「インターネット病気個別相談室」
96年10月の質問と回答集

(平成8年11月29日作成、平成9年1月20日増補改訂版)


病気についてお困りの一般の方からの
あらゆる種類の「病気の相談」、 「病院選びの相談」に

インターネットホームページ
http://www.asahi-net.or.jp/‾fe4n-adcにて

足立医師がお答えしています。

写真家の福永保昭氏撮影
「日経ウエルネス」(95年6月号p80-81「今月の代表質問」)インタビュー時の掲載写真

回答医師の経歴,最近の著書,新聞,雑誌,報道、依頼原稿執筆内容などは ここをクリックして「自己紹介のページ」をご覧下さい。


当ページへの「リンク」,「写真を含めてのダウンロード」はご自由になさって結構です。
事後の御連絡を頂けますと幸いに存じます。

(1996年10月16日午後8時からのカウントです。)

このページをプリントアウトしたものの郵送をご希望の方はここをクリックして下さい。

ホームページ自己紹介のページなどを 参照された上で、個人的に相談したい方はどうぞご遠慮なくインターネット病気個人相談のページからご質問をお送り下さい。

プライバシーは守り名前などは伏せますが、メールのやりとりはのちに私の著作として使わせて頂きます。 著作権はお譲り下さることを了解の上メールをお送り下さい。
ご質問数が多い場合にはお返事が遅くなったり、抽選で選ばせてもらうこともあり得ます。
急な病気の場合は先ずお近くの病医院を受診下さい。

「足立医師の診察時間」につきましては「西武庫病院(06-431-0015)」 にお問い合わせください。

以下はおおよそ最近のものから以前のものへの順です


本ページについてのご意見などございましたらどうぞ下記へご記入下さい。

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次にご用件をこちらへ入れて下さい(400字まで入るはずです):
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「腎炎」と言われましたが「腎生検」は必要でしょうか。

BZA05772     足立 憲昭先生

    健診の結果"腎炎#らしいとのことで不安です

 はじめまして。"ODIN"にてホームページを拝見し、メールをい たしました。

 昨日は文字化けのため、お手数をおかけし、申し訳ございませ んでした。あらためてご質問させていただきます。

 先日、会社の健康診断で尿糖(2+)と尿蛋白(3+)が検出され、再 検査を受けて参りました。当初は極端な肥満からでた結果と考え、 最初の診断の時に117Kgあった体重を107Kgまで減量し再検査を受 けました。そして尿糖は陰性になり検出されず、糖負荷試験でも 軽度の血糖値変化が認められただけで肥満に対する注意を指示さ れるに留まりました。

 しかし、尿蛋白は二次検査、三次検査とも早朝尿/来院時尿と も3+が検出され、恐らく腎炎であろうと診断していただきました。 しかし、ご診断頂いただけで薬は処方されず、検査入院を勧めら れました。とはいうものの検査入院は予約が必要で、予約後1〜2 ヶ月程度は待ちなさいとのことでした。更につけ加えて、腎生検 は1〜2週間の入院が必要で、採取する位置によっては病気を発見 できない。とも言われました。無作為抽出では有効なサンプルを 確保できないのは仕方ないと考えますが、そのような検査を果た して必ず受ける必要があるのでしょうか?腎炎に効く薬をなぜ処 方していただけないのでしょうか?  また以下の点で不安です。お聞きしても明確なお答えが頂けま せんでした。是非ご教授いただきたく思いますので、よろしくお 願いいたします。

  1. どのような治療でどの位の期間で完治するか!完治可能か  
  2. 治療中/完治後$完全な日常生活が送れるか(後遺症/透析?)  
  3. 検査入院(腎生検)は必ず1〜2週間の入院が必要か  
  4. 腎炎の原因/対策/予防法/症状/障害  
  5. 腎炎以外で考えうる病気/本当に腎炎か?

以下に検査結果(96/8/24検査)を添付します。  

・身長 173cm 体重 107Kg  

・血圧 一次 139-85mmHg 二次 134-84mmHg

 ・血液 8Z1AF] 1.06mg/dl  総:Z=C[0Y 1.7 尿素窒素 10.5 mg/dl  A/G比 152 mg/dl 総蛋白   6.8 g/dl

 ・尿 蛋白 3+      潜血 - 糖 -  

検査結果受け取り時に口答にて、"尿蛋白以外正常ですね#と  言われましたが、腎炎というのはその程度の病気なのですか?  もっと大病でいろいろなところで異常が発生するような気がす  るのですが?

追伸

 今まで大きな病気でお医者にかかったことなど皆無で、どのよ うなポイントで病院にご質問すれば良いかわからず、困っており ました。ましてや入院と聞かされ、正直動揺しております。  そのときにI-netで腎炎について調べている最中、先生のM_0<^ を見つけ、さっそく利用させて頂きました。  こころから感謝しております。I-netの可能性と先生の広いお 心に重ねて感謝いたします。

(27才 県名不明)

(96/10/30)

思いもかけなかった「腎臓」という臓器の病気と言われてさぞご心配のことと存じます。

慢性的に尿に蛋白が下りる病気は「慢性腎炎」と片づけてしまってそれ以上詳しい検査も せずにお薬を飲むだけで様子を見る先生もいらっしゃいますし、確かにそれも一つのやり方です。

しかし同じ「慢性腎炎」といっても実際はたくさんの全く性質の違った病気の集まりで あることが分かっています。ですから外から見ていると尿に蛋白が出ているだけで全く同じ状態であっても これからどのようになっていく病気なのか、薬はどういったものをどの程度飲んだらよいのか、 食事療法はどの程度厳密にやったら良いのか、運動の制限はどの程度必要なのかといった点が 今一つ曖昧になってしまうのです。

尿に蛋白が出る腎臓の病気は他の臓器の病気とはちょっと違ってCTやエコー、カメラなどで 外から見るだけでおおよその見当がつくというわけにはいかないという特徴があります。

それは病気の原因が腎臓の糸球体というところにあるからです。糸球体は片方の腎臓に(腎臓は 背中の脇腹に普通左右に1個ずつ合計2個あります。)100万個ほどもあり細かい血管が まるで糸玉のように絡まってそれを支えている組織やそれを囲んでいる袋のような組織で とても複雑な構造になっています。そのためたくさんの種類の病気があるのです。しかも その病気の様子を調べるには100万個のうちの少なくとも10数個は実際に取ってきてそれを顕微鏡で 観察したり特殊な染色法などで検査しないと分から点が多いのです。

この検査をしますと「IgA腎症(アイジーエーじんしょう)」がはっきりとしたり、 治りの良い「微少変化群」というものであったり経過の長い「膜性腎症」というタイプ であったりすることがわかります。場合によっては「膜性増殖性腎症(MPGN)」や、 「巣状糸球体硬化症(FGS)」と呼ばれる予後のあまり良くないことの多い病気であることが判明することが あります。

これからの人生設計を考える上でも腎生検をして、たちの悪いものではないことを確認しておくだけでも 意義があるのではないでしょうか。

そのようなわけで一般には1日に尿蛋白がおおよそ1g以上の場合には腎生検を勧めることが多いです。

腎生検は熟練した先生が行えばそれほど危険な検査ではなく私も自分の受け持ちの患者さんで 事故に遭ったことはありませんが、文献やうわさによると腎生検をしたあと出血をした例などを 聞くことはあります。

受け持ちの先生の評判はいかがでしょうか。

普通腎生検をする場合には準備のための検査と合わせて 最低4−5日の入院が必要です。余裕をもってということであれば1週間は診てもらった方が良いでしょう。

どうしても腎生検がお嫌の場合にはペルサンチンという薬を飲んで 様子をみる方法もあります。 これで蛋白尿がかなり低下する人もいます。

要するに腎生検をやらないと御質問の5項目(3番を除いて)に対して 何ともお答えしにくいということになります。

しかし逆に腎生検をやりさえすればすべて解決をするなどと期待してしまうとあとで がっかりすることもあり得ます。「今後のおおまかな予想が立てられる」 という程度だということは考えておかれた方が良いでしょう。 大切なことは「腎生検をやるかどうか」は医者が勝手に決めることではないのです。

