文字ブロック |
Unicode範囲 |
説明 |
アーホム文字 |
Ahom |
11700~1173F |
13世紀から18世紀の末にインドのアッサム地方に王国を作ったタイ族系民族のアーホム族が用いたモン=ビルマ系の文字です。アホム文字、アーホーム文字とも呼ばれます。 |
ベンガル文字 |
Bengali and Assamese |
0980~09FF |
インド、バングラデシュで用いられるベンガル語、アッサム語、マニプリ語などの文字です。 |
バイクシュキー文字 |
Bhaiksuki |
11C00~11C6F |
11~12世紀頃に仏典に用いられたブラーフミー系の北インド古代文字です。多くの文字に矢じりのような形が含まれているという特徴があります。 |
ブラーフミー文字 |
Brahmi |
11000~1107F |
古代インドの文字です。ほとんどの南アジア、東南アジアの文字はこの文字から派生しました。 |
チャクマ文字 |
Chakma |
11100~1114F |
バングラデシュのチッタゴン丘陵地区に住むチャクマ族が用いるチャクマ語の文字です。 |
デーヴァナーガリー文字 |
Devanagari |
0900~097F |
サンスクリット語、ヒンディー語、マラーティー語、ネパール語、ボージュプリー語などの文字です。文字の上部が横線(シローレーカー)で繋がっているという特徴があります。 |
デーヴァナーガリー文字拡張 |
Devanagari Extended |
A8E0~A8FF |
デーヴァナーガリー文字拡張A |
Devanagari Extended-A |
11B00~11B5F |
ディヴェ文字 |
Dives Akuru |
11900~1195F |
モルディブでターナ文字以前に用いられていたディヴェヒ語の文字です。このブロックにはエヴェラ文字(Evela Akuru)も含まれています。 |
ドーグリー文字 |
Dogra |
11800~1184F |
現在はデーヴァナーガリーなどで表記されているインドのドーグリー語に用いられた文字です。ドーグラー文字やドグラ文字とも呼ばれます。 |
グランタ文字 |
Grantha |
11300~1137F |
南インドのタミル語の話される地域でサンスクリット語を表すために用いられる文字です。古くは5世紀以後の碑文に見ることができますが、現在でも書写のために用いられています。 |
グジャラート文字 |
Gujarati |
0A80~0AFF |
主にインドのグジャラート州で用いられるグジャラート語の文字で、グジャラーティー文字とも呼ばれます。 |
グンジャラ゠ゴーンディー文字 |
Gunjala Gondi |
11D60~11DAF |
インドのゴンド族が用いていたゴーンディー語の文字です。テランガーナ州のグンジャラ村で発見された文書に記述されていました。 |
グルムキー文字 |
Gurmukhi |
0A00~0A7F |
主にインドのパンジャーブ州のシク教徒が用いるパンジャーブ語(パンジャービー語)の文字です。16世紀にシク教の2代目教祖であるグル・アンガド(Guru Angad)が考案しました。 |
カイティー文字 |
Kaithi |
11080~110CF |
主に北インドのビハール語やカーヤスタ(書記カースト)の間で用いられてきた文字で、ビハーリー文字やビハール文字とも呼ばれます。 |
カンナダ文字 |
Kannada |
0C80~0CFF |
主にインドのカルナータカ州で用いられるカンナダ語(カナラ語)の文字で、カナラ文字とも呼ばれます。 |
カローシュティー文字 |
Kharoshthi |
10A00~10A5F |
古代の西北インド、北インドから中央アジアで用いられた文字で、紀元前6~5世紀頃にアラム文字を改良して作られたといわれています。右から左へ書きます。 |
ホジャ文字 |
Khojki |
11200~1124F |
南パキスタンなどのホジャ共同体が用いていたホジャ語の文字です。主にシーア派教の宗教書に用いられ、現在でもイスマーイール派の教団によってある程度用いられています。 |
クダワーディー文字 |
Khudawadi |
112B0~112FF |
インドアーリア系のシンド語の文字です。シンディー文字、シンド文字、ヴァーニキー文字とも呼ばれます。 |
レプチャ文字 |
Lepcha |
1C00~1C4F |
主にインドのシッキム州で用いられるレプチャ語の文字で、ロン文字とも呼ばれます。シッキムの王であるチャクドル・ナムギュー(Phyagdor Namgyal)が1720年に考案しました。 |
リンブ文字 |
Limbu |
1900~194F |
インド、ネパール、ブータンで用いられるリンブ語の文字で、キランティ文字とも呼ばれます。9世紀頃にリンブの王であるシリジョンガ・ハン(Sirijonga Haang)が考案したといわれています。 |
マハージャニー文字 |
Mahajani |
11150~1117F |
主にインドのラージャスターン州で用いられるマールワーリー語の文字で、デーヴァナーガリー文字を簡略化したものです。同州のマールワール地方の商人や商業集団をマールワーリーと呼び、その商人が主に用います。 |
マラヤーラム文字 |
Malayalam |
0D00~0D7F |
主にインドのケーララ州で用いられるマラヤーラム語の文字です。 |
マサラム゠ゴーンディー文字 |
Masaram Gondi |
11D00~11D5F |
インドのゴンド族が用いるゴーンディー語の文字です。ゴーンディー語はデーヴァナーガリー文字やテルグ文字で表記されていましたが、1928年にゴンド族のムンシ・マンガル・シン・マサラム(Munshi Mangal Singh Masaram)がこの文字を考案しました。 |
メイテイ文字 |
Meetei Mayek |
ABC0~ABFF |
主にインドのマニプール州で用いられるメイテイ語(マニプリ語、マニプリー語、マニプール語、マニプル語)の文字です。マニプリ文字(マニプリー文字、マニプル文字、メイテイ文字)とも呼ばれます。 |
