インターネット個別病気相談室
97年2月の質問と回答集

(平成9年3月7日版)


(このページを始めたのは1996年6月末からですが,この数字は10月29日午前0時からのカウントです。)

膨大な質疑応答データをホームページ上で見やすくしたいのですが
限りある私の時間は少しでもお答えに当てるようにし
目次を付けるなどの編集作業はホームページ上では行っておりません

もっと読みやすく編集したものをご希望の方は

プロによる編集済みの電子出版物 をご利用下さい。
居ながらにしてとても簡単に入手できます。

また、電話代、接続料などが気になる方のために
インターネット画面のままの フロッピーディスク版もあります。

インターネットへの接続無しに今ご覧になっているような 感じでじっくり読む事が出来ます。

詳しくは こちらをご覧下さい。

小学1年生の息子が「骨髄炎」や「骨肉腫」の可能性があると言われて心配です

はじめまして

このような活動をされていらっしゃることに敬意を表します。今後も私のよう なものに医療の情報をこのようなオープンな形で提供して下さることを期待し てます。

ところで、私の息子の病気について教えていただきたくこのメールを書きまし た。

経過
息子は小学校1年生です。先日土日にスキーに家族ででかけいたって元気でし た。怪我もありませんでした。ところが、スキーから帰って来た次の日(0月 00日0曜日)に少しひざの痛みをうったえ、火曜日の朝にはひざの横が赤く はれてきました(内出血の様子はなく単にうっすら赤くなっている感じです)。

早速近くの整形外科に行って診察してもらったところ(レントゲン、CTスキャン)、 骨髄炎や骨肉腫などの可能性があるということで、さらに血液検査をし次の週の 0曜日にMRIの検査をすることになりました。現在は、血液検査の結果を心配 しながら待っている(00月00日)状態です。なお、その間の薬は消炎剤のみをいた だいております。なお、直接スキーが原因になったとは考えられません。

お聞きしたいこと

上記のような病気や、診察法などの基礎知識がないため不安になるだけで手の ほどこしようがありません。血液検査の結果が出る前に基礎的な知識をぜひ入れ ておきたいと思っております。家庭医学の本などはざっと目を通しましたがどう もはっきりわかりませんでした。

(1)血液検査で何が分かるのか

骨髄炎とか骨肉腫とかいった区別が可能なのでしょうか?また、良性、悪性な どの判断は血液検査で分かるものなのでしょうか?

(2)MRIで何がわかるのか、それまでの治療法は?

CTスキャンでは悪そうだとまではいわれましたがそれが具体的にどんな病気 かまではわからないようでした。MRIでは病気の特定までできるのでしょうか。 また、MRIは非常に混んでいて通常何ヶ月もまたされるとの事でしたが(今回は 子どものこともあり急いでわりこませていただきました)、それまで、治療をしな くて良いのでしょうか。

(3)どのような病気なのか

たとえば、悪性の骨肉腫といえば、ああ癌だなと思って最悪の事を想定しなけ ればならないと思いますが、骨髄炎などはどのような治療法があって(投薬のみで なおる、手術が必要など)どの程度の期間がかかるのかといったことが皆目わかり ません。もちろんケースバイケースだとは思いますが、代表的なことを教えていた だけると非常に助かります。また、特に子どもということもあり、進行はどの程度 のスピードで進むのかなどの情報もいただけるとたすかります。今回の例では、次の 検査まで1週間以上も放っておいて大丈夫なのかなど非常に気になります。さらに、 例えば、足を切断するなどの可能性はどの程度あるのかなども教えていただけれ ばと思います。

勝手な質問ばかりで申し訳ありませんが、教えていただけると助かります。 よろしくお願いいたします

(97/ 2/26 14:08  都道府県名不明)

(97/2/28)

メール拝見いたしました。さぞご心配のことと心中お察し申し上げます。 まずはご質問の順にお答えします。

>(1)血液検査で何が分かるのか
> 骨髄炎とか骨肉腫とかいった区別が可能なのでしょうか?また、良性、悪性な
>どの判断は血液検査で分かるものなのでしょうか?

「骨髄炎」の場合血液中の白血球やCRPという炎症反応などが高くなりやすい傾向など はありますが必ずというわけでもなく逆に「骨肉腫」でも高くなることがあり、血液検査だ けではこれら2つの病気やこれら以外のよく似た病気(たくさんの種類があります。)との鑑別 は困難です。血液検査だけで良性、悪性の区別も殆ど不可能です。

>(2)MRIで何がわかるのか、それまでの治療法は?

MRIでも同じ事が言えます。それだけ情報量が多くなりやや診断の確率が高くなるとい う程度です。 むしろ手術の範囲や方法を検討するときに重要な検査です。

>(3)どのような病気なのか

「骨髄炎」は骨の髄に細菌が感染した病気でこの場合体の他の部位の 感染症とは違い抗生物質の点滴のみで治ることは少なく結局手術が必要になることが多 いです。

「骨肉腫」は100万人に5人という極めて稀な病気でもしそうなら以前は 殆どの方が1年以内に亡くなられる悲惨な病気でした。しかし最近では 数日以内に大急ぎで診断をして最近の化学療法で治療をすることにより足を切断せずに治 療して5年以上たっても再発なしに過ごしておられる方もいらっしゃるようになっています。

どの程度の病院におかかりなのか、例えば整形外科のご専門の先生が 何人くらいいらっしゃる病院なのかなどでかなり状況が違ってきますが まず私が思いますにレントゲンやCTの様子からして「骨肉腫」などの悪性腫瘍の 可能性は無いとは言えないが非常に低いとご自身のご経験から判断なさっておられる のではないでしょうか。そうでないと 痛み止めだけを投与されて来週の00曜日にMRIの検査待ちというようなことは 考えにくいです。もしも骨の悪性腫瘍の可能性があれば大急ぎで入院してもらい 生検と言って悪いところを一部実際に取ってくる小さな手術をまずなさるはずです。

