身的にとても丁寧に診て下さり感謝申し上げています。 患者さん達からの評判も大変良い先生方です。

ご質問の文の中では検査について詳しく書かれていませんがレントゲン検査だけでは参考にしかなりません。 心電図も狭心症の発作を起こしている最中でないと異常が表れないことが多く、病院の外来で撮った 心電図に異常が 無いからといって安心は決して出来ません。

次にお薬のことですが狭心症の薬というのは冠動脈を拡げる作用を利用するわけですが、 冠動脈だけでなく脳に行っている動脈もどうしても拡げてしまいがちです。ですから頭痛の 副作用が出ることが多いのです。頭痛が出ても続けて飲んでいると慣れて来ることもしばしば ありますので軽い頭痛なら我慢して続けるのも一法です。しかし我慢しにくい頭痛なら先生に躊躇わず 相談をしましょう。決して自分勝手に心臓の薬を止めないことが重要です。

「3−4分の間、胸の中心部から右上の喉にむけて痛みが走ります」と書かれている症状が私はとても心配です。 まだお若いですし、十分に診療、検査を受けられて 心筋梗塞へ進行してしまう心配は無いかどうか早めに確かめておかれるよう重ねてお勧めします。

是非またご連絡下さい。

早速のお答え有り難うございました。大変わかりやすく説明して頂いて嬉し く思っております。先生のご意見を尊重してこれからの事を進めていきたいと思います。
又先生にお聞きしたいと思います、お願い致します。 パソコンも練習しておきます。

視力と脳とは関係があるのですか?

知り合いのお母様(53)が、急に視力が落ちたので、眼科のお医者様に診ても らったところ、CTスキャンで脳の検査をしたそうです。まだ、結果は出ていないようなの ですが、眼と脳は、どのような病気の場合に関係するものなのでしょうか。ご本人が大変 不安なので、お教えいただけると幸いです。上記のような、質問でもよいのでしょうか。ただ、患者として少しでも勉強にな れば救いになると思います。宜しくお願いします。

(96/12/15 20:24 神奈川県 Aさん)

(96/12/15)

物を見るのはもちろん眼をとおして見るわけですがそれを認識するためには 視神経を通って頭の一番後ろの後頭葉(こうとうよう)というところで感じます。

ですから眼が見えにくいという患者さんを調べてみると後頭葉の腫瘍がみつかったり することもあります。脳腫瘍、脳梗塞などは見逃すと大変なことになる病気ですので 念のためとりあえず検査されたのかもしれませんね。早く結果をお尋ねになると良いと思 います。

当ページへのご質問は原則としてご本人もしくはご家族の方からに限っております。 今回のご質問につきましては特別に支障がないと考えお答えしました。

視力低下と脳の関連について質問したOOです。

早速のお返事ありがとうございました。やはり関連あるんですね。件の患 者(友人の母)は、詳しい説明が無いままの検査に不安になっ ていたようで、先生からのお返事を伝えたところ、「心の準備」ができた と、少し、安心していたようです。

問題の検査ですが、CTでの結果は芳しくなく、後頭葉に影が見つか り、明日、再検査(造影剤を飲んでの..)とのことです。

ともあれ、全くの見ず知らずの私などに、専門家のお話をしていただき、 本当にありがとうございました。

CTのときの造影剤は「飲んで」検査をするのではなく、静脈に点滴をしながらやります。 早めにMRIの検査をなさるのが良いでしょう。

「摂食障害」に悩んでいます。

24歳のOLですが、摂食障害で悩んでいます。

始まりは中学2年の終わりに盲腸で入院した時2kgほど痩せたのをきっかけにほとんど食 を口にしなくなり60kg近くあった体重が43kg ほどになり髪は抜け、体力は落ちぼろぼろでしたが毎日が楽しくて仕方ありませんでした 。

それがある日菓子パンを一口食べたのをきっかけに過食になり一気に70kg近くまで太 りました。高校3年間で6kg程痩せましたが大学に入学した1年目の 夏に吐くことを覚え、それから何を食べても吐けば太らないと思い過食、嘔吐の日々が現 在まで6年近く続いています。体重は大学卒業の折りは52kgほどで 安定していたのですが会社に入ってから営業という不規則な生活のせいか嘔吐しても痩せ るどころか5kg増えてしまいました

