インターネット個別病気相談室
97年5月の質問と回答集

(平成9年6月13日版)


膨大な質疑応答データをホームページ上で見やすくしたいのですが
限りある私の時間は少しでもお答えに当てるようにし
目次を付けるなどの編集作業はホームページ上では行っておりません

もっと読みやすく編集したものをご希望の方は

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下垂体腺腫術後のFollowに納得がいきません

90年4月に脳神経外科で下垂体腺腫の手術を受けました。

腫瘍はProlactinomaで7mmのmicroadenomaでしたが、 術後下垂体機能低下症(甲状腺機能低下症、部分的尿崩症、副腎不全、視床下部障害の疑い) で現在内分泌内科を受診しています。

術前のムンテラでも術後の家族へも上記のような症状になるという説明はありませんでした。 インフォ−ムドコンセント全くなしです!

術後、いわゆる「不定愁訴」を訴えても脳神経外科のドクタ−は「悪い所(腫瘍)は摘出した」、 「手術は成功した」、「カルテはきれい」とのコメントのみで処方薬はデパス0.5mgと ヒデルギン1mg 分3、MRIの検査もホルモン負荷試験もしてくれませんでした。 そのため内分泌内科で診てもらうまでに3年かかりました。 その間phisical的にもmental的にも辛かったです。

内分泌内科受診で即検査入院、検査の結果「下垂体機能低下症」と診断され、 コ−トリル25mg、チラ−ジンS75μg、DDAVP 分2 25μgを服用、 点鼻しています。

一生お付き合いする疾患ですので、脳神経外科のドクタ−に怒りを感じてなりません 。 術後のFollowってこんな程度なのですか? トルコ鞍内のmicroadenomaでは尿崩症にはならないようですが....。 詳細教えて頂けたら幸いです。

( 97/ 5/31 18:08 都道府県名不明 Iさん)

(97/05/31)

文面からして医療関係者の方からのメールのようですが如何なのでしょうか。

すでにご存知のことと思いますが1992年頃以降は直径1cm以下の 良性プロラクチノーマの第一選択はパーロデル内服療法になってきています。 90年というと手術適応についての考え方のちょうど端境期だったのでしょうか。 現在ではパーロデル療法に抵抗する例とか副作用が強くて服用が困難な例のみ手術や放射 線療法が行われることが多いようです。

術後の対応については詳しく伺ったうえで検討しないと断定的なことは言えませんが 不十分だったのではないでしょうか。

これ以上の詳細、および担当医の態度にどうしても納得がいかない場合には 「医療事故調査会(0729−48−7799)」または 「医療事故情報センター(052−951−1731)」に 「足立先生のホームページを見て電話しています。」と相談されることをお勧めします。 両者ともとても安心して相談ができる極めて良心的な団体です。

アペルト症候群について教えて下さい。

( 97/ 5/31 14:03 東京都 Yさん)

平成3年00月に生まれた次男がアペルト症候群です。お世話になった病院で 説明を聞いてはいますが、いまだ詳しいことはよくわかりません。

私はごく一般的なサラリーマンですので、医学専門書などで探すことがなかなかできませ んので、この病気の概要がわかりましたら教えていただきたいと思います。

東京の大学病院をいくつか行きましたが、クルーゾンの経験はあっても、 アペルトを経験している病院はほとんどありません。 形成外科的な病気ということで、頭の中身は問題ないという説明を受けたこともありますが、 現在、精神障害3度に認定されています。 2歳の頃肺炎を併発したときに挿管に手間取り、一時的に酸欠状態になったことがありますが、 こういうのは影響があるのでしょうね。 日本での症例はきわめて少ないということだそうですが、教えていただければ幸いです。

メールありがとうございました。 お子様のご将来のことなどさぞご心配のことと存じます。

Apert症候群につきましては私自身は経験がございません。 しかし、難病の子供さん達の診療経験を踏まえてウエッブサイト上でよろしければ 機会を見ましてある程度お答えできるかもしれません。