「骨肉腫」といえば命にもかかわる病気です。極めて可能性の低いことを念のために おっしゃったのではないでしょうか。

そう祈っております。

(97/ 3/ 3 08:28 )

足立先生

 先日メールご相談しました、00というものです。  早々にお返事をいただきましてありがとうございました。お忙しいなか、非常に 早いお返事を頂き恐縮しております。

 メールを送った時は、かなり動転しておりまして、その後ばたばたして お返事が遅れたことをお詫び申し上げます。

 その後、膝のはれが引いて痛みも無くなってきました。00曜日に血液検査の結果と もう一度レントゲン撮影をしました。血液検査の結果は炎症反応はあるが、化膿して いるというほどのものではないとのことでした。レントゲン撮影の結果は、まだあやし い部分が写っているとのことです。しかし、骨髄炎や悪性の肉腫の場合ははれが引いて 痛みもなくなることはないそうなのでまずはひと安心とその先生はおっしゃっておりまし た。おそらく骨膜炎程度だろうと言っていました。  MRIでさらに怪しい部分を検査するとのことです。

>どの程度の病院におかかりなのか、例えば整形外科のご専門の先生が
>何人くらいいらっしゃる病院なのかなどでかなり状況が違ってきますが
>まず私が思いますにレントゲンやCTの様子からして「骨肉腫」などの悪性腫瘍の
>可能性は無いとは言えないが非常に低いとご自身のご経験から判断なさっておられる
>のではないでしょうか。そうでないと
>痛み止めだけを投与されて来週の00曜日にMRIの検査待ちというようなことは
>考えにくいです。もしも骨の悪性腫瘍の可能性があれば大急ぎで入院してもらい
>生検と言って悪いところを一部実際に取ってくる小さな手術をまずなさるはずです。
>

 結局足立先生のおっしゃることが正しかったようで、かかった先生の判断は まだ初期であり少し様子を見て見極めようとしたものと思われます。

 貴重な情報と時間をありがとうございました。  先生の今後のご活躍を期待しております。

ご丁寧にお礼のメールをありがとうございました。 少しでもお役に立てれば嬉しく思います。

胃の調子が悪く胃薬も全く効果がありません

ここ4、5日前から胃の調子がおかしく、 食べると食道のあたりから胃にかけて圧迫感があり胃痛がある。 口の中には口内炎ができ、口の周りにはにきびができています。 最初はたんなる腹痛だと思い胃薬を飲んでいましたが、全く効果がありません。 特にげっぷがよく出ます。

(97/ 2/28 22:24  都道府県名不明)

(97/2/28)

これだけの症状があり、通常の胃薬も効き目が無い場合には 出来るだけ早く医師の診察を受けられることをお勧めします。

ご年令、ストレスやアルコールなどを含めての最近の生活の様子などがわかりませんので 何とも申し上げようがございませんが「急性胃炎」、「胃潰瘍」、「食道炎」だけでなく 場合によっては胃や食道、その他内蔵の悪性疾患が見つかったとしてもおかしくはない内容です。

胃カメラなどが予約無しでもすぐに出来る病医院の「消化器内科」が専門の先生が良いでしょう。 そういうところでしっかりとした検査を受けておかれると安心です。

尚、ご質問は「質問のページ」をお読みの上、そちらから 出来るだけ詳しく送って頂きますようご協力をお願いしています。

「鼠径ヘルニア」の手術はどうしても必要ですか?

4歳の女の子の相談です。

2歳ぐらいの時、そけいヘルニア(ダッチョウ)になり、ひどく泣くなど、お腹に力が入 るときに その症状が出ました。平均的に、週に1度ぐらいに割合です。症状が出たときに、手でお 腹を 押して戻してあげることで直りました。3歳にはほとんど症状が出なくなり、4歳では、 1度も症状が出なくなりましたが、手術を行わないと治らないと聞きました。

手術を行うべきか悩んでいます。(できれば手術を行いたくないです) アドバイスをお願いします。 以上よろしくお願いします。

(97/ 2/28 12:37 東京都 Kさん)

(97/2/28)

「鼠径ヘルニア」は生後10ヶ月までは約2割程度の方が自然治癒しますので手術を待っても良いですが それ以後自然治癒することはまずありません。

「手術をするように」と医者から言われたが この「インターネット個別病気相談」で相談をして良く調べてみると 本当は手術をする必要が無かったという例がいくつかありましたね。 それでこのような相談をされたのかもしれません。

しかし、「鼠径ヘルニア」については4歳ともなると自然治癒の可能性はありませんし、 万が一将来嵌頓(かんとん)し元に戻らなくなり腸が腐りそうになったりすると、 大変条件の悪い中で手術をしなくてはいけなくなることも考えられます。 大慌てにというわけではありませんが出来るだけ早めに手術をして置かれるようお勧めします。

なお、女の子の場合には「鼠径ヘルニア」に似てはいるが別の病気に 「Nuck嚢胞」というのがあり、区別をしておくことが必要です。

「溶連菌感染症」について教えて下さい。

溶連菌感染症について
私の三女 (2才)が 急な発熱で 流感と思っていたら.....
熱は2日ほどで下がりましたが その後発疹が 体中に

小児科医の診断で 上記の病名を告げられ あまりなじみがないので 少々心配になりまして どうか 上記の病気について 注意点などを教えてください

なんでも 昔は法定伝染病の一つであったとか 合併症の予測というか 予後の看護についても どうかよろしく 回答をいちいちするのは ご面倒でしょうが 何卒よろしくお願いします

(97/ 2/24 16:35 長崎県 Rさん)

(97/2/25)