腎生検をやることのメリットとデメリットとやらなかった場合の方策については 腎生検をやる医師から詳しく説明があるでしょうから、よく相談をしながら患者さん ご自身が決定されるというのがこれからの新しいやり方です。優秀な医師はそういう教育を 受け始めていますし医学教育のこの流れは変わらないと思います。今回ももう一度 説明を求められても良いと思います。もしもその説明を断られるようでしたら別の病院にかかられるよう にしたほうが良いでしょう。

かなり回り道をしましたが強いて申し上げれば 私からのサジェスチョンとしてはこの際腎生検は受けられたらどうでしょうか。 いろいろ悩んでいるよりも少しでも病気の状態がはっきりとしてくるでしょう。 腎生検はよほどのことがないかぎり一般的にはそれほど危険な検査ではありません。

どのように決断を下されたかかまた教えて下さい。

「ヘブンテン バーバー イラス」と言う病気だと言われるだけで説明をして下さらないのですが

会社の人から質問を受けまして、niftyなどを探したのですが分かりま せんでしたので、ここに質問させて頂きます。その方はA型肝炎と言われて入院したので すが、退院間際に「ヘブンテン バーバー イラス」という病気だと言われたそうです。こ の病名の意味をお医者さんが教えてくださらないそうですのでここに質問させて頂きます 。病名は聞いただけですので間違っているかも知れません。すいませんがよろしくお願いいたします。 インターネット上でこんなサービスがあるとは知りませんでした。今後もよろし くお願いいたします。 (96/10/23 00:25 静岡県 Kさん、患者さんご本人ご承諾済み)

(96/10/24)

メールありがとうございました。 もしかして「エプシュタイン バー ヴァイラス」とおっしゃったのではないでしょうか ? ホームページ上でお答えしたく思いますのでもう一度どのように誰が(医師本人? 看護 婦さん?)言われたかなど、症状、経過御心配な点など詳しく送っていただけますでしょ うか? ご覧に来られた方皆様に役立つホームページをめざしております。 ご協力宜しくお願い申し上げます。

足立先生

こんばんは。 先日は、早速のお返事ありがとうございました。  私は、先日、「エブスタン・バー・バイラス」という病名について質問した 000と言うものです。
>もしかして「エプシュタイン バー ヴァイラス」とおっしゃったのでは
>ないでしょうか?

この病名の質問がありましたのが会社の方でしたので、もう一度詳しく聞いて みました。  その先生は「エブスタン・バー・バイラス」と確かに言われたそうです。 しかし、「エプシュタイン バー ヴァイラス」と発音が似ていますので、 全く同じ病名だと思います−とのことです。  ということで、この病名は医師から直接言われたそうです。
 また、症状なのですが、病気の初期症状として、最初は38度くらいの熱が 出て、病院に行ったところ、肝炎の可能性があるということで、緊急入院して 経過を見たところ、A型肝炎の可能性があるということで一時期言われたそうです。  その後症状も良くなり、2週間後くらいには自宅療養して、症状も良くなり 再度病院に行ったところ、前述の通り病名を告げられたそうです。
 その後の経過は順調で、全く問題はないそうです。お酒は控えるようにと いうことだったとのことですが、今は適度にやっているそうです。また、病気の ため一時期できなかったゴルフも練習を始め出すなど、全く普通の生活に戻って いるそうです。

 この病名について、何度か先生に尋ねたそうですが、それについては回答が なかったそうです。"一時的なウイルスによる感染によるもの""再発の可能性は 少ない"とは言われたそうですが、病気についての詳しい説明がなかったそうで 是非どういう病気なのか気になっているので、と聞かれまして、質問させて頂いた 次第です。

 私が聞いたのは以上の通りですが、よろしくお願いいたします。

(96/10/28)

「ヘブンテン? バーバー? イラス??」という「病名」とのメールを初めて頂いたときは私もびっくりしました。
「中生代の白亜紀の恐竜の名前」みたいでもあるし「朝7時から夜10時まで開いている 床屋さんと関連した病気か?」など、症状をお伺いするまでは 全く検討もつかず、かなり悩みました。
最近は医師も 患者さんに説明をするときに難しい言葉はメモに書いて渡す方が多くなってきたのですが こういう先生もいらっしゃるのですね。「インフォームドコンセント」の大切さが叫ばれている中で 珍しいほうではないでしょうか。

本題に戻りまして「エプシュタインバーウイルス」とは英語ではEbstein-Barr virusと書き普通私たちはEB(イービ ーウイルス) と呼んでいます。
子供がかかる「水疱瘡(みずぼうそう)」やお年寄りの「帯状ヘルペス」、乳児の「突発性発疹」などの 病気を起こすウイルスに「ヘルペスウイルス群」と呼ばれるグループがありますがそれに属している ウイルスです。

「エプシュタインバーウイルス」は「伝染性単核球症」という病気の原因ウイルスとして知られています。御質問者もこの 病気だったのかもしれません。日本ではご心配には及びませんがこのウイルスはまた地理的場所により ガンと関係があることが知られています。中国南東部での「上咽頭ガン」、アフリカの「Burkittリンパ腫」などは このウイルスと関係があるとされています。日本国内ではこのウイルスとガンとの関連は見つかっていません。

「伝染性単核球症(infectious mononucleosis)」は発熱、咽頭痛、首のリンパ節の腫れ、場合によっては 肝臓肥大、脾臓肥大などが出て肝臓の病気との区別が必要になってきます。比較的若い人に多い病気です。
血液検査で「異形リンパ球」がみつかることが多く、一般にこれで診断されます。 このほか検査としては「Paul Bunnel反応」などが利用されます。

たまに肝臓や脾臓の腫れが何ヶ月も 残る人があり治療に難渋することもありますがほとんどの場合2−3週間もすれば治ってしまう 風邪のような病気です。日本ではガンとの関係も無く診断さえ合っておれば今後もご心配は要りません。

医師に手術を勧められましたが迷っています

00月にエコー検査で脾臓に石灰化を伴うwhite massを指摘され、精密検査を 受けました。

約1月半の後で、大きさに変化は、ほとんど無く、血流を伴う腫瘍状の物と の事でした。他の器官、血液検査、その他は全て、異常ありません。

医師は早く摘出した 方が良い、との事で00月00日に入院、手術と言う事に成っているのですが、わたしは 未だに迷いがあり、後暫くして再検をしてもよいのでは?と思います。その思いを医師に 告げると、爆弾を抱えているより早く取ったほうがよい、脾臓は無くても全く影響が無い 、と言われました。本当でしょうか、

このまま手術に進んで良いか不安です。日にちが迫っていますので、宜しくお願いします。

(96/10/27 21:41 C県 Yさん)

(96/10/27)

脾臓に出来る腫瘍としては「真性嚢胞」「仮性嚢胞」「血管腫」「リンパ管腫」「悪性リンパ腫」 「血管肉腫」などの他に「悪性黒色腫」、「悪性リンパ腫」「卵巣癌」からの転移などがあります。

このうち「仮性嚢胞」では石灰化や隔壁が見られることが 多いのですがこれは大きな外傷を受けたあとにみられる病気で、そういうことは無いのですね。

頻度が多い(よく見られる)ものは「血管種」です。「悪性リンパ腫」 「血管肉腫」や「悪性黒色腫」、「悪性リンパ腫」「卵巣癌」からの転移などの場合にはかなりの症状が 以前よりあり進行していることが多いです。

手術に対して「迷いがある」とのことですね。まず「病名」についてはお伺いになっておられるのでしょうか?
もしまだでしたら「エコーでの所見はお伺いしましたが所見の結果では主にどういう病気が考えられるのでしょうか」 「一刻も争うような悪性の病気の可能性はどの程度あるのでしょうか」ということはお尋ねになっておかれてはどうでしょうか。
普通はこういうことは手術の説明の時にお尋ねにならなくてもお話に出ていることが多いです。 もしも詳しく伺っておられない場合には「手術に疑問があるので」などという言い方は誤解を生じては いけませんので「0月0日手術の予定の患者ですが主治医の先生にもう一度詳しくお話を伺っておきたいのですが」と連絡を入れられては如何でしょうか?
普通は即座に再度説明の時間を設定してくれます。

万が一「この前説明したでしょう」などと 主治医が面倒くさそうに答えるようであれば(そういう病院は今ではほとんどありませんが)、私自身や 私の家族がそういう状態の場合は私でしたら即座に医者を変えます。