差し支えない範囲で、お子様の両手の指のご様子などもう少し詳しい症状や お父様のおおよそのご年齢、お母様の妊娠中のご様子 (風邪を引かれたりお薬を飲まれたりしたことなど)も含めて送り込んでおいて頂きましたら 回答につき検討を致します。

( 97/ 5/31 22:46 東京都 Yさん)

突然の不躾なメールにも関わらず、早速ご回答ありがとうございました。また、メー ルには不慣れですので失礼をお許しください。

なお、すぐに回答をいただきたいということでもありませんので、お手すきの時にで も読んでいただければ幸いです。

私(OOOOO)は現在41歳で、妻も同年齢です。子供は一番上が中学OO年の男子で 、その下に小学OO年の女子がいます。長男は健康です。長女は軽度な心室中核欠損が ありますがいたって健康です。 さて、アペルトの次男ですが、妻の妊娠中は逆子であったくらいで特に大きな病気も なく過ごしました。産院での経過診断も特に問題を指摘されることもありませんでし たが、臨月前には異様に腹部がせり出しており、予定日の1月前に破水、出産しました。 頭の骨が癒合しているほか、手足の合指症があり、親指は短指で外側に曲がっています。 その他の指はすべて合指で、第3指と第4指は骨から癒合していました。 その段階で呼吸困難であり、すぐにOO大学OOO病院に入院、アペルトと診断されま した。

月足らずでの出産でしたが、生後1か月で開頭手術、以後、頭蓋骨の癒着が異様に進 んでしまい、1年後に2回目の開頭手術をしました。このときMRSAに感染し、頻 繁に肺炎を併発しています。

その後は東京OOOOO病院で半年から1年位のタームで手足の指の切り離し手術を合 計4回行っています。このほかに口蓋裂の手術をしています。

生後から3歳位までは、肺炎、(アスペルギルスによるものもありましたが、マイコ プラズマと誤診され様態が悪化したこともあります。)MRSAなどさんざんな体験をし、 3年のうち半分は入院していました。特に気道が極端に狭く麻酔科の先生方に は大変ご苦労をおかけしてしまって。

口蓋裂の手術前は、睡眠中に無呼吸症に近い状態に陥ることが多く、手術そのものは 亀裂部分を縫合するだけでしたが、手術後は、体力が徐々につきはじめ、今はほとん ど風邪をこじらせることもありません。

現在の様子ですが、結構元気でわがままです。ほかの部分の症状は、両肩の肩胛骨と 上腕の骨が癒合しているため、腕が肩より上には上がりません。また、左腕の肘の関 節が異常で、全く曲がりません。(右は正常です。)肘と肩はもう手術は不可能と聞 いています。指は両手両足とも切り離し、一応5本づつになっていますが、それぞれの指の関節は まったく曲がらず、神経もないそうです。幸い親指と人差し指の根本のところでもの を挟むことができますので、最低限の機能は確保されました。

5歳になる前に、重度身体障害と中度の精神障害に認定されています。 6歳になって、いまだに言葉が話せません。ア行の発音はできますが、濁音、破裂音 はまったくだめです。 ただ、結構知恵はついているようで、自閉的な感じはありません。

なお、現在、開頭した部分(前頭部分)が5〜6cmは骨がありません。術後に詳し い説明を受けなかったのですが、人工硬膜を使ったと言うことだったと思います。こ の部分もう骨ができることはないのでしょうね。最近診ていただいた脳外科医の先生 は危ないから早く手術してカバーをした方がいいと言っていますが、他の病院ではそ う急ぐことはないのではと言われています。頭囲はだいたい53cm位で、開頭手術 のおかげでほぼ順調に成長したようです。水頭症の形跡は無いようです。親としては 不安ばかりですが、毎年毎年手術ばかりで、 今後も手術(形成外科では、12〜13歳頃になったら、顔面の下部を前に出す手術 をすると言っていました。)をしなければならず、できれば回数を少なくしてやりた いと思っているのですが。

概要はこのようなところですが、6年間、同じ症例の患者さんに出会ったことはあり ません。クルーゾンの患者さんにも出会ったことはありません。日本での発生率はど の程度なのでしょうか。一般的に精神障害は無いと言われていたのですが、精神遅滞 があるということはうちは例外的なのでしょうか。