現在は吐くのを我慢する生活をするとすぐ体重が増え、嘔吐すればとりあえず体重維持と ういう状態の為、過食嘔吐をやめるどころかひどくなってきています

何度も普通の食生活に戻りたいと思うのですが、体重が増えるのが怖くて仕方がないので す。人と食事をするのも怖くなっています。

メーカーのMRという職業の為、病院に相談に行きにくいのですが、過食嘔吐を止めたい のです。意思の弱さが原因なのかもしれない・・とも悩んでいます。

10年来の人には言えなかった悩みなので、できれば回答を頂きたいです

(96/12/15 17:02 東京都 Mさん)

(96/12/15)

MR(medical representative)でいらっしゃるとのことですが、 医療関係者のためでしょうか文章を拝見しましても随分と分析をされており、 ご自身でも書いておられるように典型的な、 全く教科書に載せてもおかしくないような「摂食障害」ですね。

専門書もお読みになっていると思いますが治療に難渋する病気として知られていますね。 しかし一方良い治療者と巡り会えば随分と治るようになってきていますので余り悲観する必要はありません。 もちろん治るまでには良くなったり悪くなったりの繰り返しが何度もありますがその度に一喜一憂しないことも うまく治るコツの一つです。

この病気の治療を受けていかれる過程でご自身の人格や 内面的な分析ができるようになり凡人では経験することのない「人生の意味」 を体得されるようになるでしょう。その中で「平凡な人生の喜び」などについて考えられることも きっとあると思います。

私が高等学校に通っていた時に校長先生が「平凡の徹底は非凡に通ず」 と説きながらも優秀な中でもさらに優秀な人材に育つよう説諭されていたことを想い出しますが、 そういった面もあることも考えられるようになると治癒は近いのでそのときはこのページを想い出して下さい。

何はともあれ良い治療環境が大切です。 担当病院から離れたところで良い医師を探して協力をお願いされてはどうですか。 確かに良い医師を探すのは医師同志でもなかなか難しいものです。しかしMRさんでしたら 評判の良い専門医師を探すのも少なくとも一般の人よりは情報が入りやすいのではないでしょうか。

以前このページでも書いたことがあると思いますが東京都内では 「自律訓練法」、「バイオフィードバック療法」などを積極的に活用している東邦大学の「心療内科」 、また「行動療法」などに力を入れている東京大学分院の「心療内科」などが知られています。これらの治療方法は いずれも古くから「心療内科」の基本的な手法です。

都内の個人の医院としては下坂クリニック院長の下坂幸三先生が 「摂食障害」にとても積極的に取り組んでおられることで有名です。良くなられたらまたご連絡下さい。 そのときには体得された内面的な人間心理の考察など教えてもらえるものと思います。

「カンジダ症」について教えてください。

はじめまして。33歳の男性です。現在カンジダ症の治療のため病院に通 っていますが、治療を始めて一カ月 以上たつにもかかわらず、あまりよくならないので相談いたします。

普通は10日前後で 治ると聞きましたので 非常に不安です。また医師からの説明もあまりない点ことも不安材料となっています。

 まず感染源ですが、おそらく妻からだと思います。(ほかに心当たりはありません。) 妻は2〜3カ月前から のどの腫れや歯痛などで抗生物質をのみつづけているうちに、日和見感染したのではない かと思います。ただし、 妻の場合は薬もつけずに症状が消失したようですが...。なお、その後お互い感染しな いよう気をつけている ので再感染はないと思います。

 カンジダ症の症状ですがペニスの裏側部分が赤くなってムズムズし、ときどき痛みが走 ります。直接触れる とまるで麻酔にかかっているような感じで、通常の皮膚感覚ではありません。病院からは 当初塗り薬(2種類の 薬を混ぜ合わせたクリーム状の白いもの)をもらってつけましたが、治らないの旨告げる とうぐいす色の錠剤( ファンギゾン)をくれました。塗り薬は5週間、錠剤は4週間飲んでいますがいまだに芳 しくありません。なぜ このようになかなか治らないのか不安でなりません。  

そこでお聞きしたいのは、カンジダ症という病気は人によっては治りにくい場合がある のかどうか、という点 です。私自信はアトピー性皮膚炎で(腕と首)、ステロイド剤を少量ですが長期間使用し ています。これも関係 があるでしょうか。

そしてもうひとつはカンジダ症以外の病気の可能性があるかどうかで す。詳しい検査をして いませんので、申し出て検査していただいたほうがいいでしょうか。

そして最後に、時間 がかかっても必ず治る 病気なのかどうか、以上の3点についてお伺いしたいと思います。

 最後に、私としてはなんとかして治したいし、その努力もしたいと思っていますので、 気づいた点がありまし たらどんなことでも構いませんのでご教示下さい。よろしくお願いします。