十分にお話を伺った上でご自身が納得された上で手術を受けられるのが原則です。 手術の危険性、手術によって良くなる点、手術のあとに予想される副作用など順序立てて説明をして下さるはずですのでよく伺ってください。不明な点は早めにお尋ねになることです。十分に伺った上では ご自身でしっかりと決断をなさることが大切です。手術を延期することによる 危険性も知った上でご家族とも 相談された上で手術を延期されることも自由です。

事実、ガンの告知をされても手術や化学療法をご自身のお考えで拒否されておられる方も いらっしゃいます。ご自分の体のことですので医師から十分に情報を得られたあとは ご自分の責任で判断されるのはご自身のためにも医師にとっても良いことが多いです。

蛇足とは思いますが「手術をやって欲しい」「やっぱり止めて欲しい」と方針を3回も4回も変えられるのは 手術予定を立てる上で他の患者さんにも迷惑がかかりますので避けましょう。
それからこれも蛇足かと思いますが 万が一予想される病気を尋ねられてもてきぱきと答えられないような先生から 手術を勧められているのでしたら考え直された方がよいのではないでしょうか。

昨夜脾臓の手術につき御質問をメールしたものです。

こんなに早く返事をい ただけるとは思っても居りませんでした。

ご多忙の中、時間を割いていただき有り難ござ いました。

お話の様にもう一度担当医に説明を求めたいと思います。

先生の先進的、献身 的な努力に敬意を表したいと思います。

事態の展開等、またメールさせていただきます。

(96/11/16 09:08)

脾臓の手術について御相談した者です。その後の経過を報告します。

アドバ イスに従い担当の先生と何度かお話をする時間を設け、考えられる病名、手術を延期する 事による危険性について質問しました。

病名については、”判らない しかし現実に腫瘍 は存在しており悪性でないと断言できない”。危険性について聞くと”手術というものに はタイミングが有るのです、延期して転移したら後悔しますよ。”と言われました。

万全 を期すためdataを貸していただき、第3者の医療機関での読影ならびに御判断をお願いし たところ、昨日診断を頂きました。

”病名 脾過誤腫 :良性疾患で有り、治療の必要はな い。健康人として行動可能である。”

・・・・・・私は、足立先生から教えて頂いたポイ ントより、どちらの診断がbetterr descisionである可能性がたかいかを自分で判断し手 術を中止しました。

このホームページでアドバイスして頂き、最もメリットを得たのは間 違いなく私自信です、しかし手術を奨めた医療機関も長い目で見ればメリットを受けたと 信じます。有り難うございました。

咳が長引きます

風邪をひきその後熱はなくタンが絡むセキだけが治りません。いたってその 他は元気で、食欲もあり体調も良いのですが・・・どこか悪いのでしょうか? 仕事上時間が無く病院に行くより近くの薬局で購入する薬にたよっています。た だ、正直薬局屋さんの意見だけでは不安があり、このような相談ができる事はとても安心 です。(96/10/15 16:34 東京都 Sさん)

(96/10/24)

「熱」や「痰」などの他の症状もなく食欲もあり体調も良いのに「咳」が長引くことがあります。

こういう場合にはたいがい,「気管支の炎症が治らない内に咳がでてよけいに気管支を痛めつけ それでまた気管支炎を起こす」という悪循環をくりかえしていることが多いです。

出来るだけ安静にして暖かい水分や栄養を十分に摂ることが大切です。咳止めや原因に合った抗生物質も 役立つことが多いです。

一般的には上記のとおりですが長い間咳が続いている人の中に「結核」や「肺ガン」が みつかることがあります。おおよその目安として2週間以上咳が続くときには最低 胸のレントゲンの検査などは受けるようにするのが良いでしょう。

胸が痛い

最近 右胸上部がジクジクと痛みます。特に呼吸をすると息苦しくなるよう な痛さです。仕事上 肩こりなどもひどいのですが、原因はなんでしょうか?背中のヘキ が痛かったことは今まで度々あったんですが・・・、ご返答よろしくお願いします。
こういうホームページがあって本当にうれしいです。忙しくてなかなか病院にも 行けず、悩んでいました。(96/10/21 16:54 熊本県 Kさん)

(96/10/24)

胸、特に肋骨周辺などがはっきりとした原因もないのに痛むことは比較的よくあります。

レントゲン,血液検査から場合によってはCTなどでも調べるのですが特別な病気がみつからず自然に治ってしまいます。 若い人の場合「Tieze氏病」などと呼び肋骨周囲特に軟骨の炎症と考えられるなどしますが必ずしも 若い人や肋軟骨周辺のみとは限らないようです。一旦出た痛みが次第に良くなっていくような場合には そういう状態が考えられます。

問題は原因があって痛みが出ている場合です。知らない間に「肋骨(あばらぼね)の骨折」を起こしていたり,「自然気胸 」と言って肺が破れていたりはては「癌の転移」が出来ていて痛んでいたりする場合などです。

ゴルフをやっていて肋骨を骨折される方もいらっしゃいますしご本人が全く知らないうちに肋骨の骨折を されていたケースも最近ありました。

「自然気胸」は痩せた体格の若い男の人でトランペットなど力を入れて息を吹く機会が多い人に みられるもので肺が破れて息が苦しくなる状態です。大きく破れている場合には胸に管を入れるなどの 処置が必要です。

特に中年以上の人で原因不明に胸が痛み,それが段々と強くなってくるようなら「癌の転移」なども 考えなければなりません。

上記の他にも「胸膜炎」などこわい病気の隠れている場合もあり得ます。ご質問者の場合「特に 呼吸をすると息苦しい」と書かれているのが気になります。どんどん悪くなっていくような時には 躊躇せず病院で診察を受けましょう。

「目の隈」の原因

目の下の隈がとれません。色は赤みを帯びていて内側(鼻側)にでています。 年齢は27ですが,3〜4年までから気になり始めました。疲れやすい体質で,特に疲れた 日には足に浮腫が出て靴下のゴムの跡がつきます。また肩こりも多く,背中がこるような 感じもします。大学院の学生でパソコンも使いますが,それほど忙しくはありません。健 康診断の結果では特に異常は無いとのことですが,気になります。原因は何なのか教えて ください。よろしくお願いします。(96/10/23 13:11 東京都 Hさん)

(96/10/23)

単なる「そばかす」,医学的には「雀卵斑(じゃくらんはん)」と呼びますがそういう感じでは ないのですね。

それから お送り頂きましたメールのお名前からすると男性のようでもありますのもしご本人でしたら可能性は低いのですが 文面の様子は「肝斑」にも似ています。

「肝斑(かんぱん)」は目の下,頬の上などの顔面に左右対称に不規則な形で地図上 にでてくる褐色の色素斑です。
殆どが30歳以上の女性に出るものです。痒みや赤く腫れたりすることもありません。日光に当たると 悪くなる傾向があります。女性ホルモンの作用が原因ともいわれています。
「経口避妊薬」や「ヒダントイン」という痙攣の薬を飲んでいて出る人や、肝臓の病気があって出る人もいらっしゃいます。
サンスクリーン剤で日光を遮断したり過労を避けると広がるのを防げ, 場合によっては自然に治ってしまうこともあります。
病院ではビタミンC,グルタチオン,アゼライン酸,コージ酸,ハイドロキノン,ビタミンA, ステロイド、トラネキサム酸など種々の薬が用いられます。場合によっては奏功しますが特効薬はありません。

始めに述べた「雀卵斑」の場合にもサンスクリーン剤が役立ちます。美容外科ではレーザや液体窒素で 処置してくれるところもあります。アメリカではビタミンA酸を該当部に塗ったりもします。

この他に「アジソン病」という副腎からのホルモンの分泌が低下する病気でも皮膚の一部が黒くなります。「疲れ」が大きな症状の 病気で疲れやすい体質でしたら そういう方面からのチェックも必要です。 ホルモン検査をしない普通の健康診断では「異常なし」と言われてしまう場合もあります。