まず始めにお嬢ちゃんは「突発性発疹」という病気はお済みでしょうか。 かなりの高熱が2−3日出て出てそれが引いたと思ったら発疹が出る病気としては「突発性発疹」の可能性も あります。もっとも「突発性発疹」は生後6ヶ月くらいの赤ちゃんに多いですが2歳くらいでも 時折みかけます。

「溶連菌感染症」は大半が4−5歳で、発熱のあと発疹が出ますが、 半日くらいだけ遅れてという場合が最も多いです。2日も遅れてということであれば少し 非典型的です。「溶連菌感染症」は赤い発疹ですが「皮膚がざらざらした感じがする」のが 特徴的ですがいかがだったでしょうか。発疹の診断はかなり難しいので敢えてお尋ねしました。

ここでは「溶連菌感染症」について解説しておきます。

「溶連菌感染症」というのは「溶血性連鎖状球菌感染症」の略ですが、 厳密には「A群β溶連菌」、すなわちA群という抗原型でありしかもα型ではなくβ型の 溶血を示す特別な「溶血性連鎖状球菌」による感染症のことです。この特別な「溶血性連鎖状球菌」 のことを細菌学では「化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)」と呼びます。

ご指摘のように昔は発熱と発疹で重症化することが多く「猩紅熱」と呼ばれ「法定伝染病」として 恐れられてきましたが最近では「猩紅熱」という呼び方は殆どしなくなりました。「猩紅熱」として 報告されるのは年に20例ほどになっています。 「溶血性連鎖状球菌」は普通は「扁桃腺炎」 の原因として知られていますがその合併症として「腎炎」や「リウマチ熱」、「心筋炎」などの 原因にもなることが重要な点です。

「溶連菌感染症」の場合発熱は38度を超えることもありますが中には殆ど目立たない子供さん がおられます。発疹の他に頭痛、咽頭痛などの症状が出ることが多いですが 4歳以下のお子さんの場合にはお話が通じないためにわかりません。のどの奥が真っ赤に腫れて ぶつぶつしていたり、首のぐりぐり(リンパ腺)が腫れたり、時には「苺状舌」と言って 舌にぶつぶつがついて腫れたりという症状を示します。

抗生物質の治療で殆どの場合良くなります。少し長めに飲むことが合併症を減らす為にも重要です。 稀に治ってから1−3週間ほどして 尿に蛋白がおりていることから合併症の腎炎が発見されることもありますので、治ってから 2週間ほどしたら一度尿の検査をしておかれることをお勧めします。

「溶血性連鎖状球菌」の激症型というのが「人喰いバクテリア」 などとマスコミで騒がれたことがあります。これは子供には少なく糖尿病や肝臓、癌などの 病気を持った大人に多いのですが突然体がだるくなり、全身の筋肉が痛みとともにくずれていき 死亡率も高い怖い病気です。私は経験したことがありませんが常にこういう病気のことも 頭の片隅において患者さんを診るように心がけています。しかし 大変稀なことですので一般の方がご心配なさる必要はありません。

「寝違え」について教えて下さい。

私はたまに寝違えることがあります。一度寝違えると2,3日首が痛く仕事 にならないことも しばしばです。

”寝違える”とはいったいどういうことなのでしょうか?どう対処してい い物 なのかわかりません。このあたりのことについてお教え願えないでしょうか?

また仕事上パソコンのモニターに向かう時間が長いのですが、肩が凝ると寝違えた痛みも 増し ます。何か関係があるのでしょうか?

素朴な疑問ですが、どうすればいいのかわからない人が大半だと思いますので解答をくだ さる ことを期待します。よろしくお願いします。

( 97/ 2/16 10:16 東京都 Iさん )

(97/2/16)

「寝違え」は片方の首から肩にかけての筋肉や筋肉周辺に存在する「すじ」などの組織の 炎症と考えられています。

寝ているときの位置や温度差などがきっかけになるものと思われますが 詳しくは分かっていません。健康な人にも普通に見られる大変日常的な現象としては「寝違え」の他に 「くしゃみ」、「しゃっくり」、「風邪」などがあり私自身は大変興味は持っているのですが医学界全体からはあまり研究対象に されません。例えばこれらの研究で 大学院の学生が学位論文を書いたら教授にどやされるのが落ちでしょう。

「寝違い」に最も効果があるのは「ネオビタカイン」と「ノイロトロピン」という注射薬を混合して 首の押さえてひびくところを探して注射するやり方です。少しコツが要りますが大概注射直後から 随分と楽になります。

市販の貼り薬や塗り薬、内服では「アリナミン」などで少しましになります。マッサージや按摩は 殆どの場合かえって痛みが増します。もともと炎症があるからでしょう。局所は安静にするのが 一番です。パソコンのモニターに向かって肩こりを増強させるのも良くありません。

あまり度々起こすような場合には「変形性頸椎症」などの病気が隠れていることがありますので 整形外科で調べてもらいましょう。

「鼻の穴」は何故2つあるのですか?

人間の顔について質問します。”目”は2つないと遠近感がないので必要です。 ”耳”もどっちから音がしているのかを聞き分けるのに2つ必要です。”口”は一つあれ ばたります。では、”鼻”の穴はなぜ2つあるのですか。ずーと考えているのですがわか りません。教えて下さい。ひまだったら。ほかに調べようがなかったのでこちらに送らせ ていただきました。

( 97/ 2/ 2 21:12 北海道 Sさん )

(97/2/13)

何百という質問をこの半年間軽くこなしてきましたがこの質問は困りました。
降参しましたので他で調べて下さい。私も負けずに文献検索に励みます。
ホームページにも恐らくアップしますが一緒に考えていきませんか。

(97/ 2/ 6 05:58 )

お忙しい中、わざわざお返事ありがとうございます。インターネットを始めたばかり なので、E-mailをもらったのはこれが初めてなのでうれしく思っております。 先日の”なぜ鼻の穴が二つあるのか”につきまして友人に言ってみたところ”一つだ と鼻の穴の中で空気が渦を巻いてしまい息がしずらいから、というのを何かでみたか 聞いたかしたことがある”といっておりました。ほんとかどうかわかりませんが、こ れからもそのことについて自分なりに調べていこうと思っています。 答えがわかりましたら、またお知らせします。 24歳 男