食欲はものすごくあり、現在通っている幼稚園(幸いにも教会幼稚園で受け入れてく れています。)の年長さんでは、なんと一番背が高いのです。このまま大きく(過食 ?)育ててしまっていいのでしょうか?でも、入院中に病院ででる食事よりは少ない と思うのですが。

文書構成がいい加減ですみません。よろしくお願いします。 P.S. メールの送信がうまくいきません。複数入りましたらお許し願います。

(97/6/1)

Apert症候群は尖頭合指症とも呼ばれ、頭や顔の骨の作りがうまくいかなかったり手や足の 指がくっついてしまう大変珍しい生まれつきの病気です。海外では十数万人に一人、日本国内では 50万人に一人くらいの割合で産まれるといわれますが乳幼児のときに原因不明の死亡と扱われる例も 多くあると考えられ実際には頻度はもう少し多いでしょう。 国内では1930年に古川という人が初めての発表をしてから数十例の報告があります。

それにしても大変珍しい病気であることには違いはなく Apert症候群を専門的に扱っている病院などというのはなくて、 遭遇した時点で担当医が文献を調べながら創意と工夫をこらして 治療計画を考えるというのが現状でしょう。

最近数年間では 新潟大学矯正歯科学教室、長野こども病院形成外科、神戸大学脳外科などから 国際的に著名な雑誌へ治療方法などの報告がなされています。

殆どの報告例では何らかの知能障害が認められていますので「例外的」ではありません。

産まれたときの父親の年齢が高いことが関係しているのではと考える人もいますが御質問者の場合は そうではありませんね。

クルーゾン病と良く似ていてもともと同じ病気だと考える人もいます。

これからも何回か手術を重ねられることは避け難いでしょう。 珍しい病気ですので同一例の文献検索もしっかりとして下さり、 しかもその内容を詳しくお話下さる小児科あるいは内科の先生と相談をしつつ、一方 手術経験も豊富で技術の高い外科系の先生に手術をしてもらうようにできると良いですね。

(97/ 6/ 4 22:01)

お忙しいのに、早速ご回答いただきまして本当にありがとうございました。

こんなに早く回答いただけるとは思っていませんでしたので、 お礼が遅くなって誠に申し訳ありません。

50万人に1人では、全く会えないはずですね。単純に計算すれば1年間に2〜3人 の出生ということでしょうか。

これからまだまだ長い闘いですが、頑張っていきたいと思います。 私どもの経験が、何かのお役に立てれば幸いと思いますので、 必要がありましたら声をかけてください。

本当にありがとうございました。

アペルトの皆さん ともに頑張りましょう

患者さんからうつる病気


いつも興味深く拝見させていただいています。 皮膚科の看護婦をしています。
患者さんに、素手で薬を塗っています。 水虫のかたは、平均して、一日に一人から二人。 湿疹のかたは、平均して、一日に十人くらい。 上記は、わたしひとりが塗る一日平均の、人数です。 そのなかで、強いステロイドを、患者さんに塗る機会は、平均して 一日に三人くらいですが、これを何年も続けていて、塗るの私には、 ステロイドの影響は、ないのでしょうか。 すぐ石鹸で洗い流すようにはしていますが、忙しいときは、何分か そのままの時があります なにしろ、看護婦の人数がぎりぎりなので。 それと、一日に何回もちゃんぽんでいろんな薬を手につけて、大丈夫なのでしょうか。
それと、私自身も湿疹が手によくできるのですが(皮膚科に勤める前から) 患者さんの湿疹の部分から、私の手の湿疹に、たとえばウイルス性肝炎などが 感染するようなことはないのでしょうか。 湿疹ができている手で患者さんに(感染るような湿疹ではないとはいえ)薬を塗る ことも、患者さんには申し訳ないのですが、私ひとりがゴム手袋でぬるわけにも いきません。
ほかの皮膚科にほとんど行ったことがないので、ほかの皮膚科の看護婦さんが どうしているのか全くわからないのです。 どうかよろしくお願いします。
これからも、この有意義なページが、末永く続くことを願ってやみません。
( 97/ 5/28 05:28 都道府県名不明 Fさん)