初めの受診科は皮膚科が良いでしょう。

もし可能ならカラー写真をお送り下さい。お答えの参考にさせて頂きます。

スポーツ心臓

スポーツ心臓に付いて教えて下さい。11年程前からジョギング/バドミント ン等のスポーツを定期的に行っています。フルマラソンのタイムは3時間30分です。実 は先日の人間ドックで心不全の診断を受けました。再検査で負荷心電図/心エコーを実施 しました。その結果,心臓壁の厚みは15mm程度あり,またある一定以上の負荷でノイ ズは無くなりました。不整脈は有りませんでした。 1)このままスポーツを続けていて も良いのでしょうか。 2)スポーツを止めたら影響はあるのでしょうか。 3)私の心 臓肥大の原因に病的要因はありますか 。 以上に付いて教えて下さい。宜しくお願い致します。NTTページの医療関係で到達。 この様な素晴らしい先生に3日目で出会えまし た。(96/10/16 22:52 山梨県 Kさん)

まず(3)からお答えしますが心臓壁の厚さが15mm(正常は8mm程度)もあるの でしたら 一般の「スポーツ心臓」の程度を越しています。むしろ「肥大型の心筋症」や血圧その他何らかの病的状態の検索が必要です。

(2),(3)の「今後どの程度のスポーツをやっていくのが適切か」については その病的状態の種類と程度に依ります。
具体的な運動量については「心肺運動負荷試験」というのを行って決めるのが正式なやり方とされていますが 脈拍などを基準にする簡便法が使われることが多いです。

ご質問された方の場合にはまずは「心不全の程度」を判定してもらうことが先決です。場合によっては 「カテーテル検査」ではっきり判定できることがあります。

「潰瘍性大腸炎」の薬の副作用

潰瘍性大腸炎でサラゾピリンを服用しているが子供がほしい。薬の副作用は? 医療機関では一応問題ないとの事ですが (32才.男 96/10/19 20:55)

「サラゾピリン」には「精子減少症」の報告があります。可逆性で2ー3ヶ月休薬すると 元にもどったとのことですがもしも子供が出来にくいとのことでしたらこの可能性も検討すべきです。

泌尿器科で検査をしてくれます。

アトピー性皮膚炎のときの「脇の下のしこり」は手術が必要なようなものでしょうか?

先日アトピー肌用の保湿剤の質問をした者です。質問回答集を読ませていただいた 中にリンパ節にしこりがある方がいましたが、わたしも、右脇の下に、大豆ぐらいの大き さのしこりがあります。半年ほど前にアトピーが脇の下にできて、掻いたときに見つけま した。痛みや違和感はありません。やはり病院に行った方がいいのでしょうか?その場合 、何科に行けばよいのでしょう。手術は必要でしょうか?よろしくアドバイスお願いします。(96/10/20 21:08 32歳女性)

アトピー性皮膚炎の場合「黄色ブドウ球菌」とか「連鎖状球菌」などの 常在菌(普通の皮膚にも存在する菌)の感染を受けやすくそのためにその付近のリンパ節が 腫れることが多いものです。「大豆くらいの大きさのしこり」というのはおそらくそのうちの ひとつではないでしょうか。

もっとも区別しないといけないのは癌など悪性腫瘍やその転移(跳んできたもの)ですがその場合にはどんどん大きくなったり 硬さもかなり硬く周りの組織と癒着をしているなどの特徴があります。 大急ぎでというわけではありませんが かかりつけのお医者様に診察だけは受けておいて下さい。恐らく大丈夫です。よほどのことがない限り手術 などということはありません。

ビールを飲むと顔が赤くなるのですが?

最近ビールなど酒類を飲むと肌が斑に赤くなるのですがどういう事でしょう か、以前は赤くはなりましたが斑にはなりませんでした。徹夜の仕事が多く寝不足も関係 あるのでしょうか?私は飲むとすぐに赤くなるほうです、よろしくお願いします。 (96/10/15 16:24 神奈川県 Kさん)

「飲むとすぐに赤くなる」のは血管を拡げたり狭くしたりする「血管運動神経」 という自律神経の一種のアルコールに対する体質によるものです。

「最近はまだらに赤くなる」ということですね。ある程度の「かゆみ」も伴うようでしたら「蕁麻疹」 が徹夜の疲れや寝不足をきっかけに出てきた可能性もあります。

これ以上無理をしてはいけないという体からの警告ととらえて休養をとるようにしましょう。

相談に答えていただき本当にありがとうございました。 私は病院にはあまり行かないほうなので病院に行って相談するのは 苦手です。 私の相談みたいな事でもわかりやすく親切に答えて頂けるのは大変うれしいです。 離れていても相談できるインターネットならではの事だと思います。 これからもがんばって下さい。 どうもありがとうございました。

「ベーチェット病」についてメールで相談に乗ってもらえますか?

Dear Mr. Noriaki Adachi: My name is 000000. I am an Assistant English Teacher in 000000-Town,000-County, Kanagawa-Prefecture. At the moment we have several people from my home town in Canada visiting us. One of these ladies has Behchet's disease. She was told via doctors and e-mail friends in the U.S. that there was a much higher incidence of Behchet's in Japan than in North America. She is hoping, therefore, that she will be able to find a little more information about new treatments or research that the Japanese medical community may have developed. I asked a Japanese friend to do an internet search for Behchet's and your homepage came up. I hope that you don't mind me writing to you. If you have the time, she would like to know of any hospitals or clinics here in Japan that specialize in treating this disease. She is currently on hormones and steroids. Any advice you can offer her would also be greatly appreciated. She will be here in Japan until October 28th, so if you can reply before that time so that she can possibly visit or contact any special hospital in Japan during her stay. Until the 28th please send your response to me at 0000000.com. If you cannot do this before this time, please contact her through her e-mail address: 0000@0000.com. Her name is 0000 0000 and she is a 58 year old retired Registered Nurse. Thank you in advance for any assistance you can give us. Yours, 000000 00000(96/10/18 20:39)

(96/10/20)

Thanks for your mail.
It is my hobby and quite an easy routine task for me to answer on homepage. On the contrary, it is an extrawork to answer each person one by one by e-mail and it easily makes my routine work complex and slow. Moreover an e-mail can help only one person. On the otherhand, homepage might help a lot of people all over Japan and the world if I answer once.
So, I would rather like to answer on my homepage and this is the reason why I do not answer by e-mail.

I am happy to answer to the mails written in English. If you do not mind it is quite comfortable for me that you find a Japnese friend or volunteer who is kind enough to explain clearly the system and the content of my homepage /qabyouki.html and /2qabyouki.html to the Canadian lady. "Byouki" means a disease in Japaese.

In Kanagawa-prefecture "The 3rd Internal Medicin in St. Marianna Medical Colledge" is one of the most famous group for the clinical work of Behcet disease in Japan.
I do not think that any particular special treatment method for this disease exists in Japan which is not known to the doctors in other countries.

Please keep looking this homepage and you and your friends will find more information of many diseases including Behcet disease.

(申し訳ございませんが,お一人の方のみに役立つメールでのやりとりよりもたくさんの方が参考に できるホームページ上でのお答えにむしろ時間を削きたいと考えていますのでご了承下さい。)

「肺炎」で入院しました。 退院後気をつけることを教えて下さい。

肺炎で2週間程入院したのですが、 その後の治療(自分で気をつけるべきこと )を教えてください。尿酸値、γ-GTPが高いです。 (愛知県 Lさん 96/10/17 19:01)

(96/10/18)

退院されてからも健康に気を付けようとなさる良い心がけの ご質問で心から応援したくなりお答えを書いています。

ご退院になったと申しましても病後のお体ですので決してご無理をなさらないで徐々に平常の生活に 戻していくようになさって下さい。肺炎を起こしたところの再発が稀にみられますのでもしも咳や痰がまた出るようなことがあれば 早めに入院されたところに連絡をして診てもらうようにしましょう。

食事もビタミン、ミネラルの豊富な野菜,海草類と良質の 蛋白質を毎食少しずつ取り入れて体力の回復を助けるようにします。

「尿酸値」が高いとのことですがモツ肉,ウニ、イクラ,ビールなどはひかえてあっさりとしたものを 中心に献立を考えて下さい。尿酸は「痛風」の原因になります。「痛風」については10月1 日のご質問と回答も参考になさって下さい。

「γ-GTP」はアルコールを多く摂る方や肝臓の病気の方で高い値になりますがいかがですか? アルコールは節度を守り、もし値がかなり高い場合には肝臓のエコー、CTなども 含めての検査もなさっておかれてはいかがでしょうか。