深刻な病気についての相談が多い中で上のような質問が飛び込んできて戸惑いました。

ネット上をはじめたくさんのドクターにも相談をしてみてかなりお教えを頂きました。 特にニフテイサーブの「FCASE」の「症例研究」というフォラムでたくさんの先生方からご意見を賜りまして 厚く御礼申し上げます。

ここにはこれらのご意見を参考に私なりの考えを書いておきます。

「ヒト」の体には、というより哺乳動物共通の体で左右に2つあるものは結構あります。 ご質問者ご指摘の「鼻の穴」や目、耳もそうですがこれらの感覚以外にも 皮膚の感覚(触覚、痛覚、温度覚)や関節筋肉の中にある自分の体の位置を感じ取る感覚や 振動を感じる感覚等も全て左右対称に神経系統があります。しかもその神経系統そのものは 大脳で感じ取るまですべて左右対称になっています。大脳自体も皆さんCTやMRIで ご覧になったことがあると思いますが水平に切ると左右2つの大脳半球から なりたっています。大脳だけではなく小脳も2つ左右対称にありますし 脊髄も左右対称です。

呼吸器官は「鼻の穴」だけではなく肺や気管支も左右対称に2つずつあります。気管だけは左右対称ですが真ん中に一つです。消化器官だけは肝臓も膵臓も口から肛門まで一つですね。但し歯は門歯から大臼歯まで2つずつありますね。他に腎臓は2つあります。だいたいから体全体手や足も左右に2つですね。

こうして見ていくと「動物」のからだというものは根本的に左右対称にむしろ殆どの物が出来るように なっているように思われます。

動物の体は長い間の自然淘汰を受けてきていますので少しでも環境に適応した体をもったものが 生き残り、体の構造物の多くがそれぞれいかにも合目的に出来ているように納得できます。 しかし動物の体の構造物を合目的だけで考えるのは間違いでしょう。

進化の過程というのは必ずしも合目的に進むのではありません。中生代ジュラ紀の恐竜や新生代でも 「マンモス」などは合目的に進化したのではなく何らかの仕組みで体が大きく進化してしまい 結局は環境に適合しなくて絶滅したものでしょう。現存動物でも北アメリカの「ヘラジカ」の 角などはこれから必要以上にさらに大きくなるのは何かの仕組みで決まってしまっているように思います。

「鼻の穴」が2つある理由も合目的に解釈をするのではなく、 もっと根本的なところに原因を求めるべきだと考えます。 古生代カンブリア紀の三葉虫が既に左右対称の形をしていたようです。哺乳動物の 直接の祖先に近いとされる扁形動物の「プラナリア」はほぼ左右対称です。

遺伝子中にある、動物の体をつくるプログラムのかなりはじめのところにこの左右対称に作り始めよという 命令があるのではないでしょうか。そのあとはかなり複雑に出来ているようには見えても、 私たちの体も、かなりシンプルな数学的な式のようなものに従って目も耳も「鼻の穴」までもできて しまうような気がしています。

以上が私の考えです。

私は犬の訓練が好きで今までに4頭犬を飼ってきました。 うち2頭はたまたま出場した警察犬訓練大会でトロフィーを貰って来てくれて毎日 楽しんでいます。この犬も夕食時などに良い臭いがしたときは盛んに鼻をあちこちの方向に向け直して探している様子を見ていると臭いの方向くらい 左右の鼻からの嗅覚差により鑑別しているようにも感じられます。

余談ですが風邪などで片方の鼻が詰まって気持ち悪いときにはそちら側を上にして横になると 楽になります。

「金属アレルギー」について教えて下さい。

はじめまして。突然のメール失礼致します。

先生のホームページを知りましてアクセスさせて頂きました。

色々な病気や悩みを持っている方が多くて、どちらかと言うと 健康な私でさえ驚いております。

さて、今日は相談と言うか質問と言うかなのですが。。。
名前: 匿名でお願いします。
Emailアドレス: OOOOOOOO
住まい: 神奈川県
ページに到達したきっかけは: First News だったかな?その種の情報メールにて
感想: トップページ?(http://www.asahi-net.or.jp/‾fe4n-adc/byouki.html)が きつめの緑色なのが辛いです。。

あとこれは余談?ですが、各箇所にメールを送るタグを埋められていますが (a href="mail to:...")とされているようなのでメールをブラウザから 送る事が出来ませんでした。(a href="mailto:...")とつなげれば直りますね。

内容: 数年前よりある日突然指輪をすると(つや消しのもの)その周辺が かぶれてかゆくなるようになりました。また鎖などのネックレスも同様に 首が薄くですがかぶれてかゆくなりました。(皮などは平気ですが) またピアスもそれより前に開けていてそれまでは大丈夫だった(と思う) のですが、最近膿のような液が出てくるようになりました。 これは俗に言う金属アレルギーなのでしょうか?

また別質問ですが、こういう風に特に自覚症状が薄い(この場合等は、そういう 物をつけないと出ませんので)場合などでも、皮膚科などで調べて下さいと 言って調べて頂けるものなのでしょうか?