(97/5/28)

ステロイド剤は皮膚からも吸収されます。出来るだけ早く石鹸で手を洗っておくことはその 吸収を減らす意味で望ましいことです。
湿疹などでわずかでも患者さんの血液成分が 出ていてもおかしくないときは顕微鏡で見えるほどであっても小さな傷を持つ手で触っていると B型肝炎などで特にe抗原などを持っておられる患者さんからは 肝炎に感染する可能性がありますので気をつけてください。梅毒なども同様に感染する可能性があります。
水虫のような真菌感染症は塗布する薬剤自体が抗真菌剤であれば 伝染する可能性はそれだけ低くなりますが、 診断がしっかりついていない真菌感染症などの場合にステロイドの塗布をしていたりすると 感染する可能性は十分にあります。
出来るだけ患者さんご本人に塗布をしてもらうようにし、やむを得ない場合
医療従事者が塗布をする場合にはこれらの危険に対してディスポーザルの手袋を使うなどの十分な対策を講じるべきです。
水痘、ヘルペス、カポジ水痘様発疹症、AIDSなどいろいろなウイルス性感染症、 MRSAや結核などの細菌感染症など医療従事者の感染が注目を集めている疾患は枚挙に暇がありません。 MRSAなどの場合には感染した医療従事者がまた別の患者さんに感染させている例も多く指摘されて 問題になっています。 優良な病院ではきちっと院内感染対策委員会が設置されて患者さんと 医療従事者がお互いに感染し合わないように 厳重に注意し合っているのはこういうことがあるからです。
もしも私があなたの立場でしたら雇い主である医師に率直に疑問点を投げかけてみます。 慎重に対策を練って下さり他の職員にもしっかりと感染対策を講じて下されば良いですし、 もしもあやふやにされるようでしたらその医師は患者さんや従業員の健康のことを考えておられない方ですので いくら給料が高くてもその職場に勤めるのは止めて別の病院または医院に勤めることを検討しはじめます。 看護婦さんなら卑屈にならなくても今ではいくらでも働く職場はあるのではないでしょうか。 良心的な医師でしたら積極的に相談に乗って下さるはずですから 勇気を持って進言されてはいかがでしょうか。
昨今の医療事情では本当に患者さんのことを考えていない病院や医院は徐々にではありますが 淘汰されていく状況にあります。 医療経済的にもそうですし院内感染などで十分な対策をしていない病院や医院は医療事故として 訴えられる機会もそれだけ多くなり存続も次第に危うくなってきています。
せっかく看護婦さんとして立派なお仕事をされているのですから 社会に役立っている正しい仕事の進め方をしている職場であることを確認しつつお仕事をされるよう お勧めします。

( 97/ 5/30 03:58)