肺炎で入院されてこれをきっかけに健康に気をつけようとされる そのお気持ちをいつまでも大切になさって下さい。

「原発性硬化性胆管炎」について教えて下さい。

小生47歳の外科医です。1992年より原発性硬化性胆管炎に罹患しております 。最初は無症候性でしたが時々年3-4回位胆管炎の発作があり(この間文が抜けている?)を繰り返し今年の10月に一過性の黄疸が出現しました。専門の医師をご存じなら紹介 してください。(東京都 K先生 96/10/14 19:47 )

(96/10/15)

こちらの技術的不手際の為と思いますが途中ご質問文が飛んでいるかもしれません。申し訳ございません。

今回は外科ご専門の医師からのご質問ではありますが、この Web サイトをご覧になっておられる一般の方へご参考の為も含めて病気の解説も簡単に書き加えてお答えします。

原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis、PSC)は胆道の炎症性硬化性病変により「黄疸」時に「全身掻痒感(かゆみ)」「腹痛」なども示す20-50歳の男性に多い非常に珍しい病気です。

日本国内では1965年に初めての報告がありその後も散発的に報告が見られるのみです。

検査所見としては血清中のアルカリフォスファターゼ値の明らかな上昇、ERCPやPTCといった 胆道を写し出す検査法であちこちで胆管が狭くなったあたかもビーズを連ねたような像が 見られ、肝生検では "fibrous obliterative cholangitis"の所見が特徴とされています。

この他に肝組織や尿中の銅の量やセルロプラスミンという血液中で銅を運んでいる蛋白質が増加していることや血液中の好酸球の増加も参考になります。

「潰瘍性大腸炎」「後腹膜繊維症」「Riedel甲状腺腫」「シェーグレン症候群」などとの合併症例の報告があります。

治療としてはステロイドやコレスチラミンなどが使われますがなかなか特効薬というわけには いきません。

ご質問の専門の医師ですが先に述べましたように非常に珍しい病気ですので治療経験が豊富な医師を 探すというよりも肝疾患一般に関する診療レベルの高い施設でご相談されるのが良いと思います。

都内でしたら東京大学第二内科が肝疾患の治療実績は広く知られておりますしこの他 、国立がんセンター中央病院消化器外来部、順天堂大学消化器内科、国立国際医療センター消化器科などが定評があります。個人的に知っている医師もおりますので状況によりましてはあたってみます。

先生はご専門が外科のようですが諸外国ではPSCに対して外科的にアプローチされているようですね。 Pittらによるcholedochojejunostomyでは平均4年のフォローアップで良好な成績ですし、 Cameronらは総胆管狭窄部付近の切除拡張術後ステント挿入しhepaticojejunostomyを行うなど いろいろと工夫をして良い結果を出しています。この他に外ろうからbaloon catheterを挿入する方法 も試されているようです。本邦の肝臓外科の経験豊富でしかも先駆的な仕事をやっている専門医をMEDLINEなどの検索から探すのも良いかもしれません。問題点ございましたら又是非ご連絡下さい。

外科の先生とのことでさぞかしご多忙で長年の間患者さんの為に日夜激務に耐えてこられたことと存じます。暫くは十分に休養を取られて御自分の病気の回復に専念されてはいかがでしょうか?あまりお役にはたてませんが一日も早い御回復を心からお祈り致しております。

「慢性蕁麻疹」について教えて下さい。

(96/10/ 9 15:00 神奈川県 Tさん)

慢性じんましんと診断され皮膚科に現在通院しています。初めて出たのは今から 3ヶ月前で、それ以前は全く症状はありませんでした。ある日突然あらわれ現在まで続い ています。圧迫や摩擦を受けるとその部分がポツポツと赤くなります。何もしていなくて も出るときもあります。どのような治療を受ければ以前のようになんでもない状態に戻れ るのでしょうか?また、慢性じんましんとは治るものなのでしょうか。慢性じんましんに ついて詳しく教えて下さい。病院では投薬と注射を受けています。最後に食べ物が原因で なはと言われたのですが原因はどの ようにすれば分かるのでしょうか。ぜひ教えて下さい。検査は、血液検査及び尿検査です。 念のため肝臓機能,腎臓機能も検査してもらいました。 結果は、すべて正常でした。 内臓が原因ではないそうです。 じんましんが出る直前まで、厚着をして運動をしていました。 かなりの汗をかいていたのですが、 それも原因のひとつとして考えられるでしょうか? 運動を始める前は全くじんましんの症状はありませんでした。 回答よろしくお願いします。

(96/10/12)

メールにお書きになったような症状 で、その上に痒みが強く皮膚の上に膨らんで出たり消えたりを繰り返している状態なら、しかも皮膚科の専門のところで「慢性蕁麻疹」と診断されたとのことでしたら診断はまず間違いないでしょう。

なかなかやっかいな病気で皮膚科の中でも蕁麻疹をご専門になさっておられる先生のところでも原因が はっきりするケースはむしろ少ないくらいです。

蕁麻疹の原因は アレルギーが直接関係している場合とそうでない場合とがあります。

具体的な原因としては,食物(食品添加物なども含む),ダニ,真菌,ペットなど,薬物,機械的刺激,温熱,寒冷,日光,虫歯,扁桃腺炎などに関係したもの,その上精神的な原因などが考えられています。

普通、1ヶ月以上繰り返しが続くものを「慢性蕁麻疹」と呼んでいます。

検査としては「RAST法」と言って採血だけで簡単に出来るアレルギーの原因を探す方法があります。 原因の目星がついているときには役に立つことがあります。しかし「慢性蕁麻疹」の場合にはなかなか 原因を探し出すことは難しいです。先程も書きましたように「虫歯」「扁桃腺炎」などはもしあれば ちゃんと治しておきましょう。稀には「自己免疫疾患」や「悪性腫瘍」が原因になっていた というようなこともありますので単なる血液での「肝機能」や「腎機能」の検査だけでなく胃カメラなど内科的な検査もしっかりしておきましょう。

「機械的刺激」、「厚着」、「運動」、「発汗」なども原因やきっかけになります。その他ダニ、薬物など原因となりうるもの全てチェックして避けれるものは避けるようにします。
そのためには きめ細かく相談に乗って下さる先生につくのが得策です。

薬としては「抗ヒスタミン剤」や「抗アレルギー剤」の内服や抗ヒスタミン剤やステロイド剤の塗り薬を 使用します。ステロイド剤は「顔には使わない」、「2週間以上連用しない」ことを守るように こころがけましょう。

注射薬としては「強力ミノファーゲンC」というのが使われることが 多いです。私はどうしても良くならない患者さんに「ヒスタグロビン」という注射薬を使って 良い結果が出たことがあります。毎週1回7週間連続注射をしました。

お忙しいところご回答ありがとうございました。 しばらく現在通院している病院で根気よく治療を続けてみます。 慢性じんましんというのは、足立先生を始め、現在通院中の病院の先生、 医学書(家庭向け)、みんな同じようにやっかいなものだと言っています。 あらためて、本当にやっかいなものだと痛感しています・・・ また、何かありましたら相談させていただきますので、 その節は、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、失礼します。 

「顎関節症」について教えて下さい。

最近、顎が開かなくなることがあり、無理に開けようとすると痛くて、顎の 関節がはずれそうな感じがします。「顎関節症」ではないかと思うのですが、もしそうだ としたらどんな弊害があるのですか。また、病院の何科にいったら良いのか教えて下さい 。

bteigen=とても良い企画です。ただ、ベージをもう少し目に優しい色にするといいと思い ます。

(96/10/ 9 15:16 Iさん)

(96/10/09)

おっしゃるとおり「顎関節症」の症状と似ています。

「顎関節症(がくかんせつしょう)」は原因は,必ずしもはっきりしておらず,歯のかみ合わせ(咬合)の異常や精神的ストレスが関係しているとも考えられています。感染や炎症ではないとされています。

顎(あご)の関節や顎を食いしばる筋肉やその周囲のすじ が痛くなったり、口の開け閉めをするときに音がしたり、下のあごの動きが不自由になるなどの 症状が慢性的に出ます。これらの症状自体が弊害です。しかも、この他に「頭痛」,「眼の痛み」や「めまい」,「耳鳴り」 や「耳がつまる感じ」,「頚部や肩の凝りや痛み」,「動悸」,「息切れ」,あるいは「手足のしびれ」,「腰痛」や「膝関節痛」などの全身的症状を伴う人たちが多く、この病気と関連している可能性があります。