============== 以上です。回答を首を長くして待っております。 宜しくお願いします。

また私のOOOよりOOO頂きました。 もし"本当に"OOOましたら、OOoと思います。 では失礼致します。

( 97/ 2/13 16:07 神奈川県 Mさん )

(97/2/13)

まずバックカラーのどぎつい緑色と、htmlの間違いのご指摘どうもありがとうございました。 たくさんの方からメールは頂きますがなかなかここまで手取り足取りご指導頂けることは 少なく大変助かります。

実をいうとほんの2ヶ月ほど前まで質問と回答のページまで全てこのどぎつい緑でやっていました。 顰蹙のメールを頂き緑を消した経緯はこのページの過去のログでもご覧になれます。

「病気個別相談のページ」の一番表紙はいろいろな雑誌などに紹介記事をカラーで載せてもらってしまっており どちらかというとこのカラーのイメージで行きたいようにも考えています。

しかし「通常の質問のページ」などは順次落ち着いたバックに変更させて頂きます。

mail to と mailto の間違いは一部は気が付いて直しつつあったのですがまだかなり 残っているようですね。これも順次直して行きます。

その他いろいろとご厚意感謝申し上げます。

さてご質問ですが、お気づきのとおり「金属アレルギー」と考えてほぼ間違いのない様に思います。

正式には「アレルギー性接触皮膚炎」の範疇に入れます。 私たちが日常診療で経験する原因金属としては「ニッケル」によるものが多いです。

原因物質としては「腕時計の留め金」、「イアリング」、「ネックレス」、 「ブレスレット」、「指輪」が多いですが 珍しいものとしては「セメントの6価クロム」、「三味線の皮革の 組み紐」のクロム、「バイオリン縁の金属部分のニッケル」、 「アイラッシュカーラー(ビューラー)のニッケル」等があります。

大概は丁寧にお話を伺ったり部位を良く診ているうちに診断がついてしまいます。

「確定診断」と言って「これが原因だ」ということをはっきりさせるのはよほどの研究的必要性が あるときと、治療上重要なときに限られます。といっても 「貼布(ちょうふ)試験」と呼び、原因と考えられる物を皮膚に貼ってみて同様の反応が出るかどうか を調べる簡単なもので出来ます。皮膚科でご相談になっても良いですが よほど研究的に興味を抱いている先生でないと時間もかかるし敬遠されるかもしれません。

治療は短期間に期限を切って副腎皮質ホルモンの塗り薬を使うのが効果的です。

ご質問者の場合には化膿していることも考えられるので皮膚科で処置をしてもらうことをお勧めします。

「周期性四肢麻痺」について教えて下さい。

お忙しいところ恐縮です。過去の質問をすべて拝見させて頂きましたが、私 の持病である「周期性四肢麻痺」に関しては見当たりませんでしたのでお便り致します。

丁度20歳ごろ、しゃがんだりしたあと立ち上がるのが非常に苦痛になる事があり単なる 筋肉痛だと思っていたのですが、ある日ベッドから起き上がる事も出来なくなり大変驚き ました。

近所の某国立病院へ行ったところ、「原因不明」のため即入院せよとの事でした。約3ヶ 月の入院にて ようやく「周期性四肢麻痺」であろう との診断を受け退院致しました。 その後医師からは「30歳までには 自然と治る」と言われていたのですが、現在32歳になる今も発作が 多発します。

その後痛風にも罹り 非常に苦痛な日々を送っています。(このメールを書いている今も周期性四肢麻痺&右足 痛風発作を 起こしています。 痛風に関しての書物はかなり出版 されていますので、ある程度は理解出来たのですが、周期性四肢麻痺に関する書籍はまず 見当たりません。一体どのような病気(原因等)なのでしょうか?

退院時に医師に「治療法は無いのでとりあえず出した薬を飲み続けなさい」と言われたの も腑に落ちません。本当に治療出来ないのでしょうか?また、命に関わってくる事は無い のでしょうか? 乱筆乱文にて失礼いたしました。

(97/ 2/ 9 01:07 東京都 Mさん )

(97/2/9)

メールありがとうございました。

はっきりしない点が多く、書かれていますように「腑に落ちない」のではないかと思いま す。何とかホームページ上でお答えしたいと考えていますので時折qabyouki.htmlを見て 下さい。

この病気の人は甲状腺機能亢進症(バセドー病)と合併してくることが多いの ですが甲状腺については何か言われたことがありませんか。

それから、この病気は神経内科専門医または甲状腺異常が合併しているときには内分泌内 科専門医で相談されるのが良いのですが どういう先生方にいままで診て貰われたかなど教えてもらえますか。

発作の様子を「発作の進行具合」「立てなくなる時間、日数」、それに今使われている薬 の内容、食物中のカリウムの摂取について「野菜類を食べなさい」などいわれたことがあ るか血液中のカリウムの濃度はどの程度かわかれば教えて下さい。

尚、私のホームページの医学部の学生さんの為のページに1txbk.htmlから8txbk.htmlとい うのを以前からアップしてありますがそちらにも「周期性四肢麻痺」については少し解説 していたと思いますので探せたら見ておいて下さい。 では。

こんにちは、早速のお返事有り難うございます。 >

>メールありがとうございました。
>はっきりしない点が多く、書かれていますように「腑に落ちない」のではないかと思い ます。何とかホーム
>ページ上でお答えしたいと考えていますので時折qabyouki.htmlを見て下さい。 >

有り難うございます。今後もDrのHPを必ず見てみます。

>
>それから、この病気の人は甲状腺機能亢進症(バセドー病)と合併してくることが多い のですが甲状腺に
>ついては何か言われたことがありませんか。
>

特にそのような事は言われませんでした。

>
>それから、この病気は神経内科専門医または甲状腺異常が合併しているときには内分泌 内科専門医相>談されるのが良いのですがどういう先生方にいままで診て貰われたかなど 教えてもらえますか。
>

>

入院していたのは、国立oo病院の神経内科でした。その後もこの病院の神経内科にかか っていました。 (現在はほとんど行っていません)

>
>発作の様子を「発作の進行具合」「立てなくなる時間、日数」、それに今使われている 薬の内容、食物の
>カリウムの摂取について「野菜類を食べなさい」などいわれたことがあるか血液中のカ リウムの濃度はの>程度かわかれば教えて下さい。 >