ご返答どうもありがとうございました。
先生の言われる方向で、私なりに考えて行動できたらなと思っています。                     

                         匿名希望のFより

子宮内膜ポリープについて教えて下さい。



足立先生、はじめまして。0000000と申します。
結婚して2年目、25歳の主婦です。 そろそろ子どもが欲しいと思っているのですが、 「子宮内膜ポリープ」の治療方法(手術方法)等について教えていただきたく思いまして メールを送らせて頂きました。 早速ですが質問させてください。
先月、超音波検査で「子宮内膜ポリープ」が見つかりました。 子宮が丸みを帯びた程度に大きくなっており (カルテにはutems9.7*5.4*4.4■と書いてありました)、 MRIの画像を見るとポリープの部分が凸状になっていました。
筋腫でも腺筋症でもないのでこれ以上子宮が大きくなることはないだろうと言われています。 手術で取り除くことが一番手っ取り早い治療方法だということでしたが、 自覚症状がそれほど重くないということと、 1月まで避妊していたのなら、 避妊をしないでこのまま様子をみてからでもいいのではないかということでした。
しかし、「ポリープが着床しづらい状況をつくっている」「このまま 放っておけば悪化する方向にある」とも言われています。
結局、一時は様子をみることに落ち着いたのですが、 知人が同じ内膜ポリープを「子宮鏡」で簡単に切除したという話を聞き、 先生に「私もこの方法で手術していただけないか?」 と聞いたところ(ここの病院は開腹してレーザーで手術を行っているところなので)、 「確かに開腹しなくても下から掻き出すこともできるが、 子宮内膜に何らかの治療を行う場合、不妊の原因になる場合が多くあるので、 慎重に考えなくてはならない」とのことでした。
「不妊の原因になる・・・」なんて聞いてしまったら、下から掻き出す方法はこわくてできないし、 かといってレーザーなら安心なのか? ということも私には知識がなくてよくわかりません。 またここは保険がきかないので、経済的にもここで手術を受けることはムリなのです。 また内視鏡や腹腔鏡、子宮鏡検査(手術)は、 今まで開腹してやってきたこともできるようになっていると本には書いてあります。 主治医の先生は「慎重に」とおっしゃっていますが、 私としてはやはり悪いところがあるとわかっているのなら 早いうちに取り除いてしまいたいですし、 毎月来る生理痛の重さにこれ以上ガマンできません。 そこで以下の点においてお答えいただきたく思います。
・子宮内膜ポリープはどういった方法で手術するのでしょうか?  不妊の原因になることも覚悟しておくべきでしょうか?
・レーザーでの治療はどこの病院でも保険がきかないのでしょうか?  でも、最近は皮膚科の治療でもレーザーを使ったりして主流になってきていると認識しておりますが・・・。
・どこの病院に行けばよいのか、情報不足でわかりません。  子宮をやたらと切って逮捕されたお医者さんがいましたよね。あん  な医者にひっかかったらと思うと不安です。東京都内で安心して通  院できる病院を紹介していただけないでしょうか?
以上について、お忙しいところを申し訳ございませんがお答えいただ きたく思います。よろしくお願い致します。
産婦人科専門のHP上で質問しようかと迷ったのですが、 子宝温泉のリンク集でこちらのページを知り 先生のご熱心な回答の様子を読んでこちらで質問させていただこうと思いました。  (000の000でお願いします)
( 97/ 5/15 15:07 東京都 Tさん)

(97/5/15)