個人病院などでは、患者に対しあまり説明もなく治療が開始されます。ここのホ ームページでは、患者でもないのにしかも無料で相談にのってくれるなんて非常に画期的 です。これからもがんばってください。

(96/12/ 9 20:11 岩手県 Mさん)

メールありがとうございました。 まずアトピーに使われているステロイドは塗り薬ですよね。 飲み薬を長期に続けますととてもカンジダ症になりやすくなりますのでご注意下さい。

それから奥様がかなり長期に抗生物質を飲まれているとのことですが、 2−3ヶ月も飲むのもよほどのことでないと避けた方が良いです。 たまに抗生物質の長期少量療法というのもありますが例外と考えて下さい。

水仕事を強いられている人の手のカンジダ症が長引くことは時折経験しますが普通はそれほど長くかかる病気ではありません。 外陰部カンジダ症が5週間も治らないと言うのは少し長すぎます。 なぜそのように長くかかるのか普通は心配して下さるはずです。

糖尿病などのときには長引くことがありますのでそういった点も含めてなぜそんなに長くかかるのか お尋ねになってはいかがでしょうか。別の専門医に相談されるのも一法でしょう。

ご家庭では毎日お風呂に入り石鹸を使って 洗います。アトピーにもカンジダにも通常の石鹸を薄めにして使うのは構いません。 カンジダ症には局所を良く拭いて風通し良くして乾燥させることが最も効果的です。

引き続き病状ご連絡下さい

アナフィラクトイド紫斑について、教えてください。

96/12/ 1 22:25

10月下旬より膝関節に痛みが発生し、 下肢に紫斑が現れ職場近くの大学病院の皮膚科で診察してもらったところ アナフィラクトイド紫斑と診断されました。

すぐに入院といわれましたが自宅近くの別の大学病院を紹介してもらい11/7 〜11/16まで入院、主にペニシリン系薬剤の点滴投与を行いました。

退院後は自宅静養を11/23まで続け、紫斑も消え膝関節に若干の違和感を感じる 程度になり11/24より職場復帰しました。ところがその日のうちに新しい紫斑 が現れました。11/28に入院していた病院の外来を訪れた際には様子を見ながら 仕事を続けても構わないといわれたので、今度は逆に最初の仕事場付近の大学病院に 紹介状を書いてもらい経過観察はそちらで行えるようとりはからってもらいました。

11/30会社近くの病院に再診してもらったところ、1ヶ月の再入院をするように いわれました。

私としてはどちらの意見をとるべきか迷っております。よろしければ第三者的立場 からのご意見を是非お聞かせください。ちなみに私自身の現況は以下の通りです。

1.紫斑はひどかったときに比べればごくわずか、かつ大きさも最大で直径5ミリほど。

2.関節痛については両膝に違和感があり、ずっと立ったままだと次第に痛みが増して

  くる。

3.11/21の血液検査では溶連菌関連の数値がかなり高めであり、

  尿潜血もあるとのこと。

4.どこかに病巣がある可能性があるので耳鼻科での診察も要するとのこと。

  (歯科は異常なし)

5.年齢23。男。

  お返事頂けますようよろしくおねがいいたします。

(神奈川県 Sさん)

メールありがとうございました。

あなたの場合「絶対的」に必要な入院というよりも、 安静をとったり病状を毎日観察したりするためにどちらかというと「相対的に」 入院をしておいた方が良いでしょうという意味で入院を勧められたのだと考えられます。

仕事の激しさ、自宅でどの程度安静をとれるか、通院は毎日出来るか、 病院としても毎日通院で診察をできるか、などの総合判断です。

病名で絶対的に即刻入院というのとは違いますのが基本的には(よほどの事情のないかぎり) 近くの病院の指示にしたがっておくのが良いでしょう。

ワクチンは一回打てば十分なのでしょうか?

96/12/ 2 01:10

お忙しいところ多数の質問に熱心にお答えしている先生に$尊敬の念を抱きました! これからも、続けていくことができるよう心から応援しております!

(何か変なエールになってしまいました(__)(!!)M_:/)

父がB型肝炎ウイルスの感染者です!私は$現在大学三年生ですが$ 高校一年の時に検査をしてもらい、感染していないと告げられましたが$ 何かワクチンのようなものを注射されました! このワクチンは一回打てば十分なのでしょうか? 効力が$なくなることはないのでしょうか?

