ヘルペスウイルス科 | ||||||||||||||||||||
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正20面体のカプシドが( 足立の声で回答するときはこの印です ![]() 宿主細胞核膜由来のエンベロープをかぶったウイルス ヒトを宿主とするヘルペスウイルス (ヘルペスウイルス科《family Herpesviridae》のDNAウイルス)は7種類
■単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)
■唇ヘルペス(三叉神経節の潜伏感染による回帰性ヘルペス)
■単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)
■水痘−帯状ヘルペスウイルス(VZV,varicella-zoster virus)
■サイトメガロウイルス(CMV)
■EBウイルス
■HHV−6B(Human herpesvirus 6)、HHV−7
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多発性硬化症 | ||||||||||||||||||||
【発病年齢】 15〜50歳、好発年齢 20〜30歳、やや女性に多い。
【病理】
【臨床症状】 特徴的な症状
髄液の細胞↑、タンパク↑、IgG↑ oligoclonal band, CTで低吸収域 MRI T1でlow T2でhigh intensity
髄液正常値:5/ mm3 以下,蛋白14〜45mg/dl,糖50〜75mg/dl,
【治療】ステロイド、血漿交換
【予後】全経過20〜25年
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Guillain-Barre症候群 | ||||||||||||||||||||
【概念】 末梢神経の急性炎症性脱髄疾患で上行性の、腱反射( )を伴う。 四肢麻痺をきたす疾患。髄液の( )を特徴とする。
【疫学】( )性にやや多い。 粗年間平均発生率10万人あたり約1人。
【病因】自己免疫、体液性免疫も関与
【病理】小血管周囲の細胞浸潤と節性脱髄 【臨床症状】
良好。約2週間で快方へ向かう。
【治療】
足立憲昭他:第87回医師国家試験問題解説書(医学評論社)p386-388
【参考文献】
N.Adachi:
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多発性筋炎(polymyositis, PM) 皮膚筋炎(dermatomyositis,DM) |
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【疫学】( ):( )= 1:4,5〜15歳,40〜60歳の2峰性, 年間発病率20万人に1人,有病率10万人に2人,( )の合併が多い
【臨床症状】
■ヘリオトロープ疹:両側上眼瞼の浮腫を伴う青紫色〜赤紫色の皮疹蝶型紅斑を伴うことが多い
■Gottron 微候:大小関節側面の紅斑。手の関節伸側の紅斑
合併症状:( )、( )、( )( )
【検査所見】
【鑑別診断】
【治療】副腎皮質ステロイド内服,( )療法
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重症筋無力症 | ||||||||||||||||||||
【疫学】有病率10万人に3人 (男):(女)= 1:2 胸腺腫の合併が多い。 5歳未満と20〜30歳代,40歳以上は男性が多い。
【病因】
【臨床症状】
【確定診断への4大検査所見】
【鑑別診断】Guillain-Barre症候群,周期性四肢麻痺
【治療】
【クリーゼ】 感染、ストレス、抗生物質(『アミノ配糖体』だけでは無い)
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Eaton−Lambert症候群 | ||||||||||||||||||||
【疫学】 好発年齢40〜70歳、特に60歳前後の男性に多い。 悪性腫瘍、特に肺の(oat-cell carcinoma)に伴って筋無力症状を示す。
【病因】液性の自己免疫機序
【臨床症状】
【検査】
【治療】
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周期性四肢麻痺 | ||||||||||||||||||||
【疫学】 (男):(女)=10〜20:1 (過食)、(飲酒)、過労で誘発 (「寒冷」は低K性以外の誘因)
【臨床症状】
【検査所見】
【治療】
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家族性アミロイドポリニューロパチー (FAP:familialamyloidotic polyneuropathy) |
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【概念】 異型トランスサイレチン(TTR)に起因するアミロイド物質が全身臓器に沈着し、 特に末梢神経障害と自律神経障害を主症状とする常染色体優性遺伝疾患。 中年期に発症し序々に進行性で予後不良疾患。
非常に稀な疾患ながら国試出題の危険性が極めて高い疾患。
既出疾患(83回D-24)であることを知らない国試対策専門家も多い。
【疫学】
血清中の蛋白((昔のプレアルブミン))の変位 30番目のバリン → メチオニン 【臨床症状】
なし。対症療法。最近は肝移植が話題。
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筋萎縮性側索硬化症 (amyotrophic lateral sclerossis, ALS) |
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【概念】
平均発病年齢:50歳代にピーク、40〜60歳代に多い。 (男):(女)= 2:1
【病理】
【臨床症状】
■筋萎縮:特に手の骨間筋、(母指球筋)、(小指球筋)→猿手(ape hand)
ALSでは出ない症状
■(眼球運動障害)
【治療】なし。在宅人工呼吸器など。
【検査】筋電図での高振幅電位,髄液・血清CKなどほぼ正常
【鑑別診断】
【補足資料】国試88Cー15
(95年4月22日、足立)
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パーキンソン病 | ||||||||||||||||||||
【疫学・統計】 有病率:10万人あたり約(50)人 平均発病年齢:(56)歳、(40)〜(65)歳に多い。
【病理・病態生理】
■(黒質)↓−−−→(線条体)↓ →(錐体外路)症状出現
【臨床症状】
<1>
<2>
自律神経症状→(便秘)、(脂顔)、(流涎)、(起立性低血圧)
(95年4月22日、足立)
【治療】
【症候性パーキンソニズム】
【本態性振戦】
線条体=尾状核+被殻
(95年10月14日、足立)
28歳、男性。手の振えを主訴に来院。振えは書字や日本酒を酌み交わすときなどに増強。日本酒を酌み交わすときには、酔いが回ると振えが消失することに気付いている。診察時、横向けに頭部を振る規則的な動きが約9Hzでみられ、両手の人差し指を近付けると反抗運動が認められる。他に一般内科的、神経学的に異常所見なし。血液・生化学検査正常。血中セルロプラスミン、血清銅正常。頭部CT,MRI正常。父親にも同様の症状が認められたという。2週間後にお見合いの予定があり一時的にもこの振えを何とかできないかという。投与が適切な薬剤を選べ。 【出題者から】「本態性振戦」は予後は良いが日常診療で大変よくみられる重要な疾患である。予後が良いためか教科書などでもなおざりにされがちである。あの詳しいことで有名な「朝倉の内科学」でも第3版では記載があったが第4版では削除、第5版で折角復活していたのが今年出版された第6版ではまた記載が無くなってしまっている。国試対策専門家の間では早期から「国試出題の可能性が高い」と注意が喚起されており、公開模擬試験にも出題され、その翌年、第86回の実際の国試で初めて登場した。臨床家のセンスからしてこれ1題で国試出題が終わるとは決して考えられない頻度の高い重要な疾患である。しかも、本年度神経学会総会ではわざわざ本症に対する「アロチノロ−ル」の効果についてのセッションが設けられるなどトピックスでもある。さらに、今春、この「アロチノロ−ル」が厚生省の認可が下り正式に本症に対する適応が通った。「アロチノロ−ル」は近々医師国試出題の可能性の極めて高い事項なのである。「アロチノロ−ル」について書かれた国試参考書は現時点では皆無であるが、up to dateなメックのこの模擬試験問題を勉強した皆さんは是非これを覚えて今回の国試に臨んで欲しい。 【解法へのKey & Step 】本態性振戦に有効な薬剤としてはジアゼパム、クロナゼパムなどのベンゾジアゼピン系の精神安定剤、プロプラノロ−ルなど他のβブロッカ−もあるが決して「アロチノロ−ル」を忘れないこと。 【本態性振戦】
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