「子宮内膜ポリープ」は子宮内膜の腺や間質(支えている組織)が 茎がある形で子宮腔内に突出した状態を言います。 普通は2−4cmの大きさですが中には10cmを超すものもあります。 多くは30歳から60歳、特に50歳以上のご婦人に多いのですが ご質問者のように20歳代の方にもみられます。
カルテ(診療録)の記載でutemsと見えたのは子宮(uterus)のことでしょう。
箇条書きのご質問に沿ってお答えします。
・症状が頑固で大きな場合は昔は摘出手術を行っていました。 そうでない場合には子宮鏡を使っての操作も考えられます。 しかし即不妊の原因になるとまでは言えなくても、 健常子宮内膜への影響も十分に考えられ慎重に行わねばなりません。
無排卵性周期などの状態ではホルモン剤を使う方法も考えられますがそうでなければ 自然のままで妊娠を待たれるのが妥当な方策と考えます。
・保険がどこまで効くかは微妙な問題があり、調べてみますが 「子宮内膜ポリープ」という病名でのレーザ治療はどこの病院でも普通は保険を通すことは難しいでしょう。
・東京都内でしたらいくらでも専門病院はあります。 有名なのは慶応義塾大学附属病院、順天堂大学附属病院、 東京女子医科大学母子総合医療センターなどの産婦人科です。 都内どのあたりかご連絡頂ければお近くのもっと便利な病院をお知らせできるかもしれません。
(97/ 5/16 14:44 )
足立先生、早速ご回答いただきましてありがとうございました。
やはりレーザーでの保険治療は難しいのでしょうね。
子宮鏡で治療をするとしても、現時点でのポリープの大きさが通常の2−4cmの大きさなのか、 それ以上なのか医師に聞いてみないとわからないので、 それらを踏まえてご紹介いただいた病院へ行ってみて手術をするか、 現状のまま経過をみるかのどちらにするかを決めたいと思います。
また、私は000市に住んでおり、ご紹介いただいたどの病院へも1時間以内で行けると思います。
最初に2月に婦人科へ行ったときは家から自転車で15分と近い000大学へ通院し、 2ヶ月かけてフーナー検査以外のほとんどの不妊検査をしたのですが、
こちらから質問しないと検査の結果も教えてくれないし、十分な説明もしてくれない、 質問をすると不機嫌になる・・・
と病院に対して不信感を抱くようになり、思い切って転院したのでした。 そしてポリープが見つかり「前の病院では何も言われなかったのか?」 と転院先の先生は驚かれていました。 (直前まで避妊していたのになぜ不妊検査をすることになったのかというと、 不正出血が気になったので病院へ行ったのですが、 一応一通りの検査をしておこうということになってしまったのです)  
転院先の医師はこちらの話を丁寧に聞いて下さり、とても安心できる病院にやっと巡り会えた! と思っていたのですが、第一に保険がきかないし (レーザーだけでなく、全て自費診療です)、 レーザー以外の治療方法についても積極的には教えて下さらない雰囲気があるので (私がもっと突っ込んで質問すれば答えてくださるのかもしれませんが・・・)、 自分でいろいろと模索しているうちに足立先生のHPにたどり着いたのです。
・・・話が横道にそれてしまいました、すみません。
お忙しい中、本当にありがとうございました。参考になりました。
たかだかポリープごときで何でこんなに悩んでいるのか? 生死にかかわる問題でもないんだから・・・と、自分で自分をなぐさめているのですが、 お腹を切るにせよ、切らないにせよ、自分の納得した方法で治療していきたいと考えています。 (主人はあまり神経質になるなと言っていますが)
足立先生のこれからのご活躍をお祈りしております。
00000
(00は5/19月曜日に00にて00致します)

ナファレリンを使っていて、妊娠の可能性はあるのでしょうか


現在、ナファレリン ナサニールという点鼻薬 を使用中。チョコレート膿腫と診断され ています。
半年くらい続けています。治療を始めるときに、閉経状態になると説明されま した。生理がなくなってからは、避妊していないのですが、不安です。医師の説明では、 閉経状態ということだったので、妊娠はないと思っていました。が、ナファレリンを使っ てしても、排卵はあると知人に言われ、今、とても不安です。今の状態で、妊娠すること はありうるのでしょうか。
薬を使い始めてから二ヶ月で生理がなくなり、そのままずっと 生理はありません。妊娠の可能性はあるのでしょうか。また、もし、妊娠していたらどう いう体の変化があるのでしょうか。薬の注意書きに、ナファレリンを使い始めたら、薬以 外の方法で避妊するように書いてあるのは、治療の初めの頃のことだけではなく、ずっと という意味なのでしょうか。治療を始めるときに医師から避妊するようにとは言われませ んでした。
ナファレリンを使っていて、妊娠の可能性はあるのか、また、もし妊娠したらどうやって 自分で気づくのか、教えてください。
どうぞよろしくお願いします。000の0000でお願いします。
(97/ 5/ 6 05:33 東京都 Tさん)

(97/5/6)

「酢酸ナファレリン(nafarelin acetate)」の点鼻薬「ナサニール」は比較的新しい「子宮内膜症」 の治療薬です。下垂体から出る卵巣刺激ホルモンに似た物質で本来の卵巣刺激作用を低下させて 偽りの閉経を起こさせることにより内膜組織の活動を押さえる治療法です。
妊娠をしていないことを確認したあと月経周期1−2日目から使い始めます。 投与中はやや性欲が低下したりすることもありますし、 妊娠する率は低下するのですが可能性はあり、 はじめのうちだけでなく投与期間中は続けて避妊が必要です。
まれに妊娠した場合には 妊娠したことを自分で気づくのはもともと生理が無く通常の場合以上に困難です。
(97/ 5/ 7 12:35)
すぐに回答してくださって感謝しております。 どうもありがとうございました。気をつけようと思います。