お忙しいと思いますが$教えていただけないでしょうか。

(奈良県 Sさん)

メールありがとうございました。
B型肝炎のワクチンはうってから3−4年もして血液を調べてみると抗体価が 低下してしまっていることが多いのですが、 いざ感染した場合の抵抗力は残っているので大丈夫だというのが専門家の意見です。
どうしても心配ならもう1回打っておくのも一法です。

早速の返信ありがとうございました!

おかげさまで$一安心いたしました!

(96/12/ 2 21:51 奈良県 Sさん)

喉が何かできものが出来たような感じがして痛いのですが
どういう病気なのですか?

友達は気管支炎だというのですが。朝起きたら突然痛くなってました。

よろしくお願いします。

(96/12/ 2 03:10 東京都 Yさん)

メールありがとうございました。
わたしのところにも同様の症状の方がたくさんいらっしゃいますが
殆ど全員、喉のバリウムの検査や内視鏡、超音波、CTの検査など異常が無く
問題の無いものでした。
喉というのは気にし出すととても気になるところですのでそういう方が多いのだと思いま
す。医者の間ではそういうのを喉の「ヒステリー球」などという呼び方をしています。
しかし「朝起きたら突然痛くなっていた」と言う場合には局所的な炎症(例えば咽喉炎な
ど)も考えられますので耳鼻科で診てもらっておきましょう。

「膀胱炎」でしょうか?「膀胱炎」のときの注意事項を教えて下さい。

はじめまして。29歳の女性です。膀胱炎についてお伺いいたします。5年 位前に初めて膀胱炎にかかりました。

その時は薬局の薬で治したのですが、それ以来冬になると頻繁にトイレが近くなったりお 腹がはったような感じに なります。たまに痛くなったりもします。 病院に行ったりもしたのですが、尿検査では特に膀胱炎の顕著な症状もでておらず、もし かしたら膀胱炎ではない かも知れませんね。と言われとりあえず抗生物質をもらって帰りました。 薬を何回か飲むうちにすぐによくなったのですが、それ以来もまだすっきりしない事がよ くあります。

慢性の膀胱炎なのでしょうか?それとも何か他の病気という事も考えられるのでしょうか ? また、具合が悪くなる度に抗生物質を飲んでもよいのでしょうか? お忙しい所恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

(96/12/ 4 11:08 東京都 Aさん)

膀胱炎にかかったのですが、よい治療法があったら 教えて下さい。お願いします。(女性の場合です)

(96/12/ 2 03:13 東京都 Yさん)

(96/12/5)

普通の「細菌性膀胱炎」は大概の場合抗生物質を数日内服すれば治ります。

しかしたびたび起こしては抗生物質を飲むということをくりかえすのは 感心しません。

1.大量の水分摂取 
2.寒いところの立ち仕事を避ける
3.局所の清潔

の3つを守ってこれからはならないようにして下さい。

1日に2リットルの水を(特別な腎臓の病気がない限り)飲みます。 コーヒーや玉露のような高級なお茶ではカフェインの利尿作用でおしっこに 何回も行くことになるので番茶やウーロン茶、麦茶などを机の上に常時用意しておいて 飲みます。生水は避け牛乳も大量に飲むと コレステロールや「ミルクアルカリ症候群」などの問題がありますので避けます。

女性の場合、寒いところで長い間の立ち仕事がいけません。

トイレにシャワレットをつけお風呂も毎日入り局所の清潔も保って下さい。

上記の注意をしっかり守っても何回も「膀胱炎」を起こす人は 尿の細胞診というのを検査してもらったり泌尿器科で膀胱鏡の検査を受けるなどして 「膀胱癌」など悪性の病気が無いことを確認しておいてもらっておくと安心です。

足立先生に直接診察を受けたいのですが。

 以前にもこのページで質問させて貰った者です。

今回は足立先生に直接診てもらいたいのですが構わないでしょうか。

(96/11/29 21:02 静岡県 Kさん)

(96/12/1)

患者さんを集めるのがこのページの目的ではありませんが、 「どうしても」との場合には拝見させて頂いております。私の外来診察時間は決まっていますので 病院受付職員(電話06-431-0015)にご確認の上計画を立てて下さい。

なお、宿泊場所・受診予定日などが決まりましたら念のため私宛にもメールでご一報しておいて下さい。 心づもりをしておきます。

診察はかなりお待ち頂くこともあります。遠くから来られる方は時間的にゆとりを持って ご来院下さい。外来診察時間終了直前の受診はお避け下さい。

これ以前のご質問と回答は

「96年11月の質問回答集」

「96年10月の質問回答集」

「6月下旬から10月中旬までのすべての質問回答集」を ご覧下さい。

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