診断は臨床症状,レントゲンなどによりますが,MRIや造影CT,断層撮影で詳しく調べることもあります。

治療は対症療法として,鎮痛薬,筋弛緩薬,あるいは精神安定薬の服用,温湿布,赤外線照射などの理学療法を行います。また,大きく口を開いたり硬い食品を摂取することを避けるようにしましょう。開口訓練,筋弛緩訓練などが役に立つことがあります。

精神的ストレスが関係している場合には,適当な気分転換などによってストレスを取り除く努力も 大切です。カウンセラーの指導が役立つこともあります。

 理学療法(低周波マッサージ,温湿布など)のほか,「スプリント療法」を行います。実際に入れ歯を 入れて治すこともあります。

この他に顎の関節に関節注射をしたりレーザーを使ったりする 手術を行うこともあります。

専門科は「口腔外科」です。横浜市の鶴見大学歯学病院などは「顎関節症」に積極的に 取り組んでいることで知られています。

バックグラウンドの色を変えてみました。ご覧頂いたときはどぎつい緑色でしたね。少しはましになったかと自己満足しています。これからもよろしく。

10/9に「顎関節症」についての質問をした00です。
丁寧な回答をありがとうございました。 どんな病気なのか、何の病院に行ったらいいかもわからず困っていました。 物が噛めないというのは恐ろしいことですね。
初めて顎が開かなくなったときは、このまま一生流動食かと思ってしまい ました。歯の場合は入れ歯という方法もありますが、顎が動かないと 致命的ですね。
さっそくページの色を変えて下さって、見やすくなりました。 お忙しいところ本当にありがとうございました。 これからもよろしくお願いします。

妊娠中のおたふくかぜワクチンの接種による胎児の影響

妊娠中のおたふくかぜワクチンの接種による胎児の影響について教えてください。おたふくかぜの抗体がないと診断されたため、ワクチンを受けたのですが、後で妊娠し ていることがわかりました。胎児の影響について教えてください。(96/10/ 6 14:50 Sさん)

(96/10/09)

通常は妊娠またはその疑いのある場合には 生ワクチンは行いませんので実例は極めて少ないと考えられ安全とも危険とも言いきれません。

妊娠中にかかると奇形児を出産する可能性が高い病気として、「風疹」「トキソプラズマ感染症」 「サイトメガロウイルス感染症」「ヘルペスウイルス感染症」などがありますが「おたふくかぜ」は これらの病気ほどは奇形児出産の可能性は高くはないと考えられています。

妊娠初期の危険な時期におたふくかぜになった場合には、以前に胎内感染で「心内膜繊維弾性症( しんないまくせんいだんせいしょう)」という心臓の病気をおこすのではないかと問題になったことはありました。しかしその後そのようなことは多分ないのだろうということになりました。現在のところ妊娠中のおたふくかぜが先天異常をきたすという確実な証拠は ありません。

しかしワクチンがどの程度安全かという問題とは別ですのであくまで参考になさって下さい。

ワクチンの危険性についてわずかの情報でもどうしても知りたいとのことでしたらまずワクチンを打ってもらったところで 尋ねてみるのはどうでしょうか。満足した答えが得られない場合にはどこの 製薬会社の製品かを尋ねてみるのも一つの方法です。現在数社で製造扱っていますのでそれによっても違って 来るからです。製薬会社に連絡をすれば速やかに丁寧に自社製品について調査を してくれるはずです。その結果はワクチンを接種した医師を通じて情報提供してくれるでしょう。但し 先に書きましたように「過去にそういう例がない」という答えが返ってくる可能性は高いです。

「めったなことは無いのでは」というのが私の感想ですが「初めての赤ちゃんなのかどうか」など いろいろなことを総合的に考えねばならず、かかりつけの産婦人科の先生と良くご相談下さい。 新しい情報が入りましたら私もこのページに追加掲載致します。

「おたふくかぜ」のワクチンを打ったあと3週間前後の無菌性髄膜炎の発生は現時点では1200人に1人の割合と されています。これ以外には「おたふくかぜ」に似た「耳下腺の腫れ」が2ー3%に、他にはまれに風邪のような症状が出ることがあるだけです。

最後に 「おたふくかぜ」は不顕性感染といって感染をしていても ご自分では気がつかれていないことも以外と多く30%から40%と考えられています。ですから 日本人の成人の90%は既に抗体を持ち,実際のところほとんどの人が気がつかなくても「おたふくかぜ」にかかったことがあるわけです。

これらの点については過去の質問の「妊娠中の「おたふくかぜ」の予防接種は安全でしょうか。96/09/04」もご参考になって下さい。

腹部大動脈瘤破裂と合併症について

はじめまして、00と申します。 わざわざメールご返事頂きましてありがとうございました。 先生のHPにてご相談しようとしましたら、操作をミスして 空の情報が送られてしまったものと推測致します。 ご相談させて頂きたかったことは下記の通りです。

腹部大動脈瘤破裂と合併症について(長文です)

(経緯)

去る8月末に私の母(76才)が腹部大動脈瘤破裂で緊急入院し、 6時間にわたる大手術の上、無事手術は成功致しました。(人工動脈)

しかし動脈瘤が破裂した部分が腎臓の付近であったため、当初は急性 腎不全による浮腫(肺水腫等)、肝臓や膵臓の不全(黄疸)、肺炎などの 感染症と数々の合併症を併発しながらも、なんとか持ちこたえることが 出来ました。1ヶ月程ICUにおりましたが最近ようやく回復室から 一般病棟に移ることが出来ました。浮腫の頃は肺に水がたまるためて 自力呼吸できずに人工呼吸器が必須でしたが、気管切開方式に変えて からは本人は呼吸が楽になった模様です。今は切開した部分も閉じて 普通に自力呼吸できています。腎不全も自尿が1500ml/日以上 出るようになり透析は離脱できた模様です。

(問題)

鼻から胃に管を通して流動食を与えてもらっていますが、しばらくする と大量に流動食を嘔吐してしまうのです。流動食を与えなければ嘔吐は しません。腹部をX線間接およびCT撮影を行っていただいた結果、 十二指腸と小腸の間が極端に細くなっている(少し隙間あり)ことが 判明しました。病名はまだわかりませんが腸閉塞らしいのです。 最近、内視鏡でも検査してもらったのですが検査結果はまだ聞いており ません。

(不安、心配なこと)

腸閉塞などの病気の場合は手術をしないと治療ができない場合が あると聞いたことがあるのですが、母の症状から腸閉塞ではないかと 思っています。(主治医の診断はまだ聞いておりません)

もし、手術をするとなると入院中の母にはそれに耐えうる体力が ないと思えるのです。体力を付けようにも流動食は吐いてしまうし 高栄養の点滴だけで体力が付けられるものなのでしょうか。 手術しなくても治療できる手だてはあるのでしょうか?

今まで、色々な山場を乗り越えて高齢ながらも生き抜いてきた母を 思うとまた難題がふりかかってとても不憫でたまりません。 今、母は点滴と少しずつ口から何回かに分けて柔らかい食物を食べる ようにしています。(胃にたまらないように) 自然に直れば一番いいのですが、困ったものです。 また、1ヶ月以上もICU室にいたものですから少し痴呆がある 模様です。ICU症候群とかいうらしいのですがどんな病気なの でしょうか。

お忙しいところ、とりとめのない長いお話をさせてもらって 感謝しております。つきましては、先生のご感想などをお聞かせ 願えませんでしょうか。色々なケースがあるとは思いますが 一般的なお話で結構ですので宜しくお願い申し上げます。(96/10/ 5 01:36 Sさん)

ご心配の様子がひしひしと伝わって来るようです。

腸閉塞というのは2種類あって癌などで腸管が詰まってしまい手術しないといけなくなるもの、 もう一つは腸の動き自体が悪くなるもので大概は点滴や薬で治ります。

ICU症候群は手術の後に人工呼吸などのたくさんの機械に囲まれてショックを受けて一時的に 精神障害を起こす状態で穏やかに家族面談を繰り返すなどで時間とともに治ってしまうものです。