慢性の前立腺炎


1年半ほど前に非淋菌性尿道炎になり、抗生物質で治療しましたが尿道炎は治ったもの の慢性の前立腺炎になってしまい、A病院でマッサージ等の治療を現在まで続けています。(現 在はそれほど症状は強くない)
ところが最近になってA病院でクラミジアの検査をしていなかったと言われてクラミジ ア抗体検査(IGA検査/血液検査)をしたところ、抗体判定IGA(+),IGG(+)の結 果がでました。現在、また抗生物質を飲んでいます。
念のためにB病院を受診したところ「抗体検査はあまりあてにならない。是非、抗原検 査(PCR遺伝子検査/尿検査)をしよう。」と言われ検査した結果、測定値(−)で現在は感 染していなく、治療の必要はないと言われました。
A病院では「抗原検査は感染初期にしか有効ではない」と言われるし、いったいどちら が本当なのでしょうか?
現在、私はクラミジアに感染しているのでしょうか?治療の必要はあるのでしょうか? 以上よろしくお願いします!
大変便利で、とっても助かります000の00でお願いします!
(97/ 5/ 2 22:12 千葉県 Cさん)


(97/5/2)
慢性の前立腺炎の原因としてはクラミジアだけでなく トリコモナス、ウレアプラズマ、マイコプラズマ、 コクサッキーウイルス、ヘルペスウイルスなども原因となり得ることが最近分かってきています。
クラミジア抗体検査は前立腺圧出液の IgM検査が陽性(+)にならなければ血液中のIgGやIgAが陽性だけでは余り意味がありません。
慢性前立腺炎は確かに2−3ヶ月と長期の治療が必要なことが多いですが1年半というのは 長すぎます。症状が強くなく、クラミジアを含めて抗原検査で陽性に出ない場合には一般には 長期に抗生物質などの投与を必要性は少なく、時々検査をしておくだけで良いことが多いです。
診察をせずに断定は出来ませんが、B病院の見解に妥当性があります。
「クラミジアには感染しておらず、治療の必要もない」ということをB病院またはさらに専門の病院で確認してもらわれることを お勧めします。

睫毛内反症について教えて下さい

小3の子供が学校の検診で 睫毛内膜症と言われました。どんな病気か治療法おしえてください

こういうホームページとてもうれしい

(97/ 5/ 1 21:16 静岡県 Hさん)

(97/5/1)

「睫毛内反(しょうもうないはん, entropium ciliarum)」というのはいわゆる「逆さまつげ」の一つです。

日本人では乳幼児期に膨らんだ皮膚のためのことが多いのですが、 睫毛(まつげ)が角膜に触れてしまう状態のことです。 普通、下の瞼(まぶた)の鼻寄りの場合が多いです。

特に泣いたときなどに睫(まつげ)が角膜にあたり、「目やに」や「充血」の原因になることがあります。 ほとんどの場合、 3−4歳ころまでに赤ちゃんのときの頬の膨らみが少なくなるにつれて治ってしまいますので心配要りません。 エコリシンやフラビタンなどという点眼薬が「目やに」や「充血」といった症状に効果があります。
しかし、このために視力障害がきたり、小学校に入った後でも「眼をよくこする」、「涙っぽい目つきをする」、 「まぶしそうにする」などの症状があるときには手術を考える必要があります。 睫が目につきささるように生えている場合は眼科で細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)という検査器械で角膜の傷の付き具合を 見てもらい手術が必要かどうか検討してもらうのが良いでしょう。 手術には皮膚切開をする方法と糸をかけるだけの方法があります。

なお、「逆さまつげ」というものにはこの他に 「眼瞼内反症」と言って瞼そのものが捻じれ込んでしまうものもあります。 この場合は二重瞼(ふたえまぶた)をこしらえる手術を行います。

これ以前のご質問と回答は

「97年4月の質問回答集」

「97年3月の質問回答集」

「97年2月の質問回答集」

「97年1月の質問回答集」

「96年12月の質問回答集」

「96年11月の質問回答集」

「96年10月の質問回答集」

「6月下旬から10月中旬までのすべての質問回答集」を ご覧下さい。

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