まず進行具合ですが、「1日中だめな日」もあれば「数時間で治る日もある」と言う具合 です。特に米飯を大量に食したときや、ジュース類をたくさん飲んだ翌日はかなりひどい です。
立てなくなる日数は、おおよそ半日〜1日くらいです。あと、足を冷やす(寒い部屋に何 時間も座っている) 等をすると数時間のうちに発作が出ます。
野菜類の摂取はたしかに言われました。(バナナやすいかが良いと言われましたが、そう そう食べられません!)
血中濃度は、聞きましたが「お教えできません」とのことでした。(素人が聞いてどうす るの?的な扱いでした)

参考までに現在投薬されている薬は、「SLK」というマーブルチョコみたいな錠剤です 。

今後ともよろしくお願いいたします

(97/ 2/ 9 12:34 東京都 Mさん)

(97/ 2/9)

「周期性四肢麻痺」は手足の筋肉(「骨格筋(こっかくきん)」とも言います)が数時間から2−3日にわたって 力が弱くなる発作を起こす病気を集めて呼んだものです。

原因は骨格筋の細胞の膜に対するカリウム(「K」と略します)などのミネラルの作用が考えられていますが 全て解明されたわけではありません。

血液中のカリウムの濃度により「低カリウム性」「正カリウム性」「高カリウム性」と 3種類に分類されています。しかし、日本で普通私たちが拝見するのは殆どが「低カリウム性」 でしかも10人中9人までが御質問者のような若い男性です。そして半分位の方に 甲状腺機能亢進症「バセドー病」が検査をするとみつかります。

「バセドー病」といっても 目の玉が飛び出したような表情になったりという派手な症状の方は少なく検査をすると 初めて甲状腺ホルモンが多く出ているなどの異常が分かることも多いです。中には「胸がどきどきする(動悸)」や 「人より暑がりで汗をかきやすい」、「下痢をしやすい」、「皮膚の色が黒っぽい」などの「バセドー病」 特有の症状に気づかれている方もいらっしゃいます。 これらの症状や首の前の「のどぼとけ」の少し下あたりの甲状腺のところが腫れていないかどうかなどは 注意してみて下さい。

ご質問者の場合「特に米飯を大量に食したときや、ジュース類をたくさん飲んだ翌日はかなりひどい」 など殆ど「低カリウム性周期性四肢麻痺」に特有の症状です。これは健康な人でも 炭水化物や糖分をたくさんとると血液中のカリウムが低下するので「低カリウム性周期性四肢麻痺」の 人では発作を起こしやすくなるのです。

しかし、 普通なら適切な治療をしていれば再発をすることは滅多に無いのに再発を繰り返しておられることが 不思議で何故なのか気になります。 それから「寒いところにいると発作が起こる」と書いておられますが、「低カリウム性周期性四肢麻痺」 ではこういうことは殆ど無くて、むしろ珍しい方の「正カリウム性周期性四肢麻痺」や 「高カリウム性周期性四肢麻痺」でよく起こることなのです。 かなり特殊なタイプの「周期性四肢麻痺」の可能性も残ります。

「SLK」とは 「スローケイ」というカリウム補充用の薬ではないかと思います。もしそうだとしたら 「低カリウム性」が考えられますが何故値を教えてもらえないのでしょうか。 メールをお読みするとインフォームドコンセントが殆どなされていないようですね。最近ではとても 珍しいことです。

東京都でしたら専門の神経内科医は何百人といらっしゃるはずですので一度かかられてはいかがでしょうか。 血液中のカリウムの値や甲状腺に異常が無いことの確認くらいは神経内科でなくても外来でも出来ます。

ちゃんとした専門の医師にかかっておられて指示をしっかり守っておられる限り再発を起こすことは滅多にありませんし よほど特殊な状態でない限り命にかかわる病気でもありません。

次回発作を起こされる前に早めに検査をされ「特殊な状態ではない」ことを 確認しておかれるようお勧めします。

是非その後の様子、検査結果などお知らせ下さい。

医学部の学生さん用に書いた1txbk.htmlの中程に「周期性四肢麻痺」もまとめていますので 参照して下さい。「医師国家試験受験向け」にまとめたものですのでどれだけお役に立つかは わかりませんが。

(97/ 2/ 9 15:41)

わかりやすいご回答、ありがとうございました。

特にDrのおっしゃられた
>
>「バセドー病」といっても 目の玉が飛び出したような表情になったりという派手な症状 の方は少なく検査をする>と 初めて甲状腺ホルモンが多く出ているなどの異常が分かるこ とも多いです。中には「胸がどきどきする(動>悸)」や 「人より暑がりで汗をかきやす い」、「下痢をしやすい」、「皮膚の色が黒っぽい」などの「バセドー病」 >特有の症状 に気づかれている方もいらっしゃいます。 これらの症状や首の前の「のどぼとけ」の少 し下あたり>の甲状腺のところが腫れていないかどうかなどは 注意してみて下さい。
>
と言う部分には、当てはまるところがあります。

私は学生の頃よりかなりの汗っかきで、特に手のひらがすごく汗をかきます。それと最近 は、とても下痢をするようになりました。あと日焼けしているのと間違われるくらいに色黒です。 のどぼとけの下あたりも言われてみれば腫れているような感じがあります。

家の近くに大学病院もありますので、今度はそちらの神経内科を受診して見ます。

適切なアドバイスをありがとうございました。結果は追ってメール致します。

PS.最近ごくたまに緑色をした便が出る事があるのですが、これもなにか関係していま すか?

(97/02/09)

ご丁寧なお礼のお返事のメールをどうもありがとうございました。

緑色便は時折いろいろな患者さんに見られることがありますが特別に 個々の病気に結びつけて考える必要はありません。

是非受診の結果を教えて下さい。大学病院だからと言ってまかせっきりにして安心しておれる などと考えるのは大きな間違いだということは薬害エイズ事件などの経験からもご存じのことと思います。

いろいろな先生がいらっしゃいますが、病気の解説や検査結果を納得のいくまで説明して下さる 良い先生に当たられて少しでも良い結果が出ることを期待しています。何ヶ月か後に良い結果の報告を 頂けるようお待ちしています。

万が一悪い先生に当たってしまい納得の行かないときにはすぐに連絡をして下さい。対策を一緒に考えましょう。

「インフルエンザ」について教えて下さい。

現在流行しているインフルエンザ性感冒症状(吐き気、発熱が初発症状)に対し家庭で できる対症療法について何か効果的なものがあれば教えて下さい。

(97/ 2/ 2 18:27  沖縄県 Iさん )

(97/2/2)

現在「香港A型」と考えられているインフルエンザが流行し、私の患者さんも何人か 肺炎を併発して来院され入院される方も多いです。新聞報道によりますと老健施設などで 死亡された方もいらっしゃるとのこと私はかなりの部分は人災と考えています。

インフルエンザを含めて「普通感冒」についての一般的な対処法は

私が現在つとめている 西武庫病院(電話06-431-0015)という病院の ホームページのフォラムに 「インフルエンザについて」として執筆して挙げておきましたので ご参考になさって下さい。

本年度の異常な流行を予想してアップしておいたものです。以下補足して解説します。

「吐き気」に対しては対症的に「プリンペラン」や「ナウゼリン」という薬の内服、座薬、注射など が著明に効果があります。

安静、水分補給、栄養などが重要なのは言うまでもありません。 一部にしろ「インフルエンザウイルス」に効果の証明された薬剤は「塩酸アマンタジン」という薬以外 ありません。この薬は大変な効果があると言うほどではないのですが確実な効果が認められています。 不思議なことに日本ではインフルエンザの薬としては保険診療を 認められていませんので皆さんが病院で貰うことはまずありません。

何故こういうことになるかは 新聞社にでも聞いて下さい。「欧米先進国」(今の若い人たちはこういう言葉はあまり聞いたことがない。 日本が先進国と思っている)では認可されている薬がマスコミや患者が騒いで訴訟でも起こさない限り 「手続き」のために置き去りにされ、 当局の意向に逆らい患者さんの為を思いそれを急ぐ京都大学の医者のようなのは 警察から逮捕されるというのが現状です。AIDSの治療薬だけは世間で 騒がれたのでアメリカのFDAで承認された薬がこれから大急ぎで承認されるそうです。遅すぎます。

日本の国がピークを通り越して衰退に向かっている兆候の原因の一つでしょう。何とかしなくてはいけません。

あまり書くと私も「逮捕」とは行かなくても種々のルートから嫌がらせを受けてはいけませんので 閑話休題。

風邪を引いたときにはどのようなものを食べれば良いでしょうか。

「医食同源」に即した素晴らしい処方が上記, 「西武庫病院のホームページ」に載っていますので参考にして下さい。

風邪を引いたときの食事として最も勧められるのが「水炊き」と「餃子」です。

「水炊き」にはビタミンB群を豊富に含んだ豚肉、鶏肉をたっぷり出汁として入れて下さい。 風邪に対する抵抗力となる「ビタミンC」の入った野菜と、鼻、喉の粘膜の保護作用著名な 「ビタミンA」の豊富な人参を忘れないで下さい。たれは当然のこと「ビタミンC」も豊富な 「大根下ろし」に「柚子(ユズ)」や「レモン」を忘れないで下さい。いずれも「ビタミンC」 がたっぷり入っています。

風邪を引いていない家族の人は「がら」を、風邪を引いた患者さんは「スープ」を戴くように 心がけて下さい。 「ビタミンB」を中心とした栄養分がスープにたっぷり入っています。もちろん灰汁(あく)は 気が付く度に、間断無く取るように努力しましょう。灰汁を以下に上手に取るかは 大切な食欲に大きく影響します。

「水炊き」が「風邪に良い」理由は栄養だけではありません。鍋から出る赤外線が風邪の患者さんを 程良く体の芯から暖め、鍋から上がる蒸気は粘膜を潤します。

次に良いのが「餃子」です。第一「水炊き」ばかりでは患者さんもご家族の方もやりきれません。 「水餃子」でも「蒸し餃子」でも「焼き餃子」でも構いません。ニンニクをたっぷり使えると なお効果的です。もちろん「ビタミンB」の豊富な豚肉は入れて下さい。

「食療法」を中心に書きましたが、インフルエンザの予防に最も効果があるのが「インフルエンザワクチン」 です。欧米先進諸国では老健施設に入所が必要なレベルの老人や風邪の患者さんに接しやすく 患者さんにうつしてはいけない医療スタッフは「インフルエンザワクチン」を接種しておくことは レベルの高いところでは常識となっています。日本では「ワクチン」の純度など のレベルの高さに比べて摂取率の低さは不思議なことです。 これさえ受ければ「風邪」に絶対罹らないなどと思って貰うと困るのですが、 「風邪」には罹りにくくなるのは事実ですし、たとえ引いても明らかに軽くて済みます。

老人や体の弱い人はもちろんのこと受験生は受験の前かその前の年から接種しておくことを お勧めします。

風邪に罹ってしまった場合には「肺炎」、「髄膜炎」などの重大な合併症の対策や「結核」の鑑別の為に 病院を受診することは大切です。 咳、熱、鼻水などの症状を取るために薬は出しますが風邪のウイルスを直接減らす薬は出せませんので ご承知おき下さい。また「抗生物質」も風邪のウイルスには効果が無いことを知っておいて下さい。

なお 西武庫病院のホームページの直接の管理は足立医師の担当ではありません。 お気づきの点やご意見(「足立のホームページで『見に行け』というので折角見に行ったが見えにくい。 ブラウザは何を使えというのか」、 「ちっともおもしろくないホームページだ。 病院のホームページなのだからもっとしっかりとした患者さんの役に立つものにせよ」など)は 上記病院事務(電話06-431-0015)へ直接ご連絡ください。