メールを拝見していますと,ご専門の先生方からちゃんとした医療を受けておられるように感じました。 出来るだけこまめに病院に足を運び,主治医の先生から遠慮なく詳しい説明を受けられるようお勧めします。 ご家族の方が患者さんの病態や検査・治療について説明を受けるのに決して遠慮は必要ありません。 昔とは違い良い医師は喜んで応じてくれるでしょう。

0000ーーーネット東京です。

先日、「腹部大動脈瘤破裂と合併症について」という件について 相談させていただいた OOです。早速、先生のHPを覗かさせて もらいました。うれしいやら、なんかちょっと恥ずかしいやらで 興奮しています。(^^;)

 先生のご指摘の通り、主治医の先生は手術は行わず様子を見ながら 薬で治療を行うとのことです。(癒着ではない模様)

また、ICU症候群についてもわかりました。ICUにいた頃は家族の 顔を見ても色々な人と混同していましたが大部屋に移ってからは 徐々によくなってきています。

ただ気掛かりが一つありまして(贅沢でしょうか?)大変わがままで 家族の付き添いや看護婦さんのいうことをあまり聞かないのです。 先生の言うことはきくようですが。(^^;)

 あの大手術からここまでやってこれたのも主治医の先生や、看護婦さん 付き添った家族の協力があってこそだと思います。

普段あまり気にしていなくても、このようなことが起きると「健康」という ことに気をつけたくなります。人間なんて現金なものでしょうか?

私自身も本態性高血圧、肝血管腫、脂肪肝、胆石症、眼か腫瘍(目の奥)による 視野障害、と色々と通院加療中ですがこれ以上増やさないよう健康には 今後も気を付けていきたいと思います。

足立先生、これからも病院の先生のみならず、インターネットなどの ニューメディアを使った新しい医療分野の展開に期待しています。 頑張ってください!!

(東京都 Sさん 96/10/ 8 01:09)

 

乳児のヘルペス

11ヶ月の乳児ですが、生後まもなくヘルペスにかかったようで、私達がき ずいたころは、自然に直ったようですが、最近、又、首の横に出できて、これも自然に直 ったようですが、ヘルペスとはどんな病気か教えてください。(96/10/ 4 03:16 愛知県 Iさん)

「単純性疱疹(たんじゅんせいほうしん)」のことで普通は自然になおります。単純ヘルペス(ふつうはその1型)ウイルスが原因です。 初めは接触感染をして神経を通じて侵入し 脊髄の近くに住み着いてしまいます。疲れたり、風邪を引いたりすると出てきて皮膚に小さな水ぶくれを こしらえます。ですから俗に「風邪の華(はな)」などと言います。

ほっておいてもなおりますがイソジンという消毒液を塗ったりスタデルム軟膏というのを使ったりします。 特別重症な場合にはヘルペスウイルスを殺す働きのある抗ウイルス薬を使うこともあります。

お年寄りによく見られる「帯状ヘルペス(疱疹)」は子供がかかる「みずぼうそう(水瘡)」と同じウイルスが原因ですので別のウイルスです。(96/10/10改編)

乳児のヘルペスの回答ありがとうございました。これからも頑張ってください。 すばらしいホームページです。

B型肝炎の予防接種の安全性

今度、B型肝炎の予防接種を受けることになったのですが、危険性はどのく らいあるのでしょうか。私は小学生の時にインフルエンザの予防接種を受けたときに、熱 をだし、2回しか受けたことがなく、予防接種を怖がっているところがあるので、お忙し いと思いますが、お答えください。(96/10/ 6 08:27 神奈川県 Tさん)

B型肝炎の予防接種にははゼラチンが入っているものもありゼラチンアレルギーにたいする注意が必要との意見がありますがたくさんある予防接種のなかでも安全性の高いものと感じています。

私たち病院に勤めるものにとって,患者さんの血液からの感染を防ぐために看護婦さんなど受ける人が多く なじみの深い予防接種で、私の周囲で問題が起きたことはありません。

私が安全性をここで保証するわけにはいきませんのでここに書いた私の意見を参考に予防接種を受けるところで よく相談をして最終的には決めて下さい。

臀部の紫色の湿疹?

はじめまして 私、00 0と申します。 ホームページのフォームで書き込んでいましたが、長くなってしまいましたので、こ のようにメールさせて頂きました。 宜しくお願い致します。 実は、小学校の頃から少しずつおしりの部分から広がって、今は太ももの後ろ全体ま でになってしまった皮膚の炎症というか湿疹がひどくなり、それぞれが紫色ぽくなっ てしまっていることでずっと悩んでいます。 季節の変わり目や、きつ目の衣類や椅子で刺激を与えてしまうと化膿ぽくなり、腫れ て血膿みが出てしまう症状を繰り返して来ました。出来るたびに後が紫色になって、 残ってしまい結局今は太ももの後ろまで来てしまいました。以前も何回か皮膚科や内 科や婦人科へ行って見ましたが、いっこうに治ることも出来ずに、原因もはっきりと は解っていません。ただどこへ行っても、アトピーと診断をされたことは一度もあり ません。それと関連しているかは解りませんのでお聞きした点でもあるのが、私の父 が実は今年糖尿病からの末期で最後目は見えなくなり、腎臓も悪くなって透析を受け 、結局心不全で1月17日に亡くなりました。 この父が、中学生の頃、やはりおしりだけですが私に似た症状になっていたそうです 。でも成人してからは私ほどはひどくならなかったそうですが。 私は一人娘です。以前行った病院の中で、名古屋の産婦人科で、父の話はしていない のに、誰か両親のどちらか糖尿病のかたいますか?と直ぐ聞かれたことを覚えていま す。これは父のことも関係しているのでしょうか? まめに、糖尿に関しての検査は受けていますが、今の所は一回も糖も出ていないし、 疑いもないといわれてきました。 あとは、去年は腰椎からの椎間板炎症でカイロ的な治療にずっと通っていました。今 はもういたくもなくなりました。 もうずっと夏も水着がきれなくなってしまいました。 最近はあまり部分を刺激せず、涼しくムレないようにストッキングも短いのにしたり しているせいか、膿むことが少なくなりましたが、紫色のしこりは腫れる場合はまた 同じ部分が腫れてしまいます。 本当は写真で見ていただきたいほど、つらいです。 どこへ行って見ていただいたらいいのかも、もう解らなくて悩んできました。早く治 療をしなければいけないのなら、と思い考えてしまいます。 どうかお力をかして下さい。お願いいたします。 お返事を宜しくお願い致します。 (96/10/5 10:41 Fさん)

「母斑症(ぼはんしょう)」特に「青色母斑」の「細胞型」という皮膚の病気は臀部にできることがあり硬い結節を作ったり広く広がることがありメールの内容とは合致する点が多いです。しかし、極めて稀な病気で大学病院の皮膚科でも殆ど診ることがありません。

むしろ普通の湿疹が長引いている方が可能性は高いようにも思います。いずれにせよしっかりと診断して下さる皮膚科で診察を受けなければなりません。

色がその時期によってかなり変わって 単なる湿疹のようならば近くの皮膚科でステロイドをはじめ徹底的に治療してもらうと なおるかもしれません。単なる湿疹ではなく、色がはっきりとしているのならばかなり特殊な病気である 可能性がありますので皮膚移植なども可能な大学病院など大きな病院で診断を受けるのが良いでしょう。

なお,糖尿病になると皮膚の湿疹や化膿性疾患になりやすいので参考のために尋ねられたものと思います。

 

アトピーの保湿剤

アトピーの治療に、アルカリイオン水飲用と強酸性水(薬店で入手)の使用を しています。強酸性水使用後は保湿剤は必要なのでしょうか(96/ 9/28 16:39 宮崎県 Hさん)

アルカリイオン水の飲用は効果がある人が多いです。 強酸性水は使ったことがありません。超酸化水はじゅくじゅく感染を起こしているような 場合によろしい。しかし乾いた病変にはかえって悪くすることが多く余り使っていません 。 乾いた病変に使うとさらにかさかさかわかしてしまうためかえって悪くするようです。 保湿剤は必ず使うようにしましょう。

早速のお返事有り難うございました。 恥ずかしながら、最近になってステロイド剤の恐さを知りあわてて 色々な情報をインターネット上で調べてみたところでして、 そこで、強酸性水とアルカリイオン水を始めてみようと強酸性水を 探し求めてやっと見つけたのはいいのですが、(質問者のご希望により中略)