メイテイ文字拡張 |
Meetei Mayek Extensions |
AAE0~AAFF |
モーディー文字 |
Modi |
11600~1165F |
13~20世紀に西インドのマラーティー語の速記用文字として用いられた文字です。ヤーダヴァ朝の初代宰相ヘーマードリパント(Hemādri Pandit)が開発したという説が有力です。 |
ムロ文字 |
Mro |
16A40~16A6F |
1980年代にMenlay Murang(またはManley Mro)が考案したバングラデシュのムル語の文字です。 |
ムルターニー文字 |
Multani |
11280~112AF |
インド語派に属するサライキ語で用いられた文字で、インドのパンジャーブ語で用いられていたランダー文字の一種です。このブロックは、ムルターニー文字とランダー文字を統合する形で制定されました。 |
ナーグ・ムンダーリー文字 |
Nag Mundari |
1E4D0~1E4FF |
主にインドのジャールカンド州、西ベンガル州、オリッサ州などで用いられるムンダ諸語に属するムンダーリー語(ムンダ語)の文字で、ムンダーリー・バニ(Mundari Bani)とも呼ばれます。20世紀後半に作家・詩人ロヒダース・シング・ナーグ(Rohidas Singh Nag)が考案した文字です。 |
ナンディナーガリー文字 |
Nandinagari |
119A0~119FF |
主にサンスクリット語に用いられた南インドのナーガリー系文字です。 |
ネワール文字 |
Newa |
11400~1147F |
カトマンズ盆地周辺に住むネワール族が用いるネワール語(ネパール・バサ語)の文字です。ネパール・バッサ文字とも呼ばれます。 |
オル゠チキ文字 |
Ol Chiki |
1C50~1C7F |
主にインドのジャールカンド州、ビハール州、西ベンガル州、オリッサ州などで用いられるサンタル語の文字です。1925年にサンタル人であるラグナート・ムルム(Raghunath Murmu)考案しました。サンタル文字とも呼ばれます。 |
オリヤー文字 |
Oriya |
0B00~0B7F |
主にインドのオリッサ州で用いられるオリヤー語の文字です。 |
サウラーシュトラ文字 |
Saurashtra |
A880~A8DF |
インドのグジャラート州、タミル・ナードゥ州で用いられるサウラーシュトラ語の文字です。20世紀頃に考案されました。 |
シャーラダー文字 |
Sharada |
11180~111DF |
インドのカシュミール地方で用いられたカシュミール語の文字で、8世紀頃に考案されました。シャラダ文字とも呼びます。 |
悉曇文字 |
Siddham |
11580~115FF |
古代インドから中国を経て日本に伝えられたサンスクリット語(梵語)を表すための文字で、梵字とも呼ばれます。北インドで6~10世紀に用いられていたシッダマートリカー文字の変種で、悉曇はシッダム(siddhaṃ)の漢字音写です。 |
シンハラ文字 |
Sinhala |
0D80~0DFF |
主にスリランカで用いられるシンハラ語の文字です。シンハラ旧数字は、シンハラ文字の数字として用いられていた数字です。 |
シンハラ旧数字 |
Sinhala Archaic Numbers |
111E0~111FF |
ソラングソンペング文字 |
Sora Sompeng |
110D0~110FF |
インドのソラ語(ソーラー語)の文字です。非キリスト教徒ソーラー人の指導者を義父に持つマンゲイ・ゴマンゴ(Mangei Gomango)が1936年に考案したといわれています。ソラ・ソンペン文字とも呼ばれます。 |
シロティナーガリー文字 |
Syloti Nagri |
A800~A82F |
バングラデシュで用いられたシロティ語の文字です。14世紀頃に聖シャー・ジャラル(Saint Shah Jalal)が考案したといわれています。 |
タークリー文字 |
Takri |
11680~116CF |
インドのドーグリー語、キシュトワーリー語、シルモウリー語、チャメアーリー語で用いられた文字です。タクリ文字とも呼ばれます。 |
タミル文字 |
Tamil |
0B80~0BFF |
主にインドのタミル・ナードゥ州、スリランカ、マレーシア、インドネシア、シンガポールなどで用いられるタミル語の文字です。 |
タミル文字補助 |
Tamil Supplement |
11FC0~11FFF |
テルグ文字 |
Telugu |
0C00~0C7F |
主にインドのアーンドラ・プラデーシュ州で用いられるテルグ語の文字です。 |
ターナ文字 |
Thaana |
0780~07BF |
モルディブで用いられるディヴェヒ語の文字です。右から左に書きます。 |
ティルフティー文字 |
Tirhuta |
11480~114DF |
インドのビハール州などで用いられるマイティリー語の文字で、この文字が主に用いられるティルフトという地方名に由来します。ティルフータ文字、マイティリー文字とも呼ばれます。 |
トト文字 |
Toto |
1E290~1E2BF |
インドの西ベンガル州のトトパラ村に住むトト族が用いるトト語の文字です。コミュニティの長老ダニラム・トト(Dhaniram Toto)が考案し、2015年に発表しました。 |
ヴェーダ用拡張 |
Vedic Extensions |
1CD0~1CFF |
インドの古代宗教文書であるヴェーダ用の記号です。 |
ワンチョ文字 |
Wancho |
1E2C0~1E2FF |
インドの北東部などに住むワンチョー族が用いるワンチョー語の文字です。教員であるBanwang Losuが2001~2012年に考案しました。 |
ワラング゠クシティ文字 |
Warang Citi |
118A0~118FF |
主にインドで用いられるムンダ諸語に属するホー語の文字です。1950年半ばにビハール州生まれのラコ・ボドラ(Lako Bodra)が考案しました。 |