アトピーについての相談

はじめまして。私の友人がアトピーで苦しんでおり、彼のお母さんからも依頼された ので、何か助けになれることがあればと思い、お聞きしたくメールを出させて頂きま した。 彼は現在35歳で、1歳頃から耳の後ろにでき始めそれから上半身に広がったそうで す。小学生の時小児白内障から網膜剥離をわずらい全盲になってしまいました。正式 には、アトピー性白内障/アトピー性網膜剥離というそうです。また、同じ頃ステロ イドを使用し、拒絶反応がでて背中の皮が全部剥けてしまったそうです。 現在漢方薬と医者からもらった保湿剤を使っているそうなのですが、かゆみがたまら ないそうです。なにかよい治療法などございましたらぜひアドバイス下さい。

(97/ 2/ 1 13:20 栃木県 Tさん )

(97/2/2)

メールありがとうございました。恐らくアトピーによる白内障、網膜剥離と考えられます。 成人の難治型のアトピーの患者さんではしばしば見られますが全盲にまでなられた方を 担当したことはありませんでした。大変お気の毒なことと思います。

アトピー性皮膚炎の治療は一言で書ききれるものではありません。 過去にもいくつかご質問があり少しずつお答えしておきましたし 「アトピー性皮膚炎の治療のページ」としてもだんだんとまとめつつありますので そちらの方をまずご参照いただけますでしょうか。

適切なスキンケアをしてもかゆみがどうしても強い場合には「抗ヒスタミン剤」の内服、外用、「抗アレルギー剤」の内服 を試されてはいかがでしょうか。それぞれいくつかの種類が出てきていますので私は1週間ほどずつ 試用してもらい、それぞれの患者さんの体質にあったのを選んで使っています。

何度か書きましたが「これさえ飲めば治る」「これさえ塗ればなおる」と歌って高い治療法を売りつけて大儲けをしている 業者が蔓延っています。 気持ちはわかりますが特殊な治療法のみを求めて目立った効き目もなく大損をしたということのないよう、皆さんが 注意されるよう希望します。

「リンパ浮腫」で困っています。

 私のOO、64歳は結婚、出産の経験はありません。去年の11月OO日 に、子宮体ガンということで手術を受け、子宮、卵巣、リンパ節を取りま した。幸い、手術そのものは、経過も良く、リンパ節にもがん細胞はみら れないとのことだったのですが、リンパ節を取ったため、足と下腹部にむ くみがあらわれました。最初のころの猛烈なむくみは、少しは引きました が、その後変化がなく、OOは憂うつな毎日を送っています。

 特に、質問は
1)担当の先生は、良くしてくださいますが、ただ、いつになったら治る のか、あるいはもう治らないのかはっきりおっしゃいません。実際のとこ ろ、どうなのでしょうか。

2)現在は何も治療はしていません。積極的な治療方法は、ないのでしょ うか。

3)このリンパ浮腫についての、専門の先生は、この愛知県の近くには、 いらっしゃいますでしょうか。

4)今は、主治医の先生の勧めで、サポートストッキングをはいています 。ストッキングをはいていると、靴下でおおわれているところは、むくみ ません。その分、他のところがふとくなります。夏になっても、暑いのを 我慢してでもはき続けなければいけませんか。 よろしくお願いいたします。

(97/ 1/27 20:17 愛知県 Tさん)

(97/1/29、 2/2追加)

「リンパ浮腫」には「Milroy 病」と言って原因がはっきりしないのに 若い女性の下肢に見られるものや フィラリアという寄生虫によるもの、放射線治療の為にできたもの、 悪性腫瘍や外傷、炎症のためにできたものなどいろいろあります。

しかし「リンパ浮腫」は手術のあとにもできることがあり、 特に「子宮癌」、「乳ガン」、「膀胱癌」の手術のあとにできることが多いのです。 ご質問者の場合は手術のあとによるものでしょう。

リンパ管ではなくて奥深いところの静脈の血栓症でもよく似た状態になることがあり はっきり見分けておくことは大切なことですが「ドップラー血流計」という 皮膚にあてるだけで分かる比較的簡単な検査で調べることができます。

残念ながらなかなかやっかいな状態で治療にも難渋することが多いです。

受け持ちの先生もご苦労されていることと思います。 最も多く行われる治療法は弾性ストッキングや弾性包帯の着用ですが、 ご指摘のように夏などはかなり面倒なものです。

手術も種々工夫はされていますがこれといって極めつけのものが無く、 どうしてもという場合のみに慎重に検討されるてはいかがでしょうか、 一般的にはあまりお勧め出来ません。

この他にはマッサージや利尿剤の内服で随分と楽になることがあります。 「ハドマー」、「メドマー」などと呼ばれる 専門の波動マッサージ器がいくつか販売されていて毎日30分ほど使うと人によってはかなり効果があり、 普通は病院で使われますが「私に合っているから」と安いのを数万円でご家庭でも購入されて なさる方もいらっしゃいます。

どちらかというと脈管外科でも地味な分野ですので取り立てて専門医として脚光を浴びておられるという 先生を耳にすることは少ないです。それでも四国で有名な先生がいらっしゃるとのお話を 聞いたことがありますがお名前などはっきりしたことを覚えていません。

愛知県からは遠いですが山梨医科大学外科講師の神谷喜八朗先生は「リンパ浮腫」について 良く調べておられます。機会がありましたらご連絡を取られて 一度診察を受けられると良いサジェスチョンを得られるかもしれません。

これ以前のご質問と回答は

「97年1月の質問回答集」

「96年12月の質問回答集」

「96年11月の質問回答集」

「96年10月の質問回答集」

「6月下旬から10月中旬までのすべての質問回答集」を ご覧下さい。

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