素人判断で保湿剤を探すのも不安です。 そこで、先生のページを知りさっそくご相談にうかがった次第です。 ザーネなどよく聞きますが成分的にはそのようなものでよいのでしょうか。 (話が後先ですが、この治療をするのは7才の息子です。) 長々となって申し訳ありません。足立先生のような医者がいらっしゃることを とても嬉しく思います。

ご丁寧なお礼のメールをありがとうございました。

「ザーネ軟膏」は保湿剤として私が最も良く使っているものの一つです。 他に「ヒルドイド」「ウレパールエル」「白色ワセリン」、漢方の「紫雲膏 」なども使うことがあります。その方の皮膚にあっていさえすれば良いのです。

くれぐれもステロイドの入ったものをだまされて「これステロイド入っていませんが 良く効きますよ」と高い薬を騙されて買うようなことはなさらないで下さい。

又、何かありましたら是非御連絡下さい。

頭痛がなおらないのですが

頭痛持ちなのですが、最近朝から頭痛が出ることがあり,バッファリンをいっか いに3じょう以上飲まないと利きません。だいじょうぶですか。(96/10/ 1 23:43 Aさん)

決して良いことではありません。頭痛の薬を増やしていくと減らせなくなることがあります。それに これだけ強い頭痛の原因がはっきりとしていませんね。私のホームページの「頭痛の分類」 なども参考になさって専門医に相談して下さい。

寝汗などが治まらず神経質なのですが?

ページ上でのインプットでミスが有ったようなので再送させていただきます。

57歳になる私の父に関する相談です。寝汗が治まらず、食欲不振、体重減少 、咳も頻繁に出て疲れやすいといった現象がここ最近ずっと続いています。以前に、C 型 肝炎、弁膜症、腎盂炎(00医大付属病院で診てもらいました。)などの診断を受け ましたが、 その後の結果では病状の進行、悪化は見られていません。

#もともと父は神経質で、「病は気から」を自ら進んで実行しているような人で、医者に  糖尿の気が有ると言われれば糖尿病になってしまいますし、咳が止まらないと思えば、  肺結核、肺癌にになってしまいます。どこもそれほど悪いところは無いといっても、  実際には最初に言いましたような状態が続いていて、病気の元凶がわからず困って います。  もし分かれば具体的な対処の仕方を教えていただきたいのです。  家族全員本当に困っています。どうか宜しくお願い致します。

#ホームページ上の入力フォームについてなのですが、  ある一定の所まで書き込むと、入力はされているのですが文字が表示されないという  バグ?に遭遇しました。ネットスケープ3.0(マック版)を使用しています。  私の方に原因が有る可能性が強いのですが、再送の原因の理由の一つと  して報告させていただきます。失礼致しました。(96/ 9/29 17:15 Tさん)

再度のメールありがとうございました。 コンピュータや通信のことに関して全くのしろうとでご迷惑をおかけします。 5月から初めてインターネットをはじめたのですがコンピュータを買ったのが 4月でした。これからも勉強を続ける予定です。宜しくお願いします。

ご質問ですが、お父様の「体重減少」「咳」はもう治りましたか?
体重がまだ低くなり続いているのでしたら、またかなりの「咳」が続いているようでしたらその原因をはっきりさせるためにかなりの設備の 整った病院で調べてもらう必要があります。

体重も痩せたままでも止まっており(それ以上減少せず)、咳もさほどでなければ大学病院など よりも、近くで評判の良いじっくりと診察、時間をかけて相談にのってくれる開業の又は小病院の先生にかかるのが良いでしょう。

相性の合う先生を探すのに初め少しはドクターショッピングも致し方ないでしょう。一旦良い先生に 巡り会えばじっくりとかかる様にすればよいのです。

「寝汗」というと戦前は「結核」を疑ったものですが「寝汗」自体はそれだけではご心配は要りません。

なおC型肝炎があるのでしたら肝癌の発生を早く見つける必要がありますので 半年に1回ほどは肝臓のエコー検査を受けるようにしましょう。こうしておけばもし癌が みつかっても今では殆どが手術なしで針でアルコールを注入する治療法だけで治療できます。

適当に趣味をもたれたりして体のこと以外に関心を持たれると良いのですが「病気を心配するのが趣味」 という中高年の方も多いものです。程度にもよりますが体の不調のお話も、むげに「神経質」 と片づけずに時にはじっくりと聞いて上げてはいかがですか?それをやって下さる医師がお近くに いらっしゃると良いのですが。

平骨筋肉腫?

父(52歳)が6月に回盲腫瘍(平骨筋肉腫?)で手術をし、小腸と大腸( これに付随したかたちで付いていた。)の一部を取りました。(990g)この際、放射 線治療や抗ガン剤による治療は受けていません。最近になって(9月26日)CTを受けた 結果、また同じものが出来てまた同じものが出来ていました。珍しい病気なのでどんなことでもい いですから情報をください。また4ヵ月足らずで再度オペをすることになりますが大丈夫 ですか?(96/10/ 1 15:16 群馬県 Yさん)

ご心配のこととお察し申し上げます。

先ず、「回盲部」にできた「平滑筋肉腫」とのことですが、大腸の「平滑筋肉腫」や「悪性黒色腫」は 肛門の近くの直腸に出来ることが多いです。「回盲部(盲腸の近く、かいもうぶ)」にはどちらかというと 「悪性リンパ腫」が多いものです。機会がありましたら病名をご確認下さい。手術をなさっておられるなら病理所見が得られているはずです。もちろんこれは頻度の上でのことで珍しいところに出来てもちっともおかしくはないわけです。

さて、「平滑筋肉腫」ですが、これは「粘膜下(ねんまくか)腫瘍」といって粘膜の下にできますので, 潰瘍のような状態になっていない限り大腸カメラ(CF)や胃カメラでもみつかりにくく、気が付いたときには手術で取りきれないほど 進行してしまってからのことがほとんどのやっかいな病気です。

リンパ腺を通らずに血液の中を流れて細胞が転移することが多く肝臓などへの転移が癌よりも多いという 特徴があります。

化学療法についてはさまざまな考え方がありますが一般には病理所見(顕微鏡で見た細胞の様子)で 悪性度が高い場合に行われることが多いのですが副作用のわりには効き目がよくありません。放射線療法はあまりやりません。

病理所見からの病名がはっきりしましたら又御連絡下さい。

なお「肉腫」とは「癌」と同じ悪性腫瘍の一種です。「癌」は悪性腫瘍のうち「上皮性」のもので、 それ以外の「非上皮性」のものを「肉腫」と分けて呼びます。

痛風でしょうか?

左側の腰から左足のひざが痛むのです。特に腰掛けている時と立ち上がって 体が伸びきる時に激痛(3年前にぎっくり腰をやったときの1歩手前ぐらいの痛み)がは しります。日帰り人間ドックで尿酸値と中性脂肪が1年前に比較してかなり上昇していま した。左足の親指あたりも腰とは関係なく6年程前から痛んでます。これはスキーブーツ があわなかったためとおもってます。会社の人にそれは、通風の症状で長引くから覚悟す るんだねと、いわれショックをうけました。先生の意見をおきかせいただけませんか。 (96/10/01 千葉県 Xさん)

「通風」ではなく「痛風(つうふう)」のことかと思います。

急激に足の親指の付け根のところが腫れる発作がくる病気です。激しい痛みだけでなく赤く腫れることが 特徴です。急に痛くなり数日続きます。血液検査で尿酸が高くなることが診断の参考になります。 人間ドックで尿酸値が高かったそうですが関係しているかもしれません。 症状が詳しくわかりませんが「痛風」ではなくて他の病気かもしれません。

「ショック」とのことですが、私はちゃんとした治療を受けていても「痛風」が「長引く」患者さんを 見たことがありません。きっちりとした診療を受けさえすればご心配にはおよびません。

なお、お近くの痛風の専門病院と医師は「痛風友の会」(03-3593-0714)で教えてくれますので 電話で相談してみて下さい。私もこのメンバーの一人です。

「痛風」については別に ページを作る予定にしています。

これ以前のご質問と回答は

「6月下旬から10月中旬までのすべての質問回答集」

を ご覧下さい。

当ページへのリンクは事後連絡のみでご自由になさって結